四月バカでジャイアンとスネ夫に
「ううぅぅっ!ドラえも〜〜〜ん‼︎」
その時、のび太はドラえもんが帰る前日にもしもの事があった時に自分が必要と思った秘密道具を置いて行った事を思い出し、早速、ドラえもんが寝ていた押し入れを開きドラえもんの形をした入れ物を取り出した。
蓋を開けると中から液体が入った瓶があった。
「飲み薬の様だ。えーとっ“ウソ
自分の今、必要としていた秘密道具が入っていた事にのび太はガッツポーズをする。
「四月バカにはピッタリだ!」
そしてのび太は迷う事なく瓶のコルクを抜き、飲もうとした時にふと“あの日”を思い出した。
ドラえもんが帰る前夜、なぜ一人でジャイアンに立ち向かったのかを。それは全てドラえもんが帰っても一人で大丈夫である事を伝える為、そして秘密道具が無くても自分は頑張れる事を証明する為であった。
一番、大切にし忘れてたはならない事をジャイアンとスネ夫にドラえもんの名を使って自分を馬鹿にし侮辱した事への怒りで忘れてしまっていた。
のび太はそれを既で思い出した事で深い後悔を抱いた。
(ごめんね、ドラえもん。君が安心出来る様に心に決めた事なのに。忘れるなんて、君を悲しませる所だったよ)
そしてのび太は瓶の中を再びコルクで塞ぐと入れ物に入れ、蓋をして押し入れに戻した。
「ドラえもん!僕‼︎頑張るからね!」
迷いがなく闘志に燃える様な勇ましい表情で決意したのび太は立ち上がり、家を出た。
空き地に着くとジャイアンとスネ夫が待ち構えていた。
「おおぉ!なんかやる気満々じゃん。ささっどんな嘘か言ってごらん」
「そぉーそぉー、ボクちゃん達をアッと言わせる嘘があるんだろう」
嘲笑う二人に対してのび太は迷う事なく堂々とした立ち姿でジャイアンとスネ夫に向かって言い放った。
「僕を馬鹿にするなら好きにすれば。でもドラえもんを馬鹿にするなら、僕は絶対に許さないからね」
のび太からの予想外の発言にジャイアンとスネ夫はキョトンとする。
そしてのび太は、そんな二人を後に家へと帰って帰るのであった。
⬛︎
それからののび太は家族や周りの人達を驚かせた。
朝の六時半、目覚ましが鳴り響く中でのび太は布団から手を出し目覚ましを止めて布団から出た。
「ふぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っやっぱり早起きは少し眠いや」
眼鏡を掛けながら少し愚痴を溢すのび太であったが、すぐに起き上がると着ているパジャマを脱ぎ、私服へと着替えた。
そして布団を片付け、ランドセルを開けて前日の用意をチェックすると部屋を出て一階へと降りた。
そして洗面所で洗顔と口を濯ぎ、寝癖を整えて台所へと向かった。
「おはようパパ、ママ」
朝食の用意をするママと食器を用意するパパが早起きして来たのび太に驚く。
「おはよう⁉︎のび太・・・」
「おっおはよう⁉︎のびちゃん!どうしたの急に‼︎」
驚くママからの問い掛けにのび太は笑顔で答えた。
「帰ったドラえもんがいつまでも安心出来る様に頑張る事にしたんだ」
のび太の迷いのない意思が宿る答えにパパとママは感銘する。
「そっか!じゃ一杯、頑張らないとな」
「そうね。ママもパパも応援してるから」
「ありがとう。パパ、ママ」
その後、のび太はパパとママと共に朝食を食べ、歯を磨き部屋へと戻って身支度をして登校した。
「行って来まーーーす!」
「「行ってらっしゃーーーい!」」
パパとママに見送られたのび太は元気よく学校へと向かった。
それからしばらく経った、ある日。今日は前日にやったテストが返される日で教壇に立つ先生は名前を読み上げ、一人づつ返して行った。
「次、野比 のび太」
先生からの呼び出しにのび太は返事をした。
「はい!」
席から立ち上がり、先生の元へと向かう途中で先にテストを受け取っていたジャイアンとスネ夫がクスクスと笑っていた事に
「どうせ、今回のテストものび太は0点だ」
「うんうん。なんせ、あののび太だもん」
小声でのび太のテストが0点である事を揶揄う二人。そして真剣な表情でテストを受け取りに来たのび太に返す先生。すると先生はのび太にテストを返すと笑顔になる。
「凄いぞ!のび、80点だ。よーく勉強を頑張ったね。偉いぞぉ」
先生からの褒め言葉にテストを受け取ったのび太は笑顔で先生に向かって頭を下げた。
「ありがとうございます」
先生に褒められたのび太は明るい笑顔で自分の席へと戻る中でクラスメート達は高得点を獲ったのび太に驚く一方でジャイアンとスネ夫は鳩に豆鉄砲の表情をしていた。
実はテストの三日前からのび太は自ら出木杉に予習勉強をお願いしていた。
「いいよ。じゃ放課後に僕の家で勉強会をしよう」
「ありがとう、出木杉君」
笑顔でお礼を言うのび太。放課後、のび太は出木杉君の家で勉強会をしてテストの予習と宿題を共に行い、帰宅後ののび太は自ら進んで夜の十一時になるまで反復練習をしていた。
その後に事情を知ったしずかものび太に予習勉強の手伝いを申し出た。
「いいの、しずかちゃん?」
放課後の教室で少し驚くのび太にしずかは笑顔で頷く。
「いいわよ。だってのび太さんが頑張っているのって帰ったドラちゃんの為なんでしょ?」
のび太の真意を感じたしずかの答えにのび太は笑顔で彼女に向かって頭を下げた。
「ありがとう、しずかちゃん」
それからは三人でそれぞれの家で勉強会を開き、宿題と予習勉強を行い、帰った後も自主で反復練習をしていた。
その結果、のび太は人生で初めて運やドラえもんの道具の力ではない、助け合いながら自らの力で高得点を獲ったのであった。
今回のドラえもんの二次作品は“もしものび太がドラえもんが帰った後に置いて行った道具を使わずに努力する道を進んだら”っと言うifをベースとしています。
最終回としてではなく、後日談と言う形でアニメや漫画のお話しを再構築しつつオリジナルを交えて描いて行きます。