なんとでも言え。私とてテラの大地を救わなければならない… 作:バリアンの(面)白き盾
次回はほとんどシリアス予定です。
皆様のここすきをみて私も笑顔になります。
皆様も笑ったところがあったらしてくれたら教えてくれると嬉しく思います。
ところでポイント制!?で露骨にここすきが高いのに笑ってしまいますw
「フロストノヴァ! 久しぶり!」
食堂の扉を景気よく蹴破らんばかりの勢いで入ってきたのは、長期間の外勤任務を終えたばかりのブレイズだった。背中に巨大なチェーンソーを背負った彼女は、親友との再会に顔を輝かせた。
チェルノボーグの中で命を削り合ったあの日。敵として出会い、互いの熱をぶつけ合い、そして今こうして同じロドスの食堂で落ち合える。それはブレイズにとって、テラで起きた数少ない、けれど最高に輝かしい「奇跡」だった。
「待たせちゃった? いやぁ、今回の任務は……って、フロストノヴァ? どうしたの、そんな怖い顔して」
再会の抱擁でも交わそうとしたブレイズが足を止めたのは、フロストノヴァが「この世の終わりでも見ているような冷めた目」で、目の前の男を凝視していたからです。
そこには、ブレイズがまだ一度も話したことのない、噂の新顔オペレーター――ホワイトシールドがいた。
ブレイズは外勤任務に行く前、新しく入ったという彼の噂を何度か耳にしていた。
ドクター
「……ああ、彼か。……うん。いい、奴……だよ。本当に……。ただ、その、まあ……何というか……いい奴だよ(遠い目)」
アーミヤ
「えっと…はい、とても善意に溢れた方です。ただ、ドクターと同じで……いえ、ドクター以上に、すごいというか…あ、光って綺麗ですよ…?(苦笑い)」
ロスモンティス
「キラキラしてる。……いいやつ。ほーりーらいとにんぐ。……でも、たまにポーズ、うるさい」
かつて彼についての感想を思い出していたがどれも要領を得なかったが…。
(……ロスモンティスの言ってたこと、今わかったかも…)
ブレイズのハツラツとした元気が、急速に削り取られていく。
目の前の男は、「食堂の入り口に差す一筋の光を全身で受けるポーズ」で固まっていたからだ。
「あー……フロストノヴァ。そっちの……人?は、知り合い?」
フロストノヴァは、深すぎる溜息をついてハッカ飴を噛み砕いた。
「……ええ。私の監視対象。ブレイズ、悪いけれど気にしないで。」
その言葉に反応し、ドルベがこれ以上ないほどキレのある動きでブレイズへと向き直った。
「私の名はナッシュ・・・ただの旅行者だ(訳:おっす!ブレイズ!俺のことは気にするな。俺はただ、フロストノヴァと君という、奇跡の再会を祝う一陣の風に過ぎないのだから!)」
「……はぁ? ナッシュ? 旅行者? あんた、ホワイトシールドじゃないの?」
まさか、本名を名乗ったのかそう聞き返そうとしたが。
「バリアンの白き盾ドルベ!私とてバリアン世界を救わなければならない…(訳:いかにも! ある時はバリアンの盾、またある時はロドスの安眠を守る者! 人呼んでホワイトシールド!!)」
ドルベは「右手を顔に添えた叙事詩的ポーズ」を決めた。
「…………フロストノヴァ。こいつ、ヤバいわ」
ブレイズは額を押さえた。
「ブックス!(訳:そんなに褒めるな、照れるじゃないか!)」
「褒めてないぞ、ホワイトシールド」
フロストノヴァも額を押さえていた。
「ドクターたちが言葉を濁してた理由が分かったわ……。戦う前からこんなに精神を削られる相手、初めてよ!」
「慣れろというのも無理だ、無視するかそういうものだと上手く流せ。こいつはこの状態で普通に接してくるから」
「我ら二人の力をみせてやる!(訳:さあ、大尉と一緒に育てたトマトを食べるがいい! これを食せば、君のチェーンソーの回転数も102%上昇するはずだ!)」
ブレイズとフロストノヴァの「奇跡の再会」は、ドルベの圧倒的な「ブックス!」という熱気とポーズによって、かつてないほど「カオス」なランチタイムへと変貌していくのでした。
ドルベは、窓から差し込む西日を背負い、逆光の中で「大地の鼓動を口内へと誘う、禁断の果実提供ポーズ(左足を高く上げ、指先でトマトのヘタを支える芸術的スタイル)」を決めた。
「貴様らのしがみつく希望!今こそ意を決し、花と散れ!(訳:戦い疲れた戦士よ! この真っ赤に熟れたパトリオットマトを食し、その身に宿る生命の輝きを体感するがいい!)」
「……いや、意味分かんないし! なんでトマト勧めるだけでそんなに殺気立ってんのよ!」
ブレイズのツッコミが食堂に虚しく響く。しかし、ドルベは止まらない。
「これがお前の力か(訳:ほう……私のポーズに食らいついてくるとは。いいだろう、ならばさらに甘みの増したキャベツも……!)」
「……ドルベ」
フロストノヴァの声が、極低温の氷点下まで下った。
「ブックス!?(訳:な、なんだフロストノヴァ…、その形相は……)」
「うるさい。」
ゴッ!!
