ウルトラ怪獣がスキルとして出るのは間違っているだろうか 作:サイセンサイ
ミィシャ・フロット
謎のスキル
メフィラス
悪質宇宙人
人体を狙って大きくすることが出来る
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ミィシャがこの能力に気づいた時、取り敢えず胸を大きくしてみた。単なる好奇心での行動だったのだが思ったより調整が可能で彼女は調子に乗った。
デメテルレベルまで膨らませたのだ
そしたら魔力が尽きてしばらく元に戻すことができなくなった。まぁ魔力が回復すればまた調整出来るし〜と私がこうなったのは謎のスキルのせいだし〜謎のスキルが調整出来ないのはよく聞くことだし〜
ということでそのまま出勤したのだ。
下着がはいらないのでさらしを巻いて外に出たのだがそれでもその大きさは隠せるものではなく(というか完全に隠す気は無い)みんなから観られ邪だと分かっていてもどこか優越感を感じてしまった。
しかし彼女は知らなかった
【胸】という生まれながらに決まった運命に反逆しようとするバチクソ強い肉食獣の女傑達がオラリオにはたくさんいることを
そしてミィシャの噂話は光の速さで広がった
結果、彼女は今、逃げていた。
「た、助けて、、助けて誰か、、、」
彼女は今、路地裏の隅で身体を震わせてうずくまっていた。その姿は戦いの野でグッチャグッチャのグッチョグッチョにされていた憐れなウサギを彷彿とさせた。
「こんなことになるなんて、、、ていうか逃げないほうがよかったんじゃ?」
ミィシャは今の状態になった経緯を思い出す。
仕事をしていたらギルドに始まりの肉食獣が飛び込んできた。
正確には肉食獣の【群れ】が飛び込んできた。
「「「「「胸を大きくしてくれる受付嬢は誰だーーーー!!!!!」」」」」
謎のスキルによる分身を会得したレナだった。
よだれを垂らしながらガンギマった目をして自分を探す姿にミィシャは絶叫
その絶叫により気づかれて、人を圧殺できる力を込めた大量の腕が自分に迫ってきた。
「落ち着いてください!」
その窮地を救ったのはエイナだった。
エイナの魔法である浮遊する眼球がミィシャを取り囲み円状のアーチを作る
ミィシャはエイナが女神に見えた
しかし、始まってしまった史上最もくだらない戦いはすぐさまその物語を紡ごうとする。
「「「「「うおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
「「え!?」」
ギルドにいた【胸が小さい】という共通点を持った女性冒険者達がこちらに迫っていた。
彼らは噂を聞きつけて来たが互いが互いを牽制し合って暗黙の膠着状態だったのだろう。しかし、レナというインパクトのある者がその火蓋を切ってしまい、その熱に当てられた彼女達はもはや良識を忘れて突っ込んでいった。
危機的状況に陥った時、一人が逃げたらそれに続けて逃げる者が出るように、その場の勢いに飲まれてしまったのだ。
「うわあああああああああああああああ!?!?」
「待ってミィシャ!ここからでないほうが!」
エイナの判断は正しかった。ここはギルド踏み越えればペナルティを与えられる場所、そしてダンジョンの近くなので彼女達と同じ冒険者がたくさんいるので止めてくれる可能性もある、何より果てしなく一般人なミィシャが一人で冒険者から逃げられるわけがないのだがそこで奇跡が起こってしまった。女性冒険者達が潰しあいを始めてしまいその混乱に乗じて逃れてしまったのである。
「こ、これからどうしよう!?」
ギルドには恐らく待ち構えているものもいるだろう。自宅も今は怖い、安全な場所を全力で脳内検索するミィシャがたどり着いた結論は、、、、
「はっ!弟くん!!」
自分の能力を絶対に必要としない素晴らしい胸を持った主神であり性格が善良なヘスティア・ファミリアなら避難場所になってくれるだろう。
「ごめんねエイナ!弟くんの家にいきます!」
友人を差し置いて想い人の家に行くことに若干の罪悪感を感じながらも自らの安全のために苦渋の決断(本人的には)をしたミィシャは路地裏から出て家と家の隙間からちょっと様子を見ようとしたら、、、
「見つけたニャおらぁぁ!!!!」
「フワッ!!?」
