なんとでも言え。私とてテラの大地を救わなければならない… 作:バリアンの(面)白き盾
人事部担当者はホワイトシールドの機密ファイルを取り出していた。日々更新されるホワイトシールドの情報に頭痛をしながらも以前までの記録を確認していた。
【オペレーターファイル:ホワイトシールド】
概要と戦闘スタイル
ホワイトシールドは、ロドスにおいて「補助(召喚士)」の役職に分類されるオペレーターです。彼の戦闘スタイルはテラの常識を逸脱しており、自身のアーツユニットを介さず、虚空から「光天使(ホーリー・ライトニング)」と呼称される自律型浮遊物体を即座に複数体展開します。
戦場支配: 展開された「光天使」たちは個々が高度な連携を見せ、敵の進路を封鎖・制圧します。
「NO.102」の降臨: 複数の「光天使」を光の渦へと収束させることで、より強力な個体である《No.102 光天使グローリアス・ヘイロー》を顕現させます。この個体は敵のアーツ効果を無効化・減衰させる極めて強力な能力を保有しています。
また本人は攻撃力を半減させると言ってますがそのような事象は確認されておりません。
医療部による最新レポート
特筆すべきは、NO.102から放たれる輝きに「オリパシー(鉱石病)の病状を一時的に鎮静化させる」未知の効果が確認された点です。
この発見により、彼は当初の戦闘要員としての枠を超え、医療病棟へ足を運ぶ機会が激増しました。患者たちは彼の放つ光を「聖なる救済」と呼び、彼の奇妙なポーズすら「快復のための儀式」として受け入れ始めています。
人物評とコミュニケーション
彼のコミュニケーション能力は、一言で言えば「壊滅的」です。
発言のほとんどが「ドルベ語」とも称される独得の言い回し(例:唐突な自己紹介、意味不明な決闘の申し込み)であり、初対面のオペレーターは困惑を隠せません。
精神性: 言動は暴走しがちですが、その根底にあるのは極めて純粋な「善性」と「騎士道精神」です。アーミヤCEO、ドクター、ケルシー先生からも「信頼に値する人物」として高く評価されています。
フロストノヴァの関与: 以前は意思疎通すら困難でしたが、現在はフロストノヴァが「通訳(あるいは制御役)」として介入することで、ドクターの高度な作戦指揮下でも安定した運用が可能となっています。
特別研究対象:「バリアン世界」と「ナストラル」
ロドス研究部門は、彼が主張する「バリアン世界」という異世界の存在について目下調査中です。彼の身体構造はテラの人類と酷似しながらも、そのエネルギー源は源石(オリジニウム)に依存しない未知のものです。
ナストラル: フロストノヴァの意識内に宿る高次精神体「ナストラル」は、ホワイトシールドの力の根源を解き明かす鍵と見られています。フロストノヴァを通じたナストラルへのインタビューにより、テラとバリアンという二つの世界がどのように「繋がって」いるのか、その全貌の解明が期待されています。
【ドクターの追記】
「彼のポーズが激しくなればなるほど、光天使の出力が上がるという相関データが出ている。医療部で光を放つ際、周囲の点滴スタンドにポーズがぶつからないよう、今後は十分なスペースを確保することを推奨する。」
見直してみても頭が痛くなるようなことを記述ばかりだ。
本当に自分がこれを書いたのだろうかと疑いたくなるものだった。
最初ドクター達が連れてきて、ケルシー先生が雇用しろと言ったあの日が懐かしく感じていた。
彼が起こしたロドスRUM事件と、NO.44スカイ・ペガサスについても記載しなくてはと人事部担当者はPCに電源を入れた。
人事部担当者は、深い溜息をつきながらも、この「規格外」すぎるオペレーターの追加情報を端末に打ち込んだ。
【オペレーターファイル ホワイトシールド・追加項目】
特殊召喚対象:『No.44 スカイ・ペガサス』
最近の戦闘記録において、極めて稀に確認される新たな高エネルギー召喚体です。
特性:「光天使」を収束させることで現れる、白銀の翼を持つ馬の姿をした物体。記録上、ドクターの窮地に際して一度だけ顕現し、驚異的な速度で戦場を横断、ドクターを救出したことが確認されています。
