『サブキャラクター・トールズ士官学院(トワ、アンゼリカ、ジョルジュ)』
㊴《トワ・ハーシェル》
テーマ『葛藤』
カレイジャスの艦長代理として、あらゆる局面で難しい判断を迫られた彼女のテーマは葛藤です。
原作よりかはやや可愛さ控えめで、どちらかと言えば判断を下す際の内心の揺らぎの方に重きを置いています。なので魔獣は艦内に乗せないとか、ダメなものはダメという厳しめの采配をすることも多くなっていましたね。まあ、魔獣は乗りましたが。
特に第三の風としての意義に迷ったり、取捨選択を迫られた最終戦などでは、けっこう感情的な面を表に出していたりします。艦長としての振る舞いと、年相応の女の子としての顔。その境界が自分で制御出来なくなっていたのでしょう。
ですが学院生たちは彼女の元に集い、そして最善の結果を出しました。それはアルゼイド子爵ではできなかったことかもしれません。
物語のラストでは彼女は艦長代理ではなく、れっきとした艦長となっていました。
しかし勇ましい面だけではなく、作中ではやたらとセクハラにあったり、触手責めにあったりと、謎のお色気担当にもなっていました。起伏の少ないぼでぃで良く頑張ってくれたと思います。
トワに関して裏話的なものはあまりないのですが、頻繁に医務室に行ってはロジーヌから胃薬と睡眠剤をもらっていたという、地味にリアルな舞台裏はあったりします。
★
㊵《アンゼリカ・ログナー》
テーマ『指針』
彼女の言葉には嘘がなく、駆け引きのないストレートさがあります。ブレない強さですね。これは副艦長というポジションも含め、何かと思い悩むトワへの“指針”としての位置付けでした。
貴族連合に学院が占拠された際、そこに立ち会えなかったというのは、やはりアンゼリカの中では引っかかる部分だろうと思い、当作の中では強調して描いています。
彼女が物語の中で果たすべき役割は二つ。
最終決戦において自らが艦長を務めたのが敗因だったと唇をかむトワに、学院生たちが自発的に彼女の元に集った光景を見せ、「この戦いの勝因は君だ」とはっきり直球で告げること。
そして《エンド・オブ・ヴァーミリオン》相手に、ゼロ・インパクトを打つことです。
前作の『ちょっとだけ閃Ⅱ(後編)』で、アンゼリカは戦術殻相手にクロウと初リンクを成功させ、ゼロ・インパクトを放っています。あの時点で、虹Ⅱの最終戦でもう一度クロウとリンクして、戦いの決定打となるゼロ・インパクトを繰り出すことは決めていました。考えてみれば、一番古い伏線でしたね。伏線、とは呼べないかもですが。
いずれにせよあれはアンゼリカに課した物語の始まりと終わりを繋ぐ大切な技だったので、絶対に外せない一撃でした。
ちなみにハイデル・ログナー戦で利き腕を脱臼し、その後のパンタグリュエル制圧戦まで戦闘に参加させなかったのは、“オーロックス砦戦やカレル離宮奪還戦での戦力バランスが狂うから(味方側が強くなり過ぎるから)”という、アンゼリカの戦闘力をストーリー上で封じておく必要があったからでした。
★
㊶《ジョルジュ・ノーム》
テーマ『特になし』
大戦犯。ある意味トヴァルさんよりもやらかしてくれた人。
元々は前線に出ない裏方の歯痒さのようなものをテーマにして描こうかなと思っていました。『夢にて夢みて』の一発目でその辺にも軽く触れ、ジョルジュの事も掘り下げていこうとしていた矢先に、閃Ⅲでの「気づいちゃったんだね?」発言が来たわけですよ。あの瞬間は「んっ? えっ? あっ……(察し)」みたいな反応で固まりました。下手をすれば、こちらのラストの展開に影響が出かねませんでしたから。
当作ではラストバトルでトワ、アンゼリカ、ジョルジュがクロウと重奏リンクをします。
ですがその前にクロウに対し『本心からの裏切りを考えていれば、学院祭での重奏リンクでリンクブレイクが発生したはず』とリィンが諭すシーンがあり、しかしその弁の通りだと『ジョルジュが腹の底でクロウを利用しようと企んでいた場合、もれなく彼もリンクブレイクする』という理屈に繋がってしまうわけです。
閃Ⅲ、閃Ⅳがどんなエンディングを迎えようが、それに合わせて虹の軌跡のエンディングに変更を加えるつもりはないと豪語していたものの、ここだけは非常にまずい部分でした。
自覚なしパターンに転がってくれたからどうにか事なきを得ましたが、マジでやらかしおったなあ!って感じでしたね。
罰として本編中の最終決戦前には七日間不眠不休でクララにこき使ってもらっています。
裏話で言えば、睡眠不足のジョルジュが一人で何もないところでぼそぼそつぶやいているシーンがあるのですが、意識朦朧とした中で無自覚に彼の戦術殻《ナグルファル》に話しかけているところだったりします。あとカレイジャスのエンジン爆発に巻き込まれた際も、彼を守ったのは《ナグルファル》という裏設定です。
★
『サブキャラクター・Ⅶ組の協力者』
㊷《サラ・バレスタイン》
テーマ『訣別』
虹の軌跡はあくまでもⅦ組の物語。ですのでサラはあまり前に出過ぎないようにして、Ⅶ組が敵わない強敵を彼女が倒したり、ストーリーを引っ張っていくような展開には一切しないようにしました。だから煌魔城への同行もなくした形です。
サラのテーマは訣別。ノーザンブリアと北の猟兵とのケジメとして、『故郷のために戦うあんた達には感謝してる。でもケルディックを焼いた事実は事実』と、古巣との縁切りを果たしました。そこには小さな罪悪感もあったかもしれません。猟兵としての過去、教官としての現在を経て、遊撃士としての未来へ。
