東方三界録   作:肩幅ひろし

10 / 23
第10話:博麗霊夢、怒りを浄化し“新たな力”を得る

 境界本体の残滓が再起動し、

霊夢の怒りの波動に反応して空間が震え始める。

 

「霊夢!怒りを流せ!」

魔理沙が叫ぶ。

 

「流してるわよ!!

……流してるつもりよ!!」

 

霊夢の周囲の光は、

“無色透明”へと変わりつつあった。

 

「麟!! 霊夢の怒り、どうなってるんだよ!!」

「怒りが……限界を超えて“純粋なエネルギー”に変わり始めてる……!」

 

「純粋って言った!?」

霊夢が振り返る。

 

怒りの波動が一瞬だけ強まるが――

すぐに“ふっ”と弱まった

 

「……あれ?」

霊夢が自分の手を見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 麟が息を呑む。

 

「霊夢……怒りが……消えていってる……」

 

「消えてるって……どういう……」

 

霊夢の胸の奥から、

柔らかい光がふわりと溢れた

 

「……あ……これ……怒りじゃない……」

 

「霊夢?」

魔理沙が近づく。

 

「怒りを抑えようとしたんじゃなくて……

“怒りを受け入れた”から……

怒りが……消えていく……」

 

霊夢の声は静かで、穏やかだった。

 

「怒りは悪いものじゃない。

ただ……私が抱えてた“負の感情”が、

境界に反応して暴走してただけで……」

 

霊夢の周囲の光が、

金色へと変わる。

 

「……霊夢、まさか……」

麟が震える声で呟く。

 

「怒りを……“浄化”してるんだよ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 境界本体の残滓が、

霊夢の金色の光に触れた瞬間――

 

バチィィィィン!!

 

残滓が“浄化”され、

空間のひび割れがゆっくりと閉じていく。

 

「……え……?」

魔理沙が目を丸くする。

 

「霊夢の怒りが……

“境界修復エネルギー”に変わってる……!」

麟が興奮気味に叫ぶ。

 

「つまりどういうことだよ!!」

「霊夢が怒ると世界が壊れるんじゃなくて……

怒りを浄化すると世界が治る!!

 

「治すのねぇぇぇ!!」

 

霊夢は静かに目を閉じ、

両手を胸の前で合わせる。

 

「……怒りも、悲しみも、苛立ちも……

全部、私の中にあるもの。

否定しないで、受け入れて……

境界に流す……」

 

金色の光が霊夢の周囲に広がり、

森のひび割れが完全に修復されていく。

 

「……すごい……」

麟が呟く。

 

「霊夢、なんか神々しいぞ……」

魔理沙がぽかんと口を開ける。

 

「やめてよ、恥ずかしいわよ……」

霊夢は頬を赤らめるが、

その光はまだ優しく輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 麟が測定器を見ながら呟く。

 

「霊夢の新しい力……

“境界浄化(きょうかいじょうか)”……

いや、“怒気転界(どきてんかい)”……?」

 

「名前つけるなぁぁぁ!!」

霊夢が叫ぶ。

 

「霊夢、怒ってる?」

「怒ってないわよ!!」

 

こうして霊夢は、

怒りを浄化し“境界を癒やす力”を手に入れた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。