ウルトラ怪獣がスキルとして出るのは間違っているだろうか 作:サイセンサイ
ベルに負けた
正式な戦いとはいえなかったけどティオナと2対1で押し込まれたのならそれは負けと同じだと、彼女のプライドがそう叫んだ。
嫌だな 負けたくないな
まだベルに追いつかれたくないな
彼の成長が何よりも嬉しいのに
その成長した力で私を助けてくれたのに
なんでこんなにイヤって思うんだろう?
それは自尊心やら何やらが混じった複雑な感情で、アイズはそれを言葉に表すことが出来ない。今まで感じたことのないものだったからだ。
強さだけを追いかけてきた。強くなることこそが自らの存在証明だと言わんばかりに、周りに何と言われようと無茶をして強くなってきた。だが、それでもファミリアの皆が彼女を少しずつ変えていき、人間味のある彼女となっていった。
だがどうしても変えられないものがある
それは【決意】彼女のモンスターを全て殺すという誓いは何があってもブレなかった。
異端児達の存在を知ってもなおその【決意】は捨てきることはできず、彼女は戦いを続けていく
もし
もしも
彼女を変えられるものがあるとすれば
それは
【決意】を凌駕する【狂気】だけかもしれない
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「、、、、はぁ」
アイドルのライブも終わりアイズは今、ホームの中庭でボーッとしていた。思えば最近、色々あっていつもとは違うリズムが出来上がっている。
先ず、リヴェリアに合わない、毎日顔を合わせては細かなことをどうのこうのと言われていたが最近は部屋に籠ってスキルを扱うことに必死らしい。護衛のエルフはたとえ人気者のアイズでも彼女との面会はさせはしないとしている。
そのせいか、アイドルのレッスン以外はどうも手持ち無沙汰な時間が増えた気がする。
鍛錬はしているが身が入らない、ベルに負けた直後はあんなに熱を込めて鍛えていたのにだ。
ダンジョンに行く気にならないのもそうだった
自問自答の時間が増えた
まぁ彼女はそもそも多感な年頃なのだから不思議ではないのだが、アイズ自身はそれを理解していない。
「、、、、、ベル」
なんとなく彼の名前を口に出してしまった
「アルゴノゥトくんがどうかしたの?」
「!」
声をかけられ後ろを振り向くとそこには【長い黒髪をたなびかせたティオナ】がいた
「、、、、、、」
「ん?どうかした?」
ティオナはクセのある髪質をしていたがスキルを得てからは髪がサラサラのストレートになった
【大和撫子】を彷彿とさせるその長い黒髪は少したなびくだけで煌びやかに映る。
それだけでなく今のティオナは【品】のような物を身に着けているように感じる。
それも謎のスキルによるものらしく、ティオネから聞いた話では普段はベッドの上であぐらをかいて英雄譚を読んでいるのだが、【正座】して読んでいたらしい、それもかなり綺麗な姿勢でまるで教育を受けた令嬢のようだったらしい、そして食事する時も料理を食べる速さはそのままに口元を汚さず音も立てず確かに品格のある食べかたをしていた。ティオナは本人は特に意識してはいないが、周りからはかなり違って見えている。
それは謎のスキルによる【姫スキル】とでも言うべきものだとは誰も知る由がない
「髪、、、切らなかったんだね」
「ん?、、、うん、なんか気に入っちゃった!」
さらさらの黒髪が太陽の光を反射してただでさえ魅力のあるティオナの笑顔をさらに際立てる。アイズはティオナの笑顔をよく見ているが今回は彼女に確かに見惚れた。
(、、、可愛いな)
自分とは違って?
