ウルトラ怪獣がスキルとして出るのは間違っているだろうか 作:サイセンサイ
運命だったのだろう
あの2人が出会ったのは、そんな言葉でしか説明できないほどの荒唐無稽で低確率なものだったのだろう
だが、2人は引き寄せ合ったのだ、絶え間ない過酷な人生を送りながら2人は引き寄せ合ったのだ。
それがたとえ破滅に突き進んでいくことになろうとも、その選択に後悔はしない。
だからこそ運命は、2人に再び魂を賭ける試練を与えたのかもしれない。
それは一体、【誰】と【誰】のことなのだろう?
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「だぁぁぁぁぁぁんちょぉぉぉぉぉぉう!!!!」
アイドルのプロデュースのため色々忙しかったフィンは彼女へのメンタルケアを蔑ろにしていた。
だから彼女も限界だった。
「逃がさなぁぁぁぁぁぁ愛!!!!」
「あっ団長」
早朝の時間に声を聞き窓の外を見る
レフィーヤがフィンとティオネを見かけた。
フィンもほかの男どもと同様ホームを追い出されており今は屋根の上でティオネとの鬼ごっこに興じている。ほかの団員達もそれに気づいてホームの窓から顔を出して見物している
フィンが逃げてティオネが追いかける
いつもの事だった
いつもの事のはずだった
しかし、謎のスキルがそれを歪ませる
「私以外の女にかまけて私以外の女のそばにいてぇぇぇぇ!!!もう離さない!絶対絶対絶対絶対離さなぁぁぁぁあい!!」
ティオネの叫びが【それ】を引き出した
ズリュリュリュリュリュリュリュ!!!!
「「「「「え!!?」」」」」
「何!?」
それは【頭】から出た音だった
それはクワガタのようだった
【頭】から飛び出したのだ
それはクワガタの【大顎】の形をしていた
【頭】から【大顎】が角のように飛び出したのだ
「謎のスキルか!!?」
フィンの親指が疼く
あれはヤバいものだと本能が警告している。フィンは全力で離れたがティオネも全力で追ってくる
頭の大顎をガッシャンガッシャンさせて
あの大顎に捕まったら死んでも逃げられないことをすぐに悟った
だからこそもっと距離をとって
そう思った瞬間
【引き寄せられた】
「何!!?」
「アハ♡団長がこっちに♡」
まるで重力魔法のように身体がティオネのように吸い寄せられる。よく見れば【大顎】のちょうど真ん中から半透明な何かが放出されている。それが自分を何らかの理由で引き寄せていると瞬時に悟った。ティオネの大顎の角がフィンを挟み込もうとしたその時、彼は全力で足に力を込めて屋根を砕く勢いで右に方向転換して半透明の放出から抜け出た。
(アレはなんだ!?重力魔法なのか!!?)
再び半透明の放出に捕まらないようにティオネから斜めに逃げる。
後ちょっとで逃がしたティオネは泣き叫んで大顎の角をギリギリギリギリと歯ぎしりのように音を鳴らす。
「キャオオオオオオオオオオオオオ!!!」
怪獣の咆哮を挙げながらティオネは再びフィンを追った
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「直線上にいれば謎の力で吸い寄せられる、だがティオネを巻くうえで縛りを負うのはかなり厳しいな」
「見つけたーーーーーー!!!!!」
「クソ!」
フィンは屋根の上を走るのではなくジャンプしまくってティオネの謎の力に捉えられないように逃げる。しかしそれではどうしてもスピードが落ちてしまい追いつかれる。下に逃げれば障害物を利用して姿をくらませられるが、こんな醜聞を世間の皆様に晒すわけにもいかない。
「せめて何か獲物を持ってくるべきだったか」
フィンは手ぶらの状態、役に立つ道具など持ってはいない。それはティオネも同じだが彼女には先ほど頭から角のように生えた【大顎】がある。離れていてもガッシャンガッシャン!という音が聞こえてくるのは相当つよい力で挟んでいることの証明、圧死可能の力で挟まれて詰む。
「僕にも何か」
その時
「団長!?」
「!」
ちょうど真下にラウルがいた
彼の助けを乞う事を考えたその時
フィンは自然と
無意識に
ラウルが身につけている【片手剣】に
掌を向けていた
「! 僕は何を」
自分自身の不可解な行動に一瞬動揺した次の瞬間
ヒュン!
