要塞破記(完結)   作:エイス准尉

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中編 下

 

なんだこいつ?

いや、正体は分かる。

修道服を纏い、肌はミイラの様。

存在感のある杖を持ち、知性のあるアンデット。

 

「リッチか」

「そうだ人間。

だからなんだ?

残り一分だ、合言葉は?」

 

一分、あいつは手を出す様子はない。

つまり、一分は休憩できる。

 

俺はバックから切り札として取っていた、ハイブリッドポーションを取り出し飲む。

これで、マナと傷の両方が回復するという優れものだ。一本しか用意出来なかったが助かった。

そうして、刀を構え直しそいつの方へ向く。

 

しかし、コイツ普通のリッチじゃないな。

まず、腹に何か核の様な物がある事。

二つ目、魔力が濃いここでも感じる圧倒的な魔力。

 

「やはり、侵入者か。

残り10秒。

…貴重な時間だぞ?

噛み締めろ」

「そうか。

いらねぇな。

合言葉か?

ぶっ殺す!」

「不正解。

…やはり人は強欲だな。」

 

一気にリッチへと駆け寄る。

あいつもこちらへ手を向けている。

だか、俺が早い、切った!

 

俺の刀がコイツの体へと触れ

 

「ッ!? オラ!」

 

る前に雷の矢が突然現れてこちらに来る。

その場で転がる事でなんとか回避。

 

「たく、無詠唱かよ。」

「わしが何年生きたと思ってる。」

「300年か?」

「458年だ。」

「そうかよ老害!」

 

雷の矢が大量に出現し、こちらに来る。

クッソ。

このままはまずい、懐に潜りごねぇと。

と、結論づけた直後

 

「そろそろきても良いぞ。

お前たち」

 

リッチが何かに呼びかける。

いや、何かなんて分かり切ってる。

この部屋には通路への繋がる穴が数多く開いている。

そして、そこから姿を見せるのは。

アンデットども。

そして、呼びかけてから魔法を展開してるリッチ

 

「周りからはアンデットの群れ、

ワシは今近接用の魔法を展開しておる。

さぁ?どうする?

懐に近づいてかね?」

 

ちくしょう。読まれてやがる。

このアンデットの群れがコイツと合流したらマズイ。

ここは、命をかけてコイツをやる!

 

火球を二つリッチの方へと飛ばしながら、全力で駆け出す。

リッチは雷の壁を作り出し、こっちへ雷線を飛ばしてくる。

被弾は覚悟の上。

 

俺は雷の壁通る。

全身が焼けて痺れる。

チカチカする。

意識が飛びそうだ

それでも根性で壁を通り抜けた先には

二つ目の雷の壁。

 

奴がほくそ笑んでるのが脳裏に浮かぶ。

近づいてくるアンデットの声。

満身創痍で雷の壁に挟まれた俺。

 

あぁ。

 

燃えるじゃないか。

 

………

 

「諦めたか。

久々の人間じゃったな。

悪くなかったぞ」

 

リッチは目の前にある二つ目の壁を見ながら、そう呟く。

1枚目の壁であの音、満身創痍じゃのう。

もう終わったとばかりに、余分に展開していた魔法を解除していく。

 

「ベースとして生まれれば、10年は鑑賞し、痛めつけようかのう。」

 

そうして先の事を考えた時。

 

バチバチバチ

 

雷の壁を通り抜ける音。

振り返る。服は全て燃え、全身に火傷の跡があり片目は潰れているながらも、

右目には強い闘志が宿り、両腕を限界まで後ろに振りかぶった姿の男。

迎撃しようと魔法を展開するが。

 

ガキン 「ガァ」

 

ワシの腹…核に刀が突き刺さる。

 

………

 

「やっぱりそれ、弱点になってるんだな?

一か八か投げといて正解だったぜ。」

 

リッチの動きが遅れる。

その間にコイツの体に張り付く。

そして、

 

「おら、ねじ込んでやら!」

 

刀を思いっきり押し込む。

 

「グォ、

グッ、まだだ。

ワシをこんな所に縛りつけた

385年の恨みはこんなのでは…」

「うるせぇ!大人しく地に帰りあがれ!」

 

リッチがなにやら大きな魔法を放とうとする。

大量の雷が頭上に浮かぶ。

もはや、体中が熱く、痛く、感覚がない。

でも、

 

「うぉぉぉお!」

 

先に訪れたのは

リッチだった。

俺の刀が、核の様な物を砕く。

リッチの存在が薄くなる。

何か…叫んでる。

だが、消える直前に貯めてた魔法をリッチな放ったのは分かった。

俺は防御の体制を取ろうとするが、

ここで気づく、

体が十分に動かせない事。

刀の刃が折れてしまってることに。

眩しい光が、部屋を照らした。

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