雅が本当の兄の様に慕っていた分家の兄が、雅の母親を介錯した話。   作:ザワザワする人

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ずっと、一緒に

「ここは………」

 

目が覚めると、だだっ広い場所にいた。

 

けれど、そこには何も無い。

 

本当に何も無い。

 

ただ、真っ白の景色が伸びている。

 

(成功……したのだろうか)

 

それとも、ここは冥界だろうか。

 

わけも分からず、歩き出そうとすると、後ろから声をかけられた。

 

【よっ!!や〜っと来たか!】

 

【流雅さん、遅かったですね】

 

子供が絵に書いたような、満月と星がぷかぷか浮いていた。

 

「………………?????」

 

【お〜い!何ボケーってしてんだよ!】

 

口の悪い星が、話しかけてくる。

 

「いや、あの、えと、ここは冥界………ですか?」

 

私が聞くと、満月と星は後ろ?を向いて喋りだした。

 

【何言ってんだ、こいつ?】

 

【星彩、私達のことを説明しないと】

 

【お前やる?】

 

【星彩じゃまともに出来ないでしょ】

 

「あ、あの〜〜……」

 

【流雅さん、ようこそ私達の封印領域に】

 

「ふ、封印領域?」

 

【ええ、ここは私達が】

 

【閉じ込められてる場所って事だ!】

 

「えと、じゃあ貴方達は……」

 

【おいおい、月影、こいつマジかよ!俺らが何年こいつを手伝ってやったと!】

 

【仕方ないでしょ。流雅さん、私達はあなたが持っている刀達ですよ】

 

「……………………」

 

【俺が星彩!】

 

【私が月影です】

 

私はどうやら夢物語の世界に入ってしまったらしい。

 

(でも状況を飲み込むしかない……理解は全く出来てないけど、納得するしかない………)

 

「じゃあ、なんで私はここに?」

 

【お前が俺ら解放しようとしたんだろうが!】

 

「…………私はここで何かしなければいけないんですか?」

 

【いいえ、私達はあなたに説明の為に呼んだんです】

 

【俺達と、無尾の話だ】

 

【私達が作られる前の話です】

 

月と星は緩やかに私の周りを回り出した。

 

【元々、私達は同じ玉鋼から生まれたのです】

 

【俺らはホロウの中で生まれてな】

 

【んで、俺らを拾ったのが星見家初代当主って訳】

 

【俺らが引っ張りあえるのも、玉鋼に染み込んでたエーテルのおかげだな】

 

「………………」

 

唐突に語り出した月影と星彩の話は妙に聞き入らせる魅力があった。

 

【当時はまだ、私達がエーテルの侵蝕を受けていると明確に判断できる技術がありませんでした】

 

【だから、とりあえず初代は俺らを三つに分けて作った。なかなかに大きい玉鋼だったからな】

 

【初代は私達が侵蝕を受けていないと思っていました】

 

【そこで、まぁお察しの通り無尾が生まれちまったって訳】

 

【当主は、暴れ狂った無尾を抑える為に私達にある仕組みを仕掛けました】

 

【無尾が()()()()()()やばくなった時にだけ、俺たちが覚醒するようにってな】

 

「なるほど……でも、この情報なら私は知らなくても良かったんじゃないですか?」

 

【馬鹿め、問題はこっから】

 

【私達は確かに無尾の暴走を抑えられます。その原理は、無尾のエーテル波に合わせた波を当て、エーテルを中和するという方法です】

 

【俺らのエーテル波が、無尾と一緒になるってこと】

 

「………それの何が問題なんでしょう」

 

【………無尾の持ち手が死んだ時に、死のエーテル波ってのを無尾が放つ。無尾への供物ってやつだな。俺らが()()()()()()()()()抑えたお陰で、普通の人間はちょい体調悪くなる位で済む】

 

【しかし、私達は違います】

 

【無尾のエーテル波に協調してるせいでそのエーテル波を一身に受けちまう】

 

「雅が死んだら………私も死ぬと………」

 

【その通り。生半可な覚悟で俺らを覚醒させるもんじゃない】

 

【私達は、別に私達を覚醒させるのを強制させる気はありません。それほどに、重要な話です】

 

「質問が、あるんですけど……」

 

【どうされました?】

 

これは、聞かなければならない。

 

絶対に。

 

「私が死んだら、課長も死にますか?」

 

【…………………】

 

満月と星は黙りこくった。

 

もし死ぬとしたら、宗一郎様には悪いが覚醒させる気はない。

 

【はははははは!!!!】

 

星彩が飛びまわり始め、それを月影が宥める。

 

【……星彩、笑っちゃダメですよ】

 

【こいつ、イカれてんぞ!月影!】

 