こんなふうに書くと真面目な印象を受けますが、教え子たちがクレアとかシャロンとかと仲良くしているのを見ると嫉妬する人。あと作戦遂行中以外のカレイジャスではだいたい酒飲んでました。
トヴァルさんと一緒に登場した時はサラのダメっぽいところが際立つので、自動的にトヴァルさんがサポート側に立つことが増えています。それによってトヴァルさんがやらかさなくなるというロジックが発生するため、実はサラは彼の救済キャラでもありました。もっとも最終話ではサラ自身にやらかしていますけど。
強いて書き残したことを挙げるなら、サラとクレアとシャロンによるお姉さんたちの飲み会を短編でやりたかったですね。
★
㊸《シャロン・クルーガー》
テーマ『悪戯』
キャラクターによって有する役割というものがありますが、ことシャロンにおいては非常にわかりやすく、それが“悪戯”という感じでした。裏で何かを画策し、表の何かをかき回す。要するに事件の原因となるものを作る人。悪意はないのか、悪意しかないのか、そのラインの見極めが難しいところでした。
原作と変えたのは、最後までカレイジャスに同行した点ですね。対グリアノス戦でアリサとのオーバーライズのためには、シャロンがそこにいる必要があったのです。そしてそのオーバーライズの前準備として、アリサともう一段階絆を深めてもらわなければならず、“ノルドでシャロンが結社の所属であることを知り、いったん険悪になる”展開になったという経緯です。
なかなか鋼糸の使い勝手が良く、戦闘シーンでなくとも何気に重宝していました。
アリサの休学に合わせてシャロンもルーレに戻っていますが、『今日のお嬢様』という題目で毎日リィンの元にアリサのスナップ写真を送ってきます。アングルとシチュエーションは指定可能。
★
㊹《クレア・リーヴェルト》
テーマ『頼りになるお姉さん』
トヴァルの対比として描いていた部分が多くあります。わかりやすい例を挙げれば、『クレアはエリゼに好かれて、トヴァルはエリゼに嫌われる』などですね。
実際、第二部のパワーアップイベントは彼女の発案だったりもしますし、頼りになるお姉さんであることは間違いありません。
何気に困ったのは、クレアの過去も閃Ⅱではほぼ語られておらず、キャラの掘り下げを想像でしなくてはならないことでした。
ゲーム本編でリィンを抱擁したところを見て、おそらくは弟がいるだろう。そしてその弟は失くなっているか、不仲になってしまったか、敵対勢力に入っているかだろう――と、まあこの三点のどれかに当たりをつけて、予測でセリフを埋めたりしたのですが、どうにか外れずに済みました。
作中でもお姉さんムーブをけっこうしているので、マキアスのハートをズキューンしまくりです。ただサラに絡まれたり、シャロンさんの後釜になったりと、彼女も苦労と心労が絶えない人でした。
新学期が始まって以降は、軍人とメイドの二足の草鞋で、しかし悲しいかなメイド寄りの日々を過ごすことになります。
★
㊺《トヴァル・ランドナー》
テーマ『頼りになるお兄さん』
タイミング悪さは一級品。作中のやらかし男。
最終戦でレイゼルに乗り込んで《イスラ=ザミエル》を倒すというおいしい役どころを用意していたので、逆にそこまで彼にヘイトを集中させておけば、この上ないカタルシスが巻き起こるはず――そんな最高潮の盛り上がりを狙っていたために、序盤から不遇の目に遭い続けてもらっていました。
そしてやってきた最終戦。ずっとマイナスの代名詞であった「頼れるお兄さんに任せておけ」の台詞とともに満を持して颯爽と窮地に登場。一気にマイナスがプラスに転じた瞬間――だと思いきや、頂いたご感想は例外なく「トヴァルさん来ちゃったけど大丈夫?」的な反応でした。
そこで初めて、私は自分の犯してきた罪を知りました。「あ、やり過ぎてたんだ」と。テンプレでありながら最高の演出だと自信を持っていたシーンをスカすという大失態。もういっそ死にかけのパトリックが続投した方が感動的ではないかと悩むほどでした。
そうそう、個人的に彼のやらかしと言えば、閃Ⅳでトゥルーエンドルートのために大地の聖獣と戦うイベントがあったじゃないですか。そこでトヴァルさんがパーティに入っていたのですけども。リィンのSクラフトで派手に勝負を決めようとしたのですが、仕留めきれず敵のHPが微妙に残っちゃって、じゃあCPを溜めるためにもうちょっと粘るかと思っていた矢先、こんな時に限って攻撃をかわしたトヴァルさんのカウンターが発動して、しょうもない地味な一発で大地の聖獣にとどめを刺してしまったのですよね。
そういうとこだよ、トヴァルさん。
★
㊻《アルフィン・ライゼ・アルノール》
テーマ『駆ける象徴』
ありていに言うと、艦の最奥で奉られているだけのお姫様にはしないというコンセプトです。
で、自由に動き回らせた結果、シュミット博士をたったの一話で始末しました。
けっこうアグレッシブな立ち位置が似合うので、思いのほかどんな場面でも活躍できましたね。サブストーリーで学院生たちとの個人面談とかやりたかったんですけど(ドロテとの腐の絡みとか)、彼女自身の騎士問題の方がメインだったので、残念ながらそれを差し挟むタイミングが見つけられませんでした。
