ウルトラ怪獣がスキルとして出るのは間違っているだろうか 作:サイセンサイ
「手合わせ、お願いできますか?オッタルさん」
「ベルか、、、、、、」
とあるダンジョンの人の近づかない場所に現在オラリオひいては人類最強クラスの三人が集まる。
「受けろオッタル、この愚兎の限界を知る必要が出てきた」
鍛錬の素振りをしていたオッタル、手合わせを願い出たベル、そして引率のヘディンがそこにいたのだ。
「ここを教えたのはフレイヤ様か?」
「はい、その、、、【面白いものを期待する】と」
「、、、そうか」
「その、、、ちょっと落ち込み気味で」
「愚兎がアホをやらかした」
「?」
少し前の【ロリ・フレイヤ】の件でシルは怒った。頬をハムスターのように膨らませてベルは全く痛くない殴打を胸に受けた。
「だが突然来たのには理由があると思うが、例の謎のスキル絡みか?」
「はい、予想外の力が秘められてることが分かって」
「まだ試作段階だが【剣姫】と【大切断】を2対1で抑え込んだ」
「ほう」
「それで限界を知りたくなったんです。」
ベルの目は真剣そのもの、いや、戦いでベルが真剣でなかったことのほうが珍しいなと思いながらオッタルは手を頭に当てて何か考えるような仕草をすると
「いいだろう、こい」
「ありがとうございます!」
「、、、?」
ヘディンは今までにないオッタルの仕草を疑問に思いながら首を傾げそうになった
そして
「それと何で今日は【兜】をつけてるんですか?鍛錬のときはつけてるんですか?」
ずっと目に入っていたがあえて放置していたのだが、オッタルは何時もの服装に何故か【兜】を被っていた。まぁあの巨体なら顔が見えなくてもオッタルだと分かるのだが、それはそれとして、オッタルが【兜】を被るところなどヘディンは今まで見たことがない、オッタルの筋肉による耐久ならそんなもの必要ないからだ、むしろ彼の戦闘スタイルなら視界が狭まって邪魔になる。
「、、、、、、ちょうどいいハンデになるだろう」
「は、はい!」
そう簡単に答えてオッタルは剣を取り、ベルはナイフを構えた。
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斬撃と斬撃がぶつかる音が響き渡る
ベルのナイフとナイフの二刀流とオッタルの大剣と大剣の二刀流が火花を散らす
耳をつんざくほどの金属音が一撃一撃ごとに刃から響き渡り、地面すら揺らしている
しかし、レベル差は黙然
ベルの速さを生かした連撃も死闘で学んだ駆け引きもオッタルの【絶対防御】の前では通用しない。それは派閥大戦での闘争でベル自身がよく分かっている。
しかし、短期間の成長こそがベルの異能とも言うべき特性
「ずいぶん鋭くなったな、それに反応も良くなっている」
「はい!」
「まだ甘いがずいぶん変わったな?」
「謎のスキルが発現して一月くらい経ちますけどその間色々ありました!」
「むしろあれだけの変化があってここまでやれなければ愚兎以下の愚図だ」
「はい!師匠ありがとうございます!」
「そうか」
ベルの調教されすぎな態度に少し眉を引くつかせながらも繰り出される連撃に二本のよく使う剣で対応する。
「特に危機察知が軒並み上がっているな」
「師匠のおかげです!」
「何?」
それは比喩でも何でもなくヘディンにより持たされたものだとベルは簡潔な言葉とその瞳で訴えていた。思い出されるのは師匠の師匠によるスパルタ訓練
いつものことなのだがそれに変化が起きていた。
「最強即死移動固定砲台が見えない最強即死移動固定砲台に変わったのでここまで来ることが出来ました!」
「、、、?」
突然ベルの叫んだ意味不明の言動にオッタルは若干混乱した
そしてそれを聞いていたヘディンはフンッと鼻を鳴らした
ヘディン・セルランド
謎のスキル
ネロンガ
透明怪獣
全身の透明化
雷属性の魔法を吸収する
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ヘディンに発現した謎のスキルはベルに大いなる恐怖と実害の地獄を与えた。考えてみてほしい、ただでさえ正確無比で情け容赦のない雷が遠距離から一方的に放たれるというのに今度はそれが【見えない】状態で放たれるのだ。
簡単に言えば【目に見えない殺戮の宴】
怖すぎる。強すぎる。相性最凶すぎる。の三拍子がそろってベルは吐瀉物をぶち撒けた。そしてそれを察して優しくしてくれる師匠なんかではない、むしろ積極的に【目に見えない殺戮の宴】開かれている。ぶっちゃけはここのところ【毎日】開かれている。
そりゃ強くもなる みんながベルを哀れんだ