という鈍い音と共に、フロストノヴァの拳がドルベの側頭部へ吸い込まれダイレクトアタックが決まった。
「非力な私を許してくれ……(訳:ぐふっ……! だが……この一撃すら……絆の……証……)」
崩れ落ちるドルベを無視して、フロストノヴァはブレイズの腕を掴んだ。
「……すまない、ブレイズ。変なのが混じったせいで再会の空気が台無しになった」
「え、ええ……。なんか、チェルノボーグの戦いより体力使った気がするわよ。あいつ、ある意味手強いわ……」
ブレイズは肩をすくめ、ようやくいつものハツラツとした笑顔を取り戻した。
「口直しに行きましょう。購買部に新しいキャンディが入荷したって聞いたんだ。そこでゆっくり、あなたの任務の話を聞かせてちょうだい」
「お、いいね! 購買部ならテキサスもいるかも。よーし、行こっか、フロストノヴァ!」
二人は、食堂の床で「止まるんじゃねぇぞのポーズ」のまま固まっているドルベを跨ぎ、仲良く歩き出した。
食堂の床で「敗北の美学」を体現したポーズのまま、ドルベは静かに目を閉じ、精神を研ぎ澄ませていた。
周囲ではオペレーターたちが「またホワイトシールドが固まっている」と小声で囁き、慣れてしまったスノーデビル小隊の面々が「よお、ホワイトシールド! ほどほどにな!」と明るく声をかけて通り過ぎていく。
ポーズを取りつつもドルベの脳裏には、あのカード――『RUM』の輝きが浮かんでいました。
(ナストラルが止めた理由、ドクターだけが呑まれる歪み……。俺がこの力を持つ『意思』は、本当にロドスを救うための盾になれるのか……?)
深く思索の海に沈み、わずかに指先が震えたその時。
足元に、小さくも底知れない存在感を持つ「影」が落ちた。
「ピカピカ、悩んでる……?」
ドルベは目を開いた。そこには、ロドスエリートオペレーターの少女、ロスモンティスが立っていた。
少女はビー玉のような瞳でじっとドルベを見つめていた。甲板で精神統一をするドルベを遠巻きに眺めていた彼女が、自らここまで近づいてくるのは初めてのことだった。
少女の記憶は脆く、こぼれ落ちやすい。あのチェルノボーグの司令塔前、大勢のレユニオンのたち相手の防衛戦で背中を預け合ったあの熱を、彼女が今も覚えているのかは誰にもわからない。
しかし、少女はドルベの「ポーズ」の奥にある揺らぎを、鋭く感じ取っていたのだ。
ドルベは驚きに胸を突かれた。ポーズが乱れそうになるのを必死で堪え指先をこめかみに当て、片足を微かに浮かせるポーズ」をとった。
「この突然の異変は・・・まさか滅びの前兆!?(訳:……ロスモンティス! 君か。……まさか、俺の心の中を読み取ったのか?)」
ロスモンティスは首を少し傾げました。
「バリアンの、白い盾。……忘れたくない。あの時の、光。……今は、暗い光が見える。ピカピカの中に」
彼女は、ドルベが抱える『RUM』への葛藤を「暗い光」として捉えていた。
「仲間の為に身をていして戦うか(訳:君は……覚えているのか? あの戦場での約束を。記憶が消えても、魂に刻まれた戦友の絆だけは、失われていなかったというのか……!)」
ドルベは「再会への深い感謝を、天を仰ぐ静かなるポーズで捧げる救済者の姿」を決めました。
(ああ…そうか。悩んでる暇なんてなかったな。テラに生きる彼女たちを守るためにこそ、俺はロドスで白き盾としてここにいるんだ!)