目の前に肉食獣の一匹・クロエが屋根から現れ叫びながらミィシャの目の前に着地した。普段の彼女ならミィシャに気づかれる前に殴って気絶させるか薬で眠らせて別の場所に運んで鍵をかけてじっくり情報を書き出そうとしただろう。しかし、長年のコンプレックスに始まり、元から胸が大きい同僚に更には追加されたフレイヤ・ファミリアの胸が大きい子達に劣等感を募らせていたことも相まって【豊乳という情報】に狂喜乱舞し彼女は現在、タカが外れていた。
「ニャーが悪いんじゃないニャ、顔も実力も個性すら優れているのにおっぱいまで優れている同僚達が悪いニャ」
愛用のナイフまで取り出してクロエはミィシャに近づいていく。終わったとミィシャが思ったその時
一本の矢がクロエを襲った。
クロエはそれを紙一重でかわし矢が跳んできた方向を見るとそこには通行人の間をすり抜けて正確に自分に矢を射ってきた肉食獣がそこにいた。
「下がれ獣風情が、余の覇道を邪魔するな」
「お前は!最近【暗黒極東大女帝】とか言われてる同士!」
彼女の名はヒタチ・千草、普段の彼女ならいくら矢の腕が優れているからといって通行人がいる中で、しかもその間を狙って矢を放つなど絶対にしないだろう。しかし、今の彼女は【心が暗黒に染まっている】状態だった。
「よく店に来る常連の名残で見逃してやるニャーーだからこの金の卵をニャーによこすにニャー!」
「ほざくな中途半端な暗黒にしか生きられない劣等種が、それは余のものだ、それを手に入れて余は完全な暗黒極東大女帝になり永年の願いを叶えるのだ。」
普通に考えれば協力すればいい。独占などせずに分け合えば(ミィシャの人権は除く)余計な争いを起こさずに済むのだが、残念ながら彼女たちは今、自分のことしか考えていない
「なんニャー?あの大男を誘惑するために必死だニャー」
「目的のためなら手段は選ばん。そして彼の者を余の暗黒世界に引きずり込み【余の嫁】とするのだ!!」
「大男が嫁にされる側なんかい!!?」
「朽ち果てろ劣等種がぁぁぁぁぁ!!!!」
「ほざくな破綻者ぁぁぁぁ!!!!」
そしてクロエは千草に突撃していく。千草は構えてあった弓をクロエに放つ、それは曲がる弓矢で方向が予測できずに横からクロエの足を狙うがクロエはレベル4である。レベルの差があるので相手が格上、クロエのナイフで矢が下に叩き落とされる。そしてレベル4の強烈な右足の蹴りが千草の胴体に炸裂した瞬間
「アッ!」
千草はクロエの足を一瞬で捻り上げる。更に蹴りが完全に当たる前に千草は後ろに飛び、合気道の要領で力を体の外に逃がす。結果的に千草はあまりダメージを負わず、クロエは右足を痛めることになった。
そしてそれだけでは止まらない、クロエが痛みで一瞬油断した隙に千草は距離を詰めて身体の支点を抑えて背負投を決める。しかも脳天が地面に当たるように投げており、クロエは頭から地面にクレーターを作った。
だがクロエも歴連の猛者であり、地面に当たると同時に千草の顔に蹴りを入れていた。
そしてお互いに距離を取った。
見目麗しい美少女である二人の顔が赤く染まる。クロエは頭から血を流し千草は蹴りによって鼻から血を流す。それは通行人からすれば怖くて溜まらない光景だった。
「「負けるものかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
矢が飛び交い斬撃が飛び交い狂気まで飛び交うその戦いは激しさを増していく。その元凶であるミィシャは呆然として固まっていたのだが
「「「「「「そこかぁぁぁぁ!!」」」」」」
「「何!!?」」
「あ!!?」
騒ぎを聞きつけた同類の肉食獣が群がってきた。
そして今の自分の現状を思い出したミィシャは再び路地裏に逃げていった。
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「はぁ!はぁ!はぁ!もうどしたらいいのぉぉぉ!?」
ヘスティア・ファミリアのホームに着く前にこのままでは骨までしゃぶられると理解してしまったミィシャは発狂しかけるが
「あ!ミィシャさん!」
「え!!?」
「よかった!心配したんだよ!!?」
「あっ、、、エルフィ氏ぃぃぃぃ」
心身ともに疲れ切っていたミィシャの前に現れたのは自分が担当しているロキ・ファミリアの中でも親しい仲のエルフィ・コレット
その姿を見た瞬間、身体の力が抜けてついでに涙を流した。
良かった!ロキ・ファミリアが来てくれた!
