リリカルなのはメガミックス ー復活の死神ー   作:トアルトーリスガリ

1 / 1
なのはの新作アニメも出ることですし、なのはの二次創作も色々復活していってほしい。

Refrectionで月村家両親が登場していますが、本作は月村家に関してはとらいあんぐるハート3に近しい状況になっており両親は他界済みというに設定にしています。

何卒ご容赦を。


序章 消えゆき、そして現れ

 ――20XX年ロシア、吹雪の吹き荒れる夜のこと。

 

 ロボット工学博士であるDr.コサックは、かつての罪の証と対峙していた。その手に握るはんだごてやドライバーツールを絶え間なく動かしながら、手術台に横たわるロボット、コサックナンバーズ32、スカルマンに処置を施していく。

 

 かつてDr.ワイリーに協力させられた際に作り上げた、純然たる戦闘専用ロボット。己の培ってきた技術の結晶でありながら、 『全てのロボットは人間を助けるためために生まれ、そんなロボットたちは人間のかけがえのない友人である』という自身の理想と相反する悪夢の象徴。平和を取り戻した後の世では不要と断じ、封印した危険な存在。

 そして、自らの手で産み出しておきながら、その心を顧みることなく忌み嫌ってしまった我が子――

 

――ロックマン! 俺を殺してみろ!

 

 在りし日の彼の叫びが耳に響く。我が子を闇の中に封じ込め続けた罪の意識が胸を苛む。スカルマンが戦闘用ロボットとしてこの世に誕生したのは彼のせいではないのに、コサックはその存在を否定してしまった。

 

 その結果、彼は自らを終わらせるための戦いを始めるしかなかったのだ。

 

 だが、それで済ませていいとは思えなかった。

 

 あの後に起こった新たなる戦い、恐るべき破壊者スペースルーラーズとの死闘の中で、スカルマンは幻影となって己が兄弟、コサックナンバーズ30であるリングマンの窮地を救ったという。

 

 それは夢か幻でしかなかったのかもしれないが、そうだととしてもスカルマンは正義のため、誰かを守るために戦うことができる証左なのだとコサックには感じられた。自分たちを幾度も救ってくれた、ロックマンのように。

 

 いずれ、またあのルーラーズのような恐るべき災厄が地球を襲う時が来るかもしれない。その時に地球のために戦える強き正義がきっと必要になる。スカルマンは、その時のための強き正義となることができると今のコサックには信じられた。

 

 だからこそ、コサックはスカルマン復活のための処置を進めていく。動力エンジンや各駆動系、武装等を最新技術でアップデートしていき、ロックマンに倣いバスターにチャージショットシステムを追加して、他者の能力をコピーできる武器トレースシステムをも搭載する。そうして、スカルマンは生前よりも更に強力な戦闘ロボットへと生まれ変わっていた。

 

 ただし、彼がその目を覚ませば、であるが――

 

「あきらめん、あきらめんぞっ」

 

 我知れず、呟きが漏れる。額に汗を浮かべながら、スカルマンの頭脳回路を修復していく。

 

「これが最後の希望だ……」

 

 言いながら取り出したのは、1本の細長いクリスタル。かつての超エネルギー結晶を、データを元に可能な限り再現しようとして作り上げたものだ。当然オリジナルには遥かに及ばないながら、それでも地球の既存のエネルギーとは一線を画す代物に仕上がっている。これを用いれば、あるいはスカルマンを目覚めさせることができるかもしれない。

 

「頼む、うまくいってくれ!」

 

 願いと共に、クリスタルをスカルマンのボディに組み込む。それと共に、莫大なエネルギーがスカルマンの全回路を駆け巡った。

 

 しかし――スカルマンの精神が覚醒することは、なかった。

 

「くそっ!」

 

 苛立ち交じりに、手術台を叩く。コサックの持ち得る全ての技術を以ってしても、やはり完全に機能を停止した人工頭脳を再覚醒させることは、死んでしまったロボットを蘇らせることはできなかった。

 

 それこそ、魔法のようなものがなければ不可能なのかもしれない。

 

「すまない、スカルマン……すまないっ!」

 

 新たな人生を与えることができなかった我が子に詫びる。己の非力さへの悔し涙で、視界がにじんだ。目覚めさせてあげられなかったスカルマンの姿もぼやけていく。

 

「……ん?」

 