構想段階ではアルノールの純血持ちということで、彼女が《テスタ=ロッサ》の起動者になるルートも用意していました。ただ総合的に考えると、やはりエリゼが相応しくお流れになってしまいましたが。闇落ちはエリゼの方が似合うのです。
四月からは第三学生寮住まい。当然のごとくリィンにハニートラップを仕掛けては、さらにエリゼの闇を増幅させるのです。
★
㊼《エリゼ・シュバルツァー》
テーマ『未来の特異点』
ヒロイン三柱の一角にして当作のラスボス。彼女のストーリーラインは最初からほぼ独立したものになっています。
→序盤にアルティナにさらわれることなくリィンたちⅦ組に同行し、Ⅶ組同士の関係、そして彼らのクロウへの想いを知る。しかしこの時点ではまだ実感として捉えていない。
→中盤はカレル離宮で一人過ごし、リゼットと出会う。そしてクロウとリィンに似た関係となり、第一部で見てきたものが知らずの内に実感となる。
→煌魔城においてアルノールの血の残滓を有していることから、カイエンに《テスタ=ロッサ》の起動者にされる。しかし実はそれ以前、幻獣を倒した日から緋の騎神に宿る呪いの元凶、暗黒竜《ゾロ=アグルーガ》に見定められていた。
→エリゼを核として《エンド・オブ・ヴァーミリオン》覚醒。その瞬間、自身が特異点となり、“あり得たもう一つの世界の出来事”――すなわちクロウが死ぬ光景を幻視する。
→リィンとクロウの関係を、リゼットと自分に重ね合わせ、その未来を拒絶。強い感情を《ARCUS》を介して増幅することで緋の魔王の拘束を一瞬だけ破り、クロウへの一撃を止めさせる。
→倒したはずの《エンド・オブ・ヴァーミリオン》は緋の騎神の起動者であるエリゼの中に逃れる。エリゼが《テスタ=ロッサ》を召喚する度に、少しずつ力を取り戻し、同時にエリゼの意識は侵食されていく。
→その呪いを解く手がかりを得るために、エリゼはトールズ士官学院に入学を決める。
本筋のルートはこれでした。ポジション的には裏主人公でもありますね。特異点と言うだけあって、超重要な役割を果たしてくれました。
とにもかくにも現時点で最強となったエリゼ様。その圧倒的な力の向き先がトヴァルさんになりませんように。
★
『サブキャラクター・貴族連合』
㊽《ヴィータ・クロチルダ》
テーマ『導き手』
この“導き手”というテーマを有するのは、エマ、ヴィータ、ガイラーさんの三人であり、またそれぞれが導くものも異なります。なんで用務員に個別テーマがあって、しかもメインの魔女二人と同格の扱いなのかという疑問はさておき。
ヴィータが導くものは、やはりクロウになります。
彼女はエマを何度も結社に誘いますが、実はこれは最終的にクロウを結社に誘う展開を悟られない為の作者的なカムフラージュの意味合いがありました。勘のいい読者様に「最終的なクロウの居場所は結社になるんじゃね?」と先読みされるのを回避するためです。相当気を遣っていた部分なのですけど、予想していた方っているのでしょうか?
最終話近くのヴィータの台詞にも示唆する言葉を入れていまして、真に誘うべきは『遠くのエマではなく、近くのクロウ』だったということ。これは使い魔であるグリアノスを“幸せの青い鳥”に見立てたオマージュだったりします。
ヴィータは描いていて楽しかったですね。本音と偽りのバランスがエマよりやりやすかったように思います。
★
㊾《スカーレット》
テーマ『紅の騎士』
スカーレットをアルフィンの騎士にしようと思った理由はいくつかあって、アルフィンと性格の相性が良さそうであることや、皇女とテロリストの真逆の関係が面白いと思ったこともそうですが、一番は彼女の名前がスカーレットだったからでした。
アルフィンは前作でルビィを引き取った理由を「名前が紅い宝石だから。皇族と紅色は繋がるものだから」としています。その繋がりがあるがゆえですね。そしてサラの後任として、スペックが優れていたのも大きいです。
原作ルートのアルテリア法国に行くことはできなくなりましたが、代わりに開いたのは騎士として、教官としての道。
ただ帝国解放戦線としての贖罪は背負っていかねばなりません。それでも彼女が彼女らしく生きていく未来にはたどり着けたと思うのです。罪を犯した人間だから人生が終わるわけではない。
『私はここでいい』という諦念を、『私はここがいい』という希望に変えるまでがスカーレットの物語です。
★
㊿《リゼット・ヴェール》
テーマ『反転の分岐点』
彼女はクロウの合わせ鏡。“理不尽に抗うことをしなかったクロウ・アームブラスト”の姿として描いています。
効率と要領が良いだけで不真面目なわけではなく、面倒くさがりなだけで面倒見はいい姉御肌。ストーリ上の役割はエリゼの項で前述したとおりですね。
三人の兄を持つ四人兄妹の末っ子。元男爵家。名前の由来はエリゼに重なる“リゼ”と物語を組み変えるという意味の“リセット”を繋げて、リゼットです。
エンディング後は散り散りになった兄たちを訪ねて各地を放浪。ちゃんと全員と再会を果たしました。
その後、貴族連合の残党狩りが落ち着いた頃合いでクロスベルに渡り、勢いで《アルカンシェル》に入団。面接と身体測定は難なく突破。
時期が時期なので公演はストップ中ですが、稽古はしっかりとやっています。夜は市内のカジノのディーラーとしてバイトし、順調に客の負け分を増やしていきます。
