無個性ヒーロー:タランチュラ   作:インビジブルです男

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ブルース、ヒーローを目指す。


Mission 2:毒蜘蛛

前回のあらすじ。

我らが主人公・ブルース・ヒットマンは、3歳の頃に何者かに家と家族を破壊され、その場に現れた無個性の暗殺者であるレディバグに拾われた!

そしてその事件から1年後!

ブルースはレディバグにバットマンとアイアンマン等の映画を見せられ、ヒーローに憧れるようになった!

4歳になり、ブルースは個性診断を受けることになった。

その結果は…無個性。

しかし、ブルースはバットマンのようなヒーローになるという夢を諦めていなかった。

無個性で強いレディバグ、バットマン、アイアンマンを見て育った彼からすれば、無個性というのは何の障害にもならないのだ。

 

そして、その言葉を聞いたレディバグは、彼と日本に渡り、ブルースをヒーローになれるように育て上げることを決意。

果たして、ブルースは無事にヒーローになれるのか!?

第2話、スタート!

 


 

ブルース達が日本に渡り、9年が経過。

今日はブルースの誕生日である。

 

レディバグ「誕生日おめでとう!!ブルース!!」

 

ブルース「…ダル。喜びすぎなんだよ。」

 

ブルースはレディバグの作った鬼畜な訓練内容、そして日々のハードな勉強にやられて、気だるげかつふてぶてしい性格になってしまった。

 

レディバグ「ったく…13歳の癖に愛想ねぇなぁ。お前いつからそんなダウナー系になっちまったんだぁ?トニー・スタークみたく陽気になってみたらどうだ?」

 

ブルース「誰のせいだと思ってんだ。」

 

レディバグ「昔は可愛かったんだけどなぁ…。あっ、今も可愛いぞ?」

 

ブルース「黙れ。」

 

そう言うと、レディバグはタバコに火をつけ、ブルースは手元にある設計図を手に取る。

 

レディバグ「そういえば、あのスーツの制作はどうだ?順調か?」

 

ブルース「まあ。山奥にデカイ家を建ててくれたお陰で、研究に調合、実験まで全て上手くいってる。」

 

レディバグ「そうかそうか!んで、薬はもう作って無いよな?」

 

ブルース「あ?作ってるに決まってるだろ。意識維持剤…いや、意識・記憶補強化合物 ENUI(アンニュイ)の開発は急務だ。1から3までは血流量が多大で、余計に疲労が襲いかかるが、今回のENUI-4は理論的には安全だ。

この後、投与実験を行う。万が一俺が倒れた時の為に、親父には付き添ってもらう予定だ。」

 

レディバグ「お前まだ懲りないのか…。ENUI-3で傷口から大量に血が溢れて死にかけたの覚えてねえのか?」

 

レディバグは煙を吐きながらそう言った。

そう、ブルースは怪我をした時に薬の試験を行い、1度死にかけたのである。

そのため、レディバグはそれ以来薬物実験が大嫌いになったのだ。

 

ブルース「知らねえよ。実験の結果は結果でしかない。大切なのはその過程だ。それと、俺は死なない。お前が助けてくれるしな。はぁ…ダル。」

 

ブルースはコタツの下からケースを取り出すと、そこには蛍光ピンクの液体と注射器が入っていた。

 

ブルース「早速、ENUI-4投与実験開始と行こうか。ケーキ食ったりするのは実験のあとでもできるだろう。」

 

レディバグ「ちょっ…ちょっと待て!お前…それ本当に大丈夫な感じか!?いかにも毒物って感じだが…。

なぁ、先にケーキ食わねえか?な?」

 

ブルース「いや、ダメだ。俺はやる。…理論上は持続時間30分、副作用は代謝が増えることによる空腹のみ…のはず。腹が減れば倦怠感が増すが…まあ、戦闘を少しでも継続できるのであれば問題は無いか。」

 

ブルースは頸動脈に注射器を突き刺し、薬剤を注入する。

 

ブルース「あ」

 

彼がENUI-4を注入した瞬間、ブルースはぶっ倒れてしまった。

 

レディバグ「はぁぁぁあ!?おい!理論上は大丈夫なんじゃねえのかよ!」

 

レディバグはそう叫ぶが、ブルースは口から泡を吹いて白目を向いている。

 

レディバグ「待てよ…中和剤があったはず……おっ、あった!!」

 

レディバグは紫色の薬剤が入り、ENUI-4緊急用中和剤と書き記された注射器を手に取ると、迷わずブルースの首筋に突き刺す。

 

レディバグ「頼むぞ…!」

 

