ーーーとある国、とある時代…。
おさげの少女と若い紳士が愛し合っていた。
しかし身分の違いで無理矢理引き離される事になる。
「マァム!!」
ロイはマァムを連れ出す。
マァムは平民の少女、ロイは貴族の少年。
二人は人目のつかない崖に上がる。
「ここなら誰にも見つからないだろう。これから一緒に過ごそう」
「うんロイ、愛している…」
ロイとマァムは口付けをする。
そんな時そんな時、兵士達に囲まれる。
「くそっ密告か!」
「ロイ…!」
マァムがロイにしがみつきロイは剣を抜く。
「貴族と平民がご結婚してはなりませぬ」
「王の命令です!」
「こんなの間違っている!!」
ロイが怒鳴る。
そして家来をも斬りつけロイはマァムと逃避行をする。
追われる身となる二人。
「我らはこれからも一緒ですぞ…」
「覚悟は出来ている…生まれ変わっても一緒になろうね…」
そしてロイとマァムは来世を誓い合いこの世を去った。
ーーー
「夢か…」
マスターは目覚めた。
そして朝の支度をする。今日も喫茶店を開く。
やがて5人の乙女達がやって来る。
「マスターおはよう!」
「やあみんな、今日も頑張ろう!」
そしてマスター達は仕事に励んだ。
「キャァ!」
スフレが食器を運んで行っていたがバランスを崩し食器もろとも転《こ》けてしまう。
「スー何やってるのよ!」
「転けるスー様も可愛い♪」
それをロザリーが毒づきカトレアが惚気《のろけ》た。
「お待ちどうさま、活力の果実ケーキですわ♪」
プルメリアが愛想良く客に注文の品を置いて行く。
「プルメリアさん綺麗だなー」
「このお店に来てよかった♪」
ニマニマする男性客。
「こらぁラナン貴女は料理しちゃ駄目って言ってるでしょ!」
「だってだって、誰も手をつけてなかったんだもん!」
ラナンの作った料理が虹色に、毒々しい色を放っていた。
「貴女は接客してなさい!」
「あぁん!」
ロザリーが代わりラナンは接客に回された。
「今日もみんな頑張ってるね!」
マスターは彼女らの様子を微笑ましく見守っていた。
「さてと僕は力仕事でもしようかな」
マスターは作業用のエプロンを装着し残飯の処理をしていた。
そしてゴミ捨て場に袋に詰めた残飯(後はラナの作った手製のお料理)を持ち運ぶマスター。
「ふうふう重いな「手伝いましょうか?」
そこでマスターの目前に紳士が現れた。
「ロロイかよ」
一瞬誰かと思い振り向くとロロイだったので思わず声が漏れた。
「ホロロ♪驚きましたかな?私もよくここを通るのですよ」
「物好きだなお前も」
と会話する二人。
「それより重くありませんかな?私めもお手伝いいたしましょう」
「いやそんなお洒落な格好してたらとても手伝わせられないよ」
マスターが断る。
ロロイは貴族が着るらしい服を今も着ているからだ。
「ホロ♪バトルの時もタキシード姿で戦ってたのをお忘れですかな?」
「そう言えば……でもロロイ、貴族服で戦ったりしてて大丈夫なのかよ?」
「ご心配なく、服は沢山用意してありますので♪」
と言いロロイもマスターが断る中率先して手伝う。
「君には悪いな」
「いえいえ私達は恋人同士では無いですか」
マスターとロロイは重いゴミ袋を運びながら仲睦まじく語らった。
マスターとロロイは仕事を終えて共に湯船に浸かる。
「良い湯加減ですな」
「ラナン君が炎の魔力で沸かしてくれたから程良い熱さだよね」
とほのぼのする。
「ところで僕最近変な夢をよく見るんだ」
「ホロォ、どんな夢ですかな?」
ふとよく見る夢の事が気になりマスターがロロイに話す。
「僕は夢の中では女の子になっててちょうど君のような、上品な紳士と恋人同士で追われる身になってる夢なんだ」
と切なげに語るマスター。
「ホロォ、私もその夢をよく見ますぞ」
「ロロイ、君もか」
ロロイもそう静かに答えるとマスターは僅かに目を見開いた。
「ひょっとしたらマスターと私は何か赤い糸で結ばれているのかも知れませぬな」
「そうかもな」
そしてマスターとロロイは肌を重ね合う。
「マスター、愛してんぜ」
「ロロイ、僕も君を愛してんぜ」
マスターとロロイは肌を重ねるのみでなく刺激を求めあった。
「ハァハァ…良いわマスターとロロイさんのBL…」
こっそり覗いていたラナは自分を慰めて興じた。