ポケモン最強トレーナー・サトシ、バレンタインで好感度が限界突破している件 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
オレはマサラタウンのサトシ。
15歳。
5年前にポケモンワールドチャンピオンシップスの頂点に立った世界最強のトレーナーだ。
それでも、オレにはまだ、誰も到達していない「真のポケモンマスター」になるという究極の目標が残っている。
このブルーベリー学園で、それに繋がる何かを見つけるはずだ。
「おい、サトシ! また夢見てるのか?」
隣のベッドから飛んできたのは、タケシのうるさい声だ。
カントー地方からの旅仲間で、年上らしく面倒見がいい……はずなんだけど、こういう時だけは妙に元気すぎる。
ポケモンドクターを目指すタケシは、相変わらず女性教師のチェックに余念がない。
同室のゴウは、既に自分の目標である「最強のポケモンを捕まえる」ための論文を読み込んでいる。
オレたちは、学園の「レジェンド・リスタート奨学生枠」でここにいる。
入学式後、特進クラスの教室は、オレの旅の記憶が無理やり詰め込まれたような光景だった。
担任のジャック先生の説明を聞きながら、オレは周りの熱意を感じていた。
カスミ。
長年の旅仲間で、カントー地方、ハナダジムのジムリーダー。
彼女の視線は、オレとの再戦を望む熱いライバル心に満ちている。
(最高のジムリーダーとして、オレに期待してくれているんだな)
セレナ。
オレの幼馴染で、カロス地方の旅仲間。
彼女の視線は、他の誰とも違う熱を帯びている。
(カロスでの最高の仲間として、オレとの再会を心から喜んでくれている。もっと凄いポケモンバトルを見せてやらないとな)
ヒカリ。
シンオウ地方の旅仲間で、コンテストアイドル。
(ヒカリは、タッグバトルの連携をまたやりたいんだろう。ヒカリたちとの絆は、全てポケモンへの情熱を通じて結ばれている。それで十分だ)
教室の隅には、アローラ地方の仲間、リーリエと、兄グラジオ。
グラジオは妹に近づく全てのものに警戒心を露わにし、オレを射抜くような鋭い視線を送ってきた。
(まるで「元チャンピオン」として、オレの妹への態度を試しているようだ)
アラン。
カロスで死闘を繰り広げた、最強のメガシンカ使いだ。
(アランは、オレとの最高のバトルをまたするために、学園に来たんだ。ワクワクするぜ!)
ジャック先生は、バトルはあくまで「コミュニケーション手段」だと話す。
そう考えていると、セレナがオレの席に寄ってきた。
「サトシ! また一緒に学園生活を送れるなんて、夢みたい!」
そこに、背後から無言でカスミが立ち上がり、セレナの肩に手を置いた。
「あら、セレナ。夢なんて見てないで、現実を見なさい。サトシと一番長くいるのは、この私よ」
「えっ? それって、バトルじゃなくて、そういう話……?」
ヒカリが目を輝かせながら口を挟んだ。
シゲルは最前列の席で、先生の説明を真剣に聞き、オレたちの騒ぎには目もくれない。
オレのマサラタウンからの幼馴染で、昔から何かと競い合ってきたライバルだ。
勉強も理論も得意で、こういう場では一切ブレない。
(シゲルは、この学園のカリキュラムを、学術的に分析しているんだ。オレのライバルは、バトルだけじゃないってことか!)
ゴウは、論文から一度だけオレを見て、力強く頷いて見せた。
全てのポケモンを知り、ゲットすることを夢見る研究肌のトレーナーで、今はブルーベリー学園で最先端の研究にも関わっている。
(ゴウは、目標に向かってまっすぐな最高のライバルだ!)
オレの世界は、5年前に一つ「完成」したはずなのに。
オレの周りに集結したこの熱意は、全て俺へのバトルやタッグを求める情熱に満ちている。
オレの高校生活、始まる前から新しい仲間との連携が始まっている。ワクワクするぜ!