転生してイージーモード!   作:ハニラビ

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書きなさい!好きに小説を書きなさい!!展開を考えるのが難しいって言うなら好きなシーンだけ書きなさい!
ということで小学生はもうオシマイダー‼︎(基本的に投稿は休みの日くらいしか出来ません、時間が足りません……。)



小学生の時の記憶ってもう残ってないよね。

 

 小学校六年生になってもまだ琴音と女子たちとの対立は続いたままだった。

 このチートスペックの身体で挽回しようと思えばいくらでも出来たことではあるけれど、急にイメチェンしたみたいになりそうでいやだったのだ。

 

 イジメ自体は無視か悪口が聞こえてくるくらいに留まっていたからこそ耐えを選んでいた。というか、自分から話しかけることも出来ない受け身で、いざ話しかけられたらそれはそれでまともに受け答えも出来ない自分にも非があると感じていたからでもある。

 社会人としての経験から出来ないままでいることが許されないのはよく知っている。

 

 それはそれとして人生2周目なのにそれを活かせないのは残念の一言だ。経験値もリセットされたんか?

 

 

 とはいえ、もう小学生も終わりで卒業も間近だ。

 

 

 だから小学校卒業式前日、琴音は仕掛けた。

 

 

 イジメっ子のリーダー格である西園寺玲奈を校舎裏に呼び出したのだ。

 イジメ加害者であることを逆手に取って一人来るようにと手紙で呼び出した。

 

 

 ただ恨んでいるとかではなく、ちょっとした意趣返しのつもりだった。どうせ卒業するのだから最後くらいは許されるだろうと。

 

 

 放課後、校舎裏にイジメっ子のリーダー格的存在であった玲奈を呼び出した。彼女はちゃんと一人で来ていた。

 

 

 

「……九条?この手紙、アンタが書いたの。」

「そうだよ、ちゃんと来てくれて良かった。こうやって一度くらいちゃんと話したかったからね。」

「脅して呼び出しておいて……。?アンタ……、本当に九条?」

 

 

 いつにもましてスラスラと言葉を紡ぐ九条琴音に玲奈は戸惑いを見せた。

 それに纏っている雰囲気も何処か違ってみえる。

 

 

 

「あんなにわたしに執着してたのに、……分からないの?」

 

 

 

 琴音は転生に際して得ていた『何にでも適応する身体』を活用して『性格イケイケ女子』を演じているのだった。演技することに完全に適応したこの身体であれば、この程度お茶の子さいさいだった。

 

 そう、琴音の選んだ意趣返しは神様スペックゴリ押しでびっくりさせてやろうというものだった。

 

 

 

 琴音は迷いなく玲奈へと近づいていく。玲奈は無意識に後退りした。しかし、背後には校舎の壁があり、それ以上は下がれなかった。

 

 

 

「な……なによ。」

 

 

 

 二人の距離はやがて手を伸ばせば触れ合えるくらいまで近づいた。玲奈は琴音へと視線を向ける。

 普段こうしてお互いが立って向かい合う事がなかったから分からなかったが、琴音の方が身長が高く玲奈は見下ろされる感覚に慣れなかった。

 

 

 

 琴音は何も答えず前髪に手をかけ、すっと横にずらした。

 

 

 

 隠れていた美貌があらわになる。その瞳は宝石のように澄みながら、どこか底知れず、見つめ返す者の心の奥を容易く暴いてしまいそうだった。

 

 前髪が完全に退いた瞬間、そこにあったのは「美しい」という言葉だけでは到底足りない顔だった。

 均衡のとれすぎた造形、白磁のような肌、息を呑むほどの美貌。

 

 

 玲奈は突然のことに言葉を失った。その瞬間をついて琴音は逃げ道を塞ぐ位置に勢いよく片手をついた。

 

 

ーーードン

 

 

 壁ドンだ。頭を少し動かしただけで触れ合ってしまいそうな距離で琴音は蕩けるような声でささやく。

 

 

 

「……わたしさ。」

 

 

 

「ずっと、玲奈のこと見てたよ。」

 

 

 

 玲奈の心臓が目に見えて跳ねた。

 

 

 

「……ぇ?」

 

 

 琴音は少しだけ、困ったような笑みを見せながら言葉を続けた。

 

 

 

「リーダーで、強くて、みんなを引っ張ってて……。」

 

