本当の「光」を取り戻し、世界と手を取り合ったカイの前に、これまでの怪獣とは一線を画す、史上最悪の「闇」が姿を現します。
それは、かつて別次元の歴史で最強の闇と謳われた黒き巨人。
トリガーダークの襲来です。
1. 予兆:黒い雨と静寂
G.U.A.R.D.の観測網が、次元の歪みを検知しました。
東京の上空に、どす黒い渦が発生し、そこから降り注ぐ「黒い雨」が街の機能を停止させます。
「カイ、来るわよ! 今までの怪獣とはエネルギーの質が違いすぎる!」
本部の通信と同時に、空を裂いて漆黒の巨人が地上へ激突しました。
トリガーダーク。
装飾の施された禍々しい鎧、虚無を宿した瞳。その巨人は、現れるなり言葉も発さず、ただ圧倒的な威圧感でそこに立ち尽くしました。
2. 激突:希望の光 vs 太古の闇
「みんなを、もう傷つけさせない!」
カイはオーブリングを掲げ、迷わず変身しました。
『ウルトラマン!』『ウルトラマンティガ!』
『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン!』
まばゆい光と共に現れたオーブは、先手必勝とばかりにスペリオン光線を放ちます。しかし、トリガーダークはそれを片手で、まるで霧を払うかのように打ち消しました。
「……っ!?」
次の瞬間、トリガーダークが音速を超えて肉薄します。
重く鋭い一撃。スペシウムゼペリオンの防御は紙細工のように弾かれ、オーブは数キロ先まで吹き飛ばされ、高層ビルを何棟も貫通して倒れ伏しました。
3. 圧倒的な敗北
「ガ……ッ、あぁ……!」
立ち上がろうとするオーブの首を、トリガーダークの剛腕が掴み上げます。
オーブは必死に反撃を試みますが、トリガーダークはオーブの胸のカラータイマーを無造作に握りつぶそうとするかのように力を込めました。
その圧倒的な「闇の質量」を前に、カイは初めて心の底から恐怖しました。
サンダーブレスターの時に自分が振るっていた暴力さえも、この巨人の前では子供の火遊びに過ぎない。
トリガーダークは、苦悶するオーブを冷たく見下ろすと、闇のエネルギーを纏った必殺技『ダークゼペリオン光線』を零距離で放ちました。
「うあああああああああッ!!」
爆発。オーブの光が霧散し、変身が強制解除されます。
空中に投げ出されたカイは、薄れゆく意識の中で、自分の手が届かないほど遠くへ飛ばされていくオーブリングを見つめていました。
4. 2ちゃんねる(実況スレ)の絶望
101 名無しの特撮: 嘘だろ……。
105 名無しの特撮: あのオーブが、一歩も動けずに負けた。
110 名無しの特撮: 何なんだよあの黒いウルトラマン。トリガーダーク……? ティガに似てるけど、邪悪すぎる。
120 名無しの特撮: オーブリングが……壊れたか? 飛ばされたぞ。
130 名無しの特撮: カイ君! 誰か、誰かあの子を助けてくれ!!
5. 円谷プロ・G.U.A.R.D.の沈黙
円谷プロの会議室では、設定担当が震える指で資料をめくっていました。
「ダメだ……。トリガーダークは、光に目覚める前の『純粋な闇』そのもの。今の、守ることで精一杯のオーブでは、あの深淵には勝てない……!」
G.U.A.R.D.の迎撃部隊も全滅。
東京の空を支配するのは、無機質な闇の巨人の影。
カイは瓦礫の中で、指一本動かせない体で空を仰ぎました。
目の前で、トリガーダークが再び歩みを進めます。その先には、避難しきれなかった人々、そしてカイの家族が暮らすシェルターがありました。
「……ま、待て……まだ……僕は……」
カイの意識が途切れる寸前、闇に包まれた空から、聞き覚えのある「風の音」が聞こえてきました。
オーブリングを失い、最強の闇に敗北した少年。
しかし、この絶望が、さらなる「新たな絆」を呼ぼうとしていました。