大人になった時に
懐かしさへ変わるのかな…なんて考えてた
木漏れ日が木の隙間から降り注ぐ公園をことりと散歩していた。少し寒いようで暖かいような……良く分からない気候だ。でもことりがいるからぽかぽかと身も心も暖かい。
ことり「ねぇ、よっしー」
肩をとんとんと叩かれる。
よっしー「なに?」
ことり「ことり達っていつから皆といたんだろうなぁ」
ことりは首を傾げて言った。
俺は少し悩んで言う。
よっしー「分からないな、でも分かっていたとしても一緒にいすぎて忘れてしまうよ」
ことりは少し考えて言った。
ことり「それもそうだねっ」
俺とことりは横に並んで歩く。
ことり「このまま皆といつもみたいに悩んだり笑ったりの日々が続くかな」
大空に声を落とすようにぽつりとことりは言った。
よっしー「……ああ、もちろんだ」
俺もその横に落とすように呟いた。
俺はことりが大人になって、道端でことりだとわからない様子が想像できない。だってずっと一緒にいるから。
公園を半周も歩いた頃だろうか、再びことりは俺に質問を渡してきた。
ことり「よっしーは私と出会ってどこか成長した?」
よっしー「そうだな……強いて言えば背が伸びたとか?」
ことりはぷんぷんと怒ったように言う。
ことり「違うよぉ!それは他のみんなと出会っても成長するでしょ!ことりが聞いてるのはことりと!出会って成長した所を聞いてるのっ!」
よっしー「ごめんごめん、その点では成長っていうより退化したかな」
ことり「どういうこと?」
よっしー「街なかでかわいい女の人を見てもかわいいと思わなくなってしまったからかな」
ことり「どうして?」
よっしー「目の前の人のせいで目のハードルが上がったみたい」
ことりは理解できないという様子で歩いた、しかし4歩歩いた頃に理解したのか顔を真っ赤にさせ俺の腕をぽこぽこと叩く。
ことり「ばか!!!たらし!!!……花陽ちゃんにはそういうこと……言わない?」
ことりは上目遣いをして聞いてきた。
俺は首をすくめて言った。
よっしー「どうだろうね、よく喋るこの口のことだ。多分するっと滑って言ってしまうかもしれない」
ことり「やっぱりたらしだよ!よっしーは!」
叩く手を止めたと思いきや再び叩いてくる、忙しないな。
よっしー「まぁまぁ、そういえばこの公園の木もいつの間にか紅葉に染まってるな」
また叩く手を止める。どっちかにして欲しい、止める方で。
ことり「そうだね……気がつかなかったよ」
よっしー「時間が立つのは早いな」
ふう、とため息を付くと白い煙がふわっと舞い上がる。
嫌だ嫌だと叫んでも時は流れるし、いつかは俺も大人になるし、いつかは皆と別れるかもしれないし、会長もURを引くかもしれない。
俺はことりを誘った。
よっしー「このあとみんなに内緒でどこか寄って帰る?」
ことり「いいね!喫茶店でも寄ってパフェ食べよ!」
ことりはたたたっと走って行く。俺は後ろを振り向いた。当たり前のようだが俺達は後ろにもういない。
ことり「どうしたのよっしー!置いてっちゃうよー!」
前に振り返り急いで俺は走る。
木漏れ日が自分を突き刺してくる。何故だか俺は一瞬切なさを覚えた。
ある曲をテーマに書いてみました。