5話+αの全6話に変更しました。
第三難所 アンデット及び内部探索
足を進める。
浮かべた火球のお陰で先は見える。
まだ、何もない
しばらく進む。
冷や汗が出てきた。
ここは静かだ。
入り口から離れるほど音が遠のく。
更に、進むほど空気中の魔力濃度が濃くなる。
そのせいか、魔力探知が出来ない。
心臓がうるさく響く、
緊張している。恐怖してるんだと嫌でもわかる。
初めての曲がり角。
右へ曲がるだけの一本道。
火球で照らす。
影がある。
大量の人形の影が。
この先には大量のアンデットがいるのがわかる。
「スゥー」
小さく息を吐く。
俺は、
ワクワクしている。
さすがだ。コレは攻略しがいがある。
曲がり角のギリギリまで近づき
刀を構える
刀を握る力が強くなる。
「シャア!」
曲がり角を飛び出す
眼前にはアンデットが
数は不明。
だが、昼間の市場を想像する様な数だ。
手前にいたアンデットを20匹ほど切る
流石、聖属性をエンチャントしただけある。
アンデットがまるでバターの様だ
「「「「ぐおぉぉぉお!!」」」」
アンデットどもが声を上げる
俺の口角が上がるのが分かる。
「道開けあがれ、亡者ども。
邪魔な奴は冥土行きだ!」
切って切って切りまくる。
全て相手にする暇はない為、邪魔な奴だけを切って進む。
あっという間に前も後ろもアンデット。
面白ぇ。
どんどん進んで行く。
通路は人2人分の広さしかなく、入り組んでいて、分かれ道も多い。
「クソ!行き止まりか!」
行き止まりに来てしまった。
後ろからは俺が引き連れてきた大量のアンデット。
「だから戻るぞ!
退け!轢き殺すぞ!」
休む暇もない。
アンデットも人型だけでなかった。
犬や鹿、モンスターやネズミと、多種多様のアンデットがいた。
だが、大きさは人間サイズまでのようだ。
これ以上は見た事ねぇ。
ひたすら切り進む。
今何時間たった?
チュウ ガリ!
「クッソ!クソネズミが!」
余計な事を考えてしまったからか、足物に近寄ってきたネズミのアンデットに気付けず噛まれてしまった。
俺はネズミを前へと蹴り飛ばし、浮かべてた火球を進行方向へ飛ばした。これで直線上にいたアンデットを一掃し、余裕を作る。
新たに火球を浮かべ光源の確保も忘れない
しっかし
「本当にどんだけいるんだよ!亡者共!」
だが、その余裕もすぐなくなる。
1分もすると前はアンデットで埋め尽くされた。
「クッソ…タレが!」
俺がアンデットを50倒す頃にはあいつらは100も増えている。
前に進めない。
休めない。
そんな悪環境。
時折、火球で一掃してはその隙に進むの繰り返し。
全身に傷がつくが、そこはポーションをかけて誤魔化す。
本当は飲むやつなんだがな。そんな暇もねぇんだこっちは!
火球を飛ばし一掃し進む
がふっと、違和感が。
止まろうとするも疲労で上手く行かない。
後ろを振り返ると、天井から落ちてくる蛇のアンデットの姿が
ッ!?
咄嗟に切ったが、やられた。噛まれた。
しかも何かある、これは…毒か!
キュアポーションを!
いや、後ろいるアンデットの群れの方が早い。
刀を振るって処理する。
クッソ。刀使いながらも火球2個同時に制御できたらな!
愚痴言っても仕方がない。
毒は流石に無視できない。
身を削って治療する。
俺は被弾覚悟で、キュアポーションへと手を伸ばし飲む。
僅か10秒の動作
それでも、多くの傷を負うには十分すぎた。
「ガァ!舐めんなよ!好き勝手やり上がって!」
刀を振い、アンデットを蹴散らして行く。
もはや、バターの様に感じた斬り味も今となっては関係ない。
刀を何度落としかけたか。
「ふざけんなよ。
ここで死ねるかよ
ここで死んだら、今までここで死んでった奴らと同等の名無しになるじゃねぇか。
死んでたまるか
俺は英雄になるんだ!」
俺は生きる為に無茶をした。
前後にいたアンデットの群れが一掃される。
俺の上には火球が二つ
「限界突破だ!散々好き勝手やってくれたな?
アンデットども!」
が、連発はできない。
マナポーションも持ってきているとはいえ限りはあるのだ。
そして俺のMPは平凡。使い所を考えねば。
もう、どのぐらい時間が経ち、どの位置にいるのかも分からない。
食事も睡眠も休憩も、大量のアンデットが許さない。
ポーションはとうに付き、キュアポーションは二つ、マナポーションは一つとなった。
前には親の顔よりみた分かれ道。
今回も勘を信じ右へ曲がる
目の前に見えるのは、相変わらずの通路
ではなく公園のように開けた部屋があった。
前にアンデットの群れはおらず、
後ろにいた群れもいつの間にかいなくなっており、俺は久々に自分の心臓の音が聞こえた。
前に広がる部屋の中央には
人程の高さのある黒光りの四角い箱と、
腹にボール程の大きさで紫色の球体がある
1匹のアンデットがいた。
俺とそのアンデットはお互いに目線が合い
「ご苦労様です。
最後の使用から301年と6ヶ月17日26秒が経過しました。
合言葉をどうぞ。
…安全化がされてない時点で察しは付いてるがな人間?早よ答えよ?」