魔法少女に勝利する為には   作:クロマ・グロ

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ちょっと書いてる小説がだいぶスランプ入り始めたのでリハビリで書いてます。


怪人始めました

 

 

許して欲しいとまで言うつもりはありません。

 

我々が生き残る為に残された手段はもはや非人道的な方法しか残されていません。

 

何の罪もないはずの貴方に対してこのような仕打ちをしなければならない程我々は追い詰められてしまいました。

 

わたくしはこの世界(・・・・)を守る為なら……民を守る為ならどのような手段でも取るつもりです。

 

全てが終わった後でなら喜んで貴方からのお怒りを受けましょう。

 

例えそれで殺されたとしても(・・・・・・・・)わたくしは構いません。

 

しかし今だけは……我々が生き残る(・・・・)だけの術を得られる時までは我々に手を貸して頂きたいのです。

 

ですが忘れないでください……彼女達(・・・)は確かに敵ですが完全な悪では無いと言うことを……

 

そしてもし悪が存在するというのであればそれはわたくし(・・・・)であると言うことを……

 

 

 

……ごめんなさい、そろそろ時間のようです。

貴方と話した今の記憶は申し訳ありませんが全てが終わるまで忘れて頂く事になります。

 

我々への感情も……貴方の心も結果として捻じ曲げてしまう事になります。

 

全てが終わった後に貴方が元に戻れるよう我々は尽力するつもりですがそれでも我々は貴方に非道な事を強いなければなりません。

 

そして最後に一つだけ……どうか我らの希望となってください。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

《○月○日》

 

今日から日記を書くことにした。

 

 

俺は地球と呼ばれる星に隣接するように存在する世界の一つであるダーク・ワールドと呼ばれる異空間の世界でこの世界で唯一の怪人として製造されたらしい。

 

『怪人』とは材料として人間をベースに様々な改造手術によりダーク・ワールド特有のエネルギーと他の生物の特徴を取り込めるようにした改造人間の事を指すとの事。

 

ただ唯一イレギュラーがあるとするならば俺が前世の人間だった記憶を持っており、怪人として製造される前の肉体の記憶を一切保有していないくらいだろう。

 

唯一という言葉から分かる通り元々この世界は技術こそ持ってはいたがあまりにも非人道的な技術である為にこの世界では禁忌とされ、徹底的な規制が行われている技術なのだとか。

 

つまり俺は非合法な事を行うような犯罪組織に製造された……のかと思ったがどうやら俺を製造したのはこの世界唯一の国と言えるナイトメア王国の王家らしい。

 

なぜそんな所で禁忌とされる俺が製造される事になったかと言うとどうやらこの世界は存続の危機に立たされているとの事だ。

 

俺を製造を決断した女王から聞いた話によると……

 

『我々ダーク・ワールドに住まう種族である魔族は隣合った世界である地球側から得られる負の感情を糧として得ています。

しかし負の感情と言っても我々が主に食すのは恐怖等ではなく悲しみや怒り、憎しみ等と言った感情です。

これらの感情は強くなり過ぎると悲劇を生む原因となってしまいますから一定以上溜まらないようにバランスを整える役割もあるんです。』

 

と彼女は言っていた。

 

そしてその事を聞いて逆に恐怖(・・)は食わないのかと聞いたが恐怖は本来生命を維持する為の防衛本能のような物であり、逆にそれを下手に食らってしまえばそれは自殺や殺人と言った人死にが起こる直接的な原因になりかねないのだそうだ。

 

恐怖が無くなると言うことは逆に言えば勇気が出てしまう……それが本当に勇気なら問題は無いのだろうが蛮勇やヤケなのだとしたら確かに洒落ならない。

 

だがそんな彼女達『魔族』に訪れていた存続の危機、それはダーク・ワールドとは対となっている世界であるライト・ワールド側の行き過ぎた妨害行為にあった。

 

ライト・ワールドの全てがそうという訳では無いが、この世界の上層部はその大半が過激派とも言える者達となっているのが根本的な問題らしい。

 