「!?」
「ん?どうかした?」
「い、いや、なんでもない」
一瞬、何やら声のようなものが聞こえた気がしたが
アイズは無視した
しかし
【それは】確かにいた
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「あれ?ここは?」
アイズはいつの間にか暗闇の中にいた
服装はいつもの装備
愛剣が一本
辺り一面真っ黒で何も見えない
何も聞こえず何も感じず
ただ一人、アイズだけがそこにいた
「、、、、なんか、、、、イヤだな」
そう思った時だった
後ろから【気配】を感じた
後ろを振り返った瞬間アイズは目を見開いた
巨大なモンスターがそこにいたのだ
すぐさま剣を抜き戦闘態勢に移る。目の前にいるのは見たことのないモンスターだった、竜のような頭部に四足歩行の胴体そして何より特徴的なのは【顔の付いた尾】だった
構わない
どんなモンスターでも
どんなキョウイでも
ワタシはモンスターを
コロス
アイズの瞳に憎しみが宿り剣を握る手に力が入る。そして魔法を発動して攻撃しようとした
その時
モンスターと目が合った
「、、、、、!」
その瞬間、アイズの身体から力が抜けた、何かをされたわけではない、ただ、そのモンスターから【敵意】が感じられなかった
「、、、、モンスターじゃない?」
その雰囲気からアイズは目の前の巨大な何かがモンスターでないと思った。見た目の話ではない、異端児とも違う何か核心のようなものがアイズの中にはあった。
「、、、、でも、どうすれば」
「コロス」
「!!?」
隣から声がした、感情の乗った冷たい声がアイズの耳に響いた
勢いよく首を横に向けると
そこには
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
【自分】がいた
アイズは思考停止しそうになったが、【自分】の黒く濁った目を見た瞬間、理解した
これは、この怖い存在は、この恐ろしい存在は、、、
「紛れもない私自身?」
モンスターを殺すと誓った自分が、あの時の自分が、ファミリアに無関心だった自分が、あの人と同じ顔の自分が、自分の原点となった自分が、心から願っていた自分が、そうなるべきだと思っていた自分が、、、そこにいた
「何をしているの?」
「!」
【自分】が話しかけてきた
「モンスターをコロスそれがワタシ、それ以外は何も要らない」
「それは!」
「そうしなきゃいけない、そうじゃなきゃいけない、、そうじゃなきゃワタシは存在する価値も無い」
「な!」
「貴方は忘れすぎてる!憎しみを!怒りを!悲しみを!あんなにワタシを求めて!培って!頑張ってきたのに!」
【自分】の言葉の一つ一つがアイズの心に突き刺さる、彼女の言葉は何も間違ってなどいない、何故なら、本当に心の底から求めている願望がそこにあるからだ
「ワタシは【復讐姫】!あなたの本来の姿!貴女そのもの!だから早く!ワタシを使って!」
嘘偽りのない心から願った願望
そして何をしてでもやり遂げると誓った【決意】
それが人の形をしてアイズに剣を向けている
その姿にアイズは、、、、、、
「ごめんなさい」
「な!」
「私は、、、もう前のようには」
「ーー!!!」
黒い風に蝕まれることは今の彼女には出来ない
何故ならそうならないために動き考え戦ってくれたものがいるからだ
そして【彼】も
「なら消えて!」
「!」
「こんなワタシなんて、、、いらない!」
【復讐姫】が剣を振り被りアイズに向かってくる
アイズもまた剣を抜く
どちらも本物 どちらも真実
ならば我を通すためには戦うしかない
2人の同じ剣がぶつかり
合わなかった
「「「邪魔」」」
ドゴゴゴン!!!!!!
「ウギュ!」
「え?」
ありのまま起こったことを話そう
【復讐姫】に向かってドロップキックが3発放たれた
ドロップキックを喰らった【復讐姫】はゴロゴロ転がりアイズはポカンとしている。そして目にしたのは突如として現れた【3人】
巨大なモンスターはいつの間にか消えていた
一人は青を基準とした露出度の高い衣装を
一人はウェディングドレスをモデルとした衣装を
一人は黒い目をした小さな少女
その全員がアイズと同じ顔をしていた
「な!なに!?なんなの!!?」
【復讐姫】はすぐに立ち上がったが、何が起きたのかまるで分かっていない
そして何もわからないまま迫撃を受けた
シリアスパートの終了である
「あなた邪魔」
「死んで!」
「恥」
ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ!!!
