ポケモン最強トレーナー・サトシ、バレンタインで好感度が限界突破している件   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

12 / 53
告白イベント前夜〜ライバルたちの直接対決、恋と友情の境界線

バレンタインデーが近づき、学園内には不思議な緊張感が漂い始めていた。

女子たちがやけにソワソワしているのは、オレにもさすがにわかった。

 

オレはトレーナー室で、バトルビデオを見直していた。

すると、入口で激しい口論が始まった。

 

「ちょっとカスミ! サトシの隣は私が先に確保したのよ!」

 

「フン、セレナ。あんたが勝手にそう思ってるだけでしょう! ジムリーダーとして、サトシの集中力を乱すヤツは許さないわよ!」

 

カスミとセレナが、オレの隣の席を巡って睨み合っている。

オレが「二人とも、バトルに集中してるから大丈夫だよ!」と言うと、二人は同時に「そうじゃない!」と声を上げた。

 

セレナは悲しそうな目でオレを見つめた。

「サトシは本当に、こういうところ……鈍いよね」

 

(二人は、オレのポケモンバトルの反省点を、近くで確認したいんだ。旅を共にした最高のトレーナー仲間だ!)

 

その時、ヒカリが勢いよくトレーナー室に入ってきた。ヒカリは、大きな箱を抱えていた。

 

「ちょっと! サトシの邪魔しないでよ、二人とも! 私はサトシと、今度の休み、ポフィン作りの合同特訓をしたいんだから!」

ヒカリは、バトル中に体力を回復させるための「戦略的な栄養学なんだから!」と箱の中身を隠すように言った。

 

(ヒカリがポフィン作りでオレの健康を心配してくれている。本当に心強い!)

 

オレがバトルビデオの続きを見ようとすると、アイリスが部屋の隅で、黒い紙に何か熱心に書き込んでいるのが見えた。

「うるさいわね、サトシ! あんたの子どもな部分を治すための『ドラゴン直伝の心構え』をまとめてるの!」

 

(アイリスは、オレのトレーナーとしての成長のために、熱血指導の準備をしているんだな。)

 

オレが寮に戻ろうと廊下を歩いていると、リーリエが真っ白いクロスを抱えて、廊下の窓を丁寧に拭いているのが見えた。

「サトシ。もうすぐバレンタインですよね。私は、感謝を伝えるために、寮をいつもより綺麗にしようと思って……」

 

(リーリエは、感謝の気持ちを伝えるために、清掃という形で貢献しようとしているんだ。なんて優しいんだ。)

 

その様子を、グラジオは遠くから静かに見ていた。

「リーリエ、お前は絶対に変なことに巻き込まれるなよ」

 

オレには、グラジオの「妹を守る」という熱い決意が、痛いほど伝わってきた。

 

その日の夜、オレが寮の自室でピカチュウとストレッチをしていると、ゴウが入ってきた。

ゴウは何か小さな箱を握りしめていた。

 

「サトシ、タケシ。ちょっといいか」

ゴウは真剣な顔をしていた。

 

「コハルのことなんだけど……オレは、気づいたんだ。コハルの存在こそが、オレの『夢』だって」

ゴウは、ポケモン研究への熱意を語るように、早口で話し始めた。

 

「オレは、オレの図鑑を完成させるために、コハルが隣にいてくれることが、何よりも重要なんだ!」

 

「そうか、ゴウ。コハルは最高の研究パートナーだからな!」

オレはゴウの熱い友情に感動した。

 

翌日、夕食時。オレは食堂の隅で、顔を真っ赤にして泣いているコハルと、彼女を優しく抱きしめるゴウの姿を見た。

 

コハルはゴウに何かを伝え、そしてゴウの胸に顔をうずめていた。

ゴウは感極まった様子で、コハルの頭を撫でていた。

 

タケシは目頭を押さえながら、「あの熱意、オレもジャック先生に伝えるぞ!」と叫んでいた。

ケンジがすかさずタケシを止めていた。

 

バレンタインデー前夜。

オレの周りでは、友情とライバル心が入り混じった、複雑な感情が渦巻いていたが、オレの心は晴れやかだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。