ブルアカ世界にTS転生したから先生をからかおうと思ったら普通に食べられた話 作:息抜きのもなか
今回は食べられません。
やっほー。クズ先生の証拠捜索隊、
先生が手を出してそうな子は何人か思いつくけど、どこから行こうかな。
空が真っ赤っかになったときの記憶はあるから、時系列的にもう最終編は終わっていると思うんだけど、カルバノグ二章とか、百花繚乱二章とかはちょっとわからない。
まあその辺りはあんまり気にする部分じゃないね。少なくとも最終編に到達してるってことは、ミユは子ウサギ公園にいるわけだし。
そう、ミユは候補の一人だと思うんだよね。部隊ぐるみでシャーレに入り浸ってて手を出せる機会も多いし、影が薄くて意志も薄弱。オオカミに食べられる素質は大アリだと思うの。
「あとは……」
他の候補は、ゲーム開発部のユズとか、ハイランダーのアオバ、連邦生徒会のアユムに、便利屋のハルカ、はちょっと厳しいかな。中途半端に手を出したら先生相手だろうと他三人が黙ってなさそう。あとはゲヘナ給食部のジュリ、アリウスのマイア、忍術研究部はツクヨと見せかけてミチルの方が引っかかりそう。ツクヨの場合は他の二人が気付きそうだし。
最終編を基準とするなら、時系列が気になるのはアオバとマイアの二人かな。もしかしたらまだ先生と会っていないかもしれないし、ここは一旦保留で他の人から当たったほうが良さそうだね。
居場所がすぐに分かるのは、子ウサギ公園のミユ、ゲーム開発部のユズ、連邦生徒会のアユム、給食部のジュリなんだけど、ゲヘナは私がトリニティだからちょっと行きづらいし、連邦生徒会も
そう考えるとミレニアムに行くのが良さそうかな。
ラビット小隊はサキも「一回だけだからな」でズルズル行っちゃってる可能性があるから候補が二人いる子ウサギ公園に向かうのが良さそうなんだけど、D.U.地区は先生と遭遇する可能性があってちょっと怖いのよね。
おまけにワカモがどういう動きをするのかわからないから、そこも不安だね。ポッと出でいきなり先生と関係を持った生徒に、ワカモはどういう反応をするんだろ。
うん、やっぱりD.U.は怖いよ。やめとこ。
「あ、そうだ」
ミレニアムで思い出したけど、ゲーム開発部に行くならそのままヴェリタスに案内してもらってもいいかも。
ほら、ヴェリタスにはコタマがいるでしょ。シャーレに仕掛けた盗聴器で何か拾ってるかもしれないし、もしかしたらシャーレでヤッてる情報を持ってる可能性もあると思うの。
もしそこが空振りでもお願いすればハッキングで先生の情報を調べてくれる可能性もあるし、断られる可能性は高いけどダメ元でお願いしてみよっと。
よし。そのプランで行こう!
先生の素顔を暴いちゃうぞー! レッツゴーミレニアム!
「えと、他の皆はちょっと今出てて、もうちょっとしたら戻ってくると思うんですけど……」
道行く人に質問しながらようやく辿りついたゲーム開発部の部室。
足元の踏み場がない、ってほどではないけど散らかっていて、真ん中のスペースは確保されてるけど部屋の隅にはいろいろ転がっている。スチルとかセイアのイベントの時にはもうちょっと綺麗だった気がするんだけど、まあそこは省略されてたんだろうね。掃除するのもミドリとたまに来るユウカぐらいだろうし、要らないところで
そんな生活感しかない部室で出迎えてくれたのは、でこ出しオドオド女の子。
まさか人見知りする彼女がわざわざロッカーから出てきて対応してくれるとは思ってなかったから普通に驚いてしまう。いや、目は合わせてくれないし青い顔をしてるしなんかすごい小刻みに肩が震えてるから、すごく無理しているのは一目瞭然なんだけど。
「そっか。じゃあ、ちょっと待ってようかな」
たぶん、ヴェリタスの案内はモモイとかに任せた方が良いと思うし。
そう思いながら部室にお邪魔して、良かったらと差し出されたクッションを受けとって腰を下ろす。正直マットが引いてあるから別にそこまで気を遣ってくれなくてもいいんだけど、客人として一応受け取っておいた。
部室は四人にしては若干広いのかな。スチルの中だと結構狭いのかと思ってたけど、見えてない部分を含めると思っていたよりちゃんとした部室としての広さは担保されてるみたいだね。
ユズは私にクッションを渡した後、所在なさげにちょこんと小さくなって座っている。ロッカーに戻るのかなと思ってたけど、流石に客人の前でそれをやるのは良心が咎めたのだろう。セイアのイベントの時はずっとロッカーに引きこもっていたような記憶があるけど、実際は最低限の対応はするのかもしれない。
それにしてもこの状況、ユズしかいないというのは都合がいいね。どうやってユズにだけ質問を投げればいいかを考える必要がないし。
