"G" the KAMEN RIDER   作:ふかちゃん

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昆虫は宇宙から来たという説がある。
なぜなら羽のない昆虫、シミと羽を持つ最初の昆虫、ゴキブリの中間に位置する種類が現在、化石などで発見されていない為である。
この他にも地球で生きる上で不自然な特徴などから昆虫宇宙由来説はまことしやかに唱えられている。


悲痛!父親の行方!

一「ここは……?」

 

目を覚ますなりすぐに身体を起こした一。全身を確認すれば、そこには怪人と化したことで黒い布のような皮膚と茶色い鎧に覆われた身体が四肢揃って存在していた。

近くにある鏡を見れば、無機質な赤く大きな複眼を持った怪物の顔がある。

死んではいなかったのかという安堵と果たしてここはどこなのかという困惑に挟まれる中、第2者の声が一の聴覚にひびいた。

 

「あれ?生きてたんだ。」

 

声の方を振り向いた先にいたのは白衣を着た男性とも女性とも取れるような人物。

彼もまた驚きの表情を浮かべていたものの好奇の表情を浮かべては一へと近づいてきた。

 

「昆虫人間なんて初めて見たよ!…いや、それとも宇宙人と言うべきなのかな?宇宙由来の…地球に来なかった昆虫が別の進化を遂げた可能性も……」

 

一「いや、俺は…改造手術?を受けてこうなって……」

 

考察するかのように独り言を呟いていた青年に自身がこうなった所以を話せば、彼は驚きを見せたもののなるほどと頷きを見せた。

 

「へぇ……それで、どうなったんだい?」

 

一「俺たち…「テクシン星人」に協力しろと言われて逃げて……そうだ!彼奴ら、俺の父さんを……!」

 

自身に致命傷を負わせた蛙忍者の言葉を思い出した一。血相を書いてベッドから降りるものの、青年はそれを制する。

 

「待ちたまえよ。…まさか君、父親の所へ走っていくつもりかい?」

 

一「それ以外に方法なんて……!」

 

「あるさ。着いてきておくれよ。」

 

ニヤリと笑い歩き出す青年について歩く一。

重々しいガレージの扉を開けた先には骨組みにエンジンが取り付けられただけのようなバイクが停車されていた。

 

「てっきり君は死んでいると思ったばかりでね。解剖してバイクの改造に使おうとしていたんだ。少なくとも走ることはできる。」

 

一「あ…ありがとうございます。」

 

飲み込めきれない状況に困惑しつつもお礼を述べつつ頭を下げればバイクに乗ってエンジンをかけた一。

爆音を轟かせるバイクを撫でてスロットルを回そうとする一に、青年は茶色のコートを差し出した。

 

「ほら、これ。僕の同僚のを拝借したんだけど…君の体を隠すにはうってつけだろう?」

 

恐る恐る茶色のコートに袖を通した一を見て似合ってると微笑みつつ頷いた彼に頷き返した彼は、空いたガレージから飛び出して行った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「はい、警察です…誘拐事件…?それに犯人は人質を取り逃走…?はい、はい……わかりました。すぐ向かいます。」

 

東京のとある警察署にて。

通報をとった女性警察官、湊 瑠花(みなと るか)。彼女から共有された音声で警察署内が慌ただしくなる中、彼女の元に1人の男性が近づいてきた。

 

「誘拐事件…それも人質を取ってのものなんて最近聞かねえデカい事件だな…湊、大丈夫か。」

 

瑠花「少し…緊張はしてます。」

 

赤城 隆一(あかぎ りゅういち)。刑事として警察署に務める彼は2年前に配属された湊瑠花の教育も担当しており、彼女をバディのように思っていた。

よりによってそんな彼女に人質を誘拐したという事件が入ってきたため、気遣うように話しかけた隆一。しかしながら長年の感がなにか違和感を告げていた。

通常人質を誘拐する事件の対象は抵抗される恐れのない小学生。そして解放の要望もある。

しかし今回の被害者は一家の父親でありその要望もなかったのだ。

何かがおかしい。

 

瑠花「赤城刑事?…赤城さーん!!」

 

隆一「あ!ああ、すまん。行くぞ、湊。」

 

考え込んでいた彼だったが、瑠花の呼びかけに現実に引き戻されてはすぐに事務室を飛び出しパトカーのエンジンをかける。

 

隆一「犯人の狙いも動機もわからねぇ。慎重に動くぞ。」

 

