東方三界録   作:肩幅ひろし

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第3話:霊夢、ツッコミ疲れでついにキレる

 森の奥へ進むにつれ、境界の揺らぎはさらに強くなっていた。

麟は慎重に計測器を構え、魔理沙はキラキラした目で周囲を見回し、霊夢は……もう疲れていた。

 

「……ねぇ、二人とも。ちょっとは慎重に――」

 

「おっ、見ろよ麟! また光ってるキノコだ!」

 

「魔理沙、それ絶対触らないで。絶対にだよ?」

 

「わかったわかった。触らねぇって」

 

魔理沙は言いながら、光るキノコを“全力で踏みつけた”。

 

ぐしゃっ。

 

「踏んでるじゃないのよぉぉぉぉ!!」

 

霊夢の絶叫が森に響く。

麟は顔を青くし、魔理沙は「お?」と首をかしげた。

 

「いや、触ってないぜ? 踏んだだけだし」

 

「触るより悪いわよ!!」

 

霊夢のツッコミが炸裂する。

麟は慌てて計測器を確認するが、針がぐるぐると逆回転していた。

 

「……魔理沙のせいで、また計測不能になった……」

 

「おいおい、私のせいにすんなよ。キノコが弱いのが悪いんだぜ」

 

「弱いとか強いとかの問題じゃないでしょ!!」

 

霊夢のツッコミ二連発。

しかし魔理沙はまったく気にしていない。

 

「まあまあ、細けぇことはいいじゃん。

ほら、次はあっちに光ってるのが――」

 

「行くなぁぁぁぁ!!」

 

霊夢が魔理沙の襟首を掴んで引き戻す。

麟は冷静に言う。

 

「魔理沙、お願いだから僕の計画を五秒以上保たせて……」

 

「五秒って短くないか?」

 

「魔理沙基準だと長い方だよ」

 

「麟まで!?」

 

霊夢は頭を抱えた。

その瞬間、背後で“境界の裂け目”がバチバチと音を立てる。

 

「ちょっと! 異変の中心が近いんだから、真面目に――」

 

「おっ、裂け目だ! 撃ってみるか!」

 

「撃つなぁぁぁぁぁぁ!!」

 

霊夢の絶叫が三度響く。

 

麟は慌てて魔理沙の腕を押さえた。

 

「魔理沙、お願いだから! 境界にレーザー撃つとか、

それもう“異変を解決する”じゃなくて“異変を増やす”行為だから!」

 

「だって気になるじゃん」

 

「気になるで撃つな!!」

 

霊夢のツッコミ四連発。

そして――ついに限界が来た。

 

霊夢のこめかみに青筋が浮かび、空気がピリッと震える。

 

「……あんたたち。

私がどれだけツッコミ入れてると思ってんの?」

 

「え、数えてないけど」

 

「僕は計測してるけど、もうデータが壊れたよ」

 

「壊すなぁぁぁぁ!!」

 

霊夢がついにキレた。

博麗の巫女としての威厳が、怒りと共に爆発する。

 

「いい!?

私は異変を解決しに来てるの!

保護者じゃないの!

ツッコミ係でもないの!

なんで二人の暴走を止めながら進まなきゃいけないのよ!!」

 

「霊夢、落ち着いて――」

 

「落ち着けるかぁぁぁ!!」

 

麟が珍しくビクッと肩を震わせる。

魔理沙はというと――

 

「……霊夢、怒ると怖ぇな」

 

「今気づいたの!?」

 

霊夢の怒号が森を揺らす。

境界の裂け目すら、びくっと震えた気がした。

 

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