リィンを撃ったことからエリゼとの関係は切れる、切るべきだとリゼットは思っていましたが、そうはなりませんでした。
いつか自分が主役の劇をやれるようになったら、エリゼに招待状を送りつけて驚かせる気満々です。
★
『メインキャラクター・トールズ士官学院特科Ⅶ組』
(51)《アリサ・ラインフォルト》
テーマ『家族愛』
ヒロイン第一柱にしてツンデレ属性を有する彼女は、ジェラシーでリィンを困らせたり、逆に彼の本質を突いて嗜めたり。アクセル兼ブレーキとしての立ち位置にいました。
また《レイゼル》に乗ることで、唯一ヴァリマールとの共同戦線を張れる役割を持つと同時に、単身になりがちなリィンの騎神戦闘――操縦席の孤独を理解できる存在でもあります。これらはヒロインとしてのイニシアチブとしても成り立っています。
一対多数で活躍しづらい弓から、オンリーワン機の機甲兵が主武装へと変わり、おそらくは作中でもっとも戦闘スタイルが転向したキャラクター。なお戦果もピカイチで、交戦した全ての相手に勝利を収めています。
そんな彼女のテーマは“家族愛”。父の技術と祖父の想いを両立させたレイゼルを駆り、最終戦で母の懐中時計の真意を知り、姉に等しいシャロンとのオーバーライズを果たす。それが彼女の物語でした。
アリサはレイゼルに秘められていた想いに気づかないままエンディングを迎えています。いつかそこに自分でたどり着いた時、彼女の世界は大きく開けることでしょう。
四月に初特別実習で新Ⅶ組がルーレに来た際は、彼女が依頼者になったり宿泊先を提供したりと、アレコレ世話を焼きます。そして案の定夜のルーレでリィンといい雰囲気になって、ここぞの時にエリゼとアルフィンが妨害に入ってくるわけです。
★
(52)《ラウラ・S・アルゼイド》
テーマ『琴心剣胆』
ヒロイン第二柱及びクッキングテロリスト。恋愛面はアリサがリードと思いきや、先に進めたのは彼女の方でした。そしてアリサの手を引っ張っていくという、彼女の性格ならではの行動で物語も牽引していきます。
リィンと同じ剣士という立場からアドバイスをしたりもらったり。彼と同じ目線を持ち、稽古なんかを通して一緒にいる時間が長いということが、ラウラの大きな強みの一つでした。
92話でのうっかり告白の直前に『そなたは技や奥義で勝負を決めるタイプではない。本当に倒すべき強大な敵は、全てを注ぎ込んだ一刀をもって切り伏せる。そういう剣士だと思う』などと発言しているあたり、リィンの本質を深い部分で理解しているのだと思います。
尚、作中では彼女の作り出す料理的な何かによって、アルゼイド流の皆さんに始まり、ユミルのヴェルナーさんや、果てはアルフィン殿下まで煉獄に叩き落しました。
戦闘面での宿敵はやはりデュバリィ。原作と変えたのは、物語中にアリアンロードの正体を知ってしまい、葛藤する点ですね。
ラウラは前作から続くお友達サポーターに加え、レグラム民の愛の守護を受けての立ち回り(本人は気づいていないこと多々あり)が多いキャラクターでした。
天然、真面目、無自覚トラブルメーカー、恋愛スターターと様々な面を有する彼女は、マキアスに次いでストーリーの起点となる役割を多く務めてくれました。今後どのような恋愛模様に発展したとしても、アリサとの関係は良好のまま続くのだと思います。エリゼ様との場合はわかりません。
ちなみにそのエリゼ様がきっかけとなって、九月にローエングリン城が完全に消滅します。
★
(53)《ユーシス・アルバレア》
テーマ『友と絆』
ケルディックの件といい、ルーファスの件といい、閃Ⅱトップクラスにヘビーな経験をした男。
作中では第二部から魔導剣を手に入れ、攻撃力が飛躍的に向上しています。ゲームではアーツ寄りか近接寄りかで悩み、結果として私のプレイではスタメンに入りきらない状態だったため、彼の長所を掛け合わせる武器として生まれました。
彼のテーマに象徴されるように、マスタークオーツ《ミストラル》も魔導剣《スレイプニル》も、重奏リンク時とオーバーライズ時――すなわち誰かと繋がった時にのみフルパワーが出せる仕様になっています。《ミストラル》は増幅系なので、クラウ=ソラリオンとアルテアカノンを合成アーツとして放った時に、さらに重奏リンクで重ね掛けしていたらリィンは一瞬で消耗死していたでしょうね。あははっ。
アルバレア家のことで悩み、ロジーヌさんとイチャイチャし、ケルディックのことで消沈し、マキアスと殴り合い、ロジーヌさんとイチャイチャし、マキアスとのオーバーライズを果たし、ロジーヌさんとイチャイチャし、マクバーンの撃退と引き換えに黒炎の呪いを受けるも、最終的にはロジーヌさんとのイチャイチャで解呪するというラブミラクルを果たすまでが彼の物語。
レーグニッツからマキアスに呼び名が変わる瞬間が、オーバーライズのトリガーでした。ロジーヌさんとのことも、マキアスとのことも、遠いところからオットーさんは微笑ましげに見守っているのでしょう。
★
(54)《フィー・クラウゼル》
テーマ『あり得たかもしれない自分』
彼女のテーマはそれです。アリサに設定した“家族愛”も主題の一つではありましたが、そこへのアプローチは原作から変えています。
フィーはその生い立ちの境遇から、一般常識からややずれ、感情の起伏が見えにくい少女でしたが、戦禍に巻き込まれず、ルトガーに拾われることもなく過ごしたとしたら、彼女は普通の女の子になっていたかもしれません。
