この天下無敵の合体お父さんに祝福を!   作:ターレスさん

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其の零 合体お父さんと神と異世界

 

 

ーーーとある世界にてーーー

 

 

上空に1人の戦士と、人とは言い難いが桃色の人型の様な者が対面していた。

1人の戦士の容姿は逆立った金色の髪型、目の色は翠色、両側の耳には黄色のイヤリング、紺色の道着にズボン、帯、山吹色のアンダーシャツ、白色のグローブにブーツである。

 

その戦士の名はベジット

 

そして桃色の異様な者の容姿は垂れた尻尾の様な頭に服は最初に説明した戦士とは対象的で山吹色の道着で紺のアンダーシャツ、白色のブカブカのズボンで黒色の帯の様な物にローマ字の『M』が刻まれている。

 

その異様な者の名は魔人ブウ

 

「10だ。10数えるまで貴様が消えるのを待ってやる。精々お祈りでもするんだな。」

 

とベジットは魔人ブウにカウントダウンを宣言してその場から消える様に促す。強さに余程の自信があるのか…はたまた

 

「じゃあ数えるぞ?1…!、2…!」

 

「くっ…!?」

 

先程の宣言通りに数字を数え始めた事により、魔人ブウは冷や汗を流し身構える。

 

「3…!、死に急ぎたければ掛かって来ても良いんだぜ?一瞬で消してやるよ…跡形も無くな。」

 

挑発をしているかの様に喋る。

 

「4…!、5…!、6…!」

 

「……!!!」

 

残り4秒の時点で魔人ブウは何かを閃く。

 

「7…!、8…!(やっと気づいたか。その為に態々あの頭に付いている尻尾のみたいな奴を切ってやったんだからな。)」

 

ベジットは魔人ブウの策を知っていて態とその策に引っ掛かろうとしている様子だ。

 

「(良し!奴は油断している…!)」

 

油断していると判断した魔人ブウは何かのチャンスを伺っている。

 

「9…!(果たして上手く行くか…)」

 

何かに賭けている様子だ。そして

 

「10…!、ん!?」

 

10を数え切ったベジットの背後には桃色のガムの様な塊が広がり覆い被さる。

 

「バリヤー!!」

 

ベジットは完全に包み込まれる寸前に自身を守る『バリヤー』を張った。

 

「ハァ!!」

 

だが虚しくもガムの様な塊に通用せず、その塊は魔人ブウの腹部に吸い込まれ消えた。

 

「ふっ…ははっ…うはーははっ!!はっーはははっ!!」

 

まんまと自分の策により消えたベジットに勝利を確信した魔人ブウは響く程の高笑いをした。

 

「やった…!!」

 

ニヤリっと頬を上げ、勝利宣言をする。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

(良し!成功だ。)

 

魔人ブウの策よりも一枚上手のベジットであった。

 

「ここがアイツの胃の中…だが妙だ。」

 

魔人ブウの『胃の中』とトンデモ発言をしているが何故か不思議に思う部分があるらしい。そもそも、それは『胃の中』だから不思議に思うのは当然である。

 

「アイツ…手当たり次第に食い物を食っていたとは言え…」

 

ベジット目の前には『白の長椅子』、『引き出し付きの小さな白のテーブル』、背後には『赤茶色の長椅子』が設置されている、地面には霧が漂っていると、何とも言い難い空間である。

 

「だっはははは!あ、アイツの『吸収』の仕組みはこんな感じなのか?はっはは、面白ぇな!こんな綺麗に胃に運ばれているとか奇跡かよ!いっひひひ…腹いてぇ。」

 

ベジットは魔人ブウに『吸収』されたらしいがそんな事は二の舞いに異物を取り込んだ事に、それも綺麗に設置された家具類に腹を抱える。

 

「ふぅ…とは言ったものの胃の中とは言え消化される筈…それに胃液も無い…まあ、アイツの事だ、胃液の1つや2つが無くても不思議では無いな。」

 

普通の人間の胃には胃液があるのは当たり前であるが人間とは程遠い魔人ブウは無くても不思議では無いと解釈する。

 

「取り敢えず奥に進んで『アイツら』を助けなくちゃな!」

 

コツン…コツン…

 

「ん?誰だ?」

 

ベジットは誰か達を救出しようと動く前に、何者かの足音が聞こえ、そちらを振り向く。

 

「『佐藤和真さん』。ようこそ『死後の世界』へ。貴方はつい先程亡くなりました。」

 

