宙を目指して   作:サイダーマン3号

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これが新たな怪文書
支離滅裂でも許してくれ


『いろいろな人にだよ』

「『まったく』『なんのためだなんて』『みんな大人のくせに』『的外れだよねえ』」

 

生暖かい風の様な、とにかくヌメッとしていている様な気持ち悪い感触の声が聞こえる。

 

「『人間は無意味に生まれて』『無関係に生きて』『無価値に死ぬに決まってるのにさ』

『きみ達もそう思うだろう?』『えーと』『めだかちゃんと』『八角ちゃん』」

 

僕の座る長椅子の左端に座る人物から、まるで呪いの言葉の様な言葉が、僕と長椅子の中ほどの人物に掛けられる。

 

皆さんお察しの通り、長椅子に座っている人物とは裸エプロン先輩こと「球磨川禊」と主人公「黒神めだか」だ。

 

では何故僕がこんな「異常性(アブノーマル)」と「過負荷(マイナス)」の近くに居るのか?

その理由は昨日の夕飯時まで遡る。(ホワンホワンホワン)

 

 

@  @  @

 

 

「八角、明日は大きい病院行くわよ」

 

母親から死刑宣告が下る。

 

嫌だ……嫌だ……!

注射コワイ……鼻に綿棒入れるインフル検査コワイ……!!

 

「ゆ、許してください……!注射は嫌だ……!インフル検査は嫌だ……!

 父さんからも言ってよ!病院はやめようって!」

「と、父さんに言われても……!

 母さんに文句なんて言ったら父さん明日から一週間の間、夕食が濡れ段ボールになっちゃうよ!」

 

そうだった忘れていた!

家族内カースト最下位で許された行動は労働・家族を愛する事・趣味のスイーツ巡りのみの父さんが、この家の絶対支配者()たる母に意見が出来るわけがない!

 

一応弁明しておくと、母は父が嫌いなわけではない。

何なら吐き気を催すほどに甘々ラブラブだ。

 

「大丈夫よ八角、注射でもインフル検査でもないわ。

 ただ、八角がどんな子なのか知る為に、ちょっとだけお医者さんとお話ししてもらうだけ。」

 

なんだ、注射でもインフル検査でも無いのか安心だな。

 

 

@  @  @

 

 

――という事で、油断してホイホイ着いて行った僕は、まんまとこの箱庭総合病院へと来てしまったのだ。

 

「『おーい』『聞こえてるかい八角ちゃん?』」

「あーごめん、ボーッとしてたよ。

 それで、何の話だっけ?」

「『君は』『色んな人間に』『似てるよねって話だよ!』」

 

似てる?誰が?僕が?それも色んな人間に?

もしかして:「観察(ウォッチャー)」の効果?

 

「よく分かんないけど、具体的にどんな人に似てると思う?」

「『そりゃあもう』『ここに居るめだかちゃんや』『そこに居る看護師さん』『他にも僕とか』『いろいろな人にだよ』」

 

そんなにいろんな人に似てるのか?

だとすると、両親がこの病院に僕を連れてきたのも、僕が色んな人に似ている様に見えたからなのか?

まあ今は取り敢えず、この裸エプロン先輩との会話を早急に切り上げる事が重要だ。

 

「そっかー、それじゃあ!僕トイレに行くよ!」

「『まあまあ』『もう少しお話ししようよ』『トイレなんて』『少しぐらい我慢できるでしょ?』」

「いやいや、もう限界なんだ!ほら僕の顔を見てよ、青くなって脂汗も掻いてる!」

「『そうかな?』『僕には何の変哲もない』『健康な顔に――「球磨川くーん、五番検査室に入ってくれるー?」

 

やった、運命に勝った!

球磨川禊君、これで恐らく生徒会戦挙までは貴様とお別れだ!!ハハハ!!!!

 

「『僕の番だ』『まだ話していたかったの』『残念だなあ』」

「うん、それじゃあまた!」

 

何とか危機は去った。

よし、後は僕の名前が呼ばれるまでここで待機しておけばいい!

