TFO 〜transformer onlin〜 作:暁司令官
SAOに閉じ込められて2年余り、キリト達はついにSAOをクリアした。
現実に戻った彼らを待ち受けていたのは検査とリハビリの日々であった。
そして晴れてキリト……いや、和人は久しぶりに実家に帰っていた。
部屋の机に置かれたパソコンに向かって何やら作業をしている様子だった。パソコンの先には『ナーヴギア』が接続されておりそれに関する事らしい。
セイバー「しかしまさか…短期間でここまでやるようになるとはな」
キリト『当然さ』
彼を通してその様子を見ていたセイバーとコンボイはキリトに話しかけた。両者達のやり取りが外部の者に聞かれて不審がられないよう思考でキリトはやり取りしていた。
コンボイ「あのユイという少女が君にそこまでさせるとは…にわかには考えられんな…」
セイバー「人間の…親と子という関係だからではないのですか?」
コンボイ「だが彼とユイは血は繋がっていない。どちらかと言えば養子だ。何故…?」
キリト『アンタ達トランスフォーマーにそういうのって無いのか?』
セイバー「いや…無いな。我々は余程の事がない限りは半永久的に生き続けられる身体だからな。種族を次の世代に託す…というのは」
キリト『じゃあ血の繋がった家族やそういうのも…』
コンボイ「目にした事は何度もある。だが今一つ実感が湧かないというか……」
セイバー「流石に未経験の事を感じろと言われても…」
キリト『……』
コンボイ「だが……そうさせるのはやはり"愛"という感情があるからか」
キリト『………あぁ。絶対にもう一度アスナとユイとストレア。4人で暮らせるように……!』
そのタイミングで妹の直葉から呼ばれてキリトは2人とのやり取りを一度やめた。
コンボイ「彼の未来が楽しみだな」
セイバー「えぇ。彼らが思い描く未来、見てみたくなりました」
2人がキリトに対して仄かな期待を膨らませる中、コンボイはふとある事を思い出した。
コンボイ「そういえば、セイバー。我々がこの現実に来た時なんだが…君も感じたか
セイバー「……えぇ」
(アレ……ここ何処…?)
彼女が目を覚ましたのは何も無い、辺り一面が灰色の空間で目を覚ました。彼女は瞬時にそこが夢の中である事を察した。
手足に力は入らない。不思議な浮遊感に包まれた身体を預けたまましばらくボーっとしていた。
ふと気がつくと目の前に黒い物体が彼女を飲み込もうと近づいてきていた。
(イヤ……怖い……助けて……!)
もがこうとしてもやっぱり力が入らない。
触手が伸びて彼女を掴もうとしたが直前でそれは止められた。
触手は突如現れた白く輝く巨人が握り締め、少女を守るように目の前に立った。闇は再び無数の触手を伸ばすが無理矢理防いで弾き返した何本かが巻き付いたが巨人は逆にそれを手繰り寄せるように近づき、闇に対して一方的に嬲り始めた。
唖然とする彼女の方を振り返り、安心しろと言ってるかのように優しく頷くと
場面は変わり、横浜総合病院の外。
雪の降る夜空に浮かぶ半透明のトランスフォーマーがここにもいた。
「俺は……何をしているんだ………」
パワードマスター:ダイアトラスは己の掌を見て呟いた。
ダイアトラス「何故……何故あの二人を俺は……見ず知らずの姉妹を俺は助けようと………?」
己がやった行動に疑問をぶつける。
彼がこの地球に降り立って初めて目にしたのはこの病院で寝たきりになっていたある姉妹だった。
この世界では未だに不治の病に身体を蝕まれていた。
彼はそれを見て考えるよりも先に身体を動かし、己のスパークの力を使いその病を打ち消さんとしていた。
ダイアトラス「俺は……一体…どうしてしまったんだ……」
拳を握り天を仰いだダイアトラス。
2月も半ばなのに東京の夜空は冬空だった。