IS 〈レプリカでも人生楽しみたいじゃん?〉   作:紅露雨

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ほぼ原作通りだね。
やったー! これでオリジナル書けなんて言われないぞ!(誰にも言われてない)

……すいませんっしたーーー!!!


二巻
第一二話――正直、IS戦闘に比べたら格ゲーって温いよね。


「コンボ練習の成果、しっかりその目に焼き付けるがいい!」

「笑わせるぜ!」

 

 時は六月の頭、日曜日。

 謎のISの襲撃から一ヶ月がたち、事件の風化が進んだ頃。

 一夏が友人(五反田(ごたんだ)(だん)というらしい)に会いにいくと言っていたので、することのなかった俺は外出許可を貰い一夏に同行させてもらっていた。

 ちなみに今は絶賛格ゲー中である。

 格ゲー…… 勢力の衰えた現在でも、品行の乏しいプレイヤー同士が対戦することもあるらしい。

 曰く、人が生み出した争いの終着。曰く、キチガイが集まるよくわからん機械。

 曰く、友情の結晶。曰く、いともたやすく行われるえげつない行為。

 

 とりあえず、目の前で戦っている二人が楽しそうっていうことだけはわかった。

 あ、五反田の方のキャラが光った……一夏まけた。

 

「やったぜ」

「いや……ハイパーモードで削り殺すのはなしだろ……」

 

 ちなみに、やっているゲームはI(インフィニット) ()S(ストラトス)/V(ヴァーサス) ()S(スカイ)

 なんか、第二回IS世界大会【モンド・グロッソ】のデータ使ってるんだって。パッケージに書いてあった。キャラ選択画面を見た感じだと織斑千冬はいないらしい。隠しキャラか何かか?

 

「そういえば、織斑千冬先生が出ていないみたいだけど」

 

 ・・・。

 空気が凍る。何か事情があったのだろう。まさかこんなところに地雷が置いてあるとは思わなんだ。

 

「まあいいや、一夏変わって」

「お、おう」

 

 凍った空気は無理矢理動かすに限る。短い人生だが身にしみてわかった。……しょっちゅう空気を凍らす俺は一体……。

 気を取り直して画面に視線をもどす。

 初めてだからなとりあえずランダムで機体を決めるとしよう。……決まった、名前はメイルシュトローム、国はイギリスか。

 セシリアの母国の機体、ってことは射撃が基本モデルになるのか?

 

「火神だったっけ? 初心者だからって俺は手を抜かないぜ?」

「御託はいいから、さっさとやろうよ」

 

 戦いの火蓋は切って落とされた。

 

 

 ◇

 

 

 結論から言うと俺の完全勝利で終わった。

 適当にガチャガチャしてたら変な技が出て直撃とか、それ狙ってたら変なコンボが入ったりとか。まあ、IS戦闘に比べたら遅すぎてあくびが出そうだったし? つまり、見てからカウンター余裕でした。

 

「これセシリアとかあの転校生がやってもこうなりそうだなぁ……」

「鈴?」

「あ、思い出した」

 

 一夏がチビの名前を出したとたん思い出したと手を叩く赤い髪の少年(五反田 弾)。いや、俺のほうが背は低いけど。あと年齢も。

 

「お前IS学園でちょいちょいいい思いしてるだろ」

「いや……してないですよ」

「嘘つけ、絶対してるゾ」

 

 なんか急に始まった。……っていうか何がだよ。

 

「なんでいい思いなんてするんですか」

「あ、お前さITKさ、昨日、学校終わった時にさ、中々メール来なかったよな?」

 

 これはなんか……ヤバイ。

 

「くせえなお前ら」

「いや、でもさ? 女の園に入って女子に囲まれてりゃ、彼女の一人や二人……」

「ないない。お前さ……中学の時から見てたらわかるだろ? ありえないって」

「死ね」

 

 目、怖っ! なんでそんな殺人鬼みたいな目をしているんだ(困惑)

 

「大体だな、メールの内容見てるだけでも楽園じゃねぇか。なにそのヘブン。招待券ねぇの?」

「ねぇよ。つうか、鈴が転校してきてくれてほんとに助かったよ。休み時間の話し相手が少ないからさ」

 

 IS襲撃後、さらにセシリアに付きまとわれる回数が増えたので一夏とは寮以外ではあまり話さなくなった。俺としては別に困ってはいないが。恋愛に興味があって近づいてくる輩は一夏に向かっていくしな。

