・本作品は『ディバインゲート』および『機動戦士ガンダム』シリーズの二次創作小説です。 権利は GungHo Online Entertainment, Inc. および 創通・サンライズに帰属します。
・本作品は、文章の校正・添削にAIを使用しています。
トリガーを引き抜いた瞬間、視界のすべて――いや、宇宙(そら)という概念そのものが、純白の閃光によって塗りつぶされた。
ツインバスターライフルから放たれた極大の光柱は、大気圏の苛烈な摩擦熱さえも一瞬で飲み込み、蹂躙していく。
再構成されようとしていた「偽りのディバインゲート」も、数万の怨念を宿した衛星も、爆音を上げる暇すら与えられない。
光に触れた端から分子レベルで蒸散し、抗う術もなく虚空へと消し飛ばされていった。
破壊の奔流が収まった後、視界に残ったのは、白く焼けた網膜の残像と、崩壊していく衛星の虚しい残骸だけだった。
「......やった、のか......?」
掠れた声で呟いたあなたの言葉は、直後に響き渡った愛機**〈デルタカイ・カスタム〉**の悲鳴にかき消された。
外次元から転送されたライフルの莫大な出力は、機体の許容限界を遙かに超えていたのだ。
バキィッ! とライフルの反動を受け止めた右腕が粉砕され、火花が飛び散る。
それだけではない。機体フレームは熱膨張と衝撃で歪み、ナイトロ・システムは過負荷で断末魔のようなアラートを上げ始めた。
「アラート、トマナイ! ソンショウ、シンコク! ソンショウ、シンコク!」
「アラート、トマナイ! ソンショウ、シンコク! ソンショウ、シンコク!」
ハロの目が血のような赤色で点滅しコックピットには焦げ付いた異臭が立ち込める。
白き光が消えた空に、再び大気圏突入の無慈悲な「赤」が戻ってきた。
あなたは、己のすべてを使い果たし、火の玉となって地表へと堕ちゆく愛機の鼓動を、ただ必死に感じ取っていた。
「......まだ......まだだ! こんなところで! 変形しろ、デルタカイ!!」
残された全エネルギーを強引に駆動系へと回し、ウェイブライダー形態への緊急変形を試みる。
せめて揚力を得て、墜落を「滑空」へと変えるための一か八かの賭けだった。
ギギギガギィィィィッ!!
しかし、熱で融解しかけたフレームが凄まじい金属音を上げ、変形機構は中途半端な位置でロックされた。
その瞬間、不自然な角度で展開された主翼が猛烈な風圧に耐えきれず、根元からひしゃげ、音を立てて圧壊した。
「......っ!? 翼が......!」
揚力を完全に喪失した機体は、重力に引かれるまま加速していく。
厚い雲海を突き抜けた先に広がっていたのは、夕闇に沈み始めたユナイティリアの、息を呑むほどに美しい街並みだった。
ミサ、アオト、ユカリ……そして地上で再会を信じて待つ仲間たちが生きる未来を、
「イマ」を繋ぎ止めた報酬(しるし)として、自分は今、最期の流星となり墜ちていく。
広がる街の灯りは、まるであなたの命の輝きを惜しむかのように、淡く、優しく瞬いていた。
「[あなたの名前]、マ、ケ……ル……ナ……。ハ……ロ……、ウレシ……ィ……」
ハロの音声は激しいノイズに呑まれ、途切れ途切れに響いた。
それは、過酷な旅路を共にしてきた相棒の、あまりにも儚い別れの言葉だった。
直後、爆発の衝撃と共に全天周囲モニターが完全に沈黙した。
漆黒のコックピット。内側から機体を破壊せんばかりの振動と、剥き出しの装甲から漏れ出す摩擦熱。
「......ここまで、か......」
あなたは襲い来る重圧に身を任せ、静かに瞳を閉じた。
感覚の彼方へ消え去っていく熱と痛み。ただ、機体を切り裂く風の轟音だけが、遠い弔鐘のように響き続けていた。
「......まだ! 墜ちさせない、絶対に!!」
上空でミドリが全霊の力を込め、棍を高く掲げた。その呼びかけに応じるように、ユナイティリアの空に巨万の風が渦巻き、巨大な上昇気流となって火を噴く鉄塊を包み込む。墜落の加速がわずかに削り取られる。それは、ミドリの意地が生んだ奇跡の風だった。
「ポイントD-12! そこが最終落下予測地点、急いで!」
地上ではサキの駆るフェネクスが金色の光を撒き散らし、大地を焼き切る速度で疾走していた。
親友のMSもまた、エンジンの限界を超えた土煙を上げ、必死の面持ちで並走する。
だが、片翼を失ったデルタカイは不規則な挙動を繰り返し、予測ルートを嘲笑うかのように逸脱していく。
空気抵抗の変化に伴う不規則な挙動は、サキの熟練の観測眼をもってしても制御不能な領域へと機体を押し流していった。
「……嘘でしょ、進路が変わった……!?」
サキの悲痛な叫びが通信機に響き渡った。
金色の残光を放つフェネクスをもってしても、その物理的な距離を埋める術はなかった。
機体は誰の手も届かない絶壁の彼方――深い霧が澱む谷底へと吸い込まれていくように消えていく
激突まで、あと数秒。
ユナイティリアを守り抜いた代償として、仲間たちの祈りすら届かない暗闇の底へと、孤独に堕ちようとしていた。
その時だった。
絶望に沈む谷底の空が、一瞬にして濃密な真紅へと染まった。
(……何だ、あの光!?)
