【夢の中】で女を犯しまくっていたら、【現実】に影響でちゃった……。   作:BIBI

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第10話 子供作っちゃいなさい!

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 あの日以降、ミウが口を利いてくれなくなった。

 

 

 もう一週間か……。視線も冷たいし……。前よりもずっと不仲になったな。

 

 

「カイ。アンタ、何かやったの?」

 

 

「何もやってないはず、なんだけど……」

 

 

 朝食後、少し心配気味に尋ねてきた母さんに、俺は心当たりはないと首を振る。

 

 

「大好きなお兄ちゃん取られて、嫉妬しちゃったとか?」

 

 

 眼鏡を外し、汚れを拭きながら母さんは揶揄う様に笑う。俺は制服の上着に腕を通しながら、「……というか、最近アイツの機嫌が良かっただけだしなぁ」と嘆息しながら返す。

 

 

 

 兄妹でセックスしたんだから、色々と思う所があってもおかしくない……、というか気にしない方がおかしいしな……。

 

 

 

「……まぁ確かに? それもそっか。思春期だもんね。兄貴が女とベタベタしてたら、気持ち悪いと思うのかも。女ってそういう子多いから」

 

 

 

 どうやら不仲な事を思春期特有の現象だと思っていたらしい母さん。別に何の疑問もなく、兄妹なんてそんなものだろうと軽く流していた。

 

 

 

「それにしても、アンタがねぇ……」

 

 

 カップを手に持ち、テーブルに肘を突いて母さんは感慨に耽た様に、小さな声で意味深に呟き、「イノリちゃんと付き合って欲しいとは思っていたから、正直夢みたい」と素直に喜んでいた。

 

 

「そんな事思ってたのかよ……」

 

 

 何処からどう見ても、そういう感情の無い只の友人だっただろうに……。

 

 

「そりゃそうでしょ。あんな超美少女な上に性格まで良い子は滅多にいないんだし、息子と付き合ってくれたら最高でしょ?」

 

 

 

「まぁ、確かに……」

 

 

 

「よくウチに来てたけど、全くそういう気配はなかったし、友達止まりかと諦めていたんだけどねぇ。アンタもそういう目で見てなかったみたいだしさ」

 

 

 

「実際この間まで、ただの親友だったよ。いつの間にか自然とこういう関係になっちまっただけで」

 

 

 

 喜んでいる母親に、俺は肩を落としながら力を抜いて喋る。

 

 

 まぁ、押し倒された現場を見られたが故の応急処置。偽物の恋人関係なんだけど……。ここまで喜ばれちゃうと困るなぁ。半年後には別れるって約束だし。

 

 

 

「早く子供作っちゃいなさいよ、いつ捨てられるか分かんないんだし」

 

 

「……子供は早いだろ、流石に」

 

 

 

 気が早くて興奮気味の母親に、俺は呆れ半分で気不味さ半分だった。

 

 

 子供か……。まぁイノリを孕ませたい欲求は多少有るけど、流石に子育てが面倒臭いしなぁ……。今はいらね。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「――早く子供作っちゃいなさいよ」

 

 

 物の少ない私室。部屋の外から聞こえてきた母の声。それを聞いて服を着替えていたミウの動きが止まる。

 

 

「…………ッ」

 

 

 子供……? 兄さん、付き合い始めたばかりなのに、そんな事を考えてるの……?

 

 

 想像するだけで胸が苦しくなる。ミウは心臓の辺りを手で押さえ、制服をギュッと握りながら歯噛みした。

 

 

 

 人の物になると何でこんなに気になるんだろ……。あの女に奪われてから……、段々兄さんが格好良く見える様になって……。

 

 

 

 兄さんを襲ってしまった日の様な、変な気持ちが、また――。

 

 

 駄目……、こんな気持ちを兄さんに持ったら……。性欲に負けて一回襲ってしまっただけでも許されない事なのに……。

 

 

 …………でも、あの女は将来、兄さんの子供を作るかも知れないんだよね?

 

 

 なのに、私はこれからずっと我慢しないといけなくて……。それに子供が出来ない様にピルを飲んで避妊しないといけなくて……。

 

 

 何で、私だけ……。

 

 

 惨めじゃん、私……。

 

 

「…………」

 

 

 

 そういえば、ピルって何処に売ってるんだろ……。ネットで調べないと……。早く飲まないと効かないとか、有りそうだし……。

 

 

 

 ミウは書庫に移動して、共有のパソコンの電源を付けた。

 

 

「…………」

 

 

『性行為後、三日以内に飲んでください。時間を置く程に避妊は難しくなります。一週間後だと効果は期待できません。出来るだけ早く飲む事を推奨します』

 

 

 

 検索して出てきた記事。目にした瞬間私はガツンと、頭を強く打ち付けた様な感覚に襲われる。

 

 

 …………軽く一週間経ってるんだけど。

 

 

 

 ミウは本来そこまで勤勉な方ではなかった。落ちぶれた兄がいたからこそ、勤勉であろうと努力していただけ。本質的には怠け者である。

 

 

 

 本来ならピルの有効期間を調べる程度の事なんて、早めに済ませておくべきだっただろう。だけど彼女は面倒臭がってしまった。

 

 

 

 母親に相談する気まずい中、兄に彼女が出来た事で避妊の話を考える精神的な余裕がなくなっていた。面倒だと、後回しにしてしまった。

 

 

 

 何でもっと早く調べなかったんだろ……。調べるだけなら簡単で直ぐ済むのに……。昔から、この悪癖が治らない……。凄く面倒で嫌な事があったら、些細な事でも手を付けなくなってしまう、駄目人間特有の悪癖……。

 

 

 

 私、何も昔から変わってない……。少しも成長してない……。

 

 

 

 今さら後悔しても遅かった。しかし、ミウは――。

 

 

「…………」

 

 

 寧ろ気持ちが昂っていた。吹っ切れたと表現するのが、より正確かも知れない。

 

 

 どうせ避妊しなかった時点で、母さんにも兄さんにも引かれるんだし……。

 

 

 

 それならいっそのこと、もう一度――。

 

 

 

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