窓を眺めるとパラパラと雨が降っていた。どうりで肌寒い訳だ。炬燵の中でみかんを剥きながらまったりTVを見ていた。こんな日はなにもやる気が無くなる。元からやる気が無いって?その通りだから困る。
対角線上にいる会長も多分同じ事を考えているだろう、それとも凛と外で遊べないな、とかぼんやり考えているのだろうか、何にせよ会長の食べているせんべい美味しそうだな、後で俺のみかんと交換してもらおう。
そんな時不覚を突くように玄関から声が届いた。
?「ただいまー!」
穂乃果と同じ位の底無しの元気が伝わってくるような返事が届いた。この声は凛だな。
茶の間に入るドアが静かに開けられた。予想が当たったようで振り向くと凛がいた。
よっしー「凛、おかえ……り」
言い終わると俺はすぐさまTVに視線を戻す。会長もTVに夢中になってたのか今気付いたらしく凛に声をかけた。
会長「お、凛おかえ……」
会長に至っては言い終わりもせずに凛から視線を離した。わかるぞ、その気持ち。
凛「なんで二人ともこっち見てすぐ違うとこ見るんだろ?」
見てないから分からないがおそらくきょとんとした顔で呟いただろう。
凛「ねーねー会長、なんでこっち見ないの?」
凛はとことこと会長の傍に座り込んで肩をゆさゆさと揺らした。会長は嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしていた。
会長「うーん、なんて言えばいいのかな……ねえ、よっしー?」
よっしー「やだよ、自分で考えなよ」
関わると変態扱いされそうなので見捨てた。薄情?何とでも言うがいい、ことりと花陽に白い目見られたくないからな。
凛「むー、男2人でこそこそと……教えないと……こうにゃー!」
背中からがばっと会長が抱き着かれた。おかげで会長の背中はびしょ濡れになった。あーあ、可哀想に、いや、むしろ羨ましいな。
花陽「凛ちゃん……雨で服が濡れて……透けてるよ」
いつの間にか部屋に入っていた花陽が凛に伝えた。
凛「え?そんなはずー……あるの?」
こっちに振り向いて凛が聞いた。俺に聞くな、見てる方が恥ずかしくなる。
無言を肯定と受け取ったのかみるみるうちに凛の顔が赤くなっていった、うわあ、恥ずかしそう。
俺はさり気なく用意したバスタオルを凛に渡す。
よっしー「ほら、風邪ひかないように風呂入ってきな」
俺の顔を見ずにたたたたっと走ってバスタオルを受け取り風呂場に向かった。あれ、そう言えば会長は……だめだこりゃ。
ほだされた様子の会長が寝転んでいた。まともになるのは何時間後だろうか。
雨はまだ止みそうにない。次に帰ってくるのは誰だろう。そう思いながら俺は手元にバスタオルを何枚か用意していた。
雨に濡れて透けているのってついつい目がそっちに行っちゃうよね。