【流雅さん、質問の回答ですが、死にません。私達の微弱なエーテル波では一時的な波で無尾に影響を与えられる程ではありません】

 

「そうですか、なら早くしましょう。時間も勿体ないので」

 

一切の憂慮はなくなった。

 

「どうやったらここから出られるんです?」

 

私がそう聞くと、月影と星彩は多分互いに目を合わせて頷くと私の前まで飛んできた。

 

【流雅さん、一つだけ条件があるんです】

 

【安心しろ。目が覚めて現実に行ったら、俺と月影は覚醒してるから】

 

「?」

 

【私達をじっと見てください】

 

言われるがままに、私は綺麗な満月と星を見る。

 

すると、だんだんと頭の中を眠気が支配していった。

 

(こんな所で……寝る訳には………)

 

【お休みなさい。どうかいい夢を】

 

月影がそう言うと、私の意識は遥か彼方に飛んでいった。

 

 

 

 

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【ほんとに寝たな、こいつ】

 

私達の前で、流雅はすやすやと寝息を立てている。

 

【………っていうか、こいつの母親はどこまで分かってたんだろうな】

 

【母上様の先見の明、まさに星見家の本家にふさわしいお方でした】

 

【俺はあん時、お前にどっか行かされたからあんま知らないんだけど、こいつの母親は何したんだ?】

 

【お母様は、流雅さんと雅さんのことをずっと考えておられました。彼らの未来を、彼女は深く思案しておられました】

 

【親バカってやつだな】

 

【愛と言うんですよ】

 

私達の間に沈黙が流れる。

 

それはこれから先の話をどちらもしたくはなかったからだろう。

 

【……こんな事言いたかないけどよ。今の無尾の所有者に勝てると思うか?俺らの主はよ】

 

【今のままでは不可能でしょう。流雅さんの力は明らかになにかに縛られています。それが過去への後悔なのか、はたまた未来への不安なのかは、私達の知るところではありませんが】

 

【それを変えるために、お母様は策を用意なさったのです】

 

【………俺ら死ぬかもな】

 

私達の死はつまるところ、その破損に当たります。

 

ですが、それは普通の刀の場合。

 

私達の場合は、無尾という厄災に呑まれても私達の自我は消え去り、死亡します。

 

【信じるしかないでしょう。私達の主を】

 

【………お前、結構こいつの事好きだよな】

 

【彼の手入れの度にはしゃいでいた貴方がそれを言いますか】

 

【お前だってニコニコしてたじゃねぇか!】

 

【あなたほどではありません】

 

【ったく……ま、俺らにできるのは待つことだけだしな。気長に待つか】

 

 

 

 

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風が、髪をほぐすように揺らしていた。

 

桜のほのかな匂いを運び、鼻腔を満たしていく。

 

耳に聞こえてくるのは、小鳥のさえずりと小さな少女の笑い声。

 

黒髪のピンッと立った耳が特徴の少女が、蝶々を追いかけていた。

 

(……………………は?)

 

私の視覚は確かにそれを捉えている。

 

私の脳は確かにその情報を認識している。

 

微かに残った理性がそれら全てを否定していた。

 

(………全く、今日は本当に色々なことが起きますね………)

 

「………?」

 

(……!?)

 

「気のせい?」

 

幼い雅と目が合ったように感じたが、そのまままた遊び始めた。

 

(ふぅ……恐らく、私の実体はないのでしょうね。

記憶体……といった所でしょうか)

 

私がそう思い、周りの景色を見る。

 

(………懐かしいですね)

 

私達が、三人で過ごした思い出の地がそこには広がっていた。

 

雅と背を競い合ったあの柱も。

 

三人で囲んだあの食卓も。

 

そして、いっぱい遊んだこの庭も。

 

全てがあの時の物だった。

 

周りを見回すと、長身の狐のシリオンの女性が目に入る。

 

庭の縁側に座り、にこやかな笑顔で雅のことを見ている。

 

雅によく似ている彼女が誰なのか、言うまでもないだろう。

 

「………来てしまいましたか……」

 

彼女は、そう独白すると確実に私の方を見た。

 

彼女は、立ち上がり一歩ずつこちらに歩を進めてくる。

 

(いやいやいや、まさかそんなことが……)

 

「少し、二人で話しましょうか?」

 

彼女は彼女が名付けた私の名を告げる。

 

「流雅?」

 

その二文字を呼ぶ声は、涙が頬を濡らすのに充分だった。

 

 

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私が泣き止むのを母上様は待っていた。

 

「雅には、従者をつけました。心配要りませんよ」

 

部屋の戸をパタリと閉めて、私の前に向き直る。

 

「久しぶり……なのでしょうね。流雅」

 