それはただの可能性の一つ。フィーネさんプロジェクトを通して、そうなっていたかもしれない自分をフィーは自覚していきます。
と、同時にルトガー含む《西風の旅団》のメンバーは、その“あり得たかもしれない自分”――すなわち戦いから縁遠いフィー・クラウゼルに戻そうとしているのかもしれないと気付き、だから皆は自分から離れたのだろうとも察します。
けれどそれは、自分にとって必ずしも幸せとは限らない。《西風》にいたこともⅦ組に入ったことも、全部合わせて今のフィー・クラウゼル。私は今の私が好き。その答えの下に、《ゼロス・ウィンド》を携えてゼノとレオニダスを突破します。
“今の私”の象徴としてエーデルからもらった栞を渡し、“あり得たかもしれない自分”の象徴としてフィーネさん式の挨拶をして、ゼノとレオニダスから離れて歩いてゆく。
それが彼女の物語でした。
★
(55)《ガイウス・ウォーゼル》
テーマ『貫くこと』
“石の目を打つ”というのは実際の石師さんが使う技術です。それをクララ部長から伝授してもらい、一撃必殺の槍に昇華し、最終のマクバーン戦で石のフィールドを穿つという活躍に繋がりました。
パワーアップイベントでは父ラカンからもう一本の槍を受け継いでおり、第二部からは二槍使いとして立ち回るつもりでしたが、石の目突きを覚えたあたりで私がその設定を忘れて、ほとんど一本で戦ってる描写になってしまっています。ごめんなさい。
あと風属性は途中からフィーちゃんに奪われてるので、「風が〇〇」みたいな彼が多用するセリフは意図的に大幅カットしています。ごめんなさい。
あとは前作でカラミティホークをネタ技として使いまくった為に、雰囲気を損なうので今作のシリアスバトルシーンでは一切使えないという弊害が発生してしまいました。ごめんなさい。
なまじ精神が成熟しているだけに、物わかりが良く、感情を荒立てることもしないガイウスはⅦ組の中にあって、自発的にトラブルを起こさない稀有な存在だったりします。ただし巻き込まれないわけではない。
キャラ同士の会話に自然と溶け込ませるのが容易で、天然と冷静の中間を行けるので、作者的には万能の男でもありました。というかウォーゼル一家まとめてネタ枠でいけます。
★
(56)《エマ・ミルスティン》
テーマ『導き手』
そのテーマは彼女の魔女としての使命ではなく、Ⅶ組の委員長としての役目を指しています。
リィンにおいては恋愛面、フィーには淑女教育、ミリアムには勉強面などですね。色々と気を回す性質なので、エリゼとの相性は良く、またエリゼからも慕われています。ただしそのボディには微妙にコンプレックスを抱かれていたりしますが。
ストーリー中盤からは転移術と念話術を習得することで、作戦の幅を広げてくれた立役者。ですが何かと苦労が絶えなかったエマは、とうとう二部の終盤からメガネが割れるようになってしまいました。
なんでしょうね、マキアスと違うベクトルではありますが、彼女もひどい目に遭わせやすいのです。
ヴィータから三度の予言を受け、最終決戦で仲間の命を天秤にかけられ、それでもなお仲間たちを信じる決断を果たし、名実ともにⅦ組の委員長となることが彼女の物語。
ちなみに宿敵であるガイラーさんのテーマも“導き手”で、これはエマをその道に導こうとしているわけです。虹の軌跡における彼女の日々は、彼との戦いの連続でもありました。基本的にエマとガイラーさんのバトルはサイドストーリー扱いなのですが、VS執行者くらいの激しい戦闘を繰り広げています。魔女の力を取り戻し、学院に帰ってきてからも、用務員との死闘は続くのでしょう。
入学したアルフィンが文芸部に入り、さらにその顧問がガイラーさんになっている未来を女神ならぬ彼女はまだ知る由もありません。
★
(57)《エリオット・クレイグ》
テーマ『前進』
彼のテーマは“前進”です。“猛将”ではなく。それはムービングドライブに含まれるような戦闘面での意味でもあり、精神的な成長の意味でもありました。
前衛でのアーツ使いに転向してからは、戦闘面での立ち回りが増えています。同じ魔導杖使いのエマとの差として互いの能力の方向が決まった中盤以降は、エリオットがアタッカーで、エマがサポーターという位置づけにしました。ゲームでの役割を意図的に逆にした形です。作中ではなんとエンディングまで一度たりとも回復アーツを使用していないのです。
フィオナを助ける際に失敗したらどうしようと二の足を踏み、しかしトヴァルの激を受けて前に進む。その時に学んだ心持ちを、パンタグリュエル制圧戦で重責を背負わされたミントに伝える。それが彼の“前進”です。
ただしそのミントとケインズのせいで、猛将騒動はエレボニアに拡散され、ついには家族の元にまでたどり着いてしまいますが。それが巡り、第三機甲師団と第四機甲師団の前面衝突にまで発展。
せっかく進んだと思ったら、後戻りを強いられる。精神的な前進と、環境的な後退が彼の物語でした。
四月以降もミントとケインズによる啓蒙活動は続き、ついには帝国西部にまで猛将の名が広がりつつあります。さらに男らしさを求めるセドリックがミントに《猛将列伝》を読まされてしまい、エリオットを見る目が変わっていくという変遷をたどるのです。
余談ですが、セドリックはケインズを尊敬し、アルフィンはガイラーを崇拝し、バルフレイム宮に祀る書籍はどちらが相応しいのかで、ユーゲント皇帝とプリシラ皇妃まで巻き込んで姉弟ケンカをすることになります。これぞエレボニアにおける真の頂上決戦ですね。
