東方三界録   作:肩幅ひろし

8 / 23
第8話:博麗霊夢、“怒り”を制御して武器にする

 巨大化した境界の本体が、森を揺らすほどの圧力を放つ。

空間がひび割れ、風が逆流し、三人の影が揺れた。

 

「……くっ、強いわね」

霊夢が額の汗を拭う。

 

「麟、何かわかったか!?」

「境界本体は“感情エネルギー”に反応してる……!

特に霊夢の怒りに強く反応するんだ!」

 

「つまりどういうことだよ!!」

「霊夢の怒りが“武器になる”ってことだよ!!」

 

「武器って言った!?」

霊夢が振り返る。

 

「霊夢、怒りをコントロールできれば……

境界本体に“直接干渉”できるはずなんだ!」

 

「ちょっと待って。

私、怒りを武器にする巫女なの?」

 

「そうだぜ霊夢! 怒りの巫女だ!」

「言い方ぁぁぁ!!」

 

霊夢が叫んだ瞬間――

 

境界本体が“ビクッ”と震えた

 

「……あ、効いてる」

「霊夢の怒り、やっぱり境界に刺さるんだよ……!」

 

「刺さってほしくないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 境界本体が空間をねじり、

巨大な裂け目を三人に向けて放つ。

 

「来るよ!!」

麟が叫ぶ。

 

「くっ……!」

 

霊夢はお札を構えたが、

その手が一瞬だけ震えた。

 

「……怒りを、コントロール……ね」

 

霊夢は深呼吸し、

自分の胸の奥にある“怒り”を静かに掴む。

 

魔理沙が不安そうに見つめる。

 

「霊夢、大丈夫か……?」

 

「大丈夫よ。

怒りに飲まれるんじゃなくて……

怒りを私が握るの。」

 

霊夢の周囲の空気が、

ふわりと赤く揺らめいた

 

「……これが……霊夢の怒りの波動……?」

麟が息を呑む。

 

「怒ってるわけじゃないのよ。

“怒りを使ってる”だけ」

 

霊夢の目が鋭く光る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 境界本体が巨大な腕を振り下ろす。

 

「霊夢、避けろ!!」

「避けないわよ」

 

霊夢は一歩前へ踏み出し――

 

怒りの波動を拳に集中させた

 

「――っはぁぁぁ!!」

 

霊夢の拳が空気を裂き、

境界本体の腕に直撃する。

 

――バチィィィィン!!

 

境界本体の腕が“ひしゃげた”。

 

「お、おい……霊夢、今……殴ったのか?」

「殴ったわよ」

 

「巫女が殴るなよ!!」

「怒りを使うなら殴るのが一番早いのよ!!」

 

霊夢が叫ぶと、

怒りの波動がさらに強くなる。

 

「麟、どうなってるんだよこれ!!」

「霊夢の怒りが“境界干渉力”に変換されてる……!

つまり霊夢は今、境界本体に“直接ダメージ”を与えられる!!」

 

「つまりどういうことだよ!!」

「霊夢が最強ってことだよ!!」

 

「最強なのねぇぇぇ!!」

 

霊夢が再び拳を構える。

 

「……あんたたちのせいで怒りを覚えたんだから、

責任取って手伝いなさいよ!!」

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「麟、弱点は!?」

「境界本体の“揺らぎの核”が胸部にある!

霊夢の怒りなら貫ける!!」

 

「魔理沙、援護お願い!」

「任せろ!! 怒りの巫女のサポートは私に任せな!!」

 

「怒りの巫女って言うなぁぁぁ!!」

 

霊夢が怒鳴ると、

怒りの波動がさらに強くなり、

境界本体が“ビクッ”と震えた。

 

「……よし。

怒りを……制御して……!」

 

霊夢は拳を握りしめ、

境界本体の胸部へ一直線に飛び込む。

 

「――これで終わりよ!!」

 

怒りの波動をまとった拳が、

境界本体の核へと突き刺さった。

 

――空間が、光に溶けた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。