 

「六角川くーん、六番検査室に入ってねー」

 

お、早速順番が回ってきたぞ!

さっさと検査なぞ終わらせてしまおうじゃあないか。

 

「失礼します。六角川八角です、よろしくお願いします!」

「ああ、六角川くんだね?初めまして、僕は徳力 陸斗(トクリキ リクト)。さあ入って入って」

 

こうして、僕は六番検査室へ足を踏み入れた。

 

 

少女検査中…

 

 

「うん、調べてみた感じだけど、そこまで変わったところは無いね。

 だけど、一応暫くの間は通院してもらうことになるね。」

「分かりました、徳力先生。」

 

よし、「飛行少年(フライトボーイ)」と「観察(ウォッチャー)」については隠し通せたらしい。

 

「それにしても、八角くんってとっても賢いよね!

 よく人に言われない?」

「まあ、時々言われます」

 

言わせんなよ、恥ずかしいw

 

「でも、いくら頭が良くても出来る事は限られてるから、困った時はどんな事でも相談してね?

 それじゃあ、これからもよろしくね。八角くん」

 

話してて分かったが、良い人っぽいんだよな徳力先生は。

まあ過剰に警戒する必要はなさそうだな。気を抜くわけにも行かないが。

 

「はい、よろしくお願いします徳力先生。」

「うん、じゃあそろそろお別れの時間だ。

 君のお母さんは多分、別の先生とお話してると思うから、託児室の方で待っておいてね。」

 

母さんとお話し?僕に何か見つかった時に確保する為の方便でも話してるのか?

 

「分かりました!それじゃあさようなら」

「うん、さようなら八角くん」

 

こうして僕は六番検査室から外に出た。

 

さてと、取り敢えず託児室へ向かおう。

確かエレベーター前の広場に院内の案内版があったはずだ。

 

エレベーターはここから真っ直ぐ行って――お、あったあった。

何?託児所はここから右に曲がって真っ直ぐか。

 

現在地から右に曲がってそのまま真っ直ぐ行くと、目的の場所が見えてきた。

ここが託児室、そして奴らが――

 

「凄い、凄い凄いよ!他には!?他にはどんな事できるの!!?」

「ほ、他か?他は、そうだな……知恵の輪などはどうだ?」

 

主人公「黒神 めだか」とそれに着いていける普通(ノーマル)「人吉 善吉」

 

早速、接触と行こうか。

 

「何やってるんだい?」

「む、貴様は先程の……確か八角と言ったか?」

 

おっ、覚えてくれてたか、ちょっと嬉しいな。

 

「そう、僕は六角川八角!君は確かめだかちゃんだよね。で、そっちの君は?」

「僕は人吉善吉って言うんだ!よろしくね!」

 

うおッ!輝く笑顔が眩しすぎルッッ!!!

 

「貴様は何故この部屋に来たのだ?」

「いやぁ、お母さんがお医者さんとお話してるみたいだから、それが終わるまで待ってようと思って」

「そっか、なら僕達と一緒に遊ぼうよ!」

 

よっし来た!

 

「いいのかい?それじゃあ遠慮なく!」

 

これを機に、徐々にこの二人との関係を築き上げ、いずれは親友に、いや超親友(ブラザー)とも言えるような仲になってやろうじゃあないか。

楽しみだ、だんだん深い絆を築いていくと言うのはな。

 

「ならば大人数でできる遊び……ババ抜きなどどうだろうか?」

「いいね、早速やろうよ!」

「じゃあ僕がカードをシャッフルするよ」

 

これから、「黒神 めだか」の物語が広がっていくんだ、こんなに楽しみなことは無い。

 


 

そうさ、ここから既に物語は始まってるんだ。

主人公「黒神 めだか」と生徒会執行部が活躍する物語。その中には君も望むように「六角川八角」が存在してる。

「黒神 めだか」であり、「球磨川 禊」であり、「人吉 善吉」とも言える君がね。

期待してるぜ、六角川八角(飛行少年)くん。せいぜい主人公と頑張って張り合ってくれよ。

気が乗ったらまた応援しに来るぜ、それじゃっ。

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