549物語   作:チイチイノファン

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ロロイ闇に堕つ

船長は自分は助かり他の客は見殺しにした。

 

おかげで沢山の人が命を落とした。

 

レイは助かったのか否かはわからない。

おそらく…。

 

しかしマスターは目の前にいる少女を助けただけでも良しと考える事にした。

 

ロロイも無事だったしな。

 

しかしロロイは以前より愛想が無くなったように感じた。

 

「ロロイどうした?」

「ちょっと気分が優れなくてね…」

とロロイは誤魔化す事が多くなった。

 

ーーーそして喫茶店。

 

マスターはロロイが相手してくれなくなった事に落ち込む。

 

「何か悪い事したのかな?」

「マスターは何も悪くないわ」

 

マスターが落ち込む中ラナンが慰める。

 

「ロロイもし会ったらぶん殴ってやるわ!」

ロザリーが息巻く。

「スーも!ロロイお兄ちゃん大人げなさ過ぎるよ!」

スフレも同じだ。状況がわかっているかはともかく。

 

「スーピィのせいだ…」

そんな中スーピィがこうボソリと溢した。

 

そんな時そんな時スーが自身よりも小さいスーピィの手をぎゅっと握る。

 

「スーピィちゃんは何も悪くない。悪くないよ!」

懸命にこう励ましながら。

 

「スフレ妹が出来たみたいでお姉さんになりきってるわね」

「あらあら微笑ましいですわね♪」

とロザリーにプルメリア。

 

スフレは最年少だが更に歳下のスーピィに対して優しいお姉さんに努めていた。

 

その張り切り様《よう》ときたら、初めて歳と共に後輩のノーナと言う隊員を引き入れた時のシュカシュカのようだ(ノーストより)

 

それよりもそれよりもロロイの事だ。

 

スーピィを喫茶店に置くようになってからと言うもの、ロロイの様子がおかしくなった。

 

あとあと、スーピィと対峙してマスターも胸焼けに似た感覚を覚えていた。

 

前世でやはり何か因果があるのだろう。

 

そしてスーピィがこう言った。

「スーピィが前世で何か悪い事やってたから…」と。

 

「馬鹿馬鹿しい。前世とかあるわけないじゃないの」

銀色の長い髪をかきあげながらロザリーは言い放った。

 

(ところがあるんだな…)

とマスターは心の中で思う。

 

「スーピィちゃん…」マスターはスーピィに声をかける。

「例えスーピィちゃんが前世で何か悪い事してたとしても現世とは関係の無いことだよ。だからだから、気にしないでね」と。

 

「うん…」

スーピィは涙ぐみ頷いた。

 

その時のロロイーーー

 

ロロイは自身の屋敷に戻る。

 

「ハァハァ…」

ロロイは息を荒げる。

 

そして自暴自棄になって自分の部屋を荒らしまわる。

 

ガシャンガシャン!

 

戸棚を次々とぶち撒ける。いつもの紳士的で礼儀正しいロロイでは無い。

 

「私はどうすれば良いのだ…」

ロロイは長い耳を塞いだ。

 

塞いでるとかえって聞こえた。

もう一人の自分の声が…。

 

先ず現れたのは兎の姿のロロイ。兎がそのまま紳士服を纏った姿だった。

 

『其方は探し求めていたはずだ?真の敵を』

兎ロロイがロロイに語りかけてきた。

 

そしてロロイの前世、ロイまで姿を現す。

『真の敵は女の子に生まれ変わり、しかも前世の記憶もない。だからと言ってマスター(マァム)の行為を称賛するのですかな?』

 

『本当にそれでよろしいのですかな?』

『『其方は何一つ復讐を成し遂げていないのですぞ』』

 

「うるさあああぁい!!」

ロロイは雄叫びをあげながら自身の兎姿と前世の自分の幻影を振り払った。

 

バシン!

人の感触を覚えるロロイ。

 

それはスーピィだった。

 

「!!!」

目の前に現れた少女にただ固まってしまうロロイ。

 

「やっぱりスーピィ…悪い子だったんだ…」

「ちが…っ」

ロロイが否定しようとするとスーピィは泣きながら走り去ってしまった。

 

(どうすれば良い…私は…)

ロロイはひたすら迷った。

 

そして考え抜いた結果ある結論に至った。

 

(もういっそスーピィを攫ってしまおう)

ロロイの片方の目が眩く光った。

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