ウルトラ怪獣がスキルとして出るのは間違っているだろうか   作:サイセンサイ

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レフィーヤ・ウィリディスが壊割れた日

 

「認めない!認めない!認めない!こんなの認めません!絶対に!絶〜〜〜〜〜対ぃぃぃぃぃ!!!!」

 

「貴方が認めなくても事実なのだから仕方ないでしょう!」

 

「絶対に何かの間違いです!こんなの嘘!ありえない!ありえるはずがない!」

 

「だから本物なんですって!あなたならわかるでしょう!」

 

「それでも嘘です!」

 

「強情!」

 

ロキ・ファミリアのホームのとある一室で激しい口喧嘩が繰り広げられていた。

 

声の主はレフィーヤ・ウィリディス。

ロキ・ファミリアでも上位の実力者でありながら時折暴走気味なエルフの少女である。

 

「こんなの存在してはいけません!信じてはいけません!何かの陰謀であり謀略です!きっとベル・クラネルが私を陥れるために!」

 

「そこまで嫌いなんですか!!?」

 

「嫌いです!!」

 

「バッサリ!?なんでそんなに嫌い嫌いとしか言えないんですか!?いやまぁ私も時折、、、いや、、、結構言ってたような」

 

「ほら見なさい!やっぱりありえないんですこんなことはぁ!!!」

 

「それでもあなたの反応は度と域を超越しています!知らないんですか愛憎という言葉を!!?憎いということはそれだけ」

 

「あーーー!!あーーー!!!!聞こえません!聞こえません!」

 

「子ども!!?恥ずかしくないんですか貴方はーーー!!」

 

「貴方が教えた事実を受け入れるほうがよっぽど恥ずかしいことでしょうがぁーーーー!!!」

 

「はぁ!!?なんですかそれ!!?私の存在自体生き恥だとでも!!?温厚な私でも終いには怒りますよ分からず屋ーーー!!」

 

口喧嘩は収まるどころかヒートアップしていく。お互いの言葉がまるで幼児退行したかのような稚拙なものに変わっていく、最近は大人っぽいとか言われていたレフィーヤではあるがこのままでは最終的に【死ね死ねとしか言わない口喧嘩】ほど酷いものに変わっていくかもしれない。

 

お互いが指を差し合い怒りを隠しもせずにはしたなく大声を張り上げる。

 

そんな事をしていれば騒ぎを聞きつけた他の団員達が何事かとやってきて仲裁やら静観やらをするのだが

 

 

それどころではなかった

 

 

「レ、、、レフィーヤ?」

 

彼女のルームメイトであり親友でもあるエルフィ・コレットが勇気を振り絞って声をかけようとする。

 

「なんですかエルフィ!?今この分からず屋に注意を促しているので用があるなら待っててください!」

 

「な!?貴方に分からず屋と言われたくありませんよ!明らかに貴方が分からず屋じゃないですか!!?本当はもうとっくに分かってるくせに!!ただただあなたの心が弱いからでしょう!?」

 

「こんなもの受け入れられるわけないでしょう!私の生き方に関わる重大な問題をぽっと出の貴方に言われたわたしの気持ちがわかりますか!!?」

 

「やっぱりなんやかんや信じてるんじゃないですか」

 

「信じません!!?」

 

「矛盾!明らかな矛盾なのにここまで!!?話通じないにも程がありますよこのおバカーーー!!」

 

そして再び口喧嘩が始まろうとしたが

 

エルフィがレフィーヤの突き出された指を握った

 

「離してくださいエルフィ!今この分からず屋を!」

 

 

「ちょっと待ってよレフィーヤ!!!!!!」

 

 

 

 

ホーム中に響き渡る大声をエルフィは上げた

 

怖い

 

怖くて仕方ない

 

でも聞くしかないのだ

 

だってきっと

 

他のみんなも怖がっているから

 

 

 

 

 

 

「【誰】と話してるの?指をさしてるけどそこには誰もいないよ?」

 

 

 

 

 

 

 

レフィーヤの突き出された人差し指の前には誰もいなかった

 

「そもそもレフィーヤずっと一人で何してるの?ずっと一人芝居してたよ?」

 

そして口喧嘩の相手の言葉は同じくレフィーヤの口から出ていた

 