「感じるぞ、お前の魂を(訳:ありがとう、ロスモンティス。君の言葉で、私の迷いは晴れた。この『暗い光』すらいつか、君たちを守るための輝きへと変えてみせよう!)」
ロスモンティスには、ドルベのポーズが再び「ピカピカ」と輝きを増したのを見て、小さく頷きました。
「……よかった。いつもの、うるさいピカピカになった」
彼女は満足そうに、軽やかな歩調で彼の近くの椅子に腰掛けた。
残されたドルベは、「一人の少女によって救われ、再び使命に燃える不屈の騎士のポーズ」を全開で決め直し、食堂の中心でかつてないほどの輝きを放ち始めた。
ロスモンティスの「直感」が、ドルベの迷いを払ったのだ。
フロストノヴァが購買部から戻ってきた時、そこにはかつてないほど「輝き(ポーズのキレ)」を増したドルベと、そしてその横で、無垢な瞳を輝かせながら全く同じポーズをぎこちなく取ろうとしているロスモンティスの姿があった。
ロスモンティスは、ドルベの「天を仰ぎ、指先で銀河の真理を指し示す聖騎士のポーズ」を真似て、一生懸命に角度を調整しようとていた。
「……嘘でしょ」
フロストノヴァの手に持っていた購買部の袋が、カサリと音を立てた。彼女の目は、絶対零度を通り越して虚無へと至る「冷たい目」に変わっていた。
「フロストノヴァ、見て……。ピカピカ、かっこいい……。私も、ピカピカ……」
「ロスモンティス、やめなさい。それをかっこいいと思うのは気の所為だ…。」
その光景を見て、フロストノヴァの後ろから現れたブレイズの血管がブチ切れる音が食堂中に響いた。
「ちょっとおおおおお!! うちの子に変な宗教……じゃなくて、変な動き覚えさせないでよ!!」
ブレイズはチェーンソーを放り出し、助走をつけてドルベの鳩尾に鋭いダイレクトアタックを見舞った。
「このポーズ野郎!!」
「しまっ……! バリアラピスを……これでは本来の力を使う事ができない! 私とした事が……!(訳:ぐふぉっ!? 精神統一の隙を突かれるとは……! 完全に無防備だった……!!)」
吹き飛ばされたドルベは、食堂のゴミ箱の陰までスライディングし、最後は力なく指先だけを動かしていた。
「ブックス……(訳:……非力な……私を……許して……くれ……)」
「よしよし、ロスモンティス。あんなピカピカしすぎて目が痛くなるポーズ、忘れちゃいなさい! もっとまともな、例えばこう、チェーンソーを振り回すポーズとかの方が……」
「ブレイズ、あんたも大概よ」
フロストノヴァが冷静にツッコミを入れる中、ブレイズはロスモンティスをひょいと抱きかかえ、足早に食堂を後にしようとした。
ロスモンティスはブレイズの肩越しに、ゴミ箱の陰でまだポーズの余韻を残して倒れているドルベを見つめ、小さく、本当に小さく手を振った。
「ピカピカ……バイバイ……。……またね…」
その無垢な言葉は、倒れた騎士の心に深く刻まれました。
「仲間の為に身をていして戦うか(訳:……ああ。約束だ、ロスモンティス。次に会う時は、君の記憶に一生残り続けるほどの、究極のポーズを完成させておこう……!)」
ゴミ箱の陰で一人、感動に震えながらポーズを維持し続けるドルベ。
そして、その後片付けをさせられる未来を予感して、フロストノヴァは本日何度目かわからない深い溜息をつくのだった。
ロドスに漂着した当初、ドルベは「NO.102光天使グローリアス・ヘイロー」を顕現させドクターたちにノリノリで披露した。
その衝撃波で地面をクレーターに変え、シミュレーター数基を粉砕していたことはもうはるか過去であったがその代償はずっと続いていた。
それ以来、彼の給料は「演習場修繕費」として無慈悲に天引きされ続け、彼はロドスで最も「財布は空っぽなオペレーター」として質素な生活を送っていたのだ。
しかし! 医療病棟での「NO.102によるオリパシー鎮静治療」が多大な貢献として認められ、ついに今月、全ての負債を完済。彼は人生(テラ生活)で初めて、自由に使える「龍門幣」を手にしたのだ。
ドルベは執務室の片隅で、新調したポーズ「財布を高く掲げ、片足で重心を取るポーズ」を決めた。
「我ら二人の力をみせてやる!(訳:ついにこの時が来た! この輝く硬貨(マネー)を使い、私を支えてくれたロドスの皆へ、最高にランクアップした贈り物を捧げるのだ!)」
彼はしみじみと今までの質素な生活を振り返り涙を流した。
(いやぁ、長かった。一時は食堂の無料のパンだけでポーズを維持する日々だったが、ようやく脱却したぞ!)