「え!」
「な!」
ラウルの片手剣が【フィンの掌に吸い寄せられた】
「え!は!?俺の剣!!?」
ラウルが動揺する中フィンは思考する
「ティオネと同種の力!?」
「団長ーーーーー!!!!!」
「くっ!迷っている暇はない!」
フィンは吸い寄せた片手剣をティオネの大顎に向かって投擲、ガツン!と強い力でぶつかり大顎が生えたばかりのティオネはまだその姿に慣れておらずバランスを崩して尻もちをついた
その瞬間にフィンは姿を消した
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「凄まじいですね相変わらず」
「でも前のティオネさんは、、、」
「えぇ、だからできればくっついて欲しいですね」
フィーナがレフィーヤと話しながら廊下を歩いていると
「うおっう!!!!」
裏返った声を出して驚いた
近くにいた他の者たちも同様に驚いている
何故なら
目の前に【おばけ】がいた
長い【黒髪】が顔を隠しており
足元がふらついている
曲者と警戒を顕にしたその時
「その声レフィーヤ〜〜」
「え!」
「貴方は!」
「私だよ〜」
目の前の【おばけ】は前髪をかき上げてその顔を見せた
「ティオナさん!!?」
「なんか起きたら髪が伸びてた〜〜〜」
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「なるほど、これは」
フィンが人目を避けて路地裏で自らの力を検証していた
ロキにステータスを見てもらえば一発でわかるがティオネを避けるためにもう少し時間を置くことにした。そしてフィンは少ない情報で色々なことを知った。
「磁力か」
それは吸い寄せる力が重力ではなく磁力であること
何故なら【金属】にしか反応しないからだ
(これを使えば投擲した武器をその場で動かずに回収出来るから便利だな、それに仲間の鎧に使えば距離を取った状態で避難させることが出来るし、先ずは引き寄せ可能な距離の確認、動かせる重量の限界も知っておかないと)
フィンが自らの力とこれからを考え始めたその時
「うわぁぁぁぁ!なんだぁぁぁ!」
「オイ空とんでるぞ!」
「ていうか引き寄せられてる!!?」
「ぎゃあああ!般若の顔した女がーーー!!!」
周りが騒ぎ始めた
大量の人間が近づいてきたティオネに吸い寄せられていたのだ
「何近づいてんだお前らーーーー!!!!!」
「「「「「えぇーーーー!!?!!?」」」」」
どう考えてもティオネが元凶なのにティオネ自身は団長ではなく他の者たちが近づいてきたのでブチ切れた
結果、近くにいただけの者たちがひどい目にあった。純粋な不運である。
「ベルトだーーー!!!ベルトが吸い寄せられてる!」
「俺の武器があの女に!」
「わあああああ!長年愛用してきた剣が何故か吸い寄せられて何故か砕かれたーー!!!」
「金属が吸い寄せられてんのか!!?」
他の者たちがある程度の法則に気がついて、身体に着けてある金属を外す、外された金属の装備はティオネに吸い寄せられてそしてティオネの拳で虫を叩き潰す感覚で破壊された。
そう、ティオネは自身の力のことをまだ理解していない
「おいおいまずいな、このままじゃほんとの醜聞に」
その時
「待てよ?」
フィンが【違和感】に気づいた
(あの時ティオネも磁力を使って僕を吸い寄せたのなら、、、ベルトが引っ張られていることに気づいたはずだ、人ひとり引っ張るのだから力を感じないはずがない、だがあの時の僕は【全身】が吸い寄せられていた?)
ティオネの磁力が自分と同じなら、何故、自分だけが金属ではなく自分自身が引っ張られたのか?
人に磁石はくっつかない、磁力を使っても意味がない
何故、自分だけ違うのか?
それは
「僕も磁力の力を持ってしまったから?」
それは運命だった
一度は引き裂かれた前世
もし、ともに居れば
もし、ともに合ったなら
どんな未来が待っていたのだろう?
そんな問いすら
そんなもしもすら
恋愛狂戦士の前には無意味
何故ならそこにいるからだ
運命という都合のいい言葉しか耳に入らない
都合のいい記憶しか頭に残らない
何故なら恋愛狂戦士だから
団長これ確定ですよね?能力がスキルがステータスが常識が世界が私たちにくっつけって言ってるんですよね?ならいいですよね?ずっとくっついていいですよね?磁石なら当然ですね?ずっとくっついてずっとそばにいてずっとともに居てずっと離れないでずっとくっついてくっついてくっついてくっついてくっついてくっついてくっついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて喰っついて朝起きても喰っついて朝ごはんを食べながら喰っついて歩いても喰っついて走っても喰っついて昼ごはんを食べながら喰っついて戦いながら喰っついて夜ごはんを食べながら喰っついてシャワーを浴びながら喰っついて夜は■■■■■■■■■喰っついて
そしたら死んでも死んだ後も子沢山♡
「あ、死ぬ」
貞操の危機を超えて破滅
その言葉がフィンの頭をよぎりかつてない危機を感じながらフィンは逃げる
磁石の推理が正しいなら一度くっつかれたら
それはもう、、、、、
更にティオネには強力な大顎まで生えてしまっている
ティオネは徹底的に逃げを殺す存在となった
「いざって時は恥をかく覚悟でヘスティア・ファミリアに逃げ込もう」
そしてフィンは決意を新たに今日も追いかけっこに興じるのでした
めでたしめでたし
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ティオネ・ヒリュテ
謎のスキル
アントラー
磁力怪獣
頭部の変型
磁力の放出
フィン・ディムナ
謎のスキル
マグネドン
磁力怪獣
磁力の放出
耐久に高補正
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「うへへ♡長髪ティオナもええな〜♡極東の大和撫子を彷彿とさせて♡」
突然伸びてしまった長い黒髪を一纏めにしてティオナはロキにステータスを見てもらっていた
「そんで?私の謎のスキルは何〜」
「えっとな〜、、、、ん?」
「何〜変なメリットあるやつ〜」
「なんや?この【ワード】?」
「?」
ティオナ・ヒリュテ
謎のスキル
レンキ
怨霊鬼
器用・敏捷の超高補正
■■刀の■■
【攣鬼】
「なんて読むの?」
「、、、、れんき」
「? スキルの名前じゃん」
「そうやな、、、けど、どういう意味があるんや?」
彼らは知らない
それが元はどういう存在か
彼女らはわからない
【それ】と【女の欲望】が混ざることを
これから起きるもう一つの【■■】を
【後戻りできない結末】
悲劇的な【誰】と【誰】は、、、、、
戦いが起こるのはもう少し先の話