 

 

 

つまりレフィーヤはずっと一人で口喧嘩をしていたのだ

 

 

 

 

 

周りの団員たちは『とうとう頭が、、、』という視線をレフィーヤに向けている

 

「何が起こってるのか聞かせてよレフィーヤァァァ話聞くからさぁ」

 

エルフィが精一杯の勇気で言葉を綴る

 

 

 

 

 

それを見たレフィーヤは汗をドパリと噴き出した

 

しまった、これでは完全にアレな人ではないか、誤解される、ヤバい人と思われる、認定される、説明しないと、私はおかしくなっていない、私はまともだという説明を、そうだ笑顔で、いつも通りで、余裕を持って、安心させるために笑顔で話そう、え〜と、え〜と、

 

そしてレフィーヤから出た言葉は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は今、私の頭のなかにいるもうひとりの私と喋っています☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなレフィーヤを見て周りの人たちは優しさゆえの涙を流した

 

 

「うわあああん!レフィーヤがイカれ壊れ狂っちゃったぁーーーーー!!」

 

エルフィは親友の無残で無様な姿に泣きわめいた

 

レフィーヤは真っ白になった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「全部あなたのせいです!もしくはベル・クラネルのせいです!」

 

「どう考えてもあなたのせいでしょう!?しかもここにも私怨を持ち出しますか!!?」

 

「私怨ではなく権利です!」

 

「あーもー!ホントに話し通じません!!」

 

「あんな可哀想な目を向けられて!なんたる理不尽!なんたる屈辱!なんたる恥辱!明日からどうすればいいんですかぁーー!、、、んああああああああああ!みんなのあの目が脳に焼き付いてぇぇぇぇぇ!!」

 

「私だってキツイですよ!私ではないのにあんな目を向けられて!こっちのほうが理不尽ですよおバカーーー!!!」

 

※全て1人で行っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはアカンな」

 

ロキのマジトーンな言葉が部屋に響き渡った

 

そこにはロキ・ファミリアの主要メンバーたちが集結しており全員がレフィーヤを見ていた。

レフィーヤは椅子に座らされながらも今だに【1人口喧嘩】を続けている。

エルフィは今だに涙が止まらない

 

ほかのメンバーも苦々しい顔をしている。

 

「安心しろレフィーヤ、例えファミリアの金庫を空にする治療費を請求されようとお前を救ってみせる」

 

「その気遣いは辞めてくださいリヴェリア様ーーー!!!」

 

「ほらぁ!ハイエルフの御方に気を使わせて!」

 

「黙ってくださいあなたはぁ!」

 

「あぁぁ、レフィーヤ、、、」

 

至近距離で一人口喧嘩を見せられたリヴェリアが頭を抱えて足元をふらつかせる。なぜこんなことになった?それほど疲れていたのか?なぜ気づいてあげられなかったんだ?とリヴェリアは自己嫌悪に陥る。そして、高貴な御方にそんな事をさせてしまった罪悪感でレフィーヤと【もう一人】は更に落ち込み、それを理由にまた口喧嘩を加速させる。

 

「落ち着きぃやリヴェリア、病気と言うには色々妙や」

 

「そうだね、なぜだかぼくの親指も疼いている」

 

ロキとフィンが落ち着いた声でリヴェリアを気遣う、いつもは立場が逆なのでわりと珍しい光景だった。

 

「最初話を聞いたときは、『厨二病』やら『イマジナリー』やらの類いかと思ってウチも焦ったわ、ウチのレフィーヤが【黒妖の魔剣】と同類になってもうたと本気でな」

 

「?、、 白黒の違いはあるが同類(エルフ)だろう?」

 

「あぁイヤそういうことやなくてな」

 

「と!に!か!く!私は正気です!おかしくありません!この人のせいで話がややこしくなっただけです!」

 

「ややこしくしてるのはあなたでしょう!」

 

※同一人物

 

「ウ~ンややこしいけど確かに別の誰かっぽいね?」

 

ティオナがレフィーヤともう一人の違いに気づき始めた。

 

「なんかよくわかんないけどもう一人?のレフィーヤの方がなんか大人っぽい気がする。」

 

「な!」

 

レフィーヤが驚愕を顔に出すと

 

