女子力の低いアストレア・ファミリア&転生ラディッツ 作:色々残念
エルフは森が故郷であることが多く、種族の名称として妖精と呼ばれることもある。
アストレア・ファミリアでは1番新人なリュー・リオンは、エルフであり、森の妖精と呼ばれてもおかしくはない整った容姿をしているが、実際は妖精とは程遠い。
リオンは森の妖精よりかは森の賢者が相応しく、何事も暴力で解決するゴリラというか、ゴリラ・ゴリラ・ゴリラみたいな感じだ。
精神力を消費して攻撃の威力を上げるスキルに目覚めてからは、もうバスターゴリラと呼ばれても違和感がないリオン。
今日も元気にゴリってるリオンは、アストレア・ファミリアとして活動し、悪党を倒してきたそうだ。
基本的な攻撃方法が木刀でボコることなリオンは、少々やり過ぎてしまったようで、輝夜に「やり過ぎだ馬鹿め」と怒られたり、ライラに「もうちょっと上手くやれよ」と叱られていたな。
ちなみにアストレア・ファミリア団長のアリーゼは「リオンは何事も一生懸命ね」と少しズレたことを言って、他のアストレア・ファミリアの面々から呆れられていた。
そんな一幕があったアストレア・ファミリアのホームを出た俺は、妖魔と呼ばれるアレな姉妹に追われて逃げていたヘグニと遭遇。
エルフとダークエルフの姉妹であるディース姉妹から逃走中だったヘグニは「ラディッツ!助けて!」と普通に助けを求めてくる。
俺と話す時は普通に喋る友人のヘグニは弱くはないが、レベルが同格であるディース姉妹2人を同時に相手できる程、圧倒的に強い訳ではない。
妖精ではなく妖魔と呼ばれるようなディース姉妹は、病んではいるがヤンデレではなく、メンヘラなサイコパスという表現が合っていそうだ。
そんなメンヘラサイコパスクレイジー姉妹にターゲットロックオンされている可哀想なヘグニは、現在俺の背後に隠れており、完全に俺を盾にしていた。
「おれに着いてこないで帰ってくれよ!」
ヘグニのその言葉を聞いただけで、素直に帰るような存在ではないディース姉妹。
「ヘグニはわたし達共通の夫だから一緒に居るのが当然じゃない」
「そうよ、逃げるヘグニがおかしいわ」
なんてことを言ってきたディース姉妹に、ドン引きした顔を見せていたヘグニ。
「夫じゃないから!おれは独身だから!結婚するとしてもお前らだけは絶対に選ばないから!」
ヘグニの渾身の叫びには、絶対に嫌だという気持ちが確かに込められていた。
「照れてるのねヘグニ」
「そんなところも可愛くて愛しいわヘグニ」
「「だからわたし達の愛の巣に、ヘグニも一緒に帰りましょう?」」
最後は姉妹で声を揃えてそんなことを言い出すディース姉妹。
話が通じないディース姉妹は、ヘグニを諦めるつもりは全くない。
「お前らと結婚する位なら、ラディッツと結婚した方が幸せになれそうだよ!」
しかし、ヘグニのその言葉はディース姉妹にとって無視できる言葉ではなかったようだ。
「同性愛はいけないわ!非生産的よ!」
などと言い出す姉のディナは、生まれたてのバンビのように膝がガクガクと震えていて滅茶苦茶動揺している。
「あっあっああ!ヘグニがラディッツに寝取られて!脳が!わたしの脳が破壊される!」
悶え始めた妹のヴェナは、唐突な寝取られによって脳が破壊されてしまっているらしい。
何を言ってもノーダメージだったディース姉妹に、ダメージを与えられる言葉に気付いたヘグニは止まらなかった。
「おれはもうラディッツとあんなことやこんなこともしてるんだ!」
俺の背後に隠れながらそう言い放つヘグニ。
「「あんなことやこんなことやそんなこともですって!」」
凄まじく衝撃を受けたような顔で、同じことを言っていたディース姉妹。
「いや、そんなことはしてないぞ」
一応俺はそう言ったが、ディース姉妹は聞いちゃいなかったな。
「ど、どうせ身体だけの関係でしょう!」
「そ、そうよ!そうに違いないわ!」
とてつもなく動揺して声を震わせているディース姉妹は、明らかに正気ではない。
そんなディース姉妹に、トドメを刺すようにヘグニは口を開く。
「失礼だな、純愛だよ」
ノリノリでそんなことを言ったヘグニによって、精神的なダメージが限界が越えた様子のディース姉妹は倒れて動かなくなった。
そういえば友人のヘグニには、気に入るかと思って呪術廻戦の話を教えたりしていたが、まさかここでその台詞を使うとはな。
まあ、ディース姉妹には効果的だったみたいだが、俺の風評がとんでもないことになりそうだ。
それからガネーシャ・ファミリアを呼び、牢屋に闇派閥のディース姉妹をぶち込んでもらっておいたが、これでしばらくは大丈夫だろう。
後日、神々の間でヘグニが言った「失礼だな、純愛だよ」が若干流行ったり、ワクワクしていた女神フレイヤから「ヘグニとはどんな関係なのかしら」と聞かれたりもした。
とりあえずヘグニとはただの友人であると説明し、ディース姉妹に追いかけられていたヘグニが口からでまかせを言っただけだと正直に報告しておくと「そうなのね」と、残念そうな顔をしていた女神フレイヤ。
「せっかくうちの子に春が来たのかと思っていたのだけれど」
なんてことを言っていた女神フレイヤは、ヘグニが本当に俺と付き合っていたら祝福するつもりだったらしい。
今度ヘグニに会ったら、1発殴っておいても良さそうな気がするな。
ちなみにこの世界のヘディンはディース姉妹をヘグニだけに押し付けることに成功したようです