現状: その後の再召喚は行われていません。ホワイトシールド本人は「お前とはこんな形ではなく、まっとうなデュエルで渡り合いたかった(訳:今はまだ、友である彼をゆっくり休ませてやりたい)」と語っており、召喚条件には彼の情緒的な判断が強く関わっていると推測されます。
危険物品:『RUM(ランクアップマジック)-バリアンズ・フォース』
「ロドスRUM悪用事件」を引き起こしたとされる、カード状の物体。
異常性: 特定の対象に対し、強制的に精神を書き換え、意のままに操る能力を持つことが判明しました。
適合性の謎: 驚くべきことに、現在ロドス内においてこのカードの支配を受けるのは「ドクター」ただ一人です。ナストラルによればテラ人はバリアンの干渉に強い耐性を持っていると予想しています。ドクターだけが「バリアン世界」に対して異常な適合性を持っています。もしくは全くの耐性がないと推測されています。現在は、ドクター自身が「安眠効果の研究」という名目で、極めて私的に運用(悪用)を継続中です。
特殊形態:『バリアルフォーゼ(バリアン形態)』
ホワイトシールドが限界を超えた「意地」を見せた際、一時的に外見を変化させる現象です。
外見: 変化後は、全身を白と青のタイツ状の物質が覆う、形容しがたい姿へと変貌します。
不完全な変身: しかし、この形態の維持時間は極めて短く、ポーズを数回決めるだけで元の姿に戻ってしまいます。ドクターおよびケルシー先生は、「彼がバリアンとして不完全な存在である、あるいはテラの理が彼の真の姿を拒絶している」という仮説を立て、目下調査を進めています。
【人事部担当者の所見】
「彼の不完全な変身、ドクターにだけ効く洗脳カード、そして馬。どれをとってもテラの論理では説明がつきません。しかし、彼が変身して『バリアンの白き盾!ドルベ!』と叫びながら不恰好にポーズを決める姿は、一部の年少患者やオペレーターたちの間で『新しいヒーロー』として密かに人気を博しています。これ以上の被害(主にドクターの私物化)が出ないよう、引き続き厳重な監視を継続をお願いします。」
人事部担当者は、ホワイトシールドのあまりに支離滅裂な記録を打ち終えた後、深く息を吐き、隣にあるもう一冊のファイルを開きました。
そこにあるのは、テラの過酷な運命をくぐり抜け、奇跡的にロドスへ迎え入れられた「もう一人の希望」の記録です。
【オペレーターファイル:フロストノヴァ】
概要と戦闘スタイル
フロストノヴァは、現在「前衛(解放者)」として登録されています。
かつての彼女は広範囲を凍土に変えるアーツの使い手でしたが、現在は自身の身体負荷を考慮し、近接戦闘を主体としたスタイルに転向しました。
実力: 演習において、パトリオットの精鋭部隊である重装甲兵4人を同時に相手取り、近接戦闘のみで圧倒するほどの実力を保持しています。
役職の変更: 通常時は力を蓄え、決定的な瞬間にその牙を剥く戦い方から、役職が「解放者」へと正式に変更されました。
102秒の奇跡:ナストラルの加護
彼女の意識内に宿る高次精神体「ナストラル」が力を貸す時、彼女は102秒間限定で、かつての凍てつくような氷のアーツを完全な形で解放することが可能です。
破壊力: その威力は数多の戦場を見てきたドクターですら「折り紙付き」と称賛するほど。ナストラルの干渉により、かつて彼女を蝕んでいたアーツによる侵食が一切発生しないため、現在は「死を覚悟した自爆」ではなく「勝利のための切り札」として昇華されています。
健康状態と私生活
かつて「レユニオン」のスノーデビル小隊を率いていた彼女ですが、現在はアーツの暴走が抑制されたことで、バイタルサインは極めて安定しています。
日課: 日々の定期診察を欠かさず受けており、医療部との協力関係も良好です。
コミュニティ: 自由時間には、共にロドスへ身を寄せたスノーデビル小隊の面々や、養父パトリオットが耕す畑、演習場によく顔を出しています。
ホワイトシールドとの関係: 異世界から来た「バリアンの戦士」の監視・通訳役として、彼と行動を共にすることが非常に多いようです。彼の突拍子もない行動に頭を悩ませつつも、その善性を誰よりも理解し、支えている様子が見て取れます。
【人事部担当者の所見】