最強派閥が来てくれた!
ていうか弟くんのところじゃなくてロキ・ファミリアを頼れば良かったんだ!
なんでそれを早く思いつかなかったかなぁ〜
なんで、それを選択肢に入れなかったのかな
だって
ロキ・ファミリアの
ロキは
「助けたんだからちょっとわがままいってもいいよね?」
ゾワアァァァァァァァァァ!!!!!!!
何故ミィシャがロキ・ファミリアを選択肢に入れなかったのか、それは曲がりなりにもギルドの受付嬢として就職出来た頭脳が無意識に選択肢として除外していたからだ。
何故ならロキこそが一番危ないから
しかし目の前にいるのは比較的穏やかな気性のエルフィ氏
だがその言葉を聞いた瞬間ミィシャは理解した。
目の前の少女もまた、肉食獣であることに
「え、エルフィ氏?」
「わがまま言ってもいいよね♡」
「え、あの、エルフィ氏はそんな気にするほどのものでは」
「体重が増えたの」
・・・・・・・・・・・・・・・
「え?」
「体重が増えたの」
「はい?」
「謎のスキルのせいで体重がべらぼうに増えたの」
「エルフィ氏!?」
「だから、、、そうだからね、、、、」
【豊乳】くらいして女としての大切な何かを維持してもいいじゃない!!!!!!!
「うわぁぁぁぁぁ!壊れてるぅぅぅぅぅぅ!!!」
「待てぇーーーーーーーーー!!!」
エルフィもまた冒険者、受付嬢であるミィシャが逃げられるはずもなくその場に押し倒される。エルフィが懐から拘束用の縄を取り出すところを見た瞬間、ミィシャは更に絶叫を上げた。
しかし、オラリオには【英雄がいた】
「ストップ!ストップ!え~とロキ・ファミリアの方!」
「おわっ!」
「え!!?」
エルフィが後ろから何者かに羽交い締めをされてそのまま地面に押し当てられ拘束された。
「大丈夫ですか!?ミィシャさん!」
「あ!!?」
その男はさっきまで自分が頭に思い浮かべていた人物。危険などない善良な男の子ベル・クラネル
「エイナさんが助けてあげてって!」
話を聞くとホームにエイナの【眼球】が飛び込んできたらしい。そしたら2つの眼球が何やら紙を挟んでいてそれを読んでみるとエイナの文字で【ミィシャ危険助けて】と書かれていたのでベルはミィシャを探していたのだ
ミィシャはエイナに一生ついていこうと決めた。
「どうやらずいぶんな状況に置かれてしまったようですね」
「あ!疾風、、じゃなくてリュー・アストレア氏!」
更にそこにレベル6であるリューまで合流してミィシャは【勝確】を確信して涙を流した。
「、、、、、、、、、」
助けたのだから見返りをもらってもいいのでは?
「いかん!いかん!いかん!いかん!」
「リューさん!!?どうして握りこぶしで自分の顔を殴り始めたんですか!?」
「いえ、ちょっと、邪念が、、、、殺気!!?」
【ぺったんこの業】は浅くはなかった。
2つの殺気が一同を襲う。
ベルとリューが武器を構えてその方向を見た
そこにいたのは
アイズとアキだった
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「ミィシャちゃんを捕まえ、いや保護や、彼女を保護するんやけっっっっっっして保護を大義名分にしとるわけやない。肉食獣から彼女を守るんは正義の行いやこれからやるのは正義の戦いや、だから彼女を探し出すんや」
「えっとロキ、、、なんで私まで?」
「最近レフィーヤに【膨らみ負けしたやろ?】」
「いく」
「アキはどうや?同じ系統として」
「私ねさっきレナ・タリーにあったの」
「あ?」
「そしたら誘われたわ、一緒に行かないかって?」
「ン?、、、アキ?」
「なんや様子が」
「そしたらなんて言われたと思う?」
同じ生き物として協力して
貴方私と同じでしょ!?
