貞操逆転世界ならコミュ症でもクール系病弱美少年でいけるらしい 〜あっ!隠してやってた裏垢のエロ自撮りがバレたぁ!?〜   作:しゃふ

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11話

 久しぶりに早く起きた土曜日。志穂ちゃんとの約束の時間はまだだけど、たまには早起きもいいだろう。

 

「あれ? 渚。やけに早く起きたね」

 

 と、思ったけど朝から面倒なのに絡まれる。

 やっぱ寝とけばよかった。

 

「今日友達の家行くから」

「へー、そうなん――」

 

 僕はできるだけ平坦な声でそう伝える。

 思えば姉に交友関係の話をした記憶はない。変なこと言われても面倒だ。

 

「……ともだち?」

「うん、志穂ちゃんって子。

 ちょっぴりアレなとこもあるけど良い子だよ」

 

 頭が若干ピンクに染まってるくらいで、悪い子ではない。

 喋りやすいし、小突いてみたら大袈裟に飛び上がるのも見ていて楽しい。

 

「……え? 女の子?」

「そりゃあ、まぁ」

 

 そういえば僕以外の男を学校で見たことないな。

 行動範囲が狭いから仕方ない気もするけど。

 

 まぁ、そこまで男の友人を求めたことはないからいいが。

 

「……な、なぎさに、女の子?」

 

 やけにショックを受けている姉の隣を通り抜けようとしたとき、不意に腕を掴まれる。

 

「……付き合ってるの?」

 

「友達って言ってんじゃん、お姉ちゃん、きもいよ」

 

 まったく、なんでそうなるんだ。

 僕が志穂ちゃんとだなんて……いや、べつに嫌じゃないけど。

 

 ……僕をちゃんと求めて、大事にして、嫌いにならないでくれる人なら、そういう関係になっても良い。

 志穂ちゃんはそういうことをちゃんと言葉にしてくれる子で、一緒にいて、不安にならないとこが好きだ。

 ……いや、いまはそんなこと、いいか。

 

 僕は思考をまっさらに戻した後、姉に適当な言葉を浴びせる。

 

「ほら、お姉ちゃんも大学で男友達の一人や二人いるでしょ」

「……いないが」

 

 いないらしい。

 まぁ、うん、そうか。

 

「じゃあ僕はこれで。暗くなる前には帰るから」

 

「……ちょちょちょ!? ストップ、え、まって女の子の家行くってこと!?」

 

 まだ何かあるのか。

 心配性というか過保護というか。

 まぁ気にしてくれてるのは嬉しいけど、こうやってペタペタされるのはだるいし、うざいよ、お姉ちゃん。

 

「お、おそわれたら――」

「そんな度胸のある子じゃないよ。ほら、洗面所使うからどいて」

 

 それに、流石に志穂ちゃんのちびボディに力負けするほど僕は貧弱じゃない。

 柏木さんとか相手なら二秒でギブアップするだろうけど。

 

 洗面所の前にたった僕は、顔に冷水を浴びせる。

 眠気に支配されそうな頭を冷やすにはこれが一番手っ取り早いからだ。

 

 そのまま洗面所を後にした僕は自分の部屋に戻った。

 ちなみに志穂ちゃんは迎えに来てくれるらしい。

 意外と近くに住んでたみたいだ。

 

 

 

 そして約束の時間の三十分前、インターホンのなる音が僕の部屋まで響く。

 駆け足で階段を下りて、玄関へ向かう。

 ドアを開けようとしている姉を押しのけ、ドアノブを捻った。

 

「あ、あの、渚くん、迎えにきました」

 

 そこにいたのは小柄な少女。志穂ちゃんである。

 服装はいつもの黒パーカーと違って、真っ白なワンピースだった。フリフリしてるのがついてるやつ。

 

 肩が露出したその服はいつもの志穂ちゃんのイメージからはちょっと離れてるけど、むしろそれがギャップがあって良い。

 ……うん、率直に言って非常に可愛らしい。

 

 まぁ、背負ってる猫耳のカバンもあって、普段以上に幼く見えるけど、そこはご愛嬌だろう。

 

「早いね、志穂ちゃん。ごめん、着替えないとだからちょっと待ってて」

「う、うん」

 

 まだ約束の三十分前だ。

 僕は急いで部屋に戻って着替えを取りに行く。

 

「……渚、ああいう子がタイプなの?