その世界ははダーク・ワールド側とは逆に幸福や快楽といった感情を糧にしている者達『神族』とその眷属達がいる世界らしい。

 

彼ら神族達は本来であれば行き過ぎた幸福を食らって糧とし、逆に不幸な者達にその幸福を分け与え、正の感情を増やしてバランスを取る役割がある。

 

だが過激派の者達はそれだけでは満足せず、世界中の者達が負の感情を得ることのない幸福等の感情だけの世界を作ろうとしているそうだ。

 

字面だけ見ればこれのどこが悪いのだと言う話になるが……実際女王からの話を聞いて俺もすぐに納得がいった。

 

確かに聞こえはいいが負の感情が存在しなければ拒否や否定もしない。

死を恐れずどんな相手の言う事も聞き、それすらも喜んでこなす……こんな物はもはや奴隷以下の機械でしかない。

 

そして悲しみも無いからこそ親しい物が死んだ所で何も感じない。

 

こんな物はユートピア(理想郷)ですらない……ただのディストピア(・・・・・・)でしかないのだ。

 

 

 

 

 

《○月△日》

 

初日のページから少々長くなってしまった為、昨日の分の続きを今日書いていこうと思う。

 

 

俺の製造されたこのダーク・ワールドは人間界(地球)側の『闇』を管理する世界だ。

 

とはいえただ『闇』と言ってもそれが一概に悪いものだけという訳ではない。

 

この世界における『闇』の定義とは悪感情等だけではなく闇夜(・・)や眠りによる安らぎ(・・・)静寂(・・)等と言ったものも含まれている。

 

逆に言えばこちらと対となる世界であるライト・ワールドも良い意味としての光以外にもあまり良くない光もある。

 

ただ一概に光と言ってもそれは過剰になれば人に害をなす物となり、強すぎる光は熱を生む

 

つまりは光は負担を与える側の側面も持ち合わせているのだそうだ。

 

その負担を和らげ、休ませる役割こそが闇夜と眠りなのだとか。

 

 

そして肝心のライト・ワールド側からの妨害なのだが……なんと妨害しているのは神族や眷属が直接的にではなくそれらが契約した『魔法少女』なる者達らしい。

 

正直俺もそれを聞いた時思わず『ハァ?』と口にしたがよくよく考えて見れば俺の前世の記憶を思い出してみても魔法少女が結果的に世界に害を成していたなんて作品もそれなりにあった。

 

ちなみにこの世界の魔法少女はどこぞのQなマスコットのような契約タイプではなくマスコット(神族の眷属)と共にアイテムによって変身する所謂ニチアサタイプの魔法少女のようだ。

 

 

ただそれだけに少々厄介なのが話を聞いている限りどうもニチアサ特有の割と理不尽な要素も含んでいるようで……確認しただけでも

 

・何故か攻撃しても肉体的苦痛はあるのに傷は負わずにせいぜい汚れる程度

・変身中の攻撃完全無効

・何故かどれだけ攻撃しても破れない衣装(つまり斬撃無効)

 

等の余りにも理不尽な仕様が存在しているようだ

 

そして俺はそんな理不尽共を退ける為の最終手段として製造された怪人らしい……がぶっちゃけどう勝てと?

 

俺の怪人としての特徴は普段は人間と全く変わらない容姿だが改造手術により取り込んだ生物の特徴を自身の肉体を変化させる事で怪人として変化する事が出来るようになるとか。

 

ただ手術で肉体に取り込む生物の因子にも相性があるらしく、俺は昆虫系の因子しか取り込めないらしい。

 

そしてこれから俺の意見を聞きながら取り込む昆虫を集める段階らしい。

 

理不尽に対抗する為にはどうするべきか……

そこで俺は前世の動画でチラホラ見ていたある昆虫達を思い出した。

 

提案した昆虫達は翌日までには集まるそうだ。

 

 

 

 

《○月□日》

 

し ぬ か と お も っ た

 

 

 

《○月☓日》

 

昨日は余りにもキツかった為に日記を書く余裕が全く無かった……

 

まさか改造手術が怪人として製造された影響で麻酔での痛覚の麻痺が効かないとは……

 