 

「お兄! さっきからお昼できたって言ってんじゃん! さっさと食べに――」

 

 ドアを蹴破り、赤髪の少女が入ってきた。……この兄妹はお揃いで染髪しているのか? 流石に遺伝で赤髪は日本人じゃないだろうし、仲いいな。

 

「あ、久しぶり。邪魔してる」

「お邪魔してます」

 

 俺達の存在に驚いたのか目を見開いている。

 学園の女子もこの娘も、少々スキが多い……というかプライベートルームだからって油断しすぎじゃないのか? この娘に至っては兄もいるのだから特に。

 ……流石に99%が女だからって、廊下でノーブラは流石にやめて欲しいと。ふと視線が合った時がすごく気まずい。

 

「いや、あの、来てたんですか? 全寮制の学園に通っていると聞いていたんですけど……。もしかして」

 

 俺を見て急に青ざめる少女。もしかして、の続きは聞きたくないぞ。

 

「まさか……交際の報……告……ガクッ」

 

 あ、倒れた。いやいや、俺男だから。ぱっと見女でも男だから。喉仏ちょっとだけだけど出てるから。やっぱ短髪にしたほうがいいのかな……。乙女座りは許してください、足が死んでしまいます。

 てか弾よ、笑ってないで起こしてあげなさいな。

 

「えっと……蘭? こいつと俺が付き合うとかないない」

「蘭ちゃんって言うんだ。初めまして、俺は火神真由。性別は男ね。一応言っておくけど付き合ってないからね?」

「本当ですか!?」

 

 本当も本当。むしろ嘘をつく必要性が3週くらい回っても0だ。かけても割っても0、つまり0。

 有り得ないなんて有り得ない、なんて言った強欲さんも引くくらいには有り得ないから。

 

「あ、うん、一夏はともかく俺はホモじゃないから。それより、お兄さんを呼びに来たんじゃないの?」

「あ、そうだ、一夏さんや火神さんも一緒にお昼ご飯どうですか? まだ、ですよね?」

「お邪魔じゃなければ是非。一夏もいいよね?」

「お、おう」

「じゅ、準備してきますね」

 

 蘭が出ていき、場は静寂に包まれる。

 その沈黙を破ったのは俺ではなく、一夏だった。

 

「しかし、あれだな。蘭ともかれこれ3年の付き合いになるのに、まだ俺に心を開いてくれてないのかねぇ」

「「は?」」

「いや、ほら、だってよそよそしいだろ?」

 

 今のをどうとったらそうなるのだろうか。

 

「なんつーか、お前はわざとやってるのかと思うときがあるぜ……」

「わざとじゃないから逆に(たち)が悪い」

「?」

 

 本当、篠ノ之や転校生が可愛そうだ。数年待たされた挙句まだ焦らされてるのだから。

 まあ、一夏がこれだから逆にゆっくりできているのも事実だけど。

 

「わかっていないなら別にいいんだ。こんな年の近い弟はいらん」

「……中学の時からこんな感じなの?」

「……毎日鈴が色々仕掛けては全スルーだったぜ? とりま飯食ってから外でも行くか?」

「おう、昼飯ゴチになる。サンキュ」

 

 残り物の定食らしいが、まあ貰える物は貰っといて損はないだろうし、初めてだらけの身としては本当にありがたい。学食でも色んなの食えるだろって? ……炒飯以外食わねーもん。

 

 

 ◇

 

 

「うげっ……」

 

 下に着いた俺達を待っていたのは亭主……ではなく、先ほどのラフな格好とは打って変わってロングストレートに半袖のフリル付きワンピースと、何故か外行の格好をしている五反田蘭だった。……女子って着替え長いんじゃないの? まあ、化粧してないみたいだしそんなもんか。

 まあ、正直着替えても着替えなくても一夏からしたらどうでもいいんだろうけど。所詮ダチの妹だし。

 よく見ると五反田蘭が座っているテーブルには食事中のを除くと、3つ定食が置いてあった。相席どうぞってことですね、分かりたくありません。

 

「何? 何か問題でもあるの? あるならお兄は外で食べてきたら?」

「聞いたか二人共。今の優しさに溢れた言葉。泣けてきちまうぜ」

 

 涙を拭う振りをする五反田弾。生憎だが男の涙は醜いだけだぞ。優しい一夏様はポケットを探っているみたいだが……ハンカチはないみたいだ。

 