 大丈夫? 若干犯罪臭するけど」

 

 途中、姉に話しかけられたりしたけど無視した。

 どっか行ってくれないかな、この人。

 

 そうして、前日から用意していた服に着替えた後、僕は玄関に戻った。

 志穂ちゃんは玄関に座り込んだまま、ドアと睨みっこしている。

 

 そんな背中にポンと手を置いてみる。

「ひゃっ、な、なに?」

「いや、ずいぶん可愛い格好してると思って」

 

「……へっ! え、と、これは。うぅ、ごめんなさいぃ」

 

「え、あっ、そんな頭下げないで。

 ほら、こっち来て、……よしよしよし、志穂ちゃんは良い子だね」

 

 あわあわしだした志穂ちゃんの頭をナデナデして落ち着かせる。

 この子にこれが効くのだ。

 

「なんかめちゃくちゃイチャイチャしてない君たち!?」

 

 さて、後ろで騒がしくしているのを無視するとして、

 

「あ、あの人は?」

「知らない人。じゃあ行こっか」

 

 志穂ちゃんの家に遊びに行くとしよう。

 うん、すっごく楽しみだ。

 

 

 

 外を歩くのは、久しぶり。

 そういえば、この世界に来てからまともに外に出たのは今日が初めてな気がする。

 

「なんか、見られてるね」

 

 あんまり人の通りが多い場所ではないけど。

 でも、視線は間違いなく感じていた。

 なにか珍しいものを見るような、そんな視線を。

 

 多分、僕が男だからなんだろう。

 

「こ、怖いなら。手、繋ごう」

 

 そんな僕の言葉を聞いた志穂ちゃんは、その小さな手を僕の手の甲に当てながら、そう言った。

 

 いや、別に怖いわけじゃないけど……まぁいいか。

 

「……あ、口実が欲しかった感じか」

「い、いやっ、えと、それは」

「別に良いよ。ほら、にぎにぎしよっか」

 

 僕は彼女の指と指の間に自らの指を絡ませる。

 志穂ちゃんの手はあったかくて、握っていると少し安心する。子供の体温が高いってのは本当なんだろうか。

 

「ちょっと、離さないでよ」

「は、はずか、しい」

「え、今更? あんだけ恥ずかしいことしてきたのに?」

 

 どの口で言ってるんだ。

 僕は保健室での激甘催眠撫で撫で睡眠プレイを忘れちゃいないぞ。

 

「で、でも、人前だから」

 

 それはそうだ。

 

 ……うん、ごめん、普通に正論すぎて反論できないや。

 

「んー、じゃあこういう設定にしよう」

 

 でも、せっかく志穂ちゃんの方がにじりよって来たのだ。

 ここは僕らしく、適当な設定付けでもしよう。

 

 そうだな、恋人でもない男女が合法的にイチャイチャする方法。

 ……あ、そうだ、いるじゃないか。

 恋人でもなんでもないのに僕にペタペタ触ってくるうざい奴が。

 

「――はい、それじゃあ志穂ちゃん。

 お兄ちゃんの手、にぎにぎしようね」

「お、おにいちゃん?」

「志穂ちゃんは僕の妹だからね、いくらでも甘えていいんだよ?」

 

 兄妹プレイ。それが僕の導きだした答えだ。

 

 志穂ちゃん妹属性だし、僕もたまにはお兄ちゃんやりたいし。

 

「い、いもうと? ひゃ、て、手が」

「こら、手離さない。

 車が来たらどうするの」

 

 一ミリも理解できてなさそうな志穂ちゃんのほっぺをむぎゅっと、押さえながら、僕は彼女に語り掛ける。

 

「ね、僕たちは兄と妹なんだから、手つないでもいいんだよ。

 他の人に見られても、ただの仲の良い兄と妹にしか思われないからね」

 

 そして、僕は彼女の手を握る。

 

「だから、いいよね?」

 

「ひゃ、ひゃい」

 

 もう、手は離されない。ぎゅっと握られて、くっついたままだ。

 

 よし、堕ちたな。

 

 

 

 ……ここまで上手いこと行くとは思わなかった。 

 一度兄妹プレイに堕とした後、志穂ちゃんは

 

「おにいちゃん、ドア、開けて」

「もう、仕方ないな」

 

