リリなの転生ts物語 作:新作だぁ
俺にとって我慢ならないことが三つある。
一つは、目玉焼きにソースをかけられること。
二つは、お好み焼きを広島風とか言われること。
三つは、きのこたけのこ戦争を馬鹿にされること。
この三つをする奴、させる奴ははなっから仲良くなれると思っていない。
「という訳で、俺はお前が嫌いだ」
「あら? 目玉焼きにソースは合いましてよ」
目の前でとくとくとくっとソース瓶を傾けて大量のソースを目玉焼きにかけている女。自称・女神は、何でもないことのように言う。
「信じられねぇ。お前、人の心とかないんか!?」
「女神ですから」
なかったわ。
「俺の前から消え去れ!」
「あら、ワタクシ、あなたに用事がありまして、こんな場所に来ているんですのよ?」
「知るか! 俺が今まさに食おうとした目玉焼きにソースかけるか、普通! 初対面だぞ!」
そうだ。俺が出勤前の朝食として毎日焼いている目玉焼きに、塩コショウをかけようとしたら、こいつがソースをかけていた。何を言っているのかわからねぇと思うが俺もわからねぇ。意味不明な状況。誰か説明をくれ。
って
「そうだ時間! げ、今から出ないと遅刻する!」
「あら、待ってくださいまし」
「うるせー! お前に構ってる暇はない」
「1,2分で終わる話ですわ」
「いや、今から出ないと朝食が食えない」
「あら、ここにあるのでは?」
「オメーがダメにしたんだろ! お前が責任持って食え! 俺は外で買う」
まぁまぁ、と自称女神が口を開く。
「あなたは本日、死にます」
「……また笑えない冗談を」
「事実です。これは避けようがない未来です」
「はいはい、宗教はお断りです。早く出ないと、警察呼ぶぞ」
「まぁ言っても無駄だとは知っていました。なので、先に言っておきます」
「あ? 言い訳か?」
「ワタクシ、百合が好きなんです」
「………………は?」
「ts百合は、もーっと好きなんです」
「何を言って……」
フフンっと女神は立ち上がる。
「転生特典は三つ」
「一つ目は、場所。原作『魔法少女リリカルなのは』の海鳴市」
「二つ目は、容姿。アルビノ少女」
「三つ目は、技能。同性限定のにこぽなでぽ」
指を伸ばして俺に突きつけた。何が何やらだ。スマホをとりあえず取り出した。警察を呼ぼうそうしよう。
「ふふっ、次はあなたが死んだ時に詳細を語りましょう」
「え」
瞬きの間に、自称女神は消えた。もしかして幻覚だったのか? 白昼夢?
「って! 仕事仕事!」
すぐに支度をして玄関を飛び出た。
俺の名前は、
腕っぷしだけと思われがちだが、成績も1位じゃないと悔しくて猛勉強した。まぁ、一度も1位にはなれなかったが……。あいつらが頭良すぎんだよ。ほぼ毎回3位。
そんな俺だが大学受験は見事一流大学に合格。成績は3位。アイツラ以外には負けたくなかったんでな。
しかし、入学式当日、交通事故で父が死亡、母が入院。計算したら学費が払えない上、母の介護もあったため、退学した。母の介護をしつつ、就活。高卒ではどこも雇ってくれず、何とか日雇で食いつなぐ。そして、5年前母が亡くなった。親戚は俺一人だったため葬式もしなかった。できなかったとも言う。
『オリシュ……幸せもんが勝ちっち覚えとき』
母の最後の言葉。享年50歳。母は果たして幸せだったのか。今はもう知ることはできない。
今俺は30歳。母の介護分の余裕が出たので、資格を取って給金のよい電気工の仕事に就いた。独身。好きな奴はまだいないが、まぁ何とかやっている。
落ち込んでいる暇はない。母は俺に幸せになってほしかったのだろうと思う。だから、精一杯幸せもんになる努力をする。それだけだ。
信号が赤になる。流石に止まる。腕時計を見ると今日は朝食抜きが決定した。
溜息を吐いて、顔を上げると、ボールが横断歩道に飛び出た。少年が道路に出る。トラックがやってくる。反射的に少年の襟首を掴み、後方へ投げる。と、強い痛みとともに浮遊感。地面に叩きつけられ、目の前にタイヤ。グチュっと意識が暗転した。
〜〜〜〜〜
「ね、言ったでしょ? あなたは死ぬって」
気がつくと、白い空間にいた。どこまでも広い白。
「お前は……自称女神のソースかけバカタレ」
「変なあだ名をつけられちゃったなぁ」
ま、いっか、と女神は話を変える。
「あなたには転生してもらいます」
「いやいやいやこの状況を説明しろよ! どういうことなんだ!?」
「察しが悪いですね。異世界転生ものの定番じゃないですか」
異世界転生もの。最近流行りだと友達が教えてくれたジャンル。俺はあまりそういったのに触れてこなかったが、オタク文化なのだとは知っている。
オタク文化はあまり詳しくない。つまみ食い程度だ。
「一から説明するとめんどじゃない、時間がないので」
「今面倒臭いって言いかけなかったか?」
「空耳です。さて、生前、私が言ったことを覚えていますか?」
「えっと……俺が死ぬことと。転生特典がどうのこうの」
「はい、転生特典は三つ。こちらで決めさせてもらいました。が、もう三つあなたは選ぶことができます」
「…………正直話についていけないが、とりあえず、能力とか道具とかくれるってことか?」
「はい。転生先は、『魔法少女リリカルなのは』の世界です」
原作『魔法少女リリカルなのは』。オタクの友人を持つと、アニメなんか一緒に見たこともあった。その内で、俺が泣いた作品の一つである。
しかし、嬉しくない。あの世界はあれだからこそ良いのであって、俺のような異物が入るのは決定的にダメだ。
「元の世界には転生できないのか?」
「すでに『魔法少女リリカルなのは』に設定しましたので、変更は不可能です」
「お前が勝手に決めたんだがな」
「それは御愛嬌ということで……早く決めませんと、残り三つも決めましょうか?」
黙るしかない。正直急な話な上、一方的だ。ここで特典まで決められたら、……勝手に人生を決められるようで、癪だ。俺は負けたくない。自分の人生の舵取りもできないようなら、負けだと思う。
「じゃあ、一つ目は、高性能なインテリジェントデバイスが欲しい」
「なるほど、旅の相棒という訳ですね」
「二つ目は、魔力だな。魔力総量SSが最高だったかな?」
「わかりました。魔力総量はSSSが最高なので、それにしておきました」
「……三つ目は、無表情」
「は?」
呆気に取られた顔をする女神。いや、邪神だ。俺はその顔が見たかった。
「お前がにこぽなでぽとか言う、やつをつけたろ? 転生特典として。あれを相殺する。無表情なら笑えないだろ? 正直前世にオタク友人がいなけりゃ、来世で色んなやつ洗脳してしまう所だった」
「私は、ts百合が見たいのです!」
「知るか。はよ異世界に送れ。この邪神」
「クッソ。すでに彼女と契約をしていたから、却下できないし、ああ、私の趣味が! ts百合が!」
女神が泣き崩れた。俺は早くこいつから逃げたかった。
「…………ま、いいでしょう。にこぽは封じられましたが、なでぽがあります」
「普通、人を撫でる機会あるか?」
「じゃあ、送りますね。ばいばーい」
意識が遠のいた。
めっちゃ走り書きです
後先考えずに書いてます
下書き無しでノープロット
対戦よろしくお願いします