レディバグは注射器のプランジャーを押し込むと、ブルースの口の泡が収まった。

 

ブルース「…ダル。また失敗か…これだからダルい薬物実験は苦手なんだ。」

 

レディバグ「だったらなんでやるんだよ…。」

 

ブルース「ヒーローの戦闘維持時間は命だ。ダルい仕事は増えちまうが、人を助ける為なら構わない。」

 

レディバグ「お前戦闘スタイルはアサシンだけど、とことんヒーローに向いた性格してるよなぁ。」

 

ブルース「そのスタイルを教えたのは誰なんだ?と俺は問いたい。」

 

ちなみに、レディバグの鬼畜な訓練とは、毎日3時間に渡る彼との先頭である。

ブルースは今まで、一度もレディバグに勝てたことはない。

10年以上暗殺者やっていた彼に、中学1年のガキンチョが勝てるわけなのだ。

 


 

2年後。

雄英高校入試1日前。

 

ブルース「ENUI化合物も妥協出来るくらいには完成した…。スーツもマーク15にしてようやく完成し、サポートアイテムとしての登録完了…。はあ…ここまでの道のりはダルかった。」

 

ブルースは、13歳の頃から制作していた“アイアンマンのような、バットマンのような無個性でも扱えれば強いスーツ”、そしてENUI-4以来の意識・記憶補強化合物の開発に、日本最高のヒーロー養成機関入試の1週間前に成功した。

 

レディバグ「んー、おはよう!ブルース!」

 

ブルース「おう。」

 

レディバグ「おっ!?ついに返ってきたか!!TARANTULA MK15が!!」

 

ブルース「こいつを、明日の入試にぶち込む。」

 

ブルースは目の前に置かれたブリーフケースのようなものについた引き金を引くと、右手からそれが捕食するように装備される。

これがTARANTULA MK15…14回の試作品を経て完成した、無個性が扱うヒーロースーツの集大成である。

見た目は黒を基調とした装甲に、左肩、腰の右側からは赤い布が垂れ下がり、首の右側には大きい襟、そして頭にはフードを被り、顔の目にあたる位置には赤いバツマークが光を放っていた。左肩の装甲には、タランチュラのような毒蜘蛛のマークが描かれている。

見た感じの武装は、スナイパーライフルにリボルバー、そしてコンパウンドボウ。

 

レディバグ「やっぱすげぇな…アイアンマンを少しごつくして、バッドマンの要素を足しつつオリジナルとしてのビジュを確立してやがる。」

 

ブルース「ギリギリで返ってきてくれて良かった。」

 

ブルースはスーツを装着すると、スパイダーマンのような手の形を作り、勢い良く手を突き出す。

すると手首の辺りからはグラップリングフックが射出され、地下室の壁に突き刺さった。

 

ブルース「グラップリングフックも正常に動作…光学迷彩も使用可能で、爪先の仕込み毒ナイフも作動…ライフルの照準同期、偏差補正も良好か。いい出来だ。」

 

レディバグ「俺バカだからお前が何言ってんのか分かんねぇけどよ…お前がアサシンになってたら、間違いなく俺を超える存在になってたと思うぜ。」

 

レディバグは無個性とはいえ、たくさんの死線を潜り抜けてきた強い暗殺者だ。

息子という補正はかかっているものの、彼がブルースを認めることは凄いことである。

 

ブルース「うっす。…まあ、暗殺者とかダルそうだしやらないけどな。」

 

レディバグ「ピエン。」

 

ブルース「おっさん、痛いぞ。」

 

沈黙が流れる。

その沈黙は11年前の重いものとは違い、家族の温かい雰囲気を纏っていた。

 

レディバグ「にしても、お前が高校に入ったら遂に大人としての第1歩を踏み出すのかぁ…感慨深い物があるねぇ。」

 

ブルース「親父も4月入ったら46だろ。ジジイへの1歩を踏み出すな。」

 

レディバグ「ひっでぇこと言うなお前!?いつそんな言葉覚えた!?」

 

ブルース「すまん。」

 

レディバグ「まあ思春期のガキにはありがちな事だからいいけどなぁ…。外では言うなよ!いいな!?」

 

ブルース「うい。」

 

ブルースは左前腕に着いているデバイスを操作すると、アーマーがブリーフケースの形に戻っていく。

 

ブルース「よし、最終チェックしてくる。夕飯前には戻る。」

 

レディバグ「りょーかい。気をつけていけよー。」

 

ブルース「はいはい。」

 

ブルースは入試前最後の点検の為に家を発った。




入試書こうと思ったのに書けなかったじゃないか
もういい切腹
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