ドルベは購買部のカタログを広げ、一人で作戦会議を始めました。
「あまり時間をかけてもいられないな(訳:まずはアーミヤCEOだ。彼女には、より効率的に、かつ優雅にポーズを決めるための『特製リボン』はどうだろうか!)」
「王を救うのだ!全軍突撃!(訳:ドクターには、過酷な執務に耐えうる『バリアンの紋章入り(自作)最高級羽毛枕』。これでRUM安眠もさらに捗るはずだ!)」
「非力な私を許してくれ……(訳:ケルシー先生には……いつも怒られてばかりだが、感謝している。よし、この万年筆にしよう!)」
そして、最後に彼は一番長く時間をかけ、カタログの一点を指差しました。
「私とてバリアンを救わなれねばならない!(訳:そしてフロストノヴァ。彼女には……彼女自身の美しさをランクアップさせる『最新のヘアアクセサリー』。……渡すときが楽しみだぜ!)」
ドルベは「購買部という名の戦場へ赴く孤高の買い出しポーズ」で購買部へと駆け出した。
「さあ、決着をつけよう!デュエルだ!(訳:クロージャさん! この給料袋の中身、全部使って最高の品を揃えてくれ! 釣りはいらん!!)」
「……ホワイトシールドさん、まずはカタログの番号で言ってちょうだい」
購買部のクロージャに冷静にあしらわれながらも、ドルベの瞳はかつてないほど輝いていた。
購買部での格闘を終えたドルベの手には、丁寧にラッピングされた小さな箱がいくつか握られていた。
給料袋の中身は、文字通り一銭も残さず、綺麗さっぱり消え去っていた。
彼は「心には宇宙規模の充足感を宿す聖者のポーズ」で、フロストノヴァを探してロドスの回廊を練り歩きました。
寄宿舎の近くで、ちょうど非番のフロストノヴァを見つけたドルベは、周囲の空気が振動するほどの勢いで「膝を深くつき、箱を頭上に掲げるポーズ」を繰り出した。
「女、貴様はよく戦った、眠りにつくがいい!(訳:フロストノヴァ! いつも感謝している! これは私の初給料で買った、君の輝きをランクアップさせる品だ! 受け取ってくれ!)」
「……ちょっと、変なセリフで渡さないでくれる? 縁起でもない…」
フロストノヴァは呆れ顔で、しかし差し出された箱をそっと手に取った。中に入っていたのは、彼女の銀髪に映える、繊細な銀細工に蒼い鉱石が埋め込まれたヘアピンだった。
「……これ、結構高かったんじゃないか?お前 、演習場の修理代でずっとカツカツだったはずだろ」
「ブックス!(訳:気にするな! 借金は完遂した! 今の私は自由なバリアンの戦士だ!)」
フロストノヴァは、そのヘアピンをじっと見つめると、ふっと口元を緩めた。いつもの「冷たい目」が、春の雪解けのような柔らかな色に変わった。
「……ふん。ポーズの割には、センスはまともの様だな…。……ありがとう、ドルベ。大切にする」
彼女はさっそく、そのヘアピンを自分の髪に挿しました。
「感じるぞ、お前の魂を!(訳:おお……! なんという神々しさだ! その姿こそ、バリアン世界を照らす新たな光……!)」
(やったぜ! 喜んでくれた! 給料全額ぶっ飛ばした甲斐があったってもんだ!!)
