要塞破記(完結)   作:エイス准尉

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後編

 

「あぁ、クッソ」

 

目を覚ます。

リッチの置き土産のせいで、部屋は滅茶苦茶

体も酷い。

だが、生きてる

 

「最高だ、勝った」

 

部屋にあるのは黒光りの箱と俺が砕いた核の様な球の残骸だけ。

 

「あれが重要な物なのは間違いねぇよな?」

 

俺は全身血だらけの体を引きずり、視界の変化に苦労しながらも、黒光りの四角い箱

俺は折れた刀をその箱へと突き立て

 

「ファイアボール」

 

刀の折れた先から火球を出し、ゼロ距離で爆発させる。

箱は壊れた。

と、同時に僅かに揺れていた要塞の振動が小さくなる。

やった。止めたんだ。俺が初めて。

 

箱の残骸からは緑色の輝く板のようなもんが大量に出てきたが、今はそれどころじゃない。

 

俺は、最後のマナポーションを飲み干し、

元きた通路へと足を運ぶ。

 

「帰れたら俺は…」

 

夢が膨らみ顔がニヤつく。

だが、油断はしてない。現に

 

「何だよ。核らしき奴は破壊しただろうに。

消滅しねぇのかよ。」

 

目の前にはアンデットの群れが。

 

「いいぜ、最後までお前らとのダンス付き合ってやる」

 

幸い来た道は覚えてる。

 

………

 

帰り道は拍子抜けするほど楽だった。

あの規格外のリッチと交戦した直後っていうのもあるが、

後ろからくるアンデットの群れの量が来る時よりも遥かに少なかったからだ。

 

もうすぐで出口だ。

そう、この曲がり角を曲がれば俺の入ってきた道に…

 

 

「…は?」

行き止まり。

 

「イヤイヤイヤ。」

そんなわけが

 

「イヤ?そうかそうかよ!」

ある。

 

俺は当てはまらない常識と油断を持っていた為に

当たり前な事に気づけなかった。

 

常識は、ダンジョンは攻略すれば帰り道が開放される事。

 

そして油断は、

中にしか興味が無くその他は通過点だと軽視していたこと。

 

バカが。

ここはダンジョンじゃない。

そしてその入り口は

 

 

"「回転してんだぞ」"

 

しかも、今。

要塞は停止している。

させてしまった。

当然それは外壁にも影響している。

つまり。

 

「どこかで入り口は止まってるわけだ。

マズイぞ」

 

何がマズイか。

軍の調査でこんな記録がある。

外壁が一周には4日かかると。

 

そしてもう一つ。

これが絶望的だ。

入り口は

 

通路へ繋がる場合と壁の場合がある事。

ちゃんとその予兆はあった。

ここに侵入するとき、確かに、入り口がズレ閉まろうとしていたのに!

 

今、どのぐらいの時間が経った?

外は見えず、アンデットの群れのせいで時間の感覚なんてない。

今、入り口はどこで止まってる?

通路だよな?

 

それに何より。

 

「「「「グォォー」」」」

 

この群れを掻き分けながらこの広大な要塞を攻略しろと?

 

俺は産まれて初めて、右手に持ってる刀を投げ出したくなった。

 

 

 

 

 

――システムログ――

   起動確認。

 

1番より救難信号を受信。  

  約2時間後、応答途絶。

 

対象勢力:不明。

全要塞へ応答要請。

………

3番:正常。

1番:喪失と判定。

 

1番の監視を開始……

 

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