マスター達は血眼になってスーピィを探していたが彼女が姿を現すことは無かった。
「うえええんうええぇん!!」
スフレが身をうずくまり泣き出す。
それをラナンが励ましていた。
「大丈夫よ必ずスーピィは助かるだから泣かないで」
探し疲れて戻ってきたカトレアだったがラナンがスフレを励ましているその光景にギョッとする。
(ラナンさんっ!私が目を離している隙にっっ!!)
そしてそしてラナンがカトレアに反応する。
「カトレア、スーピィはいた?」
「い、いませんでしたわ…」
何事も無いかのようにラナンがそう聞くとカトレアは胸の内をしまい取り繕った。
「駄目だ見つからない…」
「本当にどこ言ったのよスーピィと言いロロイと言いっ!」
ロザリーはヤケになって空き缶を蹴り飛ばす。
「ヤケになっても始まりませんわ。懸命に手分けをして探しましょう」
普段は呑気なプルメリアだがこの時ばかりは真剣な眼差しでマスター達を叱咤していた。
こくりと頷くマスター達。
マスターはふと思った事を乙女達に伝える。
「ひょっとしてロロイがスーピィを攫っていったのではないかと思うんだ…」
「心当たりはあるの!?何処に!??」
「ちょっと待って頭の整理してるからっ!」
ロザリーが乱暴にマスターを揺する。マスターは冷静に考えてみた。
数週間前、マスターはロロイにある場所へ連れ出される。
そこはドームの跡らしい廃墟だった。
「どこだここは?」
「エンドレス大監獄です」
ロロイは目を細めた。
「ここは前世の其方と私が処刑された場所です」
ただっ広く天井が剥ぎ取られ断片のみ残された場所。
血の跡がこびりついていた。
「うぐっ!」マスターは吐きそうな気分になった。
「おわかりいただけたかな?其方の前世…」
「そうだ…僕は前世は女だった。ロロイ…いやロイと逃避行を続けていたが僕らは捕まりここで…」
「そう、処されたのです。残忍な方法でね…」
ーーー
「「エンドレス大監獄!?」」
乙女達の声がハモる。
「そう、そこで僕は前世を知ったんだ」
とマスター。
「前世とかふざけた事言わないでよね?前世じゃないわ。小さい頃の記憶の断片がそうさせているのよ」
とあくまで前世を信じないロザリー。
「私は信じますわ…だってマスター、嘘をついているように見えないもの…」
プルメリアが真剣な表情で呟く。
「僕の勘が外れていなければロロイはおそらく…」マスターは言う。
息を呑む乙女達。
「行きましょうマスターさん。僕もスーピィの兄、信じますよ貴方の話!」
レイが意を決する。
「ふん勝手にしなさい!」
ロザリー突っぱねる。
「さあ行こう!救いの鍵よ今ここへ!」
マスターが手を突きかざすと鍵が金色に輝きマスターの目元に現れた。
それを手に取りマスターは空気に鍵を差し込む。
それを回すとそこに異次元の歪みと呼ばれるトンネルが現れた。
「マスターさん救いの鍵だったのですね!この目で見るのは初めてです!」
レイが感動する。
「そこまで大したものじゃないよ。僕は正直今も真実味を覚えていない」
「まあそうよね。私もアンタが救いの鍵の少年って事未だ信じられないし」
「ほらロザリーもそう言ってる…」
マスターは涙を滝のように流しながら呟く。
乙女達は同意したのか苦笑いしていた。