ドルベはフロストノヴァの表情を見て自分のセンスが合っていたことへの喜びを噛み締めていた。
感動的な贈呈式を終え、ドクターやアーミヤ、ケルシーにも(それぞれの個性的すぎる献上ポーズと共に)贈り物を配り終えたドルベ。
夜、食堂の片隅で、彼は「飢えすらも修行と捉えるストイックな隠者のポーズ」で座っていた。
目の前には、無料配布の乾いたパンの耳と、セルフサービスの白湯が一杯。
それでも彼は飢える感覚がありながらもどこか満足している感覚が会った。
「非力な私を許してくれ……(訳:……お腹が、空いた。プレゼントに全額使い切るという、バリアンの戦士としての『意地』を貫きすぎたか……)」
そこへ、髪に新しいヘアピンを光らせたフロストノヴァが、トレイを持ってやってきた。トレイの上には、彼女が注文した大盛りの温かいシチューと、予備のスプーンが二つ。
「……何やってるんだ、バカ。全額使うなんて、計算ができないにも程がある」
「ブックス……(訳:面目ない……)」
「……ほら、食べなさいよ。お祝いに半分分けてあげるわ。お前が倒れたら、私の監視任務が終わらなくて困る」
「我ら二人の力をみせてやる!(訳:フロストノヴァ……! かたじけない! いただきます!!)」
結局、初給料の日は「全額使い切って空腹に苦しむドルベを、フロストノヴァが呆れながら養う」という、ロドスではお馴染みの光景で幕を閉じた。
ロドスの作戦会議室は、かつてないほどの熱気に包まれていた。しかし、それはいつもの緊張感とは少し質の異なるものでだった。
原因は、医療病棟の「聖母(光り輝くポーズの男)」として欠かせない存在となったドルベの運用がきっかけだった。
「ケルシー、今回のカズデル国境付近の作戦は激戦が予想される。NO.102のアーツ無効化と、前線で光天使の制圧はどうしても必要だ。ホワイトシールドを連れていく」
「ドクター、それは容認できない。医療病棟には今、容態が不安定な感染者が数多く入院している。彼の『NO.102』による鎮静効果がなければ、私の医療チームが崩壊する恐れがある。今は彼はロドスに残すべきだ」
このようにお互い、最近活躍の場を増やしたホワイトシールドをめぐり会議は長引いていた。
最初は理論武装で殴り合っていた二人だったが、議論が数時間に及ぶと、疲労のせいか内容が変質し始めた。
「……いいだろう、ドクター。そこまで言うなら連れて行くがいい。その代わり、君が全責任を持って、あのポーズとドルベ語に24時間耐え、次の作戦で連れて行ってやるといい」
「……いや、待ってくれケルシー。そう言われると、確かに君の心労は計り知れない。最近、私の執務室でも彼のポーズの風圧で書類が散乱して困っていたんだ。やはり、今回は医療病棟で君が運用してくれた方が……」
「驚いたな、譲ってくれるのか? …だが、君の戦場での君の安全を考えると、やはり彼をドクターの側に置いておいたほうがいいと判断した。……君に何かあればロドスの今後にかかわるからな…」
「ケルシー……。君こそ、医療病棟での過労が心配だ。彼を置いていくから、少しは休んでくれ」
「ドクター……」
会議室に流れる、妙に甘ったるい、「熟年夫婦」のような空気。参加していたオペレーターたちは、虚無の表情で天井を見上げ始めた。
会議が終わる気配は全くない。手持ち無沙汰になったブレイズやスノーデビル小隊の面々は、会議室の隅で「調和の取れた世界を再構築せんとする仲裁者のポーズ」を決めているドルベを眺め始めていた。
「なあ、今のホワイトシールドのポーズ、なんて言ってると思う?」
「『お熱いのは勝手だが、俺のスケジュールを早く決めろ』……とかじゃないか?」
ドルベは彼らの視線に応えるように、さらに力ず良いポーズへと変えた。
「これがお前の力か(訳:ドクター! ケルシー殿! 私を想うがゆえの争い、このホワイトシールド、深く感動した! どちらに転ぼうとも、私の『意地』が揺らぐことはない!)」
(いやぁ、二人とも俺のことを取り合うなんて、バリアンの戦士冥利に尽きるぜ。でも、そろそろお腹が空いてきたから、ポーズのキレが落ちそうだぜ…)
