アクシスアーク中枢。
無数の機械が沈黙し、崩壊しかけた人工空間の中心で、ただ一つだけ、まだ稼働を続けている存在があった。
星の夢。
その前に立つのは、メタナイト。
ハルトマンワークスカンパニーの全戦力。
ゼインボーグ。
秘書スージー。
そしてハルトマン本人。
すべてを、ただ一振りの剣で斬り伏せ、ここまで辿り着いた。
ギャラクシアを静かに構えたまま、メタナイトは何も語らない。
星の夢の中央コアが、ゆっくりと明滅する。
「アナタガ……アラタナ……ゴシュジン様……デスネ……」
そこで星の夢はメタナイトを新たなご主人様として認め、メタナイトのネガイを勝手に叶える。
それは強い相手と戦いたいというネガイ。
次々とそのネガイを叶えるべく、様々な機械やクローンを生成し転移させ、メタナイトに差し向ける。
メタナイトはそれらを全て撃退したメタナイトを見た星の夢は、更にコンピューターの回転を加速させる。
「サスガゴシュジン様デス。
ではサイゴに…かつてのゴシュジン様にはキンジられてイタ…
「時空テンイプログラム」をアンロックシ、イニシエの時代ノ剣士ヲ、ヨビダシマショウ。
…カレにコノあたりノ星ハホロボされてシマウと 思イマスガ…キットサイゴノタタカイを楽シンデイタダケル ことデショウ。
ソレでは………!
時空テンイプログラム… アンロック…
異空間ロード…
リブート…」
空間が悲鳴をあげた。
裂ける。
捻じれる。
存在しないはずの方向へと折れ曲がる。
星の夢の上部に、アナザーディメンションが開く。
「………3」
「………2」
「………1」
「……………………GO!!」
その中から、ゆっくりと降り立つ影。
白き装甲。
十字の意匠。
天使のような翼。
遥か昔、強すぎるが故に、封印された存在。
銀河最強の戦士。
ギャラクティック・ナイト。
召喚されたギャラクティック・ナイトは、星の夢を見た。
ギャラクティック・ナイトは強引に召喚されたため、星の夢を敵と認識、すぐさま一刀の元、星の夢を破壊する。
爆発。
崩壊。
炎。
崩れ落ちていく星の夢を一瞥もしない。
その視線はすでに、次の敵を捉えていた。
メタナイト。
ランスとギャラクシアがぶつかる。
衝撃は空間を歪ませ、次元境界を揺らす。
銀河最強同士の戦いが、幕を開けた。
▽▽▽
暗い世界。それはずっと進み続けていた。
歪む世界。求めるはただ一つ、「力」のみ。
廻る世界。捨てた。不必要なものは全て。記憶すらも。
修羅となり果てたその存在は、アナザーディメンションの中、異空間ロードを彷徨い続ける。
「……………」
空間が揺れる。響くように衝撃が走る。異次元空間であるアナザーディメンションが不安定になり得る程の衝撃。
それも、その震源となる世界を捉えた。
気配。強者の気配。力を得るための糧となる存在。
それも二つ。異次元を揺るがす程の力。
ゼイン・アナザーはその力の発信源に向けて飛び立っていった。
力を求め、何故求めたかも忘れてしまった修羅が罷り通る。
▽▽▽
やがて。
決着は訪れる。
ギャラクティック・ナイトが崩れ落ちる。
メタナイトが銀河最強であるギャラクティック・ナイトを下した。
これにより完全に決着が着いた…かに思われた。
戦いは終わった。
メタナイトは、静かに剣を下ろす。
その瞬間、背後で星の夢の残骸が妖しく光る。
「ネガイ……」
ノイズ。
「受理……デキ……」
火花。
「ゴシュ……ジ……主……権……■■■……」
回路が暴走する。
「無理ヤリ……接続……■■■■……」
空間が、歪む。
裂ける。
そして開かれる新たなるアナザーディメンション。
「■■■が……■■■■■■■■■■■■■■■■■■……!!?」
だがそれは、星の夢が開いたわけではない。
外側から、無理やりこじ開けられていたのだ。
空間が冷える。
温度ではない。
世界そのものが冷えていく。
そこからずるりとそれは降りてきた。
歪なサイボーグ装甲。
黒い粒子。
崩れた輪郭。
メタナイトにはその姿に見覚えがあった。
アクシスアーク突入時に戦った存在。
だが、似ているようで違う。
根本的な何かが。
顔が上がる。
焦点の合わない瞳。
「守■■■……」
ノイズ。
「力を……」
歪む声。
「……力を……」
装甲が軋む。
背後に黒い円環とマスタークラウンに似た、異質な何か。
手には闇に染まったスターロッドの柄を持つ闇のウルトラソード。
空間が沈む。
「……もっと……」
ゆっくり。
腕が上がる。
空間が裂ける。
メタナイトは、再び剣を構えた。
力だけを求め、世界を渡り、戦い続けた残骸。
ゼイン・アナザー。
異空の修羅が顕現する。