「こんな世界……全部、全部壊してやる! 僕と同じ暗闇に沈めてやるんだ!!」
ダークザギ(闇のカイ)が究極の破壊光線『ライトニング・ザギ』をチャージし、世界を終わらせようとしたその瞬間でした。
1. 聖域:ザギのインナースペース
ザギの荒れ狂う精神の深淵――。そこは、色が失われ、凍りつくような冷気が支配する虚無の世界でした。
しかし、その中心に、ありえないはずの「温もり」が灯りました。
「……カイ。もう、頑張らなくていいのよ」
聞き覚えのある、優しく穏やかな声。
ザギのインナースペースに現れたのは、あの日失ったはずの、死んでしまったお母さんと、大好きだった弟でした。
「お兄ちゃん、もう泣かないで。僕たちなら、ここにいるよ」
「……うそだ……うそだ!! 君たちは死んだんだ! 僕を守るために、冷たくなったんだ!!」
闇のカイは狂ったように叫びますが、二人は迷わず、漆黒の闇を纏った彼に歩み寄り、そのボロボロになった心を、優しく、強く、抱きしめました。
2. 決壊:神の涙
「……あ……あぁ……っ」
二人の腕の温もりが、ザギの硬い鎧を溶かすように伝わってきました。
自分が一番欲しかったもの。世界を滅ぼしてでも取り戻したかった、ただの「日常」。
その瞬間、ザギのインナースペースで、闇のカイは子供のように声を上げて泣き出しました。
「ごめんね……っ! 寂しかった……! 羨ましかったんだ! 他の誰かが笑ってるのが、耐えられなかったんだ!!」
その慟哭、その激しすぎる後悔、そして家族への執着心が、テレパシーとなって全人類の脳内に直接流れ込みました。
3. 実況スレ:涙の海
世界中の人々が、ザギの「本当の声」を聞きました。
501 名無しの特撮:
待って……涙が止まらない。
カイ君、あんなに、あんなに寂しかったのかよ。
505 名無しの特撮:
「羨ましかった」って……。自分のせいで死なせたって、ずっと自分を責めてたんだ。
ザギの姿はあんなに怖いのに、聞こえるのはただの子供の泣き声だ。
510 名無しの特撮:
病院のシェルターで死んだ家族の幽霊……じゃない、カイ君の心の中に残ってた「愛の記憶」があいつを抱きしめてる。
520 名無しの特撮:
全人類が今、一人の少年の「後悔」を共有してる。
誰も彼を責められない。誰だって、あんなに愛してたら、狂っちまうよ……。
530 名無しの特撮:
カイ……! もういいんだ!
誰も君を責めてない。世界が君を許すから、君も自分を許してやってくれ!!
540 名無しの特撮:
スレの勢いが速すぎて読めないけど、みんな泣いてるのだけはわかる。
こんなに悲しい決戦があるかよ。