二人の甘い(?)押し付け合いが最高潮に達し、ドクターがケルシーの手を握らんばかりの勢いで「君の負担を減らしたいんだ」と言ったその時。
「…………ドクター?」
会議室の温度が、フロストノヴァのアーツなしで氷点下に叩き落とされた。
アーミヤが、これ以上ないほど「静かな」笑顔でドクターの背後に立っていた。その瞳は、青黒い闇を湛えている。
「……アーミヤ? どうしたんだい、そんなに顔を近づけて……」
「ドクター。ケルシー先生とそんなに仲良く、ホワイトシールドさんの押し付け合い……いえ、譲り合いをなさるなんて、とっても楽しそうですね?」
「あ…、いや、これは作戦会議の延長で……」
「ホワイトシールドさんは、私が連れていきます。 医療も、戦場も、私が全部指揮しますから。ドクターは、私の隣で、ずっと、私の指示だけを聞いていてください。……いいですね?……それとも……『私が怖いですか…?』」
アーミヤの背後から噴き出す、「圧」!。ドルベですら、その気迫に「究極の捕食者を前にして、死を覚悟した小動物のポーズ」へと移行せざるを得なかった。
「この突然の異変は・・・まさか滅びの前兆!?(訳:ヤバい! アーミヤCEO圧……!これがアークナイツメインヒロインの力なのか…!! ドクター、健闘を祈るぜ!!)」
「非力な私を許してくれ……(訳:俺は……大人しくアーミヤさんに付いていくぜ……!)」
結局、ドルベはアーミヤに引きずられるように回収され、ドクターはその後一晩中、アーミヤによる「面談」を受けることになるのだった。
ロドスの静寂に包まれた深夜。ドクターをRUMで安眠させた後、自らも深い眠りについたドルベは、青白く輝く不思議な空間で目を覚ました。
そこには、かつてアニメで見た「アストラル」が佇んでいる。しかしどこか冷淡で超越的な雰囲気を纏った存在が浮かんでいた。
「……あ、アストラル!? なぜお前がここに……いや、ナストラルと名乗っているのか!?」
ドルベは驚いた。そして何より、「自分が普通に喋れている」ことに二重の衝撃を受けました。ポーズを取る必要もなく、脳内の「翻訳」を通さずとも、言葉がそのまま口から滑り出しているのだ。
「……あまり大きな声で叫ぶな。騒々しいぞ」
ナストラルは呆れたように腕を組む。
「私はアストラルではない。ナンバーズは元々アストラルの力……私はその欠片に過ぎず、姿が似ているのはその名残だ。だからこそ、混同を避けるために名を変えた。……それより、今日お前をここに呼んだのは、お前の『気持ち悪い心の声』についてだ」
「き、気持ち悪いだと!? 失礼な! 俺はアーミヤちゃんやフロストノヴァ、それにドクターたちと一緒にいられるだけで幸せしゅきしゅきなんだよ! 全力で愛を叫んでいるだけだ!」
ドルベ(中身:一般人)の反論に、ナストラルは底知れぬゴミを見るような目を向けた。
「それを世間ではセクハラと言うんだ。それと気持ちが悪い声と今までお前が脳内で垂れ流していた不都合なものは私が全部カットしておいたのだ。代わりにもっともらしい騎士の心の声に書き換えておいてやったんだ。 感謝しろ」
ドルベは狼狽えた。
「な、なんだと……!? じゃあ、俺が今までポーズを決めながら考えていた『推しへの愛』は、誰にも届いていなかったのか!? ていうか、今さらなんでそれを言うんだよ!」
「フロストノヴァに力を貸す頻度が増えたからだ。お前の不快なノイズが彼女の精神に悪影響を及ぼしかねない。今後は慎め。……お前が変なポーズで固まっている間、私の『編集作業』がどれだけ大変だと思っている」
ナストラルが消えようとするのを見て、ドルベは必死に食い下がった。
「待て! 最後に一つ教えてくれ! なぜ、俺のRUMはドクターの安眠以外に使えないんだ!? 戦場で使えれば、もっとみんなを救えるはずなのに……!」
ナストラルは振り返り、その半透明の瞳でドルベの「本質」を見透かすように言いました。
「そんなことは、お前が一番わかっているはずだ。」