「(誰だソイツは?『死後の世界』?オレは死んでねぇし。この女は何を言ってんだ?まさかブウ…では無いな。まあ、取り敢えず話を聞いてみるか。)」

 

こちらに話し掛けて来たで女性は設置されている白の長椅子に座り込み語る。

 

「短い人生でしたが貴方は死んだのです。」

 

「(オレが死んだだと?いやもしかしたらオレの中の『もう1人』は死んでいたからオレ自身も死んだ事になったんだろうか?いや待て、それだと死人の証拠の『輪っか』が頭にある筈…今は無いな。まさか閻魔のおっちゃんがなんか間違えたか?)」

 

「さっきからずっと黙っていますが…余程ショックでしたか?」

 

「いや、それで死んだ原因は何だ?」

 

「憶えていないのですか!?」

 

「(まだオレだと確信は出来ないからここはコイツの話に合わせるか。)まあな。突然だったんでな、記憶が曖昧で憶えていない。」

 

「まあ、その簡単に言いますと…ショック死。」

 

 

 

 

 

「それもトラックに轢かれたと勘違いして。」

 

「は?」

 

「ぷっ、あっあははははははははは。」

 

「(オレの考え過ぎだったが…閻魔のおっちゃん疑ってすまねぇ。)」

 

「あはは、あたし永くやって来たけど、こんな珍しい死に方をしたのは貴方が初めてよ!くぅくすくすくすあはははははは。」

「貴方は轢かれそうになった恐怖で失禁。気を失い近くの病院に搬送。医者や看護師に笑われながら心臓麻痺。あっはははは。」

 

「(哀れだな。そのサトウカズマって奴とオレの目の前にいるお前。さてと…)」

 

「現在貴方の家族が病院に駆け付けーー」

 

「おっと!もう貴様のつまらない話はこれまでだ。ここからはオレの質問に答えてもらう。良いな?」

 

「あらあら、恥ずかしいからって話を逸らそうとしては弄りがいが減るじゃ無い。」

 

まだまだと恥ずい話で弄る女性。

 

「もう一度言う貴様のつまらない話はこれまでだ。ここからはオレの質問に答えろ。」

 

「ちぇえ〜つまんな〜い。それで何?」

 

 

 

「一応確認するが貴様は魔人ブウか?」

 

「マジン…ブウ?誰かしら?」

 

「(ブウの事を知らないか。)」

 

「じゃあ、もう一つ質問だ。お前はブウに食われた、あるいは吸収されたのか?」

 

「私が食われる?この【女神アクア様】が食われるですって!?そのマジンブウってヤツは何て不埒な者なのかしら!」

 

「(女神アクア。コイツ、神様だったのかよ…)」

 

この女性は女神であり、名はアクアと言い、彼女がしている事は()()において若くして死んだ人間を導く事らしい。

 

「ふーん、死んだ人間を導く神様か。(閻魔のおっちゃんと粗方同じだな。)それで初めて聞くがそのニホンってのは何処かの星の名前なのか?」

 

「え?貴方、日本人の佐藤和真さんですよね?だったら名前からして日本人では?」

 

「だからオレはそんな名前じゃねぇし、ニホンってのも知らん。」

 

「え!?嘘!?」

 

「おいおい、この状況で嘘を言うか?おっとその前にコイツを解かないとな。」

 

「金髪から黒髪になった!?え!?最近の人間は髪の色を変幻自在に変えれるの!?」

 

今まで金髪だったらしいベジットは突然、黒髪になった。

 

「それはどうでも良い。それによ、お前はさっきからそのサトウカズマって呼んでいるが、オレの名前はベジットだ。」

 

「ベジット…?あ、あれ〜?何処かで間違えたのかな〜?」

 

「おい…間違えたとはどう言う事だ?まさかお前、サトウカズマがどんなヤツかを知らずにこの場所に呼んだのか?」

 

「ち、ちょっと待って!…はい!これを見なさい!これが佐藤和真って子よ!」

 

そう言い、今のベジットでは解読不能の単語が刻まれた表紙の分厚い本を開き、写真で載せられた少年を指差し、説明するアクア。

せめて顔ぐらいは覚えておけよ…と思うベジットだが、それは置いといて

 

「これはあくまで仮説だからあまり信用するなよ?それで、何らかの原因で元々死んでこの場所に来る筈だったソイツ(サトウカズマ)がまだ死んでいないオレと入れ替わった。」

 