そんな日常を走馬灯のように感じながらベルはオッタルに連撃を撃ち込んでいく。見えないのなら感じた瞬間から雷を避けるか受けるか流すかするしかなくベルの危機察知能力は生命の危機をこれでもかと限界突破させて伸びに伸びた。
「そしてこの剣技はヘグニだな?」
「はい!ここのところヘグニさんも毎日鍛錬に付き合ってくれて!」
「頭の悪い方法で頭の悪い欲求を満たす頭の悪い遊びをするためにな」
そしてベルの最近変わったところは最近ヘグニが毎日ベルのもとに来てくれることだ。【ロマン武器】による語らいは本当に楽しいからだ、そのおかげでヘグニの剣技を得と習得することができた。
「愚兎には単純な手が効くからな、ヘグニの謎のスキルはその方面を補わせた」
ヘグニ・ラグナール
謎のスキル
キーラ
光熱怪獣
目から閃光を放つ
耐久の高補正
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目から閃光を放つ
これは目からビーム!的なものではなく【閃光弾】に近い
ようはピカッ!と光らせて相手の視界をつぶす単純なものなのだ、目立つのを嫌うヘグニなら嫌がりそうだがそうでもなかった。何故なら目眩ましはヘグニの望むところだからだ、目をピカッ!と光らせれば相手の視線が遮られその間にヘグニならいくらでも姿を消すことができる。ようは人見知りな彼が人を撒くのに適していたのだ。ただこの閃光は強すぎれば相手の目をマジで潰してしまうため加減が常に必要だが
「やつの剣技から一瞬でも目を離せば首が飛ぶのは必然、ムカつくがやつに適した能力と言えるだろう」
「何度も閃光で目が焼かれて師匠がポーションを目薬のように差し込んでいただくという手間を取らせてしまいました!すいません師匠!」
「それくらい自分でやれと何度焼いたことか」
「、、、、、、、、、オゥ」
ヘディンからは見えない脅威をヘグニからは目が潰れる危機を与えられベルはますます危機察知能力を伸ばした。白黒の騎士は某静寂のように赤い瞳に恨みでもあるのだろうか?
「そろそろ使え」
「はい!」
「!」
ベルがオッタルから距離を取る
そしてベルは目をつむり集中した
謎のスキルによるここ一番の【変化】
新たなる力 新たなる武器
それが猛者の目の前で解放される
「モードB」
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「ぽわ〜」
「フニャ〜」
「「こ〜ん」」
ヘスティア、リリルカ、春姫とその分身が惚けた表情を浮かべてホームでトリップしていた。
「やっぱり【あの姿】のベルくんはやばいよ〜」
「「ニイナさんにも教えたほうが」」
「まだいいですよ〜」
4人が思い浮かべるのは【モードB】のベル
「「「「かっこいい〜♡」」」」
「、、、、、、」【ギュウウウウウウ!!】
「リュ、リュー殿」
それを見いたリューは自分の顔も緩むのを良しとせず必死でつねり命はそれに引いていた
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ベルの肉体が変化する
手足が伸びた 胴が伸びた 髪が伸びた
肩幅も横に伸びて顔つきも幼さを消したものに変わる
上背が伸びて顔が近づく、髪が伸びて背中まで届く
オッタルは目が離せないでいた
伸びた髪はあの【静寂】を
大きくなった上背は【暴食】を彷彿とさせたからだ
「、、、、、ふぅ」
そこには恐らく数年または十数年後かも知れないベル・クラネルの姿がそこにあった。もしかしたらベルが本当にそうなる未来の姿かもしれない。だがベルの【二次元怪獣】は本人の【理想】も取り込む、故にこれは【あぁなりたいこうなりたい】の願いが混ざった姿なのだろう
「お待たせしましたオッタルさん」
「雰囲気も変わるのか」
「幼稚な空気が消えるのはこの姿に引っ張られているからだろうな」
今のベルは子供の熱さをそのままに大人の冷静さを身につけたような雰囲気を醸し出している。普段の自信のなさ気な姿は無く、その高い上背に似合っている堂々とした態度を身につけていた
「こい」
オッタルはそれだけいうと大剣一本の本気の体勢をとった
「行きます」
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「ベル・クラネルが大人に?」
「身長が伸びるのは謎のスキル関連で報告されているが」
そこはロキ・ファミリアの男たちが借りている宿泊施設でフィンとガレスはアイズとティオナの報告に首をひねっていた。
(ヘディンが隠したがっていたのはこの事?)
