紅露雨です。
2週間の縛り? そんなのなかったんや…。
――第二アリーナ上空
「一夏!」
「クッ硬い!」
「だから下がってなさいって言ってるでしょ!」
晴久と真由が残りを引きつけている間、一夏と鈴は一際大きいISと対峙していた。
その異常な防御力に鈴の龍咆も届かず、ビーム兵器の圧倒的火力で一夏の接近も防いでいる。
「んなこと言っても引ける訳無いだろ!」
「っ! シールドエネルギーどうなってんのよ!」
襲撃からずっと交戦しているが、被弾しているにも関わらず避けようともしない謎のIS。
鈴の疑問も当然である。
だが、通常のエネルギー量だったとしても彼らでは思うようにダメージを与えられていないのもまた事実。
一夏の専用機“白式”は雪片弐型と
鈴の専用機には龍咆が備わっているが、一夏との戦いで攻撃用エネルギーを無駄に使用したため乱射はできない。
先程から試しに数発放っていはいるものの、全く効いている様子など見られなかった。
まさに、打つ手無しである。
〈一夏!〉
吉報か凶報か、この襲撃を知る者からの通信が届いた。
勿論一夏はそれを知らないのだが。
〈どうした?〉
〈アリーナの壁を壊せ、援護班が突入する〉
〈本当にいいのか?〉
一夏の疑問も尤もだろう。中には逃げ遅れた生徒が居る。しかし彼ら二人だけが専用機持ちではない。
その気になればゲートを破る位造作もないだろう。
刀とはいえ一夏自身もできることなので代表候補生もできるはず。そう結論付けた時、一夏と謎のISの目が合ってしまった。
ビーム兵器に高エネルギー反応を示す。
時間と比例して漏れ出る光は高い威力を想像させるに難くないもので、事実、着弾した場所はその熱量により赤く変色している。
先ほどから何度も見ているとは言え、“もしも”の事を考えてしまうと腰が引けてしまう。
下を見るとまだ機能停止状態のISは2機しか無い。
いや、少々性能が目の前のISより劣っているとは言え、2対10の状況で2機落としたのだ。
流石、代表候補生を軽々倒した奴と、互角以上の実力の持ち主のコンビ。スペック頼りの初心者とは訳が違う。まあ、相方はれっきとした代表候補生で少なくとも初心者ではないが。
決めかねている一夏を急かすかのように発射されるビーム。だが一夏は考え事のせいで反応が一瞬遅れてしまった。
見えない所からの衝撃で吹き飛ばされ直撃は免れるが、必要以上にシールドエネルギーを消費してしまう。
「馬鹿! あんた死ぬつもり!?」
「いつつ……助かったぜ鈴」
鈴に助けられて安心するが間髪入れずに
それは我が弟のあまりの動きの悪さに苛立つ実姉、織斑千冬からのものだった。
〈何をやっている馬鹿者! 戦場で棒立ちなんぞ的でしかないぞ〉
その声色には僅か、知らないものからしたら変化の気配にすら気づかないであろう程度の微量な動揺も混じっている。
気丈な普段の様子からはとても想像できない。
〈……でも、いきなりアリーナのシールドを壊せ! なんて言われたら誰だって止まるだろ?〉
〈そんな事で止まっていたのか……〉
〈そんな事って……だいたい、俺達がここにいるのもシールドが破られない様に――〉
〈かまわん、責任は私が取る。……手際の良すぎる生徒のおかげで避難も済んでいるしな。それに、味方は多い方が心強いだろう?〉
すぐに突入できなかったのは、襲撃時は既に全ての扉が封鎖されていためである。
生徒がいるのに、アリーナのエネルギー障壁を壊すなどもってのほかだ。
しかし、生徒が居ないのならば別段修繕費のかかるわけじゃないエネルギーシールドなど破壊してしまっても構わない。
しかも援護が来るのだ、破壊しない手は――無い。
(どうにでもなれ……!)