「………母上様、これは一体どういった事なのでしょうか?」

 

ホロウに呑み込まれたはずのこの家が、何故こんなにも普通にしているのか。

 

自分は過去に来てしまったのか。

 

何故、母上様は私を知覚しているのか。

 

疑問は尽きなかった。

 

「私は、ずっと、あなた達が幸せになるよう考えていました」

 

母上様は語り出す。

 

「私は雅に普通の女の子として育って欲しかった」

 

「武芸で、当主になっては欲しくなかった」

 

「そうしたら、いずれ無尾が雅を襲うから」

 

「私は、雅を必死に無尾から離させました」

 

「けれど……流雅、あなたが来たということは、雅は無尾を使っているのでしょう」

 

「分家出身のあなたを当主にすることは、分家が認めないでしょうから、私は将来、雅が無尾を握ると私は仮定しました」

 

「そこで、月影と星彩に私は願いったのです」

 

「どうか、あなた達に直接、流雅が会いに来た時、私に会わせて下さいと」

 

「彼らは、願いを叶えてくれたのですね。感謝してもしきれません」

 

(ちょっと待て……母上様の今の意識は、過去の意識なのか………。一体どれほど先を見据えれば……)

 

「流雅、あなたには……恐らく、とても辛い思いをさせたでしょう。本当にごめんなさい」

 

「………あ、謝らないでください。母上様」

 

「いいえ、謝ります。私があなたにしたのは大罪です」

 

「……そんな事ありませんよ。あの状況なら、仕方の無いことですし、大罪を犯したのは私の方です」

 

「………大人になったのですね…流雅」

 

母上様は、その美しい涙を拭く。

 

「……あなたが来る前に、あなたの状況を月影達が教えてくれました」

 

「………………」

 

「………流雅は、雅が嫌いですか?」

 

「…………」

 

「……何故あのような関係に?」

 

一体、母上様は私に何をして欲しいのだろうか。

 

「………何故そのようなことを?」

 

「いいから早く」

 

私は、一つ一つ過去の点と点を紡いでいく。

 

「明確な理由は、特になかったのかもしれません」

 

「私は母上様を介錯した後、逃げるように星見家から、そして雅から離れました」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「金銭を持たずに出て行った私に食べるものなど無く、路地裏で蹲っていた所を師匠に拾われ、雲嶽山に数年留まりました」

 

「友達だったり、姉弟子だったり、後輩だったりが出来て。普通の、皆んなが過ごしている日常でした」

 

「師匠の修行をあらかた終わらせた時、師匠とそして私と同じ弟子達に星見家に顔を出すよう言われたんです」

 

「覚悟したつもりでした。皆と離れることは寂しかったですけど、また雅と一緒に居れるのだと思いました」

 

「星見家に帰ってきた時、私は居間でまず宗一郎様に会いました」

 

「宗一郎様は、理由もなく去った私を快く受け入れました」

 

「宗一郎様は学校に行っていた雅に帰ってくるよう電話で促しました」

 

今でも、言葉に出すだけで鼓動が早くなる。

 

「数分経つと廊下から、サッサッと歩く音が聞こえてきました」

 

「雅は戸を開けて、私の方を見ました」

 

「………その瞬間、あの日の光景がフラッシュバックしました」

 

「ダメだ、と頭では分かっていました。こんな顔を見せては、雅をまた不安にさせてしまうと」

 

「数年ぶりに見た雅は………昔に比べて母上様に随分似ていました」

 

「宗一郎様は、雅に私のことを伝えていなかったようで、雅は酷く驚いた顔をしました」

 

「そして雅は………私を名で、流雅と…呼びました」

 

「それは雅の立場上、おかしくないことでないばかりか、普通のことです」

 

「けれど、どうしようもない感情が、胸の濁りが、私の中を巡りました」

 

「今思えば、あの時の雅の目には少しの恐怖が灯っていた気がします」

 

「その時の私は思考が上手く回っておらず、その後の話をよく覚えていません」

 

「その後、私は雅に忠誠を誓いました。母上様への恩返しのような感情、雅への罪悪感、分家とはいえ星見家の人間としての責任、様々な要因の結果でした」

 

「最も強かったのは、無論、雅への罪悪感でした」

 

「……いえ嘘をつきました。私の中に燻っていてのはずっと……ずっと、雅への罪悪感()()でした」

 

「理性的な理由はきっとそれだけです」

 

母上様は、私の告白をただ聞いていた。

 

まるで、全てを見通しているかのような目で私を見据えていた。

 

母上様は重い口を開けた。

 

「雅、入っていいですよ」

 

「はい、母上」

 

黒髪の狐耳の少女は、戸を開けて入ってきた。

 

