東方三界録   作:肩幅ひろし

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第8話:博麗霊夢、“怒り”を制御して武器にする

 巨大化した境界の本体が、森を揺らすほどの圧力を放つ。

空間がひび割れ、風が逆流し、三人の影が揺れた。

 

「……くっ、強いわね」

霊夢が額の汗を拭う。

 

「麟、何かわかったか!?」

「境界本体は“感情エネルギー”に反応してる……!

特に霊夢の怒りに強く反応するんだ!」

 

「つまりどういうことだよ!!」

「霊夢の怒りが“武器になる”ってことだよ!!」

 

「武器って言った!?」

霊夢が振り返る。

 

「霊夢、怒りをコントロールできれば……

境界本体に“直接干渉”できるはずなんだ!」

 

「ちょっと待って。

私、怒りを武器にする巫女なの?」

 

「そうだぜ霊夢! 怒りの巫女だ!」

「言い方ぁぁぁ!!」

 

霊夢が叫んだ瞬間――

 

境界本体が“ビクッ”と震えた。

 

「……あ、効いてる」

「霊夢の怒り、やっぱり境界に刺さるんだよ……!」

 

「刺さってほしくないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 境界本体が空間をねじり、

巨大な裂け目を三人に向けて放つ。

 

「来るよ!!」

麟が叫ぶ。

 

「くっ……!」

 

霊夢はお札を構えたが、

その手が一瞬だけ震えた。

 

「……怒りを、コントロール……ね」

 

霊夢は深呼吸し、

自分の胸の奥にある“怒り”を静かに掴む。

 

魔理沙が不安そうに見つめる。

 

「霊夢、大丈夫か……?」

 

「大丈夫よ。

怒りに飲まれるんじゃなくて……

怒りを私が握るの。」

 

霊夢の周囲の空気が、

ふわりと赤く揺らめいた。

 

「……これが……霊夢の怒りの波動……?」

麟が息を呑む。

 

「怒ってるわけじゃないのよ。

“怒りを使ってる”だけ」

 

霊夢の目が鋭く光る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 境界本体が巨大な腕を振り下ろす。

 

「霊夢、避けろ!!」

「避けないわよ」

 

霊夢は一歩前へ踏み出し――

 

怒りの波動を拳に集中させた。

 

「――っはぁぁぁ!!」

 

霊夢の拳が空気を裂き、

境界本体の腕に直撃する。

 

――バチィィィィン!!

 

境界本体の腕が“ひしゃげた”。

 

「お、おい……霊夢、今……殴ったのか?」

「殴ったわよ」

 

「巫女が殴るなよ!!」

「怒りを使うなら殴るのが一番早いのよ!!」

 

霊夢が叫ぶと、

怒りの波動がさらに強くなる。

 

「麟、どうなってるんだよこれ!!」

「霊夢の怒りが“境界干渉力”に変換されてる……!

つまり霊夢は今、境界本体に“直接ダメージ”を与えられる!!」

 

「つまりどういうことだよ!!」

「霊夢が最強ってことだよ!!」

 

「最強なのねぇぇぇ!!」

 

霊夢が再び拳を構える。

 

「……あんたたちのせいで怒りを覚えたんだから、

責任取って手伝いなさいよ!!」

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 「麟、弱点は!?」

「境界本体の“揺らぎの核”が胸部にある!

霊夢の怒りなら貫ける!!」

 

「魔理沙、援護お願い!」

「任せろ!! 怒りの巫女のサポートは私に任せな!!」

 

「怒りの巫女って言うなぁぁぁ!!」

 

霊夢が怒鳴ると、

怒りの波動がさらに強くなり、

境界本体が“ビクッ”と震えた。

 

「……よし。

怒りを……制御して……!」

 

霊夢は拳を握りしめ、

境界本体の胸部へ一直線に飛び込む。

 

「――これで終わりよ!!」

 

怒りの波動をまとった拳が、

境界本体の核へと突き刺さった。

 

――空間が、光に溶けた。

 

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