「ブックス……!」
跳ね起きるように目を覚ましたドルベ。頬を伝う冷や汗が、夢の生々しさを物語っていた。
隣のベッドでは、RUMの効果で幸せそうにヨダレを垂らして寝ているドクターがいる。
(そうだ……。俺、フロストノヴァの前で『さすがフロストノヴァ、マジ天使!』とか叫んでたつもりだったが……? ナストラルの旦那がカットしてくれてなきゃ、今頃ロドスの外に放り出されてたぞ……)
彼は震える手で「自らの不徳を恥じ、しかし同時に守られた平穏に感謝する、反省のダブルピース・ポーズ(控えめ)」を決めた。
「我ら二人の力をみせてやる……(訳:ナストラルの旦那、ありがとう。これからは……心の声も、もう少し高潔なものにするよう努力するぜ……)」
翌朝、心なしかいつもより「おしとやか」に、しかしキレだけは健在なポーズで挨拶するドルベを見て、フロストノヴァは「……少しはマシになったか?」と不思議そうに呟くのだった。
ロドスの最深部、厳重なセキュリティに守られた独房。
かつて「不死の黒蛇」の呪縛に囚われ、テラを焼き尽くそうとしたタルラは、鉄格子の向こう側の暗闇を見つめていた。
彼女にとって、現在の状況はあまりにも現実味を欠いた「誤算」の連続だった。
コシチェイの囁きに魂を明け渡したあの日から、彼女の計画にパトリオットとフロストノヴァの「生存」は組み込まれていなかった。むしろ、彼らの高潔な死こそが、彼女を真の絶望へと突き落とすための仕上げになるはずだった。
(……スノーデビル小隊、エレーナ、彼女たちは龍門で命を散らすはずだった。大尉、あなたは最後まで『愛国者』として、己の信念に殉じて砕け散るはずだとおもっていたが……)
しかし、現実は違った。
報告によれば、フロストノヴァはロドスの医療技術と「未知の力」によって一命を取り留め、パトリオットもまた、満身創痍ながらその重い足を止めることはなかった。
タルラは独房の冷たい壁に背を預け、自嘲気味に目をつむる。
自分が犯した罪は消えない。彼女が背負うべき懺悔の時間は、まだ始まったばかりだ。けれど、かつての同胞たちがこの同じ艦内のどこかで息をし、あるいは笑い、土に触れているという事実。その「奇跡」だけが、彼女の凍てついた心を微かに、温めていた。
一方その頃、ドクターの執務室では、かつてないほど「熱苦しい」交渉が行われていた。
「ドクター。ホワイトシールドさんが……その、どうしても、と」
アーミヤが困り顔で書類の山から顔を上げると、そこには「罪深き魂に慈悲の光を注ぎ、絆を再構築せんとするポーズ」を決めたドルベの姿がありました。
「なんとでも言え!私とてバリアンを救わなければならん…(訳:ドクター! タルラのことだ。彼女は独房で一人、孤独と向き合っている。面会させてくれ!)」
ドルベの隣には、複雑な表情を浮かべたフロストノヴァも立っていた。彼女の手には、パトリオットの畑で採れたばかりの、瑞々しい「パトリオット・シール付き」の野菜カゴが握られている。
「……私も、最初は反対した。でも、ホワイトシールドが『ポーズを102時間維持してでも頼み込む』って聞かなくてな。……それに、父さんも、本当はこれをあいつに食べさせたがってる…」
ドクターはペンを置き、ドルベを見つめた。
「我ら二人の力をみせてやる!(訳:ドクター、許可をくれ! 彼女に、パトリオット殿が丹精込めて育てたこのトマトを届けさせてくれ!)」
ドルベのあまりに真っ直ぐな、そしてキレのありすぎるポーズの連続に、ドクターは小さく溜息をつき、微笑んだ。
「……分かった。ホワイトシールド、フロストノヴァ。条件付きで差し入れを許可しよう。ただし、タルラの精神に刺激を与えないよう、騒ぎすぎないことだ…」
「王を救うのだ!全軍突撃!(訳:感謝する、ドクター! さあフロストノヴァ、行こう! タルラ殿の独房を、希望の輝きで照らしてやるぜ!)」
「……言っておくけど、変なポーズでタルラを困らせたら、その場で氷漬けにするから」
二人は、重厚なセキュリティの奥に眠るタルラのもとへと、小さな奇跡(野菜カゴ)を携えて歩き出す。