すぐに落ち着いた笑みを浮かべて

 

「流石話がわかりますね。オル、、、ティオナさん」

 

一瞬、名前を間違いかけたような気がしたがレフィーヤは続けた

 

「お騒がせして申し訳ありません。わざわざ集まってもらってしまって」

 

「おおぅ今は完全にいつもとは違うレフィーヤなんやな?」

 

「はい」

 

その瞬間、落ち着いた顔はすぐに怒りの顔に変わる

 

「何勝手に喋ってるんですか!!?」

 

「あっ戻った」

 

「ホントにややこしいわね」

 

一つの身体に二人の意思、どうしても話が続かない

 

「よし、レフィーヤ、、あっイヤいつものレフィーヤはしばらく黙っときぃ」

 

「はい!!?」

 

ロキの意見にレフィーヤは驚く。見捨てられた!?の言葉が頭をよぎるがロキは話を円滑に進めるためだと説明した。

 

「取り敢えずもう一人のレフィーヤ、、、やっぱややこしいな、呼び名決めよか?」

 

「フィーナ」

 

「あ?」

 

「私のことはフィーナと呼んでください」

 

もう一人のレフィーヤ【フィーナ】はよう言った

 

 

 

 

(フィーナ?)

その呼び名にティオナが反応した。

頭をよぎるのは【アルゴノゥト】の、、、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして話は続いた。

どうやらレフィーヤもフィーナも突然こんなことになり混乱していたらしい。そしていろいろと情報をすり合わせていたら喧嘩になったと

 

「しっかし何が理由で喧嘩しとったんや?あれは相当やで?」

 

「っ!それは」

 

「あっ今はレフィーヤだ」

 

突然形容しがたい形相になったレフィーヤはどうするべきかと迷う。

 

だが

 

「すいません、それは話せません」

 

フィーナが代わってそういった。

 

精神のなかでレフィーヤは驚いた

 

「話せない?」

 

「はい、これは私の、、、私たちの人生に大きく関わるものなので、話すならいろいろと準備や状況を整えてからがいいと思います。【お互いのためにも】」

 

「、、、、そうかい」

 

フィンはフィーナの目のなかに何かを感じたが今回は深掘りは下げることにした。

 

「ともかく、こうなってしまった以上、レフィーヤは私と一緒に生きるしかありません。そして私も皆さんと一緒に生活するしかありません。突然で失礼ですがよろしくお願いします」

 

「よろしくねー!」

 

ティオナはレフィーヤに、正確にはフィーナに抱きついた。

ティオネは普段とは違う雰囲気にどうするか悩むがフィーナはゆっくりでいいと言ってくれた。アイズは何やら既視感を感じていたがよく分からなかった。ベートは特に何も言わなかったが、フィーナがレフィーヤ以上に只者ではないと感じ取っていた。

 

三首領はその後も色々話している

 

ロキは【二重人格美少女爆誕やーーー!!】とさっきの落ち着いた雰囲気を消して今を楽しんでいた。

 

ただし、レフィーヤは、、、、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が降っていた。ロキ・ファミリアのホームの屋上でレフィーヤは雨に打たれながら物思いにふける、頭にあるのは混乱、仕方ないことだった、何故なら、、、

 

 

 

「前世の記憶、、、、」

 

 

レフィーヤにはフィーナの記憶が流れ込んでいたからだ。

 

もう一人のレフィーヤであるフィーナは【自分の前世】でありそれがなぜか覚醒してしまった。それが今回の事件の根幹だった。

 

 

「やっと落ち着いてくれたみたいですね。」

 

レフィーヤがフィーナに代わって口を開く。屋上にはレフィーヤ1人で実質一人芝居状態の会話が続いた。

 

「えぇ落ち着きましたよ、、、認めたくないですけど」

 

「、、、、まぁ、私も大人気なかったです。貴方も突然のことで混乱していただろうに」

 

「、、、、、ベル・クラネルは、」

 

 

 

 

「えぇ、、、前世で私を救ってくれた私の兄さんです」

 

 

 

 

 

レフィーヤが混乱した理由、ライバルであるアレが前世で自分の義理の兄だと言う記憶が流れ込んでいたからだ、どうしても認めたくなかった。そんな現実嘘であってほしかった。だが今はそれが事実だと認めるしかない、それにそれだけではない、前世での知り合いがここには沢山いた。それもレフィーヤの心を刺激した。