★
(58)《マキアス・レーグニッツ》
テーマ『過去と未来』
幕間で株を落とし、メインストーリーで株を上げる男。魔獣を率いたり、修羅になったり、レンちゃんに襲われたり、眼鏡が割れたりと、節操なくも虹の軌跡の作風には欠かせないキャラクターでした。
そんな彼に設定していたのは“過去と未来”という、本人のイメージとは少し似つかぬテーマだったりします。
貴族に対する過去の鬱屈は払えていても、自身の後悔までなくなったわけではない。その上でマキアスが見据える未来は政治の道。
その決断には彼の友人であるアラン(平民)とブリジット(貴族)との関係があったのも大きいのでしょう。
また当作中で『オーバーライズと重奏リンクでクロウの感情を理解する』や『クロウとのリンクブレイクは発生しない』など、“希望の未来”に繋がる分岐点には必ず彼の気づきが入るようにしています。
中盤以降の戦闘面では、クレアから託されたミラーデバイスを使用する中距離多角戦闘スタイルに変更。騎神戦では《アイアン》の特性を使った防御力アップを担うため、リィンとのリンク頻度も多めです。
バトル、ストーリー共に有用な役回りでしたが、大体大変な目や恥ずかしい思いを受けるのは彼の役どころ。端的に表すなら、“不幸が映える”のでしょうね。このあたりエマとも似ています。
いつかどうか幸せに。クレア大尉を巡るハイベルとの死闘はこれからも続いていくのだと思います。
★
(59)《ミリアム・オライオン》
テーマ『成長』→『形成』
そこにいるだけで雰囲気を和らげてくれる彼女は、シリアスな展開も多い中での息継ぎポイント的な役どころでもありました。
ちびっこ同盟としてフィーと行動することが多く、フィーネさんプロジェクトの巻き込まれ事故にも遭っていますが、後半はアルティナとの絡みが増えていきます。
結局、当作では完結までにミリアムは泣きませんでした。本当は最終話でそのシーンを入れることを考えていたのですが、彼女が初めて涙を流すに相応しい場所は閃Ⅳのエンディングシーンだと感じたのです。
そしてミリアムは途中で個別テーマを変えた唯一のキャラクターでした。
見識の広がりに連動して幅を増やすグローイングトランスに含まれるように、元々彼女のテーマは“成長”。ですが閃Ⅲ、閃Ⅳをプレイして“形成(パーソナリティーの)”というふうに変更しました。それによってストーリーもやや変わり、終始お気楽で進むはずが、彼女自身悩むことも増えていきます。
『始まり方が同じでも、毎日違うものを見て、違うことを考えていたら、きっと違う人になる』
Ⅶ組として過ごす中でそれを学び、アルティナに伝えることが彼女の物語となりました。
★
(60)《クロウ・アームブラスト》
テーマ『生きていく』
クロウを生存させることは簡単でした。《エンド・オブ・ヴァーミリオン》の一撃を外すなり何なりすればいいのですから。
ですがそれだけでは意味がありませんでした。
命が残ったとして、じゃあどう生きる? どこで生きる? どこに生きる目的を見出す? そもそも本人が先の未来を見ていないのに。
これらの彼自身の問題を解決しなければ、生き永らえたところでいずれ形を変えて同じ結末に至るでしょう。そしてそれらの解決は私(作者)ではなく、クロウを取り巻く仲間たちにしかできないことでした。
だから。
大切に想う気持ちは『帰ってこい』とⅦ組がオーバーライズで伝え、
体の置き場所は『現状であなたがあなたらしく生きられる唯一の手段』とヴィータが結社に誘い、
心の置き場所は『たとえ世界のどこに居場所がなくても、私たちが君を一人にさせない』とトワたちが準契約者となり、
本来いるべき立ち位置は『こっちじゃねえだろ』ヴァルカンが今わの際に示して、
ようやくクロウが知って自分の意志で前に進むことを決めたのです。そこで初めて、エリゼが呪いを請け負ってまでクロウの命を救った意味が出ることになりました。
リィンの父親と知ってなお、彼はまだオズボーンへの復讐を諦めていません。しかし復讐の意味合いはクロウの中で変わりつつあります。
最終的に執行者ナンバーXIIIとなりましたが、これは空の軌跡のヨシュアの元の席。いつか彼のようにクロウも陽のあたる世界に戻れるように――。
★
(61)《リィン・シュバルツァー》
テーマ『一刀』
主人公と主役は違うものだと考えています。主役は各話ごとに変わるもの。主人公は物語通して一貫しているもの。私にとって彼は――
スポットライトが当たるキャラによって、メインとサブを入れ替わるようにしていたので、必ずしもストーリーを進めるのはリィンでないことは意識しました。あと基本、無双もしません。
サラがゲーム内で言っていた『中心ではなく重心』という言葉は、リィンをリィンたらしめるコンセプトとして外さないように気をつけています。
あとは変に達観したところはあえて省いて、様々な物事に等身大で悩んだり怒ったりといったシーンを増やしました。
朴念仁属性だけはどうしてもそのままでしたが、彼を一番考えさせたのは間違いなく、そのアリサとラウラのダブル告白だったでしょうね。でもこれは恋愛面のみではなく、リィンが自分の価値を見直すための側面も強かったのです。
思い返せば中々しんどい目に遭ってきましたね。ラスボスがエリゼでしたし。