 

 

「……正直、すごいと思ってたよ。」

 

 

 

 イジメっ子のリーダーとイジメられっ子という関係。この会話だけを聞いていればそんな関係とは少しも思わないことだろう。

 玲奈の脳が追いつかない。まるで情報が途切れずに浴びせ続けられているみたいだった。実際は神造兵器(顔面)でゴリ押しているだけである。

 

 

 

「……なに、それ。」

 

 

 

 

「でも。」

 

 

 

 琴音は真剣な表情で言う。

 

 

 

「その強さ、……わたしに向ける必要はなかったでしょ。」

 

 

 

「ぁ……、その……。」

 

 

 

 玲奈の喉が鳴る。言葉は強いが、声色はどこか優しく責めるものではなかった。

 

 

 

 琴音は少しだけ玲奈から距離を離した。思わず玲奈は琴音に向かって手を伸ばそうとした。寸前で気づいて押し止まる。直ぐ側にいたからか琴音の体温がまだ残っているかのようだった。

 

 

 

「安心して、わたしは仕返ししないよ。手紙に書いてあることも気にしないで、二人っきりで話したかっただけだから。」

 

 

 

 玲奈の感情を知ってか、知らずかもう一度琴音は玲奈へと近づいた。俯き気味だった玲奈の顎をくいっと持ち上げ目線を無理矢理合わせた。

 

 

 

「玲奈が本当は弱い女の子だって知ってるから。」

「……な、なんの……こと。」

 

 

 

「怖かったんでしょ、……わたしが何も言わないの。」

 

 

 琴音は視線を逸らし、玲奈から手を離すと。すっと前髪を戻した。

 

 

 

「……もう終わりにしよ。」

 

 

 

 

「卒業だし。」

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 琴音は身体に任せていたコントロールを解除してやりとりを反芻した。

 

 

(壁ドン、顎クイ……!?イケメンのみに許された技じゃなかったのか!割といい雰囲気になってたし(錯覚)、もしかして女の子にモテる可能性ってあるのか!?)

 

 

 完全オートで動いていたからこそ琴音の意思はそこに介入していない。

 だからあの行動をしていた時、琴音は内心で羞恥心に悶えていた。容姿がずば抜けていいことを理解していなかったら心肺停止していたことだろう。

 

 

(いや、あれを実際にやれって言われても出来ないし……、今みたいに全部身体に任せたてたらゲームのストーリーでも眺めているみたいになっちゃうし……やっぱり、無理……。)

 

 

 人知れずダメージを受けた琴音は意気消沈しながら帰宅した。何がしたかったんだこいつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 琴音が校舎裏から去ったあと、校舎裏に残された玲奈は俯いていた。

 

 

 

(……なに、今の。なんなのよ……。)

 

 

 

 顔が熱い、心臓がうるさい。頭が混乱している。

 彼女の声が、表情が焼き付いて離れないみたいだった。もうここにはいないのに、ずっとそばにいるみたいに感じとれる。

 

 元々好意を寄せていた好きな男子にだってここまで胸が高鳴ったことはなかった。

 

 

(……明日、謝らないと。それから、……それから、……とにかく、謝ろう。許してもらえなくても……。)

 

 

 

 

 

 




 卒業式に玲奈は琴音に声を掛けて謝罪しました。ただ琴音はなんでこんなに真剣に謝っているんだろうと内心で思いながら適当に許しました。校舎裏の出来事で琴音はスッキリしていたのでもう頭から抜けています。こいつかなりのバカだよ。
 元々琴音からしたら『今の状況ってイジメだよな』という俯瞰した感情で、玲奈からしたら『ずっとイジメていた』という実感を伴ったものでかなり温度差がありました。
 イジメの原因は好きだった男子が琴音いいじゃん派になってたからです。やっぱ琴音が悪いだけだよ。
 謝罪を受け入れる形で終わりましたが、玲奈からしたら全然罪の意識から解放されませんでした。あの日の琴音の顔と声が脳裏から離れず悶々と日々を過ごすことでしょう。

 同じ中学校で頑張ってね。



 この作品を閲覧して下さっている方、お気に入り登録や評価等をして下さっている方本当にありがとうございます。うっきうっきで見てます。拙い文章で申し訳ないのですが、読んで下さってとても嬉しく思っています。
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