・本作品は『ディバインゲート』および『機動戦士ガンダム』シリーズの二次創作小説です。 権利は GungHo Online Entertainment, Inc. および 創通・サンライズに帰属します。
・本作品は、文章の校正・添削にAIを使用しています。
ナイトロによる強烈な負荷と、戦いの疲労。 深い闇の中から意識を浮上させたあなたは、柔らかいシーツの感触と共に目を覚ました。 薄暗い部屋の中に差し込む、穏やかな午後の光。
ナイトロを起動した時のあの神経が焼けるような感覚は、今はもう静かな余韻へと変わっていた。
ふと、閉ざされたドアの向こうから、賑やかな笑い声や食器の触れ合う音が聞こえてくる。
それは、つい先ほどまで睨み合いを繰り広げていたとは思えないほど、平和で温かな空気だった。
部屋の外からは、一足先に緊張を解いた九人の賑やかな気配が、風に乗って心地よく流れ込んでくる。異なる世界の住人たちが、互いの境界を越えて打ち解け合う様子が、その声の端々からありありと伝わってきた。
「ねえねえ! アカネくんが炎で焼いたお肉、最高に美味しいんだけど! 商店街の屋台にも呼びたいくらいだよ!」
ミサの弾けるような感嘆の声が響く。彼女の屈託のない称賛に対し、アカネもまた照れ臭そうに、しかし豪快な笑みを返していた。
「お、おう! 遠慮すんな、どんどん食えよ!」
その傍らでは、サキが冷静な、それでいてどこか柔らかな響きを帯びた声で言葉を紡いでいた。
「……ミサ、食べ過ぎ。でも、こっちの世界の調理器具は確かに興味深いね。アオト、その水の制御は、システムの冷却にも転用できるの?」
分析的な視点を忘れないサキの問いかけに、アオトが静かに応じている気配がする。
さらに、ミドリとヒカリがあなたの親友を囲み、この世界の成り立ちや情景を案内する楽しげな声が重なった。その輪の少し後ろでは、ユカリとギンジもまた、サキたちが交わす対話に静かに耳を傾けている気配が伝わってくる。
殺伐とした戦場にいた者たちが、食卓を囲み、互いの「個」を認め合う。その光景は、これから待ち受ける過酷な任務を前にした、奇跡のような安らぎの時間だった。
あなたが体を起こすと、サイドテーブルにはコップ一杯の水と、誰かが置いたであろう『ゆっくり休んで。みんな待ってるよ』という手書きのメモが置かれていた。
「へっ……」
メモを見たあなたは、柄にもなく気恥ずかしさを感じて、バサッと布団を頭まで被り直した。ナイトロの影響か、まだ少し頭が重い。このまま賑やかな声をBGMに、二度寝を決め込もうとした、その時だった。
「オキタ! オキタ! [あなたの名前]、オキタ! ハロ、ウレシイ! ハロ、ウレシイ!」 枕元で待機していた緑色の球体――ハロが、まるでその瞬間を待ちわびていたかのように、ベッドの上で激しく跳ね始めた。 その振動がダイレクトにあなたの体に響く。
「……っ、ちょ、静かにしろって、ハロ!」
慌てて布団の中から手を伸ばしてハロを抑え込もうとするが、ハロは逃げるように跳ね回り、「パーティー! パーティー! ミンナマッテル!」とさらに大きな声を上げる。 その騒ぎが、ドア一枚隔てた外の耳ざとい面々に聞こえないはずがなかった。
「あ! 今、部屋の中で何か跳ねる音しなかった!?」
「ハロの声だぼん! あいつが目を覚ました合図だぼん!」
ミサとめたぼんの声が近づいてきたかと思うと、次の瞬間、勢いよくドアが開け放たれた。
「おーい! いつまで寝てんだよ! せっかくアカネが肉焼いてやったのに!」
「……ミサ、いきなり開けたら失礼でしょ。でも、もう起きてるみたいね」
ドアの隙間から、アカネが豪快に顔を出し、その後ろからサキがやれやれといった表情で覗き込む。さらにミサ、アオト、ミドリ、ヒカリ、ユカリ、ギンジ、そしてあなたの親友……。 合計9組の視線が、ベッドの上でハロと格闘しながら、気まずそうに布団を被っているあなたに突き刺さった。
「えっ……」
呆然と声が漏れる。
「ほら、(あなたの名前)が起きたなら乾杯のやり直しだ! さっさと来いよ!」
アカネに半ば強引に背中を押され、彼らに囲まれる中で、目論んでいた「二度寝作戦」は脆くも崩れ去った。
しかし、照れくさそうに起き上がるあなたを見る9人の眼差しには、先ほどの戦闘での敵意は微塵もなく、新しい仲間を迎え入れる温かさだけが溢れていた。
気恥ずかしさと寝起きの気だるさを引きずりながら、あなたはリビングへと足を運んだ。
そこには、豪華な食事を囲んで盛り上がる9人の姿。
一斉に向けられた視線に耐えかねて、あなたは蚊の鳴くような声で挨拶を絞りだした。
「……ぉっす……」
その瞬間、静まり返った部屋に、サキとミサの忍び笑いが響いた。
「プ、ププッ……! 何よそれ、借りてきた猫みたいじゃない!」
サキが真っ先に吹き出し、肩を震わせる。いつも冷静な彼女がここまであからさまに笑うのは珍しいことだった。
「あはは! もー! 戦ってる時はあんなにカッコよかったのに、意外とシャイなんだねー!」
ミサも机を叩きながら大笑いする。
そして、追い打ちをかけるように親友があなたの肩をガシガシと掴み、腹を抱えて爆笑した。
