全肯定合法ロリ娘の本性を誰も知らない 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
書いて♡書いて♡
わたしと真唯は親友か恋人かどちらが素晴らしいかを決めるために勝負していた……ハズなんだけどさ!三日連続で髪を下ろしてくるとかどういうこと!?恋人のターン長すぎない!?勝負になってないよ!
ちくしょう!完全に騙された!もう限界!
わたしは休み時間に真唯の腕を引っ張ってトイレに駆け込んだ。
「ちょっと真唯!いつになったら髪の毛結んできてくれるの!?ずっと真唯のターンじゃん!」
「おや、まだ三日しか経っていないがどうかしたのかい?」
「三日"も"!三日は"も"だよ!」
「しかし、君と友人だった期間の方がずっと長いだろう?少しくらいは恋人でいられる時間を増やしてもいいとは思わないか?」
ぐぬぬ、それはそうかもしれない……!いや違う違う!なんとなくそれっぽい言葉を並べてるだけ!それはそうかも、って思っちゃうわたしもわたしだよ!
「前までのは友達でしょ!わたし達がこれからなるのは親友だから!友人とは違うの!」
「ほう、それはどう違うんだい?」
「どうって……ま、真唯?」
なんか真唯がジリジリ近付いてきてるんですけど!?なんで!?ちょっ、背中が壁にっ
「れな子」
こ、腰に真唯の腕が!?顔がというか全身近い!!なんかいい匂いする!!顔面良っ!!
「ちょっ、ちょっと待って!タイム!」
「ふふ、ゲームとは違うこの現実にタイムなんて無いのさ。それに、これは君にとってもおかしいことではないハズだが」
「お、おかしいでしょ!ここ学校だし!誰か来たらどうするの!」
「さあ、むしろ見せつけてあげたらどうかな」
「バカなの!?」
ホントに何言ってんの!?真唯がわたしの腰に手を回して抱き寄せてるところとか誰かにバレたらもうおしまいだよ!変な噂が流れたらもう今まで通りにはいかなくなっちゃう!わたしの理想の学生生活が遠のく!
「れな子、君は自分の言動が矛盾していることに気付いているのかい?」
「矛盾?」
「私がこうしてれな子を抱き寄せるのは君の言う親友が行う行為として適していると思っているのだが、違うのかい?」
「違うよ!?というか真唯髪下ろしてるし!絶対親友とか関係ないじゃん!」
顔が赤くなってるのを自覚しながらも、なんとか真唯から距離を取ろうと肩をグイグイと両手で押す。でも真唯の体は全然離れなくて、ふと真唯の顔を見上げると真唯は目を細めてわたしを見据えていた。
「ま、真唯……?」
「親友という関係がこうしたスキンシップをするには適さないと言うのなら、君と美羽の関係はなんて言うんだい?君はよく美羽を抱きしめたりするじゃないか」
「ん……?」
んんんん?なんで美羽ちゃん?あれ、これって……
「もしかして、美羽ちゃんに嫉妬してるの……?」
「……」
黙っちゃった。ということは、図星?本当に嫉妬してたの?あの真唯が?あの完璧超人が?
なんだ、結構かわいいとこあるじゃん。ちょっとだけ親近感が湧いたような、そうでもないような……まあ?やられっぱなしなのも癪だし?少しくらいあの王塚真唯に仕返ししてもいいよね?
「えー、真唯にもかわいいとこあるじゃーん!わたしが美羽ちゃんと仲が良くて嫉妬しちゃったんだ?へ〜!かわい〜!」
「……ふふ、ふふふふふ」
怖っ!不気味な笑い方するのやめて!?なんか目が笑ってない!
「じ、冗談だって!冗談!お茶目なれな子ジョーク!」
「思いを込めた告白を保留され、あまつさえその間に他の女の子と仲良くくっついている様子を見せられていた私の気持ちを君は考えたことがあるかい?」
耳が痛い!すごく痛い!
「あ、あはは、その節はどうも……ご迷惑を……」
「れな子、無知は罪なんだよ。今からそれを理解できるまで教えてあげようか」
「ひぇっ……」
助けて美羽ちゃん!わたし多分虎の尾を踏んだ!
はぁ、調子乗っていらないことしたかも……というかわたしなんかが調子に乗ったらロクなことにならないことくらい考えれば分かるのに。
トボトボと教室の自分の席に戻ると、わたしの前の席で二人仲良く談笑してた紫陽花さんと美羽ちゃんがわたしに気付いてこっちを向いた。
「あ、れなちゃんおかえりなさい」
「れなちゃんおかえり〜」
「ただいま〜」
うーん、天使が二人もいる。癒されるぅ。
「最近のれなちゃん、真唯ちゃんと二人でいること多いよね。すごいなぁ。なにか真唯ちゃんと仲良くなるコツとかあるのかな?」
「こ、コツ?えー、と……」
「あったら私にも教えてほしいな」
うっ、なんでそんな純粋な目でわたしのことを見るの!?知らない間に好かれてましたとか言えないよ!でもこの状態の紫陽花さんに嘘をつくのもムリ!後でバレたらなんて言われるか!
『へぇ、甘織さんってそういう人だったんだ。もう話しかけないでくれる?』
ぐあああああ!!闇陽花さんが!!わたしの中のイマジナリー闇陽花さんがわたしのことを冷たい目で見下ろしてくる!!違う!!紫陽花さんはそんなこと言わない!!言わない、ハズ!!
