ポケモン最強トレーナー・サトシ、バレンタインで好感度が限界突破している件   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

7 / 53
修学旅行(パルデア)〜夜の告白未遂と、重すぎる絆

文化祭が終わり、オレたち特進クラスは、パルデア地方への修学旅行に出かけた。

目的は、テラスタルの聖地を巡る学術探訪らしい。

 

ブリアー先生も引率に加わり、タケシは「先生と二人きりの時間が!」

と目を輝かせたが、すぐにジャック先生に「タケシ君は荷物番ね」と釘を刺されていた。

 

夜、みんなが寝静まった頃、オレはピカチュウと二人で夜の散歩に出ていた。

静かで美しいパルデアの星空を見上げていると、オレの頭の中は、究極のポケモンマスターになることと、シンジにどう勝つかでいっぱいだ。

 

その時、背後から声がした。

 

「サトシ……やっぱり、ここにいたんだね」

セレナだった。

 

セレナは、オレの隣にそっと寄り添った。

「うん、なんだか寝付けなくて。……サトシと二人で、こうして夜空を見るのは、久しぶりだなって」

 

吐息が近くて、オレは少しドキッとしたが、すぐに「仲間との友情の証だ」と頭の中で解釈した。

 

セレナは、静かに話し始めた。

「ねえ、サトシ。カロスで、私、サトシに伝えられなかったことがあってね……」

 

(伝えられなかったこと? パフォーマーとしての新しい目標か、それとも次の旅の話?)

 

セレナは目を閉じて、意を決したように言った。

「あのね、サトシ。私、サトシのことが——」

 

その瞬間、遠くの茂みから珍しいポケモンの鳴き声が聞こえた。

 

「おっ! 今のは! セレナ! そういえばさ、あそこの木、珍しいポケモンがいた気がするぞ! 見てみよう!」

オレは興奮し、無意識に話題を逸らした。

 

オレは、ただポケモンへの純粋な好奇心に従い、セレナの手を引っ張って走り出した。

セレナは何も言えなかった。

 

翌日。

 

カスミがオレに話しかけてきた。

「サトシ、あんた、夜中にセレナと二人で抜け出したでしょう。全部知ってるわよ」

 

「別に、散歩しただけだ。珍しいポケモンがいたんだ」

 

「フン。あんたのそういう鈍いところが腹立つのよ! いい? あんたが誰とどこへ行こうと、私とあんたの絆は、誰にも負けないんだからね!」

 

(カスミは、オレの最高のバトルのパートナーの座を、他の誰にも譲りたくないんだな。さすがジムリーダー、熱い!)

 

そんな中、オレたちの仲間にも進展があった。

 

オレが湖畔でポケモンを探していると、ゴウがコハルと一緒にいるのを見かけた。

ゴウはいつもポケモン図鑑の完成に夢中だが、この修学旅行の間、コハルに対してはなぜか落ち着きがない。

 

コハルも、いつもよりゴウに優しく接している。

(ゴウとコハルは、研究者としての目標に向かって、協力し合っているんだ)

 

さらに、遺跡の探訪中、少し離れた場所でアランが動揺している姿を見た。

 

「マノン! 危ないだろ!」

アランは、かつての旅仲間、マノンが遺跡の崩れかけた壁に不用意に触れた瞬間、抱き寄せて守った。

 

彼らの間にある絆は、オレとヒロインたちの間に漂う曖昧な「友情」とは違い、明確な「守る」という形で結ばれていた。

 

(アランとマノンも、最高の仲間だな。オレも、ピカチュウをあんな風に守れるように、もっと強くならないと!)

 

オレは、自分と仲間の「絆」の形について考えることをすぐにやめた。

考えるべきは、究極のポケモンマスターへの道だけだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。