549物語   作:チイチイノファン

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真少女マァム

ーーー

乙女達の憶測通りマスターは屋敷に幽閉されていた。

 

そんなマスターは自分の涙で出来た池をふと見るが、そこに自分の姿が映るはずが謎の少女が映っていて、しかもマスターに話しかけてきているのだ。

 

なんとも不思議な現象だがマスターは訝しげにしつつも涙に映る『少女』と対面する。

 

「君は…僕?」

『そう、君はわかってるはずだよ。しきたりや偏見に惑わされてはいけないって…』

 

涙の池に少女、マァムが映っている。

マァムはマスターの前世の少女の名前だ。

 

『僕も当時は平民で、相手は貴族だった。今でこそ平等だけど当時は偏見が物凄かった。僕は相手、ロイと駆け落ちしてでも繋がろうと必死だったんだ、でも…』

 

そこでマァムが哀しげな表情をする。

 

「追っ手からは逃げられなかった…?」

『そう、だから逃避行して、一緒に心中したのさ…』

 

とマァムは声を落とす。

 

「悲しいね…」

『そう、だからだから、今は同性同士でも君はあの人を愛しているんだろ?今の僕…君には僕とロイみたいな悲劇に負けず幸せになって欲しいんだ』

 

マスターは立ち上がった。

女の子になろう!っと。

 

「僕、女の子になるよ!」

『僕も協力するよ。僕のドレスをあげる』

 

マァムはマスターに自分の服を着せてあげた。

 

『とてもよく似合ってるよ!』

「そう…かな?」

とは言うものの着てみると恥ずかしくなってしまうマスター。

 

マァムは逆に感激していた。

 

『まさに前世の僕だよ!大丈夫、君はきっとロロイと幸せになれる!』

「うん、ありがとうマァム!」

そしてマスターはアンの元に走る。

 

マスターは女装をし魔女アンの元へ駆けた。

 

「お母様!僕は女の子になったよ!これで許してくれるんだろ!??」

 

突如現れたマスターの前に魔女アンは卒倒しそうになる。

 

そして身を震わせながら放つ。

 

「わ、私はお前をこんな風に育てた覚えはありませんっ!!!」

 

魔女アンの怒りの魔力がマスターを襲う。

 

「ぐはぁっ!!!」

マスターは血反吐を吐き崩れた。

 

アンは地面に崩れたマスターを睨みつけ写真を見せつける。

 

それは5枚あって美女がそこに映っていた。

 

「マスター、お前には5人の選りすぐりの女性をいずれか選んでいただきます!」

 

「そんなの聞いてないよ!勝手に僕の相手を探すな!!!」

 

「子供に講釈垂らされる覚えはありません!!!とにかくとにかく、女装も同性愛も決して私は許しませんっ!!!」

 

魔女アンは怒りと息子への幻滅で我を忘れていた。

 

「さあ召使い達!その息子の着ているドレスを剥いでおしまいなさい!!!」

「アイコピー(了解!)」

魔女アンは召使いの執事達に命令しマスターの着ているドレスを力づくで剥いだ。

 

「やめろやめろおおおぉ!!!」

マスターの絶叫が屋敷から虚しく轟いた。

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