「別に皆で食べればいいだろ。それより、他のお客さんもいるしさっさと座ろうぜ?」

「そうよバカ兄。さっさと座れ」

 

 この家のヒエラルキーでは五反田弾はかなり低い位置にいるらしい。強く育て、五反田弾。

 ちなみに席順は五反田弾の隣に五反田蘭。五反田弾の対面に俺で、その隣に一夏。……さりげなく椅子を離している五反田兄妹に合わせて、すこし俺も一夏と離れる。

 

「あ、そういえば蘭さ」

「は、はい」

「着替えたの? どっか出かける予定?」 

「あ、いや、これは、その、ですね?」

「デート?」

 

 着替えたことに気づくのが遅い。お前に見せるために着替えたことに気づいてない。まるで見当違い、それもダメな方に間違った解答。……まじでわざとやってんじゃねぇだろうな。

 

「違います!!」

 

 机を叩いて立ち上がる。……わからんこともない。デートしたい相手に言われたんだもの。

 というか、変に大人ぶるよりもぷりぷり怒ってる方が可愛いんだけど。なんか年相応って感じで。まあ、そんなこといったらなんか俺にも飛び火しそうだから言わないけど。

 

「ご、ごめん」

「あ、いや、と、とにかく違いますから……」

「違うっつーか、むしろ兄としては違って欲しくもないんだけどな。何せお前そんな気合の入れたオシャレするの数ヶ月に1回……」

 

 ちょっと気まずくなったと思ったら、五反田弾の捨て身のフォロー。

 中学生が指が食い込むアイアンクローを繰り出したことに感心するべきか、空気を和ませたのに攻撃されていることに同情するべきか。まあ、なんにせよ仲が良さそうで何よりだ。

 指摘したら、どこが! とか言うんだろうけど。

 

「食わねぇなら下げるぞガキども」

 

 厨房から顔だけ出した男は、やや不機嫌そうに呟くとすぐに調理へと戻っていった。

 直感が告げている、逆らったら死ぬと。

 なぜ、長袖を肩まで捲っているのか。なぜ、筋骨隆々なナイスガイなのか。なぜ、真っ黒に日焼けしているのか。よくわからないが、とにかく、逆らったら命は……ない。

 

「「いただきます」」

「おう、食え」

 

 俺たちが食べ始めるのを見届けると、次の料理を作りに戻っていった。

 ……南瓜甘い。美味しいけど、とにかく甘い。くどいくらい甘いけど、次の一口が進んでしまう。それくらい美味しい。金払ってまで食べたいかと問われるとそこまでではないけど。

 

「そういえば、ファースト幼馴染、えーっと……モップだったけ? と、再開したんだってな」

「……箒な」

 

 さりげなく酷いな五反田弾。たしかに箒もモップも掃除道具だけどさ。なんだったら熊手とかの方が漢字であるだけまだましな気もしなくもない。おっと、殺気が……。

 

「どうした?」

「モグなんでもな!?」

 

 ――時門!!

 久々に学食以外に使ったな……。結局昼食関係だけど。

 結構やばめの殺気を感じたから咄嗟に時門を使ってしまったが……。

 

 まさか、中華鍋が飛んできているとはね。

 

 口の中に物入れたまま息止めるの結構辛いし、どうしたものか。

 避けたら五反田弾に当たるし。……アラスカ条約に違反するけど、仕方ないよね?

 時門解除――。

 

「ング……。返しますね」

 

 黒桜を右腕だけ部分展開して、中華鍋を受け止める。勿論、握り潰さずに丁寧に扱っている。

 にしても、なんで中華鍋投げられたんだ?

 

「チッ……口ん中入れたまましゃべんじゃねぇ」

「……すいません」

 

 悪いことしたら謝る。これ基本な。

 

「……決めました」

 

 急にどうしたんだろうかこの娘は。まさか、一家総出で俺を暗殺する気か!?