「こんなイレギュラーは今まで無かったわ。それはそうとさっき言ってたマジンブウって何かしら?教えてくれる?」

 

ベジットと闘っていた魔人ブウとは遥か昔に、魔導師ビビディによって偶然にも造り出され、造られてから数年間で数百の星を滅ぼし、また当時5人いた界王神のうち2人を殺害、さらに南の界王神と大界王神の2人を吸収したことで、パワーを減らすことを代償に心を手に入れた。だがそれでもビビディはブウを手懐けず玉に封印した。それから約500万年後ビビディの息子である魔導師バビディが玉の封印を解いた。戦士は挑むがブウの能力である無限の再生と圧倒的による強さに歯が立たず敗れる戦士達そしてブウは変化をして戦士を吸収して更に強くなり切り札でもある戦士も吸収され万事休すのところを最後の希望である1人の戦士と肉体は有るが死んでいるもう1人の戦士もブウと闘うが当然勝てないしかし2人の戦士は一か八か神から授かりし道具を使用し2人の戦士は1つとなった。

 

「(神を殺すって…貴方の世界の人間ってイカれてない?)… 2人が合体って…もしかしてその耳につけているイヤリングが合体の道具かしら?」

 

「そうだ。このイヤリングは『ポタラ』って言って、お互い2人が片方の耳にそれも1人は片方、もう1人は最初の1人とは逆の方につけるとポタラは共鳴し2人は合体する。」

 

「なんだ神器(チート)じゃない。でも時間経過や任意で元の2人に戻らないかしら?」

 

「(チート…?)まあ、一度ポタラで合体すると()()()()()2()()()()()()()。」

 

「えー!最悪のデメリットじゃない!!何でそこまでして合体を…」

 

「元の2人でも勝てないからに決まっているだろ。それに倒せず死ぬより一か八かの賭けに出た方が良いだろ?」

 

「賭け事は嫌いではないけど…じゃあ貴方と入れ替わった佐藤和真さんってもしかして…ヤバい?」

 

「ああ、その通りだ。ブウの体内にいるかもな…だからさっさとオレを元の世界に戻してくれ。」

 

「わ、わかったわ!上司に問い合わせするから待ってて!!」

 

そう言ったアクアはこの空間から消えた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

待つ事10分後にアクアは戻って来た。

 

「結論から言うわね。貴方を元の世界に帰すのは出来ないわ。ごめんなさい…」

 

「そうか。うーん今は本気でヤバい状況だから、オレがソイツと直接話し合うのもダメなのか?」

 

「ええ、無理よ。人間が易々と入ってはいけない領域だもの。掛け合えただけでも良い方だわ。」

 

今回だけは異例中の異例らしい

 

「でも一つだけ方法があるわ。」

 

「そいつは何だ?」

 

「一応本来の送られた人間に伝える事を説明するわ。所謂テンプレよ。」

 

一つは、天国に行く

二つは、記憶を消して生まれ変わる

三つは、異世界に行く

 

「上二つは除いて、貴方が選ぶのは異世界に行く事。そこはね、長く平和が続いていた世界に魔王の群勢に脅かされていた世界。人々が築き上げて来た生活は魔物共に蹂躙され魔王軍の略奪と無慈悲の殺戮に怯え暮らしていた。」

 

とゲームでは良くある世界だがそんな世界を誰が好き好んで行くかと生まれ変わるのを拒否され人が一方的に減っている現状である。

 

「そんな危ねえ世界に普通の人間を送るんだ、タダでは行かせねえだろ?」

 

「貴方、私程では無いけど察しが良いわね!だから大サービスに1つだけ何でも持って行ける権利を与えるのよ。さっき言った神器(チート)ってヤツよ。」

 

「ああ。その異世界に行ったとしてよ、言葉とかはどうなるんだ?今お前と話せてる様にこのまま通用するのか?」

 

「その辺は大丈夫よ。このガイドブックに書いているわ」

 

そう言ってアクアは異世界についての説明書を開く。

 

「ふーん、ん?…それで?」

 

「私達、神々の親切サポートによって貴方の脳に負荷を掛けて一瞬で習得出来るわ。まあ、運が悪いと副作用として脳がパーになるけどね。後は凄い能力とか装備とか選ぶが良いわ。」

 

「今サラッと重大な事を聞いたし、見たが…脳がパーになるだって?」

 

「書いてないし、言ってません!」

 

「書いてるし、言ったな?」

 

気を取り直して

 

「さあ、選びなさい!貴方に1つだけ何者にも負けない力を授けてあげましょう!!」

 