「れなちゃん?」
「そ、そう、この間二人でお出かけしたときに意気投合した、みたいな?ほら、やっぱり一緒に遊べば距離が縮まるといいますか仲良くなれるといいますか」
う、嘘はついてないよ。この間真唯にプールまで連行されたし?一緒に遊べば仲良くなれるっていうのも一般論だし?だから大丈夫。わたしは生き延びた。
「ほう、れな子は私と意気投合してくれていたのか。それは嬉しいね。確かに以前よりも仲が深まった気がするよ」
「まっ、お、王塚さん!?」
なんで後ろにいるの!?さっき別れたのにおかしいじゃん!!神出鬼没すぎる!!
「私も真唯ちゃんともっと仲良くなりたいな。今度一緒にお出かけしたいんだけど、いいかな?」
「いいなぁ、私もお出かけ一緒に行きたい」
「ああ。今度は紫陽花も美羽も、もちろん紗月や香穂も含めてみんなで遊びに行こうか。私もみんなと親交を深めたいと考えているからね」
そう言いながら私の肩に手を置くなぁ!!
「な、れな子」
「ピェッ……」
なんで顔を覗き込むようにしながら名前を呼ぶんだぁ……!この、顔面と声が良いことを利用しやがってぇ……!
「ふふ、れなちゃん顔真っ赤だよ」
そういうことは分かってても言わないんだよ美羽ちゃん!!フレネミー!?フレネミーなの美羽ちゃん!?なんかいい笑顔してるし!!
「二人とも仲良しさんだね」
「ね〜」
天使二人のやり取りが目の前で行われているはずなのにすごく遠く感じる!!対岸の火事の火事側ってこういう感じなんだね!!わたしもそっち行きたい!!机一個挟んだ向こう側がどうしてこんなに遠いんだ!!
「ねえねえ紫陽花ちゃん、みんなと遊びに行くならどこがいいかなぁ」
「うーん、やっぱり遊園地とか大きなショッピングモールとかかな?夏なら海とかプールも良さそうだよね」
「折角だから思いついたやつ全部行っちゃう?みんなと行ったら絶対楽しいよ」
「うんうん、美羽ちゃんは天才さんだね〜」
「いっぱい褒めてもいいんだよ?ほらほら」
そう言いながら美羽ちゃんは紫陽花さんに向けて少し頭を下げて、上目遣いをしている。わたしの幼馴染かわいすぎでは????
そんな美羽ちゃんを前に紫陽花さんは柔らかく笑って、差し出された頭にそっと手を乗せた。
「ふふふ、おねだり上手な美羽ちゃんのお望みはこの紫陽花さんが叶えてあげましょう。よーしよしよし」
「わーい、紫陽花ちゃんのナデナデだ〜」
ほほう、なんて素晴らしい景色なのでしょう。天使と天使が戯れてるよ。心のオアシス。炎に包まれて今にも焼け死にそうなわたしの心を救ってくれる。救われたそばからまた燃えだすけど。萌えだけに。
すると、真唯は二人の意識が私達から逸れているのを理解してからわたしの方に顔を近づけて囁いた。
「どうやら紫陽花が言うには私達は仲良しさんらしい。れな子、これは親友っぽいことができているということでいいのではないかな?」
「よくないけど!?」
「それは残念だ。どうやら私にはれな子の言う親友という距離感が掴めないらしい」
だからって何してもいいって訳じゃないからね!?免罪符じゃないからね!?
「……」
「王塚さん……?」
急に黙り込んでどうしたんだろう。
「……れな子にとって美羽は親友かい?」
「なに?どうしたの?もちろんそうだけど……。わたし、美羽ちゃんといっちばん仲が良いんだからね。ずっと一緒にいたし、わたしの自慢の幼馴染だよ。またなにか――」
美羽ちゃんに嫉妬してるの?
なんて、そう言おうとしてわたしは口を閉じた。わたしを見据える真唯の表情がいつもの余裕のある笑みではなかったから。やけに真剣な表情をする真唯の瞳から目が離せなかった。
「れな子は本当にただの親友として見ているのか?私に対して提示する親友像は、果たして美羽に向ける感情と同じなのか?」
「え……?」
真唯の言っていることが分からなかった。親友は親友じゃないの?わたし、なにか間違ってる?
でも、どうしてかわたしはその場でソレを言うことができなかった。
少し視線を横にズラせば、今も紫陽花さんと仲良く戯れ合っている美羽ちゃんがいる。ふとこちらを向いた美羽ちゃんとパチリと視線がぶつかった。
「れなちゃん、れなちゃんはみんなとどこに遊びに行きたい?」
……。
「れな子」
「あ、そっ、そうだなぁ、わたしはみんなと遊べるならどこでも大丈夫かな」
「真唯ちゃんは?」
「ふむ、そうだね。どうせなら王塚グループの所有する施設を貸し切っても面白そうだ。特別な時間を提供できるよ」
「えーすごーい!」
「真唯ちゃんってやっぱりすごいなぁ」
いつの間にか真唯はいつも通りに戻ってた。紫陽花さんと美羽ちゃんと仲良く談笑している。わたしはそれを眺めながら、真唯の言葉を頭の中で反芻していた。
幼少期からずっと、辛く苦しかった中学の暗黒期も、勇気を持って一歩踏み出した高校デビューも、大変な思いをしながら陽キャとして頑張っている今も、何をするにも隣にいてくれてありのままの自分を受け入れてくれる幼馴染。
うん。