 

「私、IS学園を受験します!」

「おまっ! 何言って――」

 

 トチ狂った事を言い出した妹に驚いた兄は椅子を倒し、飛んできたお玉が頭に直撃しぶっ倒れた。家族にすら容赦ないのな。……同じことを五反田蘭もやったのにそっちはお咎めなしなのはまあ、女の子だからか。

 

「受験するって……なんで? 蘭の学校って、エスカレーター式で大学まで出れて、超ネームバリューも付いてくる学校だろ?」

「大丈夫です。私の成績なら余裕です」

「IS学園は推薦ないぞ……」

「お兄と違って、私は筆記で余裕です」

 

 復活早いなおい。

 というか、どこからでてくるんだその余裕は。あの辞書みたいな参考書を勉強して覚えられるとか、まじ人間じゃない。あ、IS学園の皆は覚えてきてるのか。やべぇなIS学園。

 

「いや、でも、あそこって実技もあるよな!?」

「あ、あぁ。IS起動試験ってのがあって、適性がないやつはそこで落とされる……らしい」

「ちなみに、最低ボーダーはCらしいよ? まあ、D以下はISがまともに動かないらしいし動けば合格じゃない?」

 

 音羽先輩が言ってたから、きっと正しいだろう。あの人なんでか知らんけど、色んな情報持ってるし。

 

「その問題は既に解決済みです」

 

 ポケットから取り出した紙には、IS簡易適性試験-判定A-と書かれていた。

 天晴れとしか言い様がないな。ちなみに俺は適性Cだって。適正Cで候補生に勝てちゃう黒桜パネェ。

 

「ですので……入学できたときは、一夏さんに先輩としてご指導を……」

「ん? いいぜ、受かったらな」

 

 女子との約束は安請け合いしないほうが身の為だ。セシリアのサンドイッチを食べた時に思い知った。俺が炒飯ばっか食べてるから手料理をお見舞いしてやると言われた時に、断るのもあれだったので了承したのだ。……地獄を見たね。まさか、黒桜の生命維持機能が働くとは思わなんだ。

 

「おまっ蘭! 何勝手に学校変えることに決めてんだよ! なあ母さん!」

「あら、いいじゃない別に。一夏君、蘭のことよろしくね?」

 

 母さん……だと!?

 見た目、まだ20後半から30前半くらいなのに? 16で長男出産? パネェ……

 

「あ、はい」

「はいじゃねぇ! 火神もなんとか言ってくれよ!」

「まあまあいいじゃん。蘭ちゃんも考えてるんだろうし」

 

 今日見知った仲で進路に口出しするのも変じゃんね? ん、五反田母が俺に気づいた。

 

「あ、初めまして、こんにちは火神真由です」

「初めまして。息子がお世話になっております」

「こちらこそ、お邪魔してます」

 

 五反田家と初めましてなんだけど、まあいいだろ。それなりに打ち解けれたし。

 

「じーちゃんは……賛成だわな……」

「では、そういうことで。ご馳走様でした」

 

 軽く合掌し、食器を片付ける五反田蘭。俺も一緒に片付けようか。

 

「ご馳走様でした」

「お前らいつの間に!?」

 

 実は結構前から食べ終わってたりする。食器をどうすればいいのか分からないから待ってたとか、そんなことはないんだからね!

 

 

 ◇

 

 

 なんだかんだで、結局あのあと弾と一緒に(一夏が)エアホッケーをして遊んだ。

 俺? ゲーセン初めてでとりあえずウロウロしてたら、稲妻文庫FCなる格ゲーがあったからやってたらいつの間にか日が暮れてたでござる。因みに連勝数34で人が来なくなった。すまんな。34勝の内の6勝は一夏と弾だけど。

 

 そういえば、付き合う付き合わないの話はどうなったんだろうか。個別トーナメントは今月。もし、篠ノ之が優勝すれば一夏は篠ノ之と付き合うことになる。はずだが、こいつは絶対に勘違いしてるだろうからなぁ……。

 まあ、個別トーナメントは俺も訓練機で出れるらしいし、真面目に戦う時がきたのかもしれない。いや、全部全力で本気だったけどさ。

 

 とりあえず、一夏が転校生に連れてかれたから一人で寂しいとか、そんなんじゃ決してない。

 それに、お腹すいてないし? シャワー浴びて寝よ……。

 

 

 シャワーを浴びるために移動するのだが、そこで聞こえてきたのはにわかに信じがたい言葉。

 

 ――個別トーナメントで優勝したら、織斑君か火神君と付き合えるらしいよ!

 

 ……は? なぜ俺まで巻き込まれているのだろうか。

 しかし、そんな事すら吹っ飛ぶ出来事が翌日に待ち受けているとは、この時にはまだ予想すらしていなかった。とか言っておけば何かしら起きるでしょ。

 ……なんで俺まで巻き込まれてるんだっつーの。




ネタがないからたぶん原作通り進んでくかもしれない。
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