ベジットの手元には多種多様なモノが描かれた紙束が集まる。

それを自分の後方に置かれていた椅子に座りながら1枚、1枚と目を通していた。

 

「(本当は要らないけどな。大体何を書いているのかわかんねぇし…)」

 

「……………」

 

「ん?何だ?さっきからじっーと見て。」

 

「……なんでも無いわ。さあ、次の魂が待っているからさっさと選びなさい。」

 

「ああ、何枚か見たが時間の無駄だしな。能力や装備なんか貰わなくても、このオレ自身の力だけで十分だ。」

 

「いや駄目よ!ここの規則だからね!?へぼチートでも選びなさいよ!」

 

「そう言われても要らん物は要らん。」

 

規則だから、とチートを選ぶ様に薦めるアクア、本当に要らないと拒否するベジット。このままでは埒が開かない。

 

と思った矢先に

 

 

 

 

 

『では女神アクア。貴方がこの人間を()()まで導きなさい。』

 

 

 

 

 

 

発し終えた声と共に突然ベジットの足元には水色の陣らしきモノが展開される。

 

「はい、それでは魔法陣に出ない様立ってて…って今何て言った?」

 

突如2人の頭上が光り出し、そこから何かが現れる。

それは見た目からして男性と女性だ。

 

「ん…?(()()()()()()()()。何者だ…?)」

 

『今後の事はキミに任せるよ。』

 

『承りました。では今後、アクア様のお仕事はこの私が受け継ぎます。』

 

「へ…?」

 

アクアの足元にも魔法陣が展開され、ベジットとアクアに展開されている魔法陣は更に光り出し、2人を包み込む。

 

「ちょ、何これ!?え、嘘でしょ?いやいや…可笑しいじゃん!女神を連れて行くなんて反則だから!何で一緒に行くの!?無効よね?無効だよね!?待って、待ってーーーっ!!!」

 

『いってらっしゃいませアクア様。無事に魔王を倒されたあかつきには迎えの者を送りますわ。』

 

()()()聞いて下さい!あたし女神ですが、『癒す』力は有っても戦う力はありません!!魔王討伐とか無理なんですけど!って!?待ってよ!」

 

と魔法陣の中にいる2人は宙に浮いた。

 

 

「アンタがそうか。アクアから聞いている筈だ…()()()がヤバい状況だって事に。なのにお互いの本来の世界に戻せないのは何故だ?」

 

「ちょ!?ちょっとベジット!だからさっき言ったじゃない!?」

 

「少し静かにしてくれ。さあ、答えてくれ。」

 

『アクアが言った通りに、今の異世界に住む人間達は魔王によって苦しんでいます。そして数多の勇敢な者が魔王に挑みましたが、残念ながら……ですがアナタから感じる、その力が人間達の希望になるでしょう。そしてアナタと入れ替わったサトウカズマさんの件はこちらで対応致しますので安心して下さい。』

 

「そうか。」

 

「あの…でしたらあたしはベジットに付いて行かなくても…」

 

『行きなさい。』

 

「はい……わかりました。」

 

 

 

「オレをこのままイセカイとやらに送るんだ、その魔王をぶっ倒した際の報酬は勿論あるんだよな?」

 

『ええ。では任せたよ。』

 

『はい。さあ、勇者よ!願わくは数多の勇者候補達の中から貴方が魔王を打ち倒す事を祈っております。さすれば神々の贈り物として()()()()()でも叶えて差し上げましょう。』

 

「(まるで『ドラゴンボール』みたいだな。)…そいつを聞いて安心したぜ!」

 

「うわー!あたしのセリフーーっ!?」

 

「お前のかい…」

 

『さあ、旅立ちなさい!』

『どうか異世界を…頼みます。』

 

ベジットとアクアはワープホールへと吸い込まれて行く。

 

 

 

「(待っててくれ、皆…!少し寄り道をするけど、すぐに元の世界に帰ってお前達を絶対に助ける!)」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ご苦労様……()()()…。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




母さん、父さん、お元気ですか?
俺は死人ですが、元気にやってます。
さて、死んであの世に行けるかと思いましたが、
どうやら自分は、定期的に宇宙がヤバい、
インフレが激しい漫画の世界に来れました。
それも原作最終章のラスボス手前の体内です…
俺、前世でとんでもない事をやらかしましたかっ!?神様のバカヤローーーーーっ!!

ふぅ……ではサヨウナラ
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