もうちょっとで戻ってくると言ってたし、皆が戻ってくるまでにさっさと聞いてしまおう。
「あのさ、聞きたいことがあるんだけど、大丈夫?」
「ひぇっ!? は、はい……何でしょうか?」
やっぱり普通に会話ができてるね。もうちょっとぎこちないかと思ってたのに。
もしかしてこういうお客さん対応ができるようになっているのは、先生と関係を持ったことで自己肯定感が上がってるのかな? いやでも顔はめっちゃ青いし垢ぬけた感じは全くしないし、こじらせてる感じもあんまりしないんだよね。
やっぱり本人の口から聞いてみないことには分からない。
今も単純にめっちゃ頑張ってるだけの可能性も捨てきれないし。
あんまり大きな声で言うことじゃないので、テコテコと立ち上がらず座ったまま彼女の近くに移動し、耳元で彼女に質問する。
えーと、どういう聞き方すればいいんだろ。
「初めて先生とシタのって、どこだった?」
「いや、え、……はぇ!?」
やべ、完全に関係を持ってる前提の質問になっちゃった。
それにしてもユズってこんな大きい声出るんだね。
あと顔真っ赤にして目をパチパチさせてこっちを見てくる。多分これをデフォルメ化するとグルグル目になるんだろうね。めっちゃ可愛い。
これはどっちだろう。バレてるから混乱してるのか、そもそもそういう関係じゃないからこその反応なのか。
「えと、誰と勘違いしてるのか分かんないですけど、私と先生はそういう関係じゃありません!」
「ありゃ、違ったか」
残念。ユズには手を出してないのか。
いや、証拠がないのが残念なのであって、別に出しててほしいわけじゃないんだけどね。
しかしユズがこうやって声を出している姿を見ると、やっぱりミユとかアオバとかの鳴き声と似たような印象を受けるから、私の
彼女は自分が大きな声を出してしまったことに気付いてちょっと小さくなって、そして俯き気味に自虐を溢す。
「そもそも先生と私がその、そういう関係になるなんて烏滸がましいです……」
そうなりたい気持ちはあるんだね、とは言わないでおく。烏滸がましいってことはちょっと期待してはいるってことだし。
でもこの発言が出るってことは、隠しているとかでもなさそうかな。
あんまり演技が上手いタイプでもないだろうし、普通に空振り判定でいい気がするね。
そんな風に考えていた私の耳に、ユズの漏れ出したかのような疑問が飛び込んでくる。
「あれ、でもさっきの質問をするってことは……」
「……あ」
前提条件が違う相手にこんな話をしたら、そりゃそういう反応になりますよね。
でもやめて! そんな信じられないようなものを見る目で見ないで! ただ純粋に驚かないで! それならもっと嫉妬感マシマシの恨みがましい目とかの方が傷つかないから!
「あ、え、ほんとに?」
顔が赤くなっていくのが分かる。
ユズにすら反応でバレるんだから、私も大概隠すのが下手。
私も別に聞かれなかったから隠せてるだけで、別に嘘が上手いわけじゃないんだよね。からかうための演技ぐらいはできるけど、こういう立場になったときに隠し通せるほどの演技派じゃない。
それからユズに興味津々の目で見つめられて、先生と関係を持っちゃったことを白状することになりました。
ゲーム関連で人付き合いに難はあれど、こういうところは年相応なんだなぁと現実逃避。
まあでも遠慮がない感じの距離感になったし、それはそれで結果オーライということで。
「私の知る範囲だけだと、聞いたことないかな。モモイやミドリも、もちろんアリスちゃんもだけど、先生とそういう関係になってないと思うし、噂とか会話の中でもそういうのは出てなかったと思うよ」
私の盛大な自爆で心の距離が近づいたので、遠慮なく先生とそういう関係になってる人に心当たりがないか聞いてみたけど、心当たりはないみたい。
まあユズだから交流関係の広さ的にどこまでその発言が信用できるのかわからないけど、少なくとも彼女から見たらそういう関係の人は居なさそうだし、不自然な行動をしている人もいないように見えるとのこと。
このあとヴェリタスに行って調べてもらおうと思っていることを伝えたら、彼女もその方法はアリだと思うと同意してもらえた。私が考えてた通り、ヴェリタスの彼女たちもそういうことに興味があるだろうという見解は正しかったみたい。
「ユズちゃんから見て、先生の本命っぽい子っている?」
「うーん。先生はそういうの、ちゃんとラインを引く人だと思うから……少なくとも私から見るとそう見えるから、生徒とはそういうのはないって思……ってたかな」
なんか言い直させちゃってごめんね。
でも、やっぱり普通の生徒にはそういう風に見えてるんだね。そう見せてるって言った方がいいのかもしれないけど。