硝子の割れるような音を立てて壊れる障壁。
「助太刀いたします!」
エネルギー障壁の
その後ろではノートパソコンを携えた先輩たちがそそくさと退避していた。
スターライトmkⅢが謎のISの腕を撃ち抜くと、龍咆ではビクともしなかった装甲が溶け、そのまま貫いた。
それにより搭乗者の腕が露わになるはずだったのだが……。
「腕が……ない? 鈴! オルコット!」
「なによ!」
「仰りたい事は何となく想像つきますけど……」
「今ので確信が持てた。あいつは……無人機だ」
無人機――それは有り得ない、存在してはならない存在。
そもそもISは本来人が乗っていないと動かない代物だし教科書にもそう書いてあった。
だが
雪片弐型はその威力故に、対人戦では手加減をしなければいけなかったが、無人機ならどうだろうか。
撃ち抜けるなら
細かい攻撃が駄目なら一回で決めてしまえばいいのだ。
「鈴、合図したら衝撃砲を最大出力で撃ってくれ。オルコットもできる限りの攻撃を頼む」
「「了解(しましたは)!」」
そうこうしているうちに敵の再充填が完了してしまう。
「これを避けたら……行くぞ!」
放たれたビームを避け、皆が敵機を見た。そこに一夏の合図が響き渡る。
セシリアはブルーティアーズとスターライトmkⅢを同時に、鈴は最大出力まで溜めに溜めてあった龍咆を――放つのだが……
「グッうぅ……」
「一夏!?」「織斑さん!?」
突然甲龍の目の前に出てきた一夏に龍咆が直撃した。
しかし、そのエネルギーは一秒と経たずに消費されることとなる。
そう――
「くらえぇぇぇぇ!!!」
「一夏っ!?」
余韻冷めやらぬうちに一夏のISが解け、落下中やり遂げた笑みを残して気を失った。
戦闘区域に入る前に鈴が回収し、セシリアと共に無事に帰還した。
◇
「上の戦いは終わったいみたいだな」
「……そうみたいだね」
一夏達が一際大きな機体を破壊したせいか残りのISの機能も停止した。
だというのにも関わらず、黒助の表情は浮かないものだった。
「どうしたの?」
「いや、こうして終わってみると
「……なにそれ」
「いや、何でもない。忘れてくれ」
絶対に死ぬことのないパフォーマンスだったとでも言うのか。不服そうな顔をしたを見るとすぐさま誤魔化す晴久。
最初から怪しいとは思っていた。が、今回の襲撃……ISの正体が無人機だと知っていること、明らかにISと言えないIS、そして――
証拠は揃った。黒助の化けの皮を剥がすのは今しかない。
「それこそなにそれ。大体、2人しか男性操縦者が居ないっていう話だったのに突然現れた3人目って不自然すぎるでしょ。しかも、今回のことを知っているときた」
「……俺もお前について聞きたいねイレギュラー君?」
・・・。
一陣の風が凪ぐ。
張り詰めた空気は直ぐに動き出した。
「「何者だ」」
同時にISを展開し得物を向ける。……この短時間で慣れたものだ。
「……生憎こちとら答えたくても規則が規則なんでね」
「話したくても話せない理由って? 俺だって一緒だよ」
「じゃあこうしようか」
「ふん。前回は手を抜いたからな、今回は本気だぜ?」
「そう来なくっちゃ」
「「レッツパーリィ!!!!」」
――戦いはまだ終わっていない。
相変わらず戦闘描写下手すぎわろえないですね。
しかも最後オリキャラ同士の掛け合いとかもうね、オリジナル書けよと。
ま、晴久の登場自体オ○ニー以外のなんでもないので許してください。
しっかし、鍍金の人と同じくテストとか進路のことで忙しいのなんのって…いや、愚痴るのはやめておこう。担当の先生の独断で休み返上で学校行ってましたって言い訳して今回はさようならです!
次回が10月中に投稿できるといいな…また読んでいただけると嬉しいです。