そんなリィンのストーリーラインは、
→『最初のユミルのオルトヘイム戦でのヴァリマール召喚で、鬼の力を使い暴走』
→『剣の問いに対する答えを返し、最後のエンド・オブ・ヴァーミリオン戦で鬼の力を御し勝利』
→『ライノの花が咲く春のトールズ士官学院で、いつかの50ミラと引き換えに「卒業おめでとう」の一言をクロウに告げる』
それが彼にしかできない物語の締めくくりで、ゲーム本編をクリアした時に私が見たいと思ったエンディングシーン。
作者の望んだ結末を形にしてくれる人物。
だから私にとってリィンは、紛れもない主人公でした。
――おわり――
〇 〇
〇 〇
『おまけのおまけ』
虹の軌跡Ⅱの続編として、エリゼを主人公にした新学期以降を描く《虹の軌跡2.5 ドラゴンズブレス》の構想も練っていて、そのストーリーラインも出来上がっていました。
もしも閃Ⅲのラストのまま、ミリアムが戻ってこないバッドエンドなら救済ルートを含ませたこの話を書くつもりでしたが、彼女はちゃんと皆の元に帰り、閃Ⅳはハッピーエンドで締め括られました。
故に物語を組み替えることによる救済ルートなど必要ないと思いました。
とはいえ、せっかく作ったストーリーを胸に秘めたまま鍵を締めるというのもなんだか寂しく思い、以下に主要キャラと中盤くらいまでのあらすじを紹介します。
彼らの旅の続きに、少しでも想いを馳せて頂ければ幸いです。
《エリゼ・シュバルツァー》
新主人公。
生徒会会長となったリィンを支えるために、入学早々で生徒会主務に就任。忙しい兄に雑務が回らないよう、生徒会に舞い込む依頼のほとんどを一人で請け負う。
生徒会に属しつつも部活は水泳部。もともとは女子力向上のために料理部を希望していたが、エリゼを技術部に入れたいパトリックの策が盛大に失敗し、入部届があれこれ入れ替わる事態に。そのせいでエリゼは水泳部、セドリックは園芸部と料理部、アルフィンは技術部と文芸部に入ることになってしまった。
有名人であるリィンの義妹という肩書きもあって、エリゼ自身も何かと注目されやすい。その身に《テスタ=ロッサ》を身に宿す緋の起動者であることは、誰にも打ち明けず秘密にしている。
新Ⅶ組のカリキュラムとして戦後の各地を回る特別実習は健在。
ルーレ、セントアーク、オルディス、レグラムと巡る中で、なぜ己が暗黒竜に見定められたのか、内側に巣食う緋の魔王を消滅させる手段はないのかを探り、やがて帝国と自分を蝕む呪いの根源へと迫っていく。
内戦の爪痕、結社の暗躍、第二分校計画が身を取り巻く渦中、エリゼは一人の女性との出会いを果たす。流れるような金色の髪は、かつて絆を育んだリゼットの面影を想起させ、いつしかエリゼも彼女に心を許すように。
幾度かの邂逅で二人の仲は深まるが、その女性の正体は結社第七柱アリアンロード。
彼女の目的は《エンド・オブ・ヴァーミリオン》を宿すエリゼを《身喰らう蛇》に引き入れること、そしてそれが叶わぬ場合はエリゼの命を断つことだった。
満月が浮かぶ漆黒の夜。月下のローエングリン城で銀と緋の騎神が激突する――
『たとえ世界の敵になってもいい。大切な人たちを守るために、黒き竜の呪いを今一度』
★★
《セドリック・ライゼ・アルノール》
内戦時に軟禁され、煌魔城でもエリゼに助けられた過去から、強さに憧れると共に小さなコンプレックスも抱いている。
男らしさを求めてフェンシング部に入ろうとするが、パトリックの起こしたトラブルに巻き込まれ、園芸部と調理部に入部することになってしまう。起死回生の望みを胸に馬術部の門をくぐるが、笑顔で待ち構えていたのはムチを携えたポーラ様だった。
カレイジャスに乗艦していたアルフィンは上回生と面識があって親しげだが、そうでないセドリックは馴染むのに時間がかかり、入学当初からリィンのそばから離れようとしない。リィンには強い畏敬の念があり、全幅の信頼を寄せている。
特別実習の中で各地の戦いの痕を目の当たりにし、内戦時における皇族のあり方に疑問を持つように。
基本的にはアルフィンに振り回され、彼女の意見に押し負ける。実習中に窮地に陥る時は、だいたいアルフィンのせい。
セントアーク、オルディスと続けてシャーリィ・オルランドとの一対一の交戦が発生し、事あるごとに「男らしくないよ、皇子様!」などと的確にコンプレックスを突いてくるので、彼女のことは苦手。
戦いのたびに劣勢を強いられつつも、やがて第二世代型魔導剣《フレスヴェルグ》を手に実力伯仲の勝負を繰り広げる。
エリゼにはほのかな恋心を抱くが、とある事件の最中にエリゼが《テスタ=ロッサ》を有しているのではと勘付き始め――
『あれはもしかしたら、僕のものになるはずの力だったのかもしれない』
★★
《アルフィン・ライゼ・アルノール》
興味本位で様々なことに首を突っ込んで、あれやこれやとトラブルを引き起こしてはエリゼとセドリックを巻き込んでいく。
技術部でパトリックと共同で思いつきのアイテムを発明し、学院とトリスタに災禍を振り撒くこともしばしば。リィン用の惚れ薬を精製したつもりが強力な媚薬を作ってしまい、しかも誤って飲用したクレアをすごいことにした。新設された風紀委員にも関わらず、先陣を切って風紀を乱しにかかるお姫様。
特別実習においてもやたらとアクシデントを引っ張ってきて、引率役のリィンの段取りを木っ端微塵に粉砕していく。