だってさ
アナキティは絶望していた。超凡夫の血みどろ事件で神々からイジられ通行人からはアマゾネスの目で見られ仲間たちからは不自然な敬語を使われてヒソヒソと話をされる毎日、ただでさえ生き恥を晒したというのに
あのロイヤルストレート変態であるレナ・タリーから同じ世界の生き物(変態)認定されたのだ。
「行くに決まってるわ!!おっぱいくらい貰わないと割に合わないじゃない!!!そして1個でもあの娘との共通点を減らして同じ生き物ではないとこの世界に証明しないとでしょ!!?アハハハハハハハハハハハはははははははは♡」
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「これは正義の行い、これは正義の戦い、私は別にレフィーヤに負けて悔しかったとか、そんなところまで負けたら私はどうなるの?とか考えてるわけじゃない」
「なんかアイズさんがアイズさんらしくないことを言ってる!!?」
「どいてベル、久しぶりに会えたのに剣を交えたくない」
「僕だってこんな再会いやでした!!!!」
「あハアハアハアハアハアハアハアハアは♡」
「なぜあの猫人はずっとおぞましい笑い声をあげている!!?いったい彼女に何があった!!?」
ベルとリューはミィシャを抱えて逃げていた。追ってくるのはアイズとアナキティ、レベル5とレベル6というちょうどベル達と同じ戦力なのだが無闇な戦いは避けたいので取り敢えず逃げていた。
だがそれは作戦の内だった
「おおおおおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「「な!!?」」
屋根の上から大きな声を上げてドカン!と2人の目の前に何かが降り立った。ていうか声の時点で察した。
「その娘を渡してアルゴノゥト君」
「ティオナさんまで!」
ぺったんこのなかでもトップクラスのレベルを持つ肉食獣・ティオナが立ちふさがったのだ。
「どうやら誘い込まれたようですね」
同じ戦力だったがティオナが現れたことにより状況は一変、逃げ場のない大ピンチ
になるはずだった
「掛かれーーーーーー!!!!!」
「「「「「うおおおおおおおおおお!!!」」」」」
「「「!!?」」」
ロキ・ファミリア3人に立ちはだかる者たちが現れた
彼らはそう、フレイヤ・ファミリア
「な!なんで!フレイヤ・ファミリアが!!?」
ティオナが驚きの声を上げていると
「「「「駆けつけました【創造主】!」」」」
「へ!?」
「「「「「「「【創造主】!!」」」」」」」
「はい!!?」
フレイヤ・ファミリアの過激派であるガリバー兄弟を筆頭に
全員がベルに跪いた
「「???」」
アイズとティオナは理由がわからなかった。いくらヘスティア・ファミリアの従属になったと言っても我が強い彼らがベルに跪いている。彼らの関係は対等だったはずなのに
「え!!?なんでそんなことになってるの!!?」
ティオナがそう叫ぶと
「何を言っている?」
「この偉大な創造主の前で不敬だぞ」
「超すごいんだぞこの御方は」
「フレイヤ様の次くらいに」
「意味わかんない!!?」
ティオナが答えを教えてというようにベルの方を見ると、ベルは苦笑いをするばかりだった。
「えっと、取り敢えずミィシャさんは保護したので大変だと思いますけどアイズさん達の足止めをお願いします」
「「「「「「YES!【創造主】!」」」」」」
「だから何が起こったの!!?」
混乱は加速して奇々怪々が巡りまくる。なぜこんなことが起こったのか?なぜベルにフレイヤ・ファミリアが跪いているのか?
それはベルの謎のスキルが彼らをそうさせたからだ
「まさかここまで効果があるなんて」
ベルの手元には小さなメモ帳が握られていた。
「後でシルさんに怒られるんだろうな〜」
それはエイナの【眼球】がベルのところに来たすぐ後のことだった。