独房エリアの重厚な防壁の前に、チェンは立っていた。
任務から帰還したばかりの彼女がここへ足を運んだのは、囚われの身である姉、タルラの様子を一目見るためだった。
「……はい、手続きは済みました。入室を許可します」
看守から端末を受け取ろうとしたその時、廊下の向こうから信じられないほど「場違いな輝き」と「聞き慣れた足音」が近づいてくるのに気づき、チェンの眉間には深い皺が刻まれた。
チェンの脳裏に、龍門近衛局時代の過去が脳裏をよぎる。
龍門にてそれはロドスと近衛局の共同任務を確認していた時だった。
「止まれ! そこで奇妙な角度で固まっている不審者、動くな! 近衛局まで同行を願おうか!」
「ブックス!?(訳:不審者だと!? 私はバリアンの――)」
「アーミヤ、下がれ! 今この男を……『不審なポーズ罪』で現行犯逮捕する!」
「チェンさん待って! 落ち着いてください、この人はロドスの……その、新しい仲間なんです!」
あの時はアーミヤが必死に庇ったため事なきを得ましたが、チェンにとってホワイトシールドは、今でも「理解の範疇を超えた要注意人物」の筆頭だった。
その後、近衛局を離れロドスの一員となった彼女を待っていたのは、さらなる驚愕だった。元レユニオン幹部フロストノヴァ、「愛国者」パトリオット、そしてスノーデビル小隊……かつてロドスト敵対していた宿敵たちが、この艦で「家族」として暮らしている奇跡。
それはすべてあの「変なポーズの男」が起こした奇跡だという。
そして、あの「ポーズの男」が演習場で見せた、戦場を光で支配する圧倒的な実力。
(……実力は認める。だが、中身があれでは、タルラに会わせるなど…)
廊下の曲がり角から姿を現したのは、野菜カゴを大事そうに抱えたフロストノヴァと、「己の誠実さを全身の筋肉で証明せんとする入念なストレッチ風ポーズ」を決めたドルベだった。
「これがお前の力か(訳:ほう……チェン殿ではないか! 任務からの帰還、大儀であった。君の眼光も、以前より鋭くランクアップしているようだな!)」
「ブックス!(訳:どうだ、このトマト! パトリオット殿の愛情が詰まった、奇跡の逸品だぞ!)」
ドルベは「再会の喜びを、片足を軸にした高速旋回によって表現する親愛のポーズ」でチェンを迎えました。
フロストノヴァが呆れたようにチェンを見る。
「……チェン。見ての通りだ。こいつがどうしてもタルラに野菜を食べさせたいって、ドクターをポーズで説得し落とした」
チェンは腰の「赤霄」の柄に手をかけ、鋭い視線をドルベに突きつけた。
「ホワイトシールド、フロストノヴァ。……その野菜を届けるのは構わん。だが、もし彼が……その『変なポーズ』で姉の精神に変な影響を与えようとするなら、即座に私が斬る。いいな?」
「我ら二人の力をみせてやる!(訳:厳しいな! だが、その警戒心こそが愛の裏返し! 共に参ろう、タルラ殿が待つ断罪の間へ!)」
チェンは溜息を飲み込み、彼らを先導するように歩き出しました。
「……付いてこい。ただし、ポーズで警報を鳴らすなよ」
ロドスの最深部。因縁の姉妹と、奇跡の生還者、そして異世界の騎士。
あまりにも噛み合わない四人が、ついにタルラの独房の前に集結しようとしていた。
MDで勝てなくてもいいんで1番強い光天使のデッキを誰か教えて下さい。
オリジニウムダスト後は…
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オペレーターとの交流(時系列バラバラ)
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ドクターやロドス首脳陣主体の交流
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単独でサイドストーリーに乗り込む
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結果を見たい用兼感想でお教え下さい