突然、宮殿の空が不自然な亀裂と共に割れ、禍々しい白銀の光が降り注いだ。
レイナ「この波動……黄泉の主以外に、これほど甘美な魔力を放つ『器』がいるとはな」
現れたのは、ハイスクールD×Dの世界でも危険視される離反天使(フォールン・エンジェル)の精鋭部隊。連の体から溢れ出す、イザナミと八坂によって精錬された「神格級の魔力」を嗅ぎ取って現れた刺客だ。
連「おいおい……飯の邪魔すんじゃねぇよ。今、機嫌悪いんだわ」
連が立ち上がると、その周囲の空気が熱波で歪む。
レイナ「連、下がってろ! 相手は中級以上の光の槍を――」
レイナが制止しようとするが、連の動きはすでに彼女の認識速度を超えていた。
連「レグニード、全開放(オーバーロード)だ。……今なら、俺がの望む形が視える」
レグニード『ええ、やっておしまい! あなたの新しい「牙」を見せてやりなさい!』
連の右腕の紋章が黄金色に爆ぜ、具現化したのは剣でも薙刀でもない。それは、連の小柄な体躯を包み込むような紅蓮のフルアーマー(全身鎧)――。
連「形態変更(フォーム・シフト)――『極焔竜王の装殻(レグニード・スケイルメイル)』!」
前世で憧れた「最強の鎧」のイメージと、精錬された魔力が結実した新形態。
連は光の速さで地を蹴ると、刺客の放った光の槍を「手で掴んで」握り潰した。
九羅真「な……馬鹿な、光の槍を素手で……っ!?」
連「喧嘩の基本を教えてやるよ。……避ける必要がなけりゃ、殴るだけだろ?」
連の拳が極焔を纏い、一閃。
ただのパンチが、レグニードのブレスにも匹敵する熱線となって刺客を呑み込み、宮殿の壁ごと背後の雲を消し飛ばした。
連「……はは、笑えるな。この力、制御するどころか、溢れて止まらねぇ……!」
レイナ「……何よ、あのデタラメな魔力」
レイナが呆然と呟き、九羅真は「……あやつ、本当に一晩で化け物になりおった」と尻尾を震わせる。
その背後で、イザナミと八坂は満足げに扇を揺らし、「ふふ、私たちの『調律』の成果、存分に味あわせてもらいましょう」と、更なる「ご褒美(弄り)」を画策するような瞳で連を見つめていた。
連「――おい、そこの羽虫。次はお前の番だ」
新形態『極焔竜王の装殻(レグニード・スケイルメイル)』を纏った連は、圧倒的な威圧感で刺客の親玉である高位離反天使を見下ろした。
親玉「貴様ぁ……! 10歳のガキが、神滅具を使いこなしているというのか!?」
連「神滅具じゃねぇ。これは俺とレグニードの絆……そして、お師匠様たちの『愛のムチ』の結晶だよ!」
連が踏み込むと、周囲の空間が熱量で軋む。加速の余波だけで地面が爆ぜ、親玉が放った極大の光の槍を、連は「壊槌(ハンマー)」に変幻させた拳で正面から粉砕。そのまま喉元を掴み、問答無用で地面へ叩き伏せた。
親玉「ガハッ……!? な、なんだ、このデタラメな重さは……!」
完封。文字通り指一本動かせないほどの重圧。しかし、そこで終わらないのが連の連である。
レグニード『連、いけないわ! 昨夜の精錬の影響で、魔力が臨界点を突破したわよ!』
レグニードの警告と同時に、連の全身から黄金の放電が走った。イザナミと八坂に注ぎ込まれた膨大な魔力が、連の「前世の喧嘩本能」と「スケベの呪い」に引火し、不自然な磁場を発生させたのだ。
連「う、うわぁぁぁ!? 止まれ、止まってくれッ!!」
ドゴォォォォン!!
連の意志とは無関係に、鎧の推進力が最大出力で誤作動。連の身体は、親玉を狙うはずの軌道を大きく逸れ、後方で指揮を執っていた敵の女幹部へと、音速を超える勢いで吸い込まれていった。
女幹部「なっ……何!? 私を狙って――きゃあぁぁぁっ!?」
呪いの補正はもはや神の領域。連のフルアーマーの籠手が、激突の瞬間に「指先の精密操作」へと強制シフト。激突した衝撃で、女幹部の銀色の鎧とインナーが、まるで手品のように一瞬で霧散した。
連「……あ」
気づけば連は、鎧がパージされた無防備な女幹部を押し倒す形で、宮殿の庭にめり込んでいた。連の手は、呪いの導きに従って、彼女の柔らかい「そこ」を完璧なホールドで掴んでしまっている。
女幹部「……は、破廉恥な……ッ! 殺せ……殺すが良い……ッ!」
女幹部が顔を真っ赤にして涙目で睨みつける中、背後から冷気(殺気)が漂ってくる。
レイナ「……連。お前、新形態(それ)をそんなことのために開発したのか?」
レイナが折れた木刀を握りしめ、禪院真希ばりの「無の表情」で近づいてくる。
九羅真「母様、イザナミ様! もう連を甘やかしてはなりませんわ! この男、敵すらも『毒牙』にかけましたわッ!」
九羅真の怒りの妖火が、敵軍よりも恐ろしい勢いで燃え上がる。
イザナミ「ふふ、連……。女幹部をそんな姿にするなんて、妾の教えが良すぎたかしら?」
八坂「あらあら、連さん。お仕置きのメニューを増やさなくてはなりませんね」
イザナミと八坂が、さらに妖艶な、しかし「逃がさない」という強い意志の宿った笑みを深める。
連「……レグニード、今すぐ俺を冥界の果てまで飛ばしてくれ……」
レグニード『ふふ、それは無理な相談ね。……さあ、愛しの我が子、楽しい「説教」の始まりよ?』
ハイスクールD×Dの歴史に、新たな「伝説(大失態)」が刻まれた瞬間だった。