「かつて敵対した彼女が今、ロドスの廊下でスノーデビル小隊の隊員たちと笑い合い、時折ホワイトシールドのポーズを冷めた目で見守っている光景は、ロドスにとって一つの『答え』と言えるでしょう。彼女はもはや破壊をもたらす冬の死神ではなく、仲間を守るためにその力を解放する、ロドスのかけがえのない守護者の一人です。」
人事部担当者はファイルを閉じ、ふと窓の外を見ました。
そこには、「畑でパトリオットの巨大な背中の横に立ち、鍬(くわ)を持って汗を流すフロストノヴァ」と、「その横で『大地の恵みをランクアップさせる収穫のポーズ』を決め、パトリオットに静かにどつかれているホワイトシールド」の姿がありました。
「……さて、明日もまた、報告書が増えそうですね」
担当者は少しだけ微笑むと、最後のファイルを確認した。
確認したのは、ロドスの廊下を歩く誰もが思わず背筋を伸ばしてしまう、あの「動く要塞」のファイルだった。
【オペレーターファイル:パトリオット】
概要と現在の役職
パトリオットは、ロドスにおいて後方部隊「前衛(教官)」として登録されています。
かつての死闘による負傷は劇的に回復していますが、ドクターとケルシーの判断、そして彼自身の意向により、現在は最前線から退き、次世代の育成にその心血を注いでいます。
教官としての手腕: 彼の指導は極めて厳格ですが、戦場を知り尽くした彼から授けられる戦術と心構えは、若手オペレーターたちの生存率を飛躍的に向上させています。
農業への転身と「宣伝」騒動
驚くべきことに、彼は現在、ホワイトシールドの勧めに従い、艦内の空きスペースを利用した「畑の管理」に情熱を傾けています。
共同作業: 彼の部下である重装甲兵、スノーデビル小隊、そしてフロストノヴァとホワイトシールドが共に土にまみれる姿は、今やロドスの平和を象徴する光景となりました。
パトリオット・シール: 食堂に並ぶ野菜には、パトリオットの厳格な面構えと共に「私が作りました」と書かれた特製シールが貼られています。これもホワイトシールドの発案ですが、当初の困惑をよそに、当のパトリオット本人は「……我……渾身ノ……出来栄エ……」と、非常に満足げにシールを貼り付けているという報告があります。
そのためか食堂で顔を合わせた他のオペレーターからは意外と親しみをもたれています。
ホワイトシールドとの奇妙な友情
パトリオットとホワイトシールドの間には、言語や世界の壁を超えた奇妙な「戦友の絆」が見て取れます。
意思疎通の謎: 翻訳なしで「ドルベ語」と会話が噛み合っている様子は、周囲から見れば完全なミステリーですが、二人には確かな何かが通じ合っているようです。
ポーズの伝染: 最も人事部を悩ませているのは、パトリオットが時折ホワイトシールドの影響で「ポーズ」を決めようとすることです。その度に、部下たちが「大尉、お辞めてください!」「お身体に障ります!」と必死に止める姿は、今やロドスの名物となっています。
【人事部担当者の独白】
かつて「愛国者」と呼ばれ、レユニオンの象徴であり、恐るべき「英雄」だった彼。そんな彼が、今では汗を流して野菜を育て、娘と笑い、変なポーズを真似しようとしている。これが夢ではないかと疑いたくなる時もありますが、彼の巨大な背中がロドスにあるという事実は、私たちに何物にも代えがたい安心感を与えてくれます。彼もまた、間違いなく私たちの誇り高き仲間です。
担当者は静かにファイルを閉じ、デスクを整理しました。
ふと外を見れば、夕闇の迫る中、パトリオットがシールの束を大切そうに抱え、ホワイトシールドと連れ立って食堂へ向かう姿が見えました。
ロドスの明日は、きっと今日よりもさらに賑やかな一日になることでしょう。
ホワイトシールドとフロストノヴァ、そしてパトリオット。テラという過酷な世界で、彼らが手に入れたこの穏やかな時間は、これからも続いていきます。
ギャグというよりはホッコリ回にしてしまってすまない…。非力な私を許してくれ…。
感想、評価、ここすきお待ちしております。
多くの方にお気に入り登録してもらい嬉しいです!
オリジニウムダスト後は…
-
オペレーターとの交流(時系列バラバラ)
-
ドクターやロドス首脳陣主体の交流
-
単独でサイドストーリーに乗り込む
-
結果を見たい用兼感想でお教え下さい