魔法使いは今日も秘密裏に街の平和を守る
人の世の影に隠れたそれは、呪い、恨み、怒り、悲しみの形
それを退治するのが魔法使いのお仕事
でも、決して希望を忘れないこと
もしも希望を思い出せなくなったら____
冬休みに入った。
とは言え僕は今まで通り勉強机に向かう毎日だ。
今は気分転換に散歩をしている。
この寒い道を歩いていると、ふと頭の中で解説したくなる__
ここ日本では8月から2月までが冬とされている。秋は2ヶ月、春はひと月、夏は3ヶ月でそれほど暑くないといった具合だ。
この寒さの原因は、南半球から現在進行中で迫ってきてるアイスウォールという壁のせいだ。
これは数年前突如として南極で発生した物で、南極から北極に向けて氷の壁でこの地球表面を覆うとしている。
今は赤道らへんで留まっているけど、いつかは赤道を越えてくるんだろうね。
思い出したが、アイスウォールが発生する前は普通の気候だった。だんだんと朧気な記憶になってきたな…
そんなことを考えていると、ふと辺りに違和感を感じた。
人気が異様に無く、それでいてどこか薄暗さも感じる。
悪寒がする。周囲を調べると、どんよりとした暗い魔力を感じた。
「これは…魔獣の魔力か?」
魔獣…この世界に蔓延る人間の闇が具現化したみたいなやつだ。こいつはすぐに倒さないと近い内に不幸の連鎖を起こしてしまう。
僕は魔力の元を探して辺りを走り回った。
薄暗い建物の中に魔獣領域の入り口を見つけた!
が、丁度入り口が開いていた。誰かが先に来たのか…?
僕はハートコアを使い、武装してから入った。
「ふむ…既に魔獣の仔は掃討されている…僕以外の魔法使いがいると見た」
結界を探索(魔獣の仔の死骸を辿ってる)していると、ついに親玉を見つけた。
あちこちで破壊音と魔力音が聞こえる。
どうやら先客が魔獣と戦っているようだ。
フードを被った斧を扱う人…いや、あの声は多分…
「おりゃああああ!!!くたばれぇぇぇぇ!!!」
「#$$“%⑧|$`<“@■`!!」
顔はフードで見えないが間違いない、大和だ!
僕は影から援護することにした。物陰に隠れながら弓を打つと、こちらに気づけないのか反撃してくる様子はない。
僕の遠隔攻撃によってだいぶ怯んだあれは、あと一撃で葬れそうだ。ラストは大和に譲るか…!
「…!これでッ!ラストだ!!」
「√≤‾:■■“$|%$|:#!!!」
迸る雷鳴、一瞬の閃光と爆音はその技の威力を想起させられる。
魔獣は見事に大和の一撃によって死んだ。
領域は崩れ、魔獣の死骸だったものは黒い塵となり、やがて小さな塊になった。
「はぁ〜疲れたぁ」
「お疲れ、大和」
「うおえぇっ!?数希??いたなら声かけろよ…」
僕たちは武装を解くと、この小さな黒い塊を拾う。
これは僕たち魔法使いが生きるために必要なもの。アフターブラックというらしい。これを使えば、その日に使った魔力を回復できるそうだ。改めて思うけど、こんな怪しいものでよく回復できるな…
「ごめんごめん、あの時は大和すごい集中してたし声かけづらかったんだよ」
「あーな…まあいいわ」
大和は笑っているが、少し疲れていそうだ。
そういえば、前は魔獣退治が終わった後の息抜きとしてアレやってたような…
そう思った僕は、誘導するように話しかける。
「そうだ大和、近くにコンビニがあったよね」
「おう、そうだな」
「魔獣退治が終わって、コンビニやることと言えば…?」
「んー…あ!」
「思い出した?」
「おう!」
「せーの…」
「「ホットフードを食べる!」」
「うっし、それじゃ行こうぜ!」
「うん!」
僕は大和に手を引かれながら、コンビニへ向かっていった。
こういう強引な手を使うのも、彼の魅力の一つだと僕は知っている。
つづく
読んでいただきありがとうございます!
非日常へと踏み込んでいくあの瞬間が好きです。
さて、数希たちは魔法使いとしてこの街の平和を守っているすごい存在というのが明かされましたね。
いわゆるヒーロー…魔法少女…そのようなものかと。
何も考えずに応援してあげてください。彼らも喜ぶと思います。
次回は同じように明日の4時半に投稿予定です。
それでは。