ユズに手を出さなかったのは単純に好みじゃなかったとか? 先生の好みなんてイオリとカリンにセクハラしたり、サキをからかったりとかしてるイメージしかないから、あんまりよくわかんないんだよね。
もし単純に自分好みの生徒に手を出してるだけだったら、実はヘイトコントロールをしっかりしてるだけなのかも。私は全然されてないけど。たぶんこいつは言いふらさないって思われてるんだろうね。ふてぶてしいやつだよ、本当に。
「ただいまー! って誰! 知らない人がいるんだけど!」
そうこうしているうちに部室の扉を開き、ぞろぞろと三人が部屋に入ってくる。
モモイとアリスのユズとの声量差に驚きつつも、帰ってきた三人に挨拶をした。
ユズとのアイコンタクトで詳細は伏せる形で、先生のプライベートを探ってヴェリタスに行きたいと伝えると、ミドリとアリスの方が乗り気になって早速連れて行ってもらえることになった。
「先生の本命を探すの!? いいね! 面白そう!」
やっぱり恋愛話は女子高生共通言語なのか、マキが真っ先に乗っていろいろ洗ってくれた。
でもやっぱりその辺りは徹底しているのか、シャーレにバニーガール姿の生徒や水着姿の生徒を連れ込んでとっかえひっかえしてるとか、そういう情報ばっかりで核心を突くような情報は全然出てこなかった。
唯一コタマだけは何か考え込むような表情をしていたから、もしかしたら皆には伝えていない情報、すなわちシャーレの盗聴器で重要な情報を握っているのかも。
私とホテルに入った情報ぐらいは出てくるのかなと思ったら、どうやらそこは誰にも目撃されていなかったようで特に情報は無し。もしかしたらコタマさんが見つけて握り潰したのかもしれないけど。
めぼしい情報としては補習授業部で同じ屋根の下で水着パーティなるものが開かれていたという情報と、山海経の玄龍門の門主に制服を買い与え、ホテルに入ったという情報ぐらい。いや、これは私は中身を知ってるからあれなんだけど、皆は阿鼻叫喚で盛り上がってたね。流石に相手が相手だから外交問題になるということで黙ってようということになったけど。
まあそんなこともあって大いに盛り上がった後にお開きになって、ゲーム開発部の面々は一足先に戻っていった。
「わざわざありがとね。私の個人的なお願いに付き合ってもらって」
「いいのいいの。私たちも楽しかったし!」
そんな形でお礼を言ってヴェリタスの部室を出る。
結局キヴォトス中の情報を見たけど、少なくとも先生とそういう関係になった生徒は見当たらなさそう。目撃情報もないから、その辺りは徹底していると考えるしかないんだろうね。やっぱり上の立場の人に手を出してるのかな? でもそれだと私に手を出してるのがノイズだし……。
そんなことを考えながら歩いていたら、ヴェリタスの部室を出て少ししたところで扉の開閉音が聞こえ後ろから近付いてくる足音が聞こえた。忘れ物でもなければ、十中八九コタマ。
やっぱり、先生はシャーレで何か独り言を
そう思いながら後ろを振り向けば、やっぱりそこに居たのはコタマだった。
「あの日、あなたと別れた後に別の生徒と会っていた可能性もあると思っていましたが、あなたがここに来たということは、きっとそういうことなのだろうと思っています」
そう言いながら、彼女は私の手を取って何かを握らせた。
彼女が手を放して一歩下がってから自分の手の内を見れば、そこには小さなUSBメモリ。
「あなたにはこれを聞く権利があると思いますので」
恐らく彼女がシャーレに設置した盗聴器の録音データなのだろうと思うけれど、これを私に渡すということは彼女の中ではそれが私に関係があると確信をしているということに他ならない。
ここに、私が求めていた答えがある。
そう思うと期待と共に不安も一緒に込み上げてきて。
「ありがとうございます。あとで確認します」
彼女は私のその言葉に頷いて、踵を返し部室へと戻っていく。
私も彼女がヴェリタスの部室の扉に手を触れるよりも早く背を向けて歩き出す。その中身が知りたくて自然と足の回転速度が増していく。
結局我慢できなくて近くのカフェに入って自分の持っているスマホに繋ぎ、イヤホンをして案の定入っていたその音声データを再生する。
期待通り、それはシャーレに仕掛けられた盗聴記録のようで。
「……へ?」
思考が止まる。
上気する。
今自分がどんな表情をしているのか、わからない。
「あれ、ナナコ?」
声が掛かる。
心臓がいつになく早鐘を打つ。
今一番、会ってはいけない人の声。だって、今会ってしまったら、私は。
顔を上げる。
頬が熱い。
「……先生」
イヤホンが私の耳から滑り落ちて、ソファの上に着地する音が聞こえた。
次回で決着かな。
こうなったらさっさと書き切るか。