「お前たちを抑え込むとは凄まじいのぉ、どんなじゃった?」
ガレスが2人に質問すると
「「かっこよかった」」
「ん?」
「え?」
「「かっこよかった」」
2人は真顔でそう答えた
そしてその後ろでこっそりと話を聞いていたレフィーヤは頭の青筋をブチリとさせてベルを焼却しようと走り出そうとしたが精神のなかのフィーナに止められてフラストレーションを盛り盛りと貯めることとなった。
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ガォン!!!ドガァン!!!ギイィン!!!
一撃一撃が地面だけでなく周りの空気すら震わせる
身体がデカくなれば単純に力も上がり手足が伸びればそれだけで選択肢が広がる
単純な強化だけでなく今のベルは堂々と自身に満ちあふれている
今までどおりの魂の輝きをそのままにその熱を精錬された技へと注ぎ込んでいく
2人の間にはたとえ竜でも入れば即死だろう
そこには確かに百人中が百人が認める英雄の姿がそこにあった
しかし
「くっ!」
それでも猛者は凄まじかった
モードBのベルが体力の限界と魔力の限界も迎えてその姿がいつもの姿に戻る
「実戦の死闘では持続時間が減るか、やはり剣姫と大切断と戦ったときは実戦とは違う戦いだったようだな」
「クソ!」
ベルが己の不甲斐なさに打ちひしがれる
だがオッタルに確かに届いていた
何故ならオッタルの【絶対防御】は崩され身体のあちこちから鮮血が滴っている
肉にも骨にも届きはしなかったが確かに猛者に届いていたのだ
派閥大戦の時は4人がかりでやっと渡り合えたあのオッタルにだ
「、、、、、、、、、、」
「? オッタルさん?」
オッタルの様子が妙なことにベルは気づいた。それは何かを思考するような姿だった。
そして
「お前たちには話しても、、いいかも知れん」
「「?」」
「俺にも謎のスキルが発現した」
「え!」
「お前が被っている【兜】に関係あるんだな」
「あ!」
ずっと気になっていた【兜】そして謎のスキルの発現、ベルの頭にある可能性が浮かぶ
「何か、、、変わったんですか?」
それは謎のスキルによる体の変化
そしてそれが本人の望まない姿になることも既にオラリオ中に広がっている
「、、、、、ふぅー」
オッタルは深呼吸する
戦いの場所以外でそんな事をするのは初めてだった
「オッタルさん、あの、嫌ななにかなら別に」
「正直自分以外の意見が欲しいところだった」
「「?」」
二人が首を傾げる
「、、、どうか、、率直な意見を聞きたい、嘘偽りのない反応が知りたい」
「オッタルさん!?」
「何故殺気を!?」
オッタルが【兜】を外そうとする、そして殺気を出している、まるでこれから何かが壊れるかのような予感が2人に駆け巡る、ベルが生唾を飲み込みヘディンが視線を鋭くする
そして
オッタルが
【兜】を外した
その顔に変わりはなかった
ツルーーーーーーーーーーーーン☆
一番上の頭部以外は
「「!!!!!!?!?!!?!!!!!?!?!?!??!!!!!!!?!??!!」」
2人の目玉が本当に数ミリほど外に飛び出した
説明しようまず髪はある
無くなったのは脳天の頭部だけ
そしてその部分は【青かった】
近くで見れば
【何か平べったい物が乗ってる?】
となるだろうが
遠くから見たら
それはもう完全に
「どう思う?」
2人は石化して動けない
「俺は戦いのためだけに生きてきた」
「俺にはそれしか出来ないからだ」
「それでしか女神に喜んでもらえないからだ」
「だから強くなった」
「泥を糧にして今もなお」
「だが」
「だがしかし」
「この姿を鏡で見た瞬間」
「俺は今まで感じたことのない痛みに襲われた」
「心臓が死闘以外であそこまで跳ねたのは初めてだった」
「その時は女神のことすら忘れて」
「とにかく打開に必死になった」
「分かっている」
「こんなのはただ普通を平穏に生きる者のする事だと」
「俺は怪物たちを越えるために俺自身も怪物になる覚悟で今の今まで生きてきた」
「それを変えることはない」
「だが俺は俺が思っているより人間だっらしい」
オッタルの目元に何やら赤い跡があるような気がしたが、それに気づく者はいなかったか
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オッタル
謎のスキル
モンスアーガー
破壊獣
耐久と魔力に高補正