東方三界録   作:肩幅ひろし

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第9話:霊夢の怒り制御、暴走開始

 霊夢の拳が境界本体の核を打ち抜き、

空間が光に溶けた――その直後。

 

「……はぁ……はぁ……」

霊夢は肩で息をしながら拳を握りしめていた。

 

「霊夢、大丈夫か?」

魔理沙が駆け寄る。

 

「うん……大丈夫……のはず……なんだけど……」

 

霊夢の周囲の空気が、

赤く揺らめいたまま消えない

 

「麟、これ……霊夢の怒りの波動、まだ収まってないぞ」

「うん……むしろ……増えてる……?」

 

「増えてるって言った!?」

霊夢が振り返る。

 

その瞬間、怒りの波動が“ボッ”と膨れ上がった。

 

「ひっ」

魔理沙が一歩下がる。

 

「霊夢、落ち着いて!

怒りを制御してるんだよね!?」

 

「してるわよ!!

……してるつもりよ!!」

 

霊夢が叫ぶと、怒りの波動がさらに強くなる。

 

「麟、これどうなってんだよ!!」

「霊夢の怒り制御が……逆に“怒りの増幅回路”になってるんだよ!!」

 

「増幅すんなよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢の怒りが高まるたびに、

周囲の空間が“ビキビキッ”とひび割れた。

 

「ちょっと待って!

私、怒ってないわよ!?

なんで怒ってないのに空間が割れてるのよ!?」

 

「霊夢、それ怒ってる時のセリフだぜ」

「怒ってないって言ってるでしょ!!」

 

――バチィィィィン!!

 

霊夢の怒号に反応して、

空間が“さらに”割れた。

 

「麟!! 霊夢の怒り、どうにかしろ!!」

「無理だよ!!

怒りの波動が境界と共鳴して、

“怒り=エネルギー”になってるんだ!!」

 

「つまりどういうことだよ!!」

「霊夢が怒るほど世界が壊れる!!」

 

「壊すなぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ちょっと!

私、怒ってないって言ってるでしょ!!

怒ってないのに!!」

 

霊夢が叫ぶたびに、

怒りの波動が“ボンッ”と膨れ上がる。

 

「霊夢、怒ってないって言うのが一番怒ってる証拠だぜ」

「魔理沙、黙りなさい!!」

 

――バチバチバチィィィ!!

 

怒りの波動が爆発し、

境界本体の残滓が“ビクッ”と震えた。

 

「麟、霊夢の怒り……境界本体の残りカスにまで効いてるぞ」

「うん……霊夢の怒り、もはや“概念攻撃”になってる……」

 

「概念攻撃って言った!?」

霊夢が振り返る。

 

怒りの波動がさらに強くなる。

 

「麟!! 霊夢の怒り止めろ!!」

「無理だよ!!

霊夢の怒りは霊夢にしか止められない!!」

 

「霊夢!! 落ち着け!!」

「落ち着いてるわよ!!」

 

――空間が“バキィィィン”と割れた。

 

「落ち着いてないぃぃぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢の周囲の空気が赤から白へ、

そして“無色の光”へと変わり始めた。

 

「麟……これ……どういう状態だ……?」

「怒りが強すぎて……

色を失ってるんだよ……!!

 

「怒りが色を失うなよ!!」

 

霊夢は震える声で呟く。

 

「……私……どうすればいいの……?」

 

麟は必死に答える。

 

「霊夢!

怒りを“抑える”んじゃなくて……

“手放す”んだ!!」

 

「手放す……?」

 

「怒りを握ってるから暴走するんだよ!!

怒りを“流す”んだ!!」

 

霊夢は目を閉じ、

深く息を吸い――

 

「……怒りを……流す……」

 

怒りの波動が、

ふっと弱まった

 

「よし……その調子だ霊夢!!」

「霊夢、頑張れ!!」

 

しかし――

 

境界本体の残滓が、

霊夢の怒りの波動に反応して“再起動”し始めた。

 

「麟!! あれ動いてるぞ!!」

「霊夢の怒りが弱まったことで……

“今なら勝てる”って思ったんだよ!!」

 

「思うなぁぁぁ!!」

 

霊夢の怒り制御は、

まだ終わっていなかった。

 

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