 

「、、、、、どうするつもりですか?」

 

レフィーヤはフィーナに質問した。それはベル・クラネルとの関係をどうするかというものの類いだった。

 

そしてフィーナは、、、

 

 

 

 

「贅沢を言うなら、仲良くしたい」

 

「っ!!!」

 

 

それはレフィーヤには到底受け入れられるものではなかった。何より嫌だった。ライバルとの関係が変わってしまうのが、

 

だが

 

「貴方が何を思おうと私はあの人と仲良くなりますよ」

 

「な!?何を勝手に!!」

 

「私の人生の記憶をもう知っているでしょう」

 

「それは!!、、、、」

 

フィーナはレフィーヤに凛とした気持ちで向き合う

 

「例えあなたの身体を乗っ取るような事をしても私はあの人に近づきます、、、もう、、離れ離れは嫌ですから、、、」

 

「でも!」

 

「だからあなたも好きにすればいいじゃないですか」

 

「!」

 

「私を押しつぶして表に出させないようにすればいい。そうすればあなたは今までの関係を続けられます、、、私に【悪い】と思いながら」

 

「、、、、卑怯ですよ。前の人生を持ち出すなんて」

 

「でも、私はここに覚醒してしまった、、、だから私も、、、私でありたい」

 

 

 

ザーザーと降る雨音がレフィーヤを打ちつける。これ以上は平行線、どちらも自分を譲らない、ならば突き通すしかない。

 

「、、、、あなたは、あの人を、、、」

 

「えぇそうですよ。」

 

「そうですか、、、、」

 

レフィーヤは天を仰ぐ

 

 

そして

 

 

「ああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

叫ばずにはいられなかった

 

「言っときますけど私は嫌ですからね!嫌いですから!」

 

「はい」

 

「アイズさんも渡しません!」

 

「はい」

 

「、、、、、うぐぅ、、うぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!!」

 

言葉にすることのできない感情がレフィーヤの胸と頭を支配する。吐き出さなければどうにかなってしまう。

 

そしてレフィーヤは苦しい顔をしながら再び天を仰いだ

 

「あの男はどうあがいても私を振り回す運命なんですね!いいですよ今更ですよやってやりますよ逆にこっちが振り回してやりますよ!!!!」

 

自尊心、感謝、嫌悪、誇り、拒絶、法愛、切なさ、怒り、嬉しさ、欲望、願望、邪気、愛憎、ありとあらゆる感情をごちゃ混ぜにした【それは】

 

いつしか口を動かしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その思いは最大、その心も最大、

 

二度の生、二度の魂、二度の破壊、

 

繰り返し掻き回される我が心、

 

掴み癒し離してくれない運命に、

 

乙女は泣いて怒って笑うのです、

 

大きすぎる心の中身、大きすぎるあなたの存在、

 

女の性を啄んでしまうなら、

 

共に燃える覚悟を決めよ、

 

共に焼かれ、共に砕けて、共に死ね、

 

灰になって混ざり合う、

 

離れることなど許しはしない、

 

史上最大の愛憎をその魂に焼き付ける、

 

侵略せよ、

 

【カエンジゴク】

 

 

 

それは詠唱だった

 

それは乙女の叫びだった

 

放たれた巨大な炎は空に向かい一直線に駆け昇る

 

雨が降っているにも関わらずその勢いは止まらない

 

そして放たれたその炎は

 

 

 

 

 

 

 

 

    雲を消し去り空に穴を空けた

 

 

 

オラリオを中心に雨雲が吹き飛んだ。周囲の人間は何が起こったのか分からずただ突然現れた青空とポッカリと穴が空いた雨雲を見ることしかできなかった。

 

 

誰が知ろうレベル8にすら匹敵するその一撃は【乙女の愛憎】から生まれたものだと

 

 

 

「大っ嫌い!!!」

 

「大好き」

 

 

 

 

 





レフィーヤ・ウィリディス

謎のスキル


パンドン
双頭怪獣



人格の2分割

炎・爆裂系の魔法に超高補正

魔法【カエンジゴク】
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