戦闘では魔導杖を使用し、後衛サポートを担う。
ムービングドライブ習得のためにエリオットとは違うアプローチをしようと、棒状のラケットを持って走り回るラクロス部の練習に参加。結果、見事に扱えるようになるが、エミリーの後を継いだフェリスの熱血特訓の影響か『全力疾走している時にのみムービングドライブが発動する』という、無駄にしんどい仕様に仕上がってしまう。そのせいで一発撃つだけて体力を使い尽くす羽目に。
新Ⅶ組のムードメーカー兼トラブルメーカーとして、学院生活を謳歌する。そんな彼女にも人には言えない悩みがあって――
『エリゼ、セドリック、大変な事件よ! まあ、わたくしが原因なのだけど』
★★
《スカーレット》
遊撃士に戻ったサラの跡を継ぐ形で、新一年Ⅶ組の担当教官に就任した。
慣れない環境での忙しない日々だが、性格はサラよりもきっちりしているため、デスクワークの仕事を溜めることはなく、また机の上も常に整頓されている。
武術教官としてⅦ組以外の指導もするが、わかりやすいと好評。
関係者以外にはアルフィンの騎士であることは秘密にしている。しかし二人でいるところを度々目撃され、教官と学生の禁断の密会を噂されてしまう。しかもアルフィンが否定しなかったため、周囲にややこしい誤解をされることになってしまった。とはいえ実際、アルフィンにせがまれて何回か一緒にお風呂に入ったことはある。
ハインリッヒ教頭との関係は表面上は良好。ハインリッヒは何かとサラと比較しつつスカーレットを可愛がるも、スカーレットは彼の弱みを握ろうと水面下で動いている。
新Ⅶ組の指導方針や特別実習の立案についてはリィンと共同で進めることが多く、彼に相談したり意見を求めたりなども多い。
最初は仕方なくやっていた教官業務にやりがいを見つけていき、ある出来事をきっかけに教え子を大切に思えるような心境の変化が訪れる。
《ケストレル・レギンレイヴ》を駆り、行く道の障害を焼き払う。
自らの居場所を見つけつつあったスカーレットは、出向いたケルディックの教会で偶然にクロウとの再会を果たし――
『Ⅶ組整列! 整列だってば! 整列って言ってんでしょーが!』
★★
《クレア・リーヴェルト》
シャロンから第三学生寮のメイドを引き継ぎ、新Ⅶ組のサポートに身を粉にして尽くす日々を過ごすが、本来はリィンの身辺警護とスカーレットの監視が主任務。
恥ずかしさの中でやっていたメイド業務も、だんだんと慣れていき、普通にメイド服のまま買い物に出られるようになった。しかし慣れすぎるあまり、TMPの緊急招集にメイド服で駆けつけてしまい、軍内部のファンが急増する結果に。
Ⅶ組女子が寮からいなくなった影響か、リィンの不可抗力を一身に浴びるポジションになってしまった。さらにとある理由から昼夜問わずドローメ一族に触手で狙われるという不幸。
エリゼたちには基本的には手ずから作った弁当を持たせる。楽しくなって来たので、次はキャラ弁なるものを習得しようと努力している。
エリゼの良き相談相手であるのは変わらずだが、同時にエリゼが何かを隠している事も早い段階から気づいていて――
『寮の管理人のクレア・リーヴェルトと申します。そうです、メイドです、それが何か?』
★★
《リィン・シュバルツァー》
生徒会長に就任し、オリエンテーションや季節のイベント、町内との連携など、トワに負けじ劣らずの忙しい学院生活を過ごす。
内戦時の功績やクロスベルの活躍で有名人であり、リィンに憧れてトールズに入学した新入生も多い。それゆえに後輩の女子から頻繁に「せんぱ~い、お食事にご一緒して頂けませんかあ?」や「せんぱ~い、勉強わからないんで教えて下さ~い」「なんかあ、最近発育が良くて制服がきつくてえ」などのアプローチが頻繁にくる。
そこに対しては超速でエリゼがやってきて「では私が食事に行きます。別のお話もありますので」「勉強は私が教えます。夜までみっちりと」「これエマさんの等身大パネルです。自信を無くしましたか? じゃあ帰ってもらっていいです」とさらに強固になったエリゼディフェンスが発動する。
新Ⅶ組のメンター役として特別実習の同行はもちろん、立案もスカーレットと共同で担う。各地に赴いた際は同期のⅦ組にも出会い、様々な協力を仰ぐことも。
そして指導、教育に触れていく中で、自身の進路も考えるように。
身長が伸びてきたので、新しい服を買いに行こうとする度に、絶対にエリゼが同行してくるのが最近の悩み。自分が欲しい服はなぜか買わせてもらえない。
二年Ⅶ組の帰還が始まるにつれて寮も活気づいてくるが、その分トラブルも増える。アリサとラウラが帰ってきてからはそれがさらに加速して――
『ク、クレア大尉!? なんでこんな時間にシャワー室に!?』
★★
《ミュゼ・イーグレット》
エリゼとアルフィンの聖アストライア女学院時代の後輩。
女学院は自主退学し、音信不通になっていたが、ある日突然にエリゼの前に姿を見せる。セドリックやアルフィンとも個別にコンタクトを取ったり、水面下で動く彼女の目的は――
『もしもトールズ士官学院が二つになったとしたら、エリゼ先輩はどっちに行きます?』
★★
お付き合い頂きありがとうございました。
あくまでも裏のおまけ程度ではありますが、お楽しみ頂けましたでしょうか?
ここまで支えて下さった読者の方々には重ねて感謝の意を申し上げます。
ではいずれまたお会いしましょう!