【夢の中】で女を犯しまくっていたら、【現実】に影響でちゃった……。 作:BIBI
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兄さんは昔から変な人だった。
顔も良くて、高身長で、コミュ力も高くて、運動神経抜群で、昔は勉強もできていた。
それなのに――マジでモテなかった。
普通はモテる要素って、一つでもあれば滅茶苦茶モテる。
でも兄さんはモテる要素がテンコ盛りなのに、全くモテない。寧ろ女から軽蔑している視線を向けられていた。
その理由は明白で納得……。兄さんはとにかく
捻くれていて、協調性が無い。クラスの人気者だろうと気に食わないなら、
正直、兄さんがモテないのは当然……、当然なんだけど……――。
何で私、あんな奴とエッチしたいんだろ……。顔を見ているだけで
「私、男の趣味悪すぎ……」
思わず口から漏れる独り言。ミウはリビングのテーブルに突っ伏し、兄の帰宅を待っていた。
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表向きには友人達とふざけた事を言い合い、
可愛い女を食い散らかす。使い古したらボロ雑巾の様に捨てる。
その予定だったはずなんだけど……――。
どうしてかな。別に飽きたりしないんだが……。
一回ヤッたらどうでも良くなるという噂は嘘だったのか? イノリとは何度もヤッているけど、別に飽きたりしてないし、飽きる気配もない……。
……よく考えたら俺は、昔から新作AVで抜きたい派の連中とは相容れなかった。
俺はお気に入りのAVを何度も見返す派で、あまり数を重視しない。それより質で厳選して、いつもの気持ち良さを重視するタイプだ。
……そう思うと、案外悪くないのかも知れないな、このままイノリと結婚する事も。
「――イノリさんと別れてよ」
「…………えぇ~」
ミウの冷たい言葉に、俺はドン引きと戸惑いが入り混じる声を漏らす。妹の風邪を心配して早退で帰宅した俺を、何も言わず部屋まで手を掴んで移動したと思ったら――この状況だ。正直、意味が分からない。
「……兄さん。私――ピル飲んでないから」
ベッドに座り、ミウが緊張気味に言い放つ。あまりにも馬鹿げた話に「……マジ?」と俺は戸惑いを隠し切れなかった。
子供できちゃうじゃん……。結構濃いの出しまくったし……。
「お母さんに言っちゃうかも、私達の関係……。もしも妊娠してたら――言い逃れ……、できないよね……?」
真正面で半歩下がる俺を見据え、ミウは罪悪感を滲ませる様な悲し気な表情を浮かべていた。本当はこんな脅迫はしたくないと伝わってくる表情に、「…………ッ」どうにも責める気持ちが湧き上がらなかった。
「…………」
普通、チート能力を得たら都合の良い様に、世の中が回るんじゃないか? エロ漫画だと大抵は主人公に都合よく話が展開して、法律も世間体も気にせず済むのに……。
何で俺は今――社会的な死を突き付けられているんだろ……。
俺のチート能力、夢の中で女を犯すくらいしか使い道ないんだけど……。こういう脅迫された時、都合よく解決できる能力じゃないんだけど……。
神様、何で催眠系の能力くれなかったんだよぉ、不便すぎるってぇ……。
つーかミウって酷くね? 寝込み襲ってレイプしてきた挙げ句、社会的に兄を殺す気だなんて……、人として最低すぎだろ……。