ともあれ改造手術により俺の姿は大きく変化した。

 

どうやら俺と昆虫との相性は彼らの予想を遥かに超えた物だったようで、普通ならば元の肉体に昆虫の要素が現れる程度らしいのだが俺はもはや原型を留めないレベルで全身が変化していた。

 

頭部はキリギリスを模したような意匠となり、強靭な顎とかなり広い範囲をカバー出来る複眼、更に口内には奇襲用に蝶の持つ口針に近い構造の管上の部位を備えている。

使うときに瞬時に伸ばして硬化させる事が可能であり、意外と使えそうだ。

 

腕は4本……と言ってもまだ身体に完全に馴染みきっていないのか肋の付近から生えている第三、第四の腕はまだ動かない為割愛するが、右腕には黒い半球状の盾のように展開された非常に硬い甲殻と左腕にはハチの腹部を模したような巨大な針を備えた腕甲を装着していた。

そしてその右腕の盾の内側には何か噴出孔のような穴と全身で唯一機械的なパーツが用いられた着火装置が存在していた。

 

更に脚部はかなり太くはあるが甲殻が可動域を邪魔しない程度の最低限の位置で展開されており、かなりの力強さを感じる。

 

翅もまだ馴染みきっていないのか動かせないがトンボの翅に近い形状でかなり巨大であり、感覚を辿ってみると相当量の筋肉が背中に集中しているのが分かる。

 

我ながら書いていて思うがまさに文字通りの怪人となっていた。

 

俺が要求した昆虫は"リオック"、"クロカタゾウムシ"、"ミイデラゴミムシ"、"オオカマキリ"、"オオスズメバチ"、"グンタイアリ"、"オニヤンマ"、そして種類は問わないが"蝶"……これら8種の昆虫だ。

 

特に俺の肉体との適合率が高かったのがクロカタゾウムシ……世界一硬い甲殻を持つ昆虫と呼ばれるこの蟲との相性が良かったらしく、全身の色が黒く染まり、若干のグンタイアリ要素なのか甲殻の外側に向かって紅いグラデーションがかなり薄くはあるが見受けられる。

 

まぁクロカタゾウムシが世界一硬いと呼ばれるのはより正確には甲殻ではなくその内側に大量に共生している微生物が作り出すアミノ酸が甲殻に含まれてるからなんだがな……

 

だがそれが全身に適応されているのかあらゆる甲殻がかなりの強度なのがよく分かる。

 

そもそもの元々の蟲自体がステンレスの針が刺さらずに曲がったなんて例があるレベルだからな……俺レベルのサイズになるどどれだけ硬いのか正直想像も出来ないなこれ……。

 

 

 

《○月☆日》

 

俺の上司となった人にこれから俺がやる事を聞いたのだが今はしばらくは大丈夫らしい。

 

というよりも俺の製造でこの世界のなけなしの悪感情エネルギーが余計に底を付きかけている為しばらくはその補充で下手にこちら側も動けないとの事だ。

 

その為何かあった時の為に何時でも動ける準備はして欲しいとの事だがその前に俺は俺で改造後の身体を完全に馴染ませないとダメそうだなこれ。

 

出来れば戦闘訓練なんかも受けたい所だが見たところ人員の余裕もなさそうだ……余程切羽詰まっている状況なのがよく分かる。

 

俺も手伝ってあげたいのだが俺は最終手段の防衛兵器目的で製造された為なのかその手の能力は元々備わっていないらしい。

 

更に言えばそれを後付けで付けるとなるとダーク・ワールド側から一人犠牲者を出さないといけないらしい。

女王は『人間界から貴方を攫ってこのような事をしておきながら自国民は犠牲にしたくないなんて言えた口ではないのですがね……』と自虐してはいたが俺からしてみれば当然だろうとしか思えなかった。

 

王族からしてみれば自国民の命を犠牲にするのと他国にいる何の関係もない一般人を一人だけ犠牲にするのを考えればどのような者でも自国を愛しているのならば後者を選ぶだろうからだ。

 

まぁ政治的な問題が絡むなら話は別だろうがただでさえこちらには余裕がないからな。

 

 

 

話は少し変わるのだが俺の手術を担当した人曰く身体が完全に馴染みきればいずれ元の人間の姿へと擬態する事も可能らしい。

 

それを聞いて俺はある事を思ったんだが……これ俺が人に戻る理由無くね?