絶望に沈む谷底の空が、一瞬にして濃密な真紅へと染まった。 激突を覚悟したあなたの前に飛び込んできたのは、機体全体から真紅の燐光を激しく噴き出す一機のモビルスーツだった。
その機体は、猛烈な速度であなたの真下へと潜り込むと、背部の巨大なアーム(クロー)を、獲物を捕らえる猛禽のように射出する。
ガシィィィィィィィッ!!
硬質な金属同士が激突し、噛み合う凄まじい衝撃。
地面に激突するわずか数メートル手前――。死の速度で落下していたデルタカイ・カスタムの胴体を、その鋼鉄の腕が、空間ごと固定するかのようにガッシリと掴み取った。
凄まじい反動がコックピットを揺らし、機体のフレームが悲鳴を上げる。
しかし、それ以上に確かな「他者の体温」のような力強い保持力が、死の螺旋に終止符を打ったのだった。
「……ふぅ。九死に一生、といったところか」
ノイズだらけのスピーカーから飛び込んできたのは、低く、落ち着いた、しかしどこか聞き覚えのある中性的な声だった。
真紅の粒子が強固な防壁となり、摩擦熱を強引に剥ぎ取っていく。
急速に低下していく機内温度。死の淵で凍りついていたあなたの意識が、その冷気で呼び戻された。
崖の上で立ち尽くすサキや親友、そして空から舞い降りたミドリたちの目に映ったのは、あまりにも幻想的で、凄惨な光景だった
。
ボロボロになり、煙を上げるデルタカイ・カスタムを片腕で掲げ、真紅の燐光の中で悠然と佇む機体。
それは、彼らが知るどの記録にも、存在しない未知のガンダム――ラファエルガンダムだった。
その機体は、科学の結晶であるモビルスーツとしての無機質さと、この世界の理(ことわり)を内包したかのような神々しさを併せ持っていた。
見る者に「人知を超えた何か」を予感させる、不気味なまでの完成度を誇っていたのだった。
ボロボロになったデルタカイ・カスタムと、それを救った灰色のMSが静かに並びました。ハッチが開き、冷却ガスの白煙の中から、パイロットが姿を現した。
降りてきたのは、中性的な美しさと冷徹な理性を湛えた瞳を持つ、レティシア・アーデ。
「……作戦は成功。でも、まだ片付けなければならない問題が多すぎる」
彼は淡々と告げ、あなたとそして駆け寄った仲間たちを見渡した。
そこへ、かつての王・アーサーが静かに歩み寄る。
彼はレティシアに深く頷くと、空間のゆらぎを見つめた。まるで、そこに実体を持たない「誰か」が立っているのを確信しているかのような眼差しだった。
「よくやってくれた。君たちが、扉の再編を食い止めたのだ」
アーサーの言葉に応じるように、空間のゆらぎが激しく脈動し、格納庫のモニター群が呼応するように一斉に発光した。そこに映し出されたのは、これまで通信越しにあなたたちへ「禁じ手」を伝え、導いてきた『依頼主』の姿だった。
「あえて言わせてもらおう。この世界(ユナイティリア)の命運を繋ぎ止めた諸君らの奮闘、実に見事であったと!」
その声を聞いた瞬間、アカネとミドリは飛び上がらんばかりに驚愕し、顔を見合わせた。
「えっ、ちょっと待って!? 今の声……アーサーにそっくりじゃない!?」
モニターに映し出されたのは、全身に銀色の金属光沢を纏った男、
ELSと同化したグラハム・エーカー。
確かにその声の響きは、隣に立つアーサーのそれと瓜二つだった。
戸惑い、混乱するアカネたち6人に対し、あなたの親友が苦笑しながら前に出る。
「落ち着けって。この人はグラハム・エーカー。空に魂を捧げた.....
まぁ、平たく言えば変態だ。今は世界を見守る『イノベイター』の一人だ。
そしてあっちのレティシアは、あっち(ガンダムの世界)の仲間を導くナビゲーターの
一人だよ」
親友の言葉を受け、グラハムの視線が改めてアーサーへ向けられた。
「アーサー……。私の友よ。君の愛する世界を、私の愛する若者たちが救えたことを誇り
に思う」
グラハムの言葉に、アーサーは微かに微笑んだ。
「魂の波長が同じだからこそ、私たちは世界を越えて出会えたのかもしれないな、グラハム。......いや、『ミスター・ブシドー』と呼ぶべきか?」
ガンダムの世界から未知の脅威を退けるために派遣された4人のパイロット、そして彼らを導いたグラハム・エーカー。対するは、ユナイティリアの理(ことわり)を識る流浪の王、アーサー。
衛星に隠されていた憎悪の残響は消え去りましたが、グラハムの瞳には、まだ消えない使命の火が宿っていた。
「……さて、感傷に浸る時間は短い。破壊した衛星の破片、そして霧散した怨念の『残響』を回収し、この世界を真に清浄なものとするための仕上げが必要だ。アーサー、君の世界の若者たちと、我が世界のパイロットたち……この十人に、その後始末を託してもいいだろうか」
その言葉を裏付けるように、レティシアがあなたの肩にそっと手を置きました。その微かな体温が、戦いを生き抜いた実感をあなたに与えた。
サキとミサ、あなたの親友、そして六人の適合者たち。
彼らは互いの顔を見合わせると、迷いのない瞳で力強く頷いた。
異なる世界に生きながら、同じ魂の響き――同じ声を持つ二人の男に導かれ、あなたの新しい物語が、この統合世界ユナイティリアで本格的に動き出そうとしていた。
それから、季節は巡った。
秋の冷たい風に吹かれながら共に語り合い、冬の厳しい寒さを肩を寄せ合って越え、そして今、春の芽吹きを共に喜び――。
番外編 2月27日頃 更新予定