 めちゃくちゃ嵌っていた。

 

 ベタベタだ。

 こういうインモラルなやつの方が好みなんだろうか。

 ……ありえるな。

 

 僕は受け取った鍵をドアに差し込んで、玄関の扉を開ける。

 すると、目の前に人影が現れた。

 

 志穂ちゃんよりも少し大きな背。

 でも、顔はそっくりで、髪型が同じだったら、見分けがつかなかったかもしれない。

 

「んー、なにお兄ちゃん。はやく、家はいろ――」

 

 その少女は目を見開いて、僕たちを見ていた。

 

 そして、志穂ちゃんの放った言葉が開いたドアを通って家の中に入る。

 

「…………あ」

 

 直後。

 ご近所中に響き渡るような絶叫が、僕の耳を襲った。

 

「お姉ちゃんがメス顔で兄妹プレイしてるっ!?」

「ちょちょ、声が大きい!」

 

 甲高い声は志穂ちゃんのものより、よっぽどハツラツとしていて、パワーに満ち溢れていた。

 

「寝取られだっ! 私のお姉ちゃんを返せ! お兄ちゃん!」

 

「ぼ、僕は君のお兄ちゃんじゃ――」

 

 いや待て、志穂ちゃんの家の中にいる、志穂ちゃんそっくりな子。

 そんなの可能性は一つしかない。

 

「……えっと、志穂ちゃんのお姉さんですか?」

 

 まて、つまりはこの子も僕の妹ということに――

 

「うんうん、そーです、お兄ちゃん。

 私はこの子のおね――」

「こ、こいつは妹。別に気にしなくていい」

 

 ……え、そっち? 姉じゃなくて?

 

「……志穂ちゃんよりおっきいけど」

 

 うん、横に並んだらよく分かる。

 志穂ちゃんがフシ〇ダネとしたらこの子はフシ〇ソウだ。

 花が咲いてるほどの差はないけど、つぼみの有無の差は間違いなくあった。

 

「なんでだろうね」

 

 志穂ちゃんが自虐気に言う。

 あ、自分でも気にしてたみたいだ。

 ごめんね。

 

「ほ、ほら、私の部屋、上だから」

「あれ、妹ちゃんはいいの?」

「いやいや、妹はそっちのちっちゃいやつですよ、お兄ちゃん」

 

 からかうように、妹ちゃんがお兄ちゃんと僕を呼ぶ。

 にしても、こういう子は新鮮だ。距離感が軽いというか、この世界でこんな感じの子と会ったのは初めてかもしれない。

 

「お、お兄ちゃんはもうおわりっ! な、なぎさくん、早く行くよ」

 

 えー、もうちょっとしたかったけど。

 あの感じの志穂ちゃんいつも以上に素直で可愛かったのに。

 

 僕は志穂ちゃんに引きずられながら階段を上る。

 ちょっと乱暴な扱いだけど、家族の前ではこんな感じなんだろうか。

 ……こういう一面を見れるのは嬉しい。

 

 そして、階段を上り切ったと思ったとき。

 上ったばかりの階段の根本から、大きな声が聞こえた。

 

「あのっ! お兄さん。お姉ちゃんはちょっぴりバカでマヌケでエッチでヘンタイだけどっ」

 

「おい余計なことっ!――」

 

 志穂ちゃんが慌てて訂正しようと声をあげる。

 ――でも、その声はすぐにかき消された。

 

「すごく良い子なんです! だから、その、見捨てないであげてくださいっ!」

 

 妹ちゃんの大声量によって。

 

 

 志穂ちゃんの部屋の中。

 女の子らしさはありつつも、ところどころラノベやゲームの類いもあって、若干のオタク臭がする。こっちの方が落ち着いていいけど。

 

「お姉ちゃん想いの良い子だね」

「……べつに、そんなこと、ないし」

 

 ほう、意外とツンデレ適正もあるのかい。

 志穂ちゃん。

 

「妹ちゃんも呼ぶ? 別に僕は大丈夫だけど」

「い、いや。二人きり、が、いい」

 

 そうか。ま、そっちの方がいいよね。

 

「じゃあイチャイチャでもしよっか?」

「……する」

 

 僕はベッドにいる志穂ちゃんの隣に座って。

 そっと、彼女の手の甲を指でなぞった。

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