 

いやまぁ定期的な悪感情エネルギーの摂取は必要らしいが人の姿に戻れる以上別に戻してもらう理由もないしエネルギーの摂取もせいぜい1週間に一度のペースで済むわけだ。

 

擬態している間は能力も大きく制限されるらしいがそれでも平均的な人間に比べれば圧倒的な力らしいしあくまでも擬態な為に視界なんかは複眼のままらしいがこの視界も慣れれば結構便利なものだ。

 

 

 

うん、別に人間に戻りたいとは思えねぇなこれ。

 

 

 

とりあえず数日の間は厳戒態勢で魔法少女からの襲撃から備えないとだし俺も身体動かしてガンガン慣らしておかないとだなぁ……

 

 

 

《○月◇日》

 

ナニアレ……魔法少女(物理)理不尽すぎんだろ……

 

 

 

《○月▽日》

 

昨日魔法少女と悪感情エネルギーを収集している人員が接触してしまい、戦闘が始まった。

 

俺は女王の要請を受けて人間界へと繋がるポータルから直接現場へとワープし、早速の魔法少女との初対面となったのだが……

 

とりあえず魔法少女達を退却させる事には成功した。

 

とはいえこちら側の収集が終わった為にこれ以上戦って無理して救う人が居なくなったというだけだ。

おそらく収集が終わるのが時間がかかれば彼女達はまだまだ戦っていただろう。

 

こっちもこっちで必殺技っぽいので甲殻を一撃で粉砕された。

 

流石に盾は無事だがヒビ割れるとか内側に重大なダメージとかならともかく粉砕されるのは想定外すぎるわ。

 

まぁ幸い衝撃が強すぎて逆に肉体側へのダメージは少なく、殆どが甲殻の破壊だった為にそこまでダメージは大きくなかった。

 

活動時間が減少するが体内の悪感情エネルギーを使えば即時再生可能な上に再生時に筋肉はより強靭に、甲殻はより堅牢になる為何も問題ない。

 

 

 

ただこちら側の攻撃で肉体に全くダメージを与えられないのは割と洒落にならないな……

 

腹に蜂の針を思いっきり突き刺しても痛みを感じてえずく程度で全く刺さりすらしないどころか服は無傷だった。

 

ならばと盾裏に仕込んだミイデラゴミムシのガス噴射に機械的な補助を加えた着火装置で擬似的な火炎放射を浴びせても熱さで苦しむ程度で服や身体が少し汚れる程度。

長時間燃やせるようにガスを可燃性にして高熱にはしなかったというのにこれだ。

 

噛みつきはそもそも刺さらないし抉れない。

 

おそらく口針も刺さらない。

 

膝にある鋭い刺状の甲殻を使った膝蹴りも刺さらない。

 

どないせいっちゅうねん。

 

 

 

しかも相手の打撃は甲殻こそ傷つかないがやけに内側の筋肉に深く響く……っというか一撃で内出血させられる。

 

正直筋肉はしっかり肉とかのタンパク質を事前に補充しておけばエネルギーをそこまで使わずとも再生出来るらしいので助かるが普通に痛いもんは痛い。

 

 

 

現状分かっている魔法少女は3人。

 

拳による打撃主体で赤と白のフリルが特徴的なリーダー格の『プリズムルビー』

 

ハンマー等の鈍器による攻撃主体で黄色に茶色、白のカラーリングが特徴的な『プリズムトパーズ』

 

刀等による斬撃を得意とし、青や水色、白に動きやすく飾り気も少ない服装が特徴の『プリズムマリン』

 

これら3人によって構成される魔法少女『プリズムジュエル』

 

 

なんだろう……"頭痛が痛い"とまではいかないが似たようなネーミングの変身ヒロインだ……

 

どうやったら倒せるのやら……

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