「はっはっは! お前、柄にもないこと言い出しやがって! 『ぉっす』って何だよ『ぉっす』って! 腹痛ぇ……!」
親友の爆笑に釣られるように、部屋中の緊張が一気に溶けていった。 親友の豪快な笑い声に、アカネたち6人もつられて笑い出し、部屋の空気は一気に和らぐ。
「なんだ、案外普通の人なんだな」
肉を焼いていたアカネが、ニカッと白い歯を見せて笑う。
「あんたらの乗ってたあのデカい機械、めちゃくちゃ威圧感あったからさ。もっと怖い連中かと思ってたぜ」
「……意外だね。君からは、もっとこう……人間味のない、硬い印象だったんだけどね」
アオトも少しだけ口角を上げ、水の入ったグラスを差し出してきた。
「……そうか。そうかもしれないな」
差し出されたグラスを受け取りながら、あなたは小さく息を吐いた。
周囲の賑やかな空気に促されるまま、あなたはアカネの隣の席に腰を下ろすことになった。
「ほらほら、食べて食べて! この世界のご飯、すっごく美味しいんだから! 商店街のコロッケには負けるけどね!」
ミサはそう言って、弾んだ声で次々と料理を勧めてくる。
その底抜けに明るい振る舞いは、重い事実を知ったばかりの場の空気を和らげるかのようだった。
一方、先ほどまで笑っていたサキは、ふと真剣な眼差しをあなたに向けた。
「……でも、あんな風に笑えるくらいまで回復して安心した。ナイトロを使用した直後の脳波、本当に不安定で危ない状態だったんだから」
専門的な視点から向けられたその言葉には、茶化すような響きはなく、あなたの身を案じる確かな体温が宿っていた。
しかし、そのしんみりとした空気を、親友が揶揄するような笑みで強引に塗り替える。
「ま、こいつは機体に乗ってないと、ただの不器用な奴なんだよ。なぁ?」
「なんだと!? ふざけんな!」
顔を真っ赤にして反論するあなたの姿を見て、親友はまたしても愉快そうに声を上げて笑った。
そんな騒がしいやり取りを遮るように、アカネがあなたの前に料理を差し出した。
「ほら、食え! 俺の特製、直火焼き肉だ!」
アカネが差し出した皿には、香ばしく焼けた肉が山盛りになっていた。
「これ……アカネが焼いたの?」とサキが尋ねる。 あなたが一口運ぶと、絶妙な火加減とスパイスの風味が口いっぱいに広がる。
「おうよ! 火の扱いなら誰にも負けねぇからな。あんたらの世界のメシはどうなんだ? やっぱり、全部チューブに入った宇宙食なのか?」
「そんなわけないでしょ!」
とミサが横から突っ込みを入れ、彩渡商店街の美味しい食べ物の話を熱心に語り始める。
賑やかな中心から少し離れた席では、サキがユカリとアオトを相手に、静かに、それでいて探究心を滲ませた様子で言葉を交わしていた。
「……ユカリの鎌、あれは物理的な刃じゃないよね。何らかのエネルギーの収束体か、あるいは別の何か?」
サキの鋭い観察眼に基づいた問いに、ユカリは感情を削ぎ落としたような静かな所作で頷いた。
「これは、心の影……。でも、あなたが乗っていたあの巨人も、不思議な鼓動が聞こえた。ただの機械のはずなのに、まるで生きているみたいに」
その言葉を引き継ぐように、アオトも手元のコップの中の水を微かに揺らしながら、独白に近い響きで付け加えた。
「あの青い光……ナイトロか。あれは、あまりに危うすぎる。でもそれを使いこなさなきゃならない、君たちが背負っているものの重さを、あの光に感じたよ」
科学的な技術の結晶であるモビルスーツと、属性の力の発露であるドライバ。異なる理(ことわり)を持つ者同士が、互いの「力」に宿る本質的な危うさと孤独を、その対話の中に静かに見出していた。
ミドリとヒカリは、ハロを囲んで大はしゃぎだ。
「この緑のボール、お喋りするんだね! 可愛いー!」
「ハロ、カワイイ! ミドリ、カワイイ!」
「あはは! この子、分かってるじゃない!」
それを見ていたギンジも、口元に微かな笑みを浮かべながら、あなたの親友と何やら男同士の話で盛り上がっているようだった。
やがて会話は、互いの世界の話へと移っていった。
「『ガンダム』……。それがあのロボットの名前なのか?」
ギンジが静かに問いかける。
「ああ。俺たちの世界では、あれが平和を守るための、あるいは争いを止めるための力だ」
あなたの親友の言葉に、ヒカリとユカリが顔を見合わせる。
「力があるから争うのか、守るために力が必要なのか……。それは、私たちの世界も同じかもしれないね」
ヒカリの少し寂しげな、けれど芯の強い言葉に、部屋が少しだけ静かになる。 しかし、その空気を切り裂いたのは、やはり元気な声だった。
「難しいことは後回しだぼん! 今は新しい出会いを祝うのが先だぼん!」
めたぼんがテーブルに飛び乗り、ハロもそれに合わせて「オイシイ! ギョーザ、オイシイ!」と騒ぎ立てる。
あなたは、隣で笑うアカネや、呆れながらも楽しそうなサキ、そして爆笑を続ける親友とみんなの顔を見ながら、この不思議な縁に感謝せずにはいられなかった。
笑い声、食器の音、仲間の体温。
目の前で繰り広げられているこの光景を、あなたはどこかで知っている気がしてならなかった。
2月6日頃 第5話 追想 更新予定