「ちょっ!まっ!痛い!まっ!待ちなさい!どういう状況!!?痛い!だから痛いって!待って!3対1は卑怯!囲って足でゲシゲシしないで!痛い!待って!待ってってば!痛い痛い痛い痛い!!」
3人に囲まれ完全な私刑状態で蹴りを受け続ける【復讐姫】は、話など聞いてもらえず完全に弱者側に成り下がった、それを察したのか目元から雫のようなものが見える
アイズは状況を理解できず固まっている
「わ!ワタシは【決意】を!」
【復讐姫】はなんとか絞り出すように彼女達に言葉を伝えると
「「「【決意】よりベル!」」」
「「!!?」」
予想外の言葉が帰ってきた
「そんなことしてたら捨てられる」
「ベルの事を素粒子レベルまで知ることのほうが大事!」
「【復讐】とかどうでもいいよ」
三人は各々個性的なベルの想いを口にする
アイズと【復讐姫】は開いた口が塞がらない
「え!は!?え!?」
「「「貴方は要らない消え失せて!」」」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
三人が【復讐姫】を完全に抹消しようとしたその時
「「「待ってーーーーーー!!!」」」
「「!!?」」
それは更に予想外の導入だった
「落ち着いてください!」
「一応私だから!」
「暴力ダメ絶対!」
「「「チッ!」」」
「「「私の顔で舌打ちしないで!」」」
何が起こったのか話そう
新たに三人が追加された
一人は白い服を着た【穏やかな雰囲気】の少女
一人は幼女
一人は何やら気品のある【女王】
そして全員お約束のごとくアイズと同じ顔
「!!?、!!?、!!?、!!?」
アイズの頭はパンクした
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「アイズさん遅いですね?」
「まだ寝てるんでしょうか?」
「アイズは来ていないのか?スキルが扱えるようになってきたから久しぶりに一緒に朝食でもと思ったんだが」
ロキ・ファミリアホーム食堂
時刻は朝
男性陣が追い出されているため女性陣だけが集まる朝食の場所でそんな話が行われていた
リヴェリアがある程度スキルをコントロールできるようになったので今回はホームにいる皆が食堂に集まっていた
「なんや?アイズたん寝坊か?」
「じゃあ私起こしてくるーーー!」
「頼んだわよティオナ」
ティオナが長い黒髪をたなびかせてアイズの部屋に向かおうとしたその時
バァン!
食堂の扉が大きな音を立てて開いた
全員がその場所に目を向ける
そして目にしたのは
「違う!違う!違う!私はそんなえ、え、え、ちぃなことなんてしない!」
「いやあの前世の事ですので仕方ないことで」
「たとえ私でも私よりベルとあんなことこんな事をするなんて!私は!!?」
「スケベ!スケベだよぉ!」
「別にいいじゃんホントだしベルだし」
「そんなことより復讐!」
「だからダメ、捨てられるベルに捨てられるそしたら死ぬしかない」
「みんな落ち着いてよ!一つの身体なんだから!」
イカしたメンバーを紹介するぜ!!!
いつも通りのスタンダード【アイズ】
前世の意思【アリアドネ】
ヤンデレ精霊のオメガ・カルマ【リングアイズ】
幼さの表れ【幼女アイズ】
その闇落ちバージョン【ヤンデレ幼女アイズ】
さっきまでボコボコにされてた【復讐姫】
何でも上げたいオーソドックスヤンデレ【ウェディングアイズ】
微かにあった普通の女心【女の子アイズ】
分かるかい!3/8がヤンデレなんだぜ!!!
そしてロキ・ファミリアはストレスでキラキラを吐くぜ!!!!
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アイズ・ヴァレンシュタイン
謎のスキル
ミズノエノリュウ
地帝大怪獣
人格の【八分割】
耐久・魔力に超高補正
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次回!アイズの脳破壊回!
【アリアドネ】ダンメモ参照
【リングアイズ】ダンメモ参照
【幼女アイズ】ソード・オラトリア漫画参照
【ヤンデレ幼女アイズ】幼女アイズにハイライトのない目
【復讐姫】特に参照なし
【ウェディングアイズ】ダンクロ参照
【女の子アイズ】ソード・オラトリア漫画137話参照