(………従者と遊ばせていた筈では……)

 

「雅、あなたには見えないでしょうけれど、目の前には未来の兄上がいます」

 

雅は驚いた目でこちらを向く。

 

「ほ、ほんとうですか?母上」

 

「えぇ、本当ですよ」

 

(一体何を………)

 

私が不思議に思っていると、母上様は雅に促した。

 

「未来の兄上は、雅と喧嘩しているらしいのです。なにか助言をしてあげてください」

 

「喧嘩……ですか、母上様」

 

「大して、変わりありません」

 

私が異を唱えても、軽くあしらわれた。

 

「う〜〜〜〜ん………」

 

幼い雅は、とても悩んでいた様子だった。

 

けれど、絞り出すように考えを語った。

 

「私と兄上は喧嘩しないと思います!」

 

自信満々に雅は言った。

 

「ほう、ではなぜ未来の雅達は仲良くしていないのでしょうか?」

 

「兄上は照れっぽいので、私に話しかけれなくなってるのだと思います!私はそれを考えて話しかけてないのだと思います!」

 

「未来の雅は、流雅と仲良くしたいと思っているでしょうか?」

 

「絶対!仲良くしたいはずです!」

 

「それはなんででしょうか?」

 

一拍おいて、今までで一番元気な声で雅は言った。

 

 

 

「私は、兄上を()()()()()()大好きですから!!」

 

 

 

陽光のような、温かく、眩しい笑顔だった。

 

(「私は……ずっと………兄上を愛しているから」)

 

数時間前の、雅の声と重なる。

 

目の奥から何やら温かいものがこみ上がってくる。

 

(……なんで………なんで………)

 

「雅も、流雅に会いたかったのですよ」

 

「それでも、あなたに会うことには大きな勇気が必要だった筈です」

 

一滴の涙が溢れ出した。

 

「あなたが目を背けてはいけないものがなにかあなたはもう分かったはずです」

 

「あなたは他の人のことを考えすぎです」

 

「あなたは自分の事が嫌いなのでしょうね」

 

「けれど、自分のことなんていくらでも目を背けていいんです」

 

「自分の本当の姿は、自分にしか見えないのですから」

 

涙を、感情を止めていた()()が壊れてしまって、止まる気配が無い。

 

「あなたに自分を大切にしろと説くことは簡単ですが、あなたがそれを行うのは決して容易ではありませんし、あなたにとってそれは辛く、険しい道です」

 

「だからあなたは、あなたを信じてくれる人を大切にしなさい」

 

抑えようと思って目を拭っても、ボロボロと雫がこぼれ落ちる。

 

「あなたは、今どう思っていますか?」

 

母上はこちらに問いを投げかける。

 

それが、決して僕を苛めるものではないと心から分かる。

 

やめろ

 

僕の心の底にあった宝石でもない、クズ石のようななにかが酷く輝いていた。

 

分かってるだろ

 

頭には自分自身の声が反響している。

 

逃げるな

 

でも、それは僕の思考を遮れない。

 

甘えるな

 

だって、僕はもう分かったから。母上が、雅が、教えてくれたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……みや、びとっ……!……いっしょにっ……いたい……です………!

 

 

 

 

 

 

僕の顔は、きっと涙と鼻水でぐちょぐちょだ。

 

だってこんなに、今は幸せなんだから。幸せの前には、大抵悲しみが来るものだから。

 

僕は、本当に、幸せ者だ。

 

「ふふ、そうですか」

 

「雅、兄上も雅のことが好きだそうですよ」

 

「ふふん!当然です母上!」

 

すると突然、ここに来る時のように急に眠気が襲ってきた。

 

「そのまま、寝なさい。私達は流雅が居なくなればこの記憶はなくなります」

 

「最後の修行を果たしてください」

 

「愛していますよ、流雅」

 

そこで、僕の意識は夜風に連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

「雅、兄上は居なくなってましまいました」

 

「む〜、そうですか。聞きたいことがあったのですが……」

 

「?何が聞きたかったの?」

 

「私と兄上が契りを結んでいるかどうかです!」

 

「契り……ですか?」

 

「はい!母上は覚えていないのですか?」

 

「ごめんね雅、最近忘れっぽくて」

 

「私と兄上が家族になる為には結婚したらいいと、教えてくれたのは母上ですよ?」

 

「……そんな事も言いましたかね……」

 

(流雅がどうするのか、見ることが出来なくて残念ですね……)

 

(ですが、もう流雅は大丈夫でしょう)

 

(精一杯、私に構わず人生を楽しんでくださいね、流雅)

 

彼女の心は確かに夜を眩く照らす月と星には届いているだろう。

 

きっと、それだけで彼女は充分だった。





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