助手席に乗った瑠花にそう話しかけてはサイレンを鳴らしながらほかのパトカーについて行くように走り出す隆一は、通報の内容を頭の中で反芻していた。

被害者は零千景。先日「化け物に襲われた」と通報してきた男性である。

確か同時にこの時に息子も山中で遭難してしまったはずだった。

そして今日、通報者本人が誘拐された。…まるで化け物を見た事の口封じである。

おそらく犯人は化け物を見た家族を同じところに集めて皆殺しにするつもりなのだろう。警察官としてそれは阻止しなければならない。

そう考えを巡らせていたうちに被害者が誘拐、監禁されている場所へとたどり着いた一同。

パトカーを盾がわりにしつつ拳銃を構えて接近する彼らの目に映ったのは三体の忍者のような怪物と戦うゴキブリのような怪人だった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

一が蛙忍者達を見つけたのは警察が到着する少し前のことだった。

 

蛙忍者2「何!?貴様、生きていたのか!?」

 

蛙忍者3「お主ら…始末したという確認はしたのであろうな?」

 

蛙忍者1「えぇい!この場で始末すれば同じ事!!」

 

自らの手で葬った筈の改造人間が目の前にいることに蛙忍者達は驚くものの、蛞型の苦無を持てばすぐに切りかかる三体。

その三体を見た一はバイクのスロットルを回して走り出せば後輪を上げつつ回転し一体を撥ね飛ばせば、前輪を上げてノコギリのように回転するタイヤを押し付け別の一体を牽制。

そしてバイクから降りて残りの一体が投げつける苦無から身を守る盾のように使えばバイクを蹴り飛ばし、押し潰す形でその怪人を吹っ飛ばす。

 

蛙忍者2「おのれ……さっさと倒されればいいものを…!」

 

蛙忍者3「だがこの程度が我々の本気だと思うな!!」

 

攻撃を受け、激昂し襲いかかってくる蛙忍者の攻撃をかわしたり、腹部に蹴りを入れるなどして抵抗する一。

しかし経験の浅い彼では数の差を実力で覆すことは叶わず、バイクに吹っ飛ばされた怪人も戻ってきたため、先程とは比にならない連携攻撃を受け続けて遂には追い詰められてしまった。

 

 

蛙忍者1「さて……観念しろ!裏切り者め!!」

 

蛙忍者3「今度こそは確実に息の根を止めてやろう。」

 

ジリジリと近づいてくる三体の蛙忍者。

しかし直後、サイレンが鳴り響く中パトカーが現れ、銃を構えた警察官達が出てきた。

 

瑠花「これは一体何が……?」

 

隆一「人質の救出に向かうぞ!邪魔をする方が犯人だ!!」

 

困惑する瑠花を前に人質の元へと向かう隆一。

数人の警察を引き連れて救出に向かう中、瑠花はほかの警官と共に持ち場を任され、救出を阻止せんと一から離れた蛙忍者を見てはすぐに隆一に通達。

同時に一体が自分から離れたのを見た一はもう一体の両腕を掴めば腹部に両足による蹴りを打ち込み二肢から別れた胴体を掴んで振り回しつつもう一体にぶつけては跳躍。

下敷きにされた蛙忍者の頭目掛け飛び蹴りを放ち、そのまま着地した。

 

一「終わった…のか。」

 

肩で息をしつつもう一体の蛙忍者を探しに行こうとする一。

しかしその彼に銃口を向けつつ、警察官達が迫る。銃口を向けられた一が立ち止まると同時に銃声が鳴り響いた。

 

湊「…!隆一さん……!」

 

一瞬、彼女の注意がそれた隙に最後の蛙忍者が向かった方向へと走り出した一。

警察官による発砲を意に返すこともなく彼らへと近付く怪人へと飛び蹴りを放ち、直撃し転がった相手を殴りつけていた彼はふと、高圧電柱に拘束された自身の父親を視界に入れた。

 

一「父さん……!」

 

柱に縛り付けられた千景を見て思わず動きを止める一。

息はある。このまま救出に向かえば助けられるだろうと足に力を入れた刹那、蛙忍者が苦無を振るい襲いかかってくる。

 

一「しまった………」

 

肩を突き刺された一だがすぐに相手の身体を掴んで強引に押し込んで壁を突き破り工場内へと運んで地面へと転がす。

そのまま最接近し首を狙った飛び蹴りで蛙忍者を吹っ飛ばしては地面に倒れ動かなくなった怪人を確認して父親の元へと向かう一。

しかし、彼に突きつけられた現実は残酷なものだった。

 

一「父さん!俺だ!!一だよ!!」

 

千景「化け物!!怪物が俺の息子の名前を喋るな!!」

 

自身を救助した警察官から銃をひったくりつつ自身へと発砲する父親に足を止めて呆然とする一。

ポトポトと音を立てて地面に落ちる弾丸を見下ろす彼に恐れの色を浮かべつつ、警察官の手を借りて逃げる父親を目にして一は膝から崩れ落ちた。

そんな彼の身柄を取り押さえんと到着した機動隊に包囲されて小銃を向けられる中、一は天を仰ぎながら悲痛な悲鳴をあげた。




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