 否、それは涙のせいではなかった。実際にスカルマンの輪郭がぼやけていき、少しずつ消えていく。

 

「な、何だこれはっ!? まさか、超エネルギーの影響かっ!?」

 

 突然の異常現象に驚く間にもスカルマンの姿はどんどん見えなくなっていき、最後に激しい光を放つと、スカルマンの姿は完全に消えていた。

 

「スカルマン!? スカルマーンっ!」

 

 後に残されたコサックは、我が子の名を叫ぶことしかできなかった。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 ――2004年日本、満天の星が輝く夜のこと。

 

 その晩、うまく寝付けなかった月村すずかは、自身の家の庭を1人で歩いていた。1人といっても、誰もいないわけではない。夜行性である子猫たちが、何匹もついて来ている。すずかは足元の子猫たちを微笑んで一瞥すると、何とはなしに周囲を見渡した。

 

 資産家である月村家の庭は広大で、並の公園などと比較しても尚広い。しかし、夜闇の帳の降りたその隅々まで、すずかの目は見通していた。その夜目の強さは、彼女の出自故のこと。それを自覚し、すずかの胸がチクリとうずく。

 

「ニー」

 

 不意に哀し気な表情を浮かべたすずかを気遣ってか、子猫の一匹が鳴き声を上げる。そちらを見やると、その子猫は青い宝石のようなものをくわえていた。

 

「ニー」

 

 再び一鳴きすると、子猫はその石をすずかに差し出すようにしてくる。

 

「ふふ、それくれるの?」

 

 すずかが笑顔で聞いてみれば、そうだと言わんばかりにまた子猫が鳴いた。ありがとう、と手を差し出すと、そこへ石が置かれる。

 

「きれい……庭に落ちてたのかな?」

 

 菱形をしたその石をかざしてみると、その神秘的な輝きに目を奪われた。本物の宝石ではないだろうが、次に親友達に会ったら綺麗な石を見つけたことを教えてあげようと思う。

 

――なのはちゃん、アリサちゃん……

 

 2人の親友のことを考えると、胸に温かさと寂しさが両方漂った。

 

 自分に自信がないようだけど、誰かのためには真っすぐ行動できる優しいなのは。

 勝気だけど本当は思いやりがあって、リーダーシップにあふれるアリサ。

 

 2人とも大好きな友達だ。

 だからこそ、2人と自分が生き物として違う存在(・・・・・・・・・・)であることに、心を痛めていた。その上、それを親友たちに打ち明けられていないことも。

 

 2人を信じていないわけではない。しかし、すずかは自分の正体を知られることが怖かった。そんな臆病さが、すずかは嫌いだった。だからだろうか、このような願いを心に浮かべてしまったのは。

 

――家族以外に、この秘密を気兼ねなく打ち明けられる相手がいればいいのに……

 

 その瞬間、手にした石から光が放たれた。

 

「え、ええっ!?」

 

 それに驚く暇もなく光はどんどん強まっていき、最後には目を開けていられないほど凄まじい閃光となる。それが収まった後、すずかはおずおずと目を開き、それを見つけた。

 

「なに、これ……?」

 

 そこには骸骨を模した、ロボットのようなものが横たわっていた。




というわけで、有賀版ロックマンことロックマンメガミックスとリリなのシリーズのクロスオーバーです。

時間には干渉できないはずのリリなのの魔法でタイムスリップが起きているのは、超エネルギー結晶(模造品)の影響と思ってくださいませ。

リリなのはフェイトに夜天の書、戦闘機人にヴィヴィオ等、作られた者たちの悲哀の物語という側面がある気がしますので、ロックマンメガミックスとはかなり相性がいいと思っています。

更新は亀より鈍足になると思いますが、お楽しみいただければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ハサウェイがアムロやシャアに影響される前に機械オタクになった世界線のお話(作者:陸奥九十九)(原作:ガンダム)

閃光のハサウェイの結末悲惨やな…せや!ハサウェイがアムロやシャアに影響される前にのめり込むものがあればいいんや!▼ミライさんの実家って地球圏の大企業だし、その実家で過ごしているうちにハサウェイが機械いじり(特にバイクや車)にハマって、なんやかんや幸せになるお話です。▼あんまりMSとか出てこないし、戦闘シーンなどもあんまりない予定です。▼追記:▼公式だとミライ…


総合評価:18026/評価:9.18